概要
『サイレントメビウス』とは、『月刊コミックコンプ』(角川書店刊)にて1988年から連載された麻宮騎亜による漫画作品のことである。本編は全12巻。
さらにこれの前史で、第0巻にあたるMöbius Klein(メビウスクライン)全1巻と、キャラクター個々のサイドストーリーと最終的な完結を収録したサイレントメビウス・テイルズ(Silent Möbius Tales)全2巻がある。オリジナルシリーズの後世代の話であるサイレントメビウス ネオスが2005年末より連載が開始される予定だったが、作者の入院そして雑誌自体の発刊中止により、執筆は行われていない。
2013年7月、続編新作の「サイレントメビウスQD(クアドリガ)」が2013年8月12日発売の月刊ヤングマガジンにて新連載決定した旨が作者より発表された。
他メディア版
1990年代にPCゲーム化。
1作目は1990年にPC-9801フォーマットが発表されて以降、1991年にFM-TOWNS、X68000に、1998年にプレイステーションへ、2016年にWindows7へと移植された『CASE:TITANIC』。制作はガイナックス。
2作目がWindows95およびMacintosh用に出された『アリス・リデル』。
1991年8月17日には劇場版アニメが公開され、翌年1992年7月18日にも2作目の劇場版アニメが公開された。製作(名義は「制作」)は角川書店(いわゆる角川映画)。2作目からは日本ビクターとパイオニアも製作に参与した。制作(名義は「制作協力」)はAICが担当。総監督・キャラクターデザインは菊池通隆。
さらにTVアニメ化もされ、1998年4月7日から同年9月29日までテレビ東京系にて放送された(いわゆる1998年春アニメにあたる2クールアニメ)。全26話。
製作はテレビ東京、創通エージェンシー、ラディクスエース(RADIX。現在のゼロジー)。RADIXは名義上制作兼務である一方、制作協力としてシャフトが参加している。
監督は『グッドモーニング・アルテア』で菊池通隆と仕事をした事もある殿勝秀樹。シリーズ構成は殿勝と川崎ヒロユキの共同。キャラクターデザインは田中誠輝。
オープニング主題歌は石塚早織の「禁断のパンセ」、エンディング主題歌は前半クールがカレン・モクの「Silently」、後半クールが奥土居美可の「Till the end of time」。
なおTV版を基にPSでのゲーム化もされており、PS版2作目として出された『幻影の堕天使』がそれである。(PS版1作目は前述の通りPC-9801版の移植でアニメの内容は反映されていない)
あらすじ
人口は増加の一途をたどり、環境破壊が進行した近未来のTOKYO。そこでは、人知を越えた不可思議な事件が起きるようになっていた。3rd-AT(サード・アトラクション)と呼ばれ一般人に秘匿されていたそれらの事件は、妖魔(ルシファーホーク)と呼ばれる異世界(ネメシス)の住人たちが引き起こす事件であった。2023年、頻発する妖魔事件に対し、ラリー・シャイアンは Attacked Mystification Police Department(対妖魔用特殊警察、通称AMP)を組織、これに対抗する。