《蜍慕黄謌ヲ髫》
「皆入院シロォォォ!私ガ看病シテヤルゥゥゥ!!」
データ
身長/192cm
体重/230kg
スキン/あつまるアニマル
むかしむかし/切田はたいそう努力して看護師の資格を取ったんだそうな…。
概要
本野格西病院に勤務する看護師・切田風香の「全ての患者を自分で救う」と言う欲望を叶える為に誕生した、動物モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼が、動物のキメラを象った奇怪なブロック彫像のようなスキン・“あつまるアニマル”を身に纏った姿。
大口を開けたサメの口内にワシを咥えたライオンがマトリョーシカの様に飛び出した頭部、トラの頭蓋骨の眼窩辺りからゾウの牙が突き出た胸部で構成され、顔部分からして、野生動物の弱肉強食な食物連鎖を端的に表している様にも見える悪趣味な造形でもある。背面はブロック同士を繋げるのジョイントの様な4つの穴が空いている。
変貌する際に「蜍慕黄謌ヲ髫」(動物戦隊)の文字化けと、動物戦隊ジュウオウジャーのクレストが浮かび上がる。
宿主の欲望を「自らの手で他人を負傷させれば患者にできる」と言う短絡的で曲解した方法で叶えようとし、道行く人々を自分が看病する患者にして病院送りにしようと襲う刺客となり、鬼険棒を振り回しながら追い回してくる。
見た目こそ禍々しく屈強だが、やはり宿主に戦闘経験が乏しい都合から動きは単調、見た目に反して動物に関する能力も持ち合わせていないので、無策に力勝負を挑まない限りはほぼ苦戦しない見かけ倒しである。
活躍
切田が同僚と話していた所に現れたソノザが接触した事で、額に開いた扉の中に動物鬼の影が出現、近い内にヒトツ鬼へ変貌する事を見出された。
そして度重なる過労や「患者を救わなきゃ」と言うプレッシャーをどんどん充満させながらも押し殺し、無理をしてでも患者の治療に尽力し続けた。
だがソノザの予想通り、ヒトツ鬼に憑依されてしまい、仕事での過労と小さいミスの積み重なりにより少しずつ欲望が膨れ上がって心に異常をきたし、遂に彼女の中のストレスが爆発して病院を飛び出した先で完全にヒトツ鬼に変貌(※患者を巻き込むまいとした、宿主の精一杯の抵抗でもあったのだろうか)。人を超えた看病の鬼となって患者を増やすべく欲望を大解放。無理矢理人々を傷付けようと暴れ出す。
「生きとし生ける者は…皆入院シロォォォ!私ガ看病シテヤルゥゥゥッ!!」
そのまま民間人を追い回していたが、その途中で勝負しようとしていたつよしとタロウに遭遇。タロウがドンモモタロウに変身し、正体を知ったつよしは「どちらが先に動物鬼を倒せるか」の勝負を提案しキジブラザーに変身した事で戦闘に。現れたアノーニと共に襲い掛かる。
その後他のドンブラザーズメンバーも合流し、さらに自身に接触して来たソノザも消去に現れた事で、三つ巴の状況にもつれ込む。
キジが対抗する為にパトレン3号にアバターチェンジするも、冷静さを欠いて無闇に突っ込んで来たので難無く投げ飛ばして優位に立ち、患者にしようと殴る蹴るの暴行を加えるも、助けを請うキジに答えたドンモモに飛び掛かられて押し倒される。
そして、最期は起き上がった所を「桃代無敵・アバター乱舞」で滅多斬りにされて敗北・爆散した。
実体化したばかりで欲望がそこまで蓄積されていなかったのかヒトツ鬼ングに変貌せず、ジュウオウジャーギアをドロップし、ドンモモに回収された事でアバタロウギアに変化。そのままドンジュウオウモモタロウアルターへの合体に利用され、ソノザを追い払う事に成功した。
切田風香
本野格西病院に勤務している看護師。雉野みほの担当看護師でもある。
看護に対する熱意は誰にも負けず、大層努力して看護師の資格を取得したがそれが仇となって動物鬼と化してしまった。
看護師としての熱意は本物の半面、仕事の要領はそこまで良くないらしく勤務の疲労も相まってミスを連発、熱意が空回りして欲望が加速度的に募ってしまった面もある様子。
ドンブラザーズに助けられた後も、看護師として引き続き働いている様で、欲望が解消された事である程度の心の余裕が出来た事も窺える。
余談
- 変貌した切田風香は風切大和、切田が働いている「本野格西病院」は本能覚醒、上司である看護長の「森真理子」は森真理夫、同僚の看護師である「瀬良美希」はセラと演者の柳美稀、と言った具合にジュウオウジャーに纏わる名前となっている。
- モデルとして使われた戦隊は動物戦隊ジュウオウジャー。スキン名も考えるとEDの要素を取り入れているとも考えられる。
- 外装はジュウオウジャーのタイトルロゴの彫刻を意識した様な意匠になっており、石=鉱物で構成されている要素からデスガリアンの幹部の要素も込められている。更にブロック石像の分割線と食物連鎖を悪趣味に表現した様な点から、「皆で生きる為群れて戦う原生生物の戦隊」だったジュウオウジャーを皮肉る、「生気を失い朽ち果て掛けている弱肉強食を表したオブジェ」と言う外見テーマも持たされている様子。分割線はジューマンのシンボルである「キューブ」の要素とも思われる。
- もっと言うなら、上述した真理夫が動物彫刻の芸術家であるのを意識したデザインとも取れる。そしてこの真理夫は、「ジュウオウヒューマン」の名でピンクヒーローのコスプレをした事がある。
- 「完全読本」によると、「ジューランドに食物連鎖の概念はないのか?」と言う篠原保氏が当時抱いていた疑問を組み込んだデザインにしている。また、本当の細かいキューブにすると造形が難航する為、格子状のグリッドだけに留まらせている。
- ボディは後にドン35話に登場する超獣鬼のものにリペイントされた。
- 同話で自己嫌悪の拗れた一面を見せたつよしだったが、『ジュウオウジャー』においては同じく自己嫌悪の拗れたデスガリアンの首領・ジニスと追加戦士・門藤操/ジュウオウザワールドが登場(後者はスーツアクターもキジブラザーと一致する)し、動物鬼の上半身が生物の集合体を表した点が何処かこの両者も思わせる。
- pixivでは動物鬼ングがオリジナル怪人として投稿されている。
関連タグ
マッチポンプ:ある意味では該当しているかも
太陽鬼、超獣鬼、鳥人鬼、星獣鬼、百獣鬼:歴代動物スーパー戦隊モチーフのヒトツ鬼。
快盗鬼、警察鬼、機界鬼:原典のメインライター繋がりのヒトツ鬼。
烈車鬼:女性が変貌したヒトツ鬼の前例。
ガニマ・ノシアガルダ:同モチーフの戦隊怪人。但しこちらはジュウオウジャーがモチーフに使った動物を、やや捻った形で取り入れている。
ドーラキマイラ、キマイラオルグ、合体冥獣人キマイラ、幻獣キメラ拳スウグ:歴代のキマイラモチーフの戦隊怪人。
オルフェノク:脚本家と同じ作品で登場する全身グレーの体色のライダー怪人。ジュウオウジャーのモチーフと共通する一部の個体か登場する。
シャムネコヤミー:こちらは全ての患者を救いたいと言う欲望から生み出されたライダー怪人。
アナザーエグゼイド:医療に関与したヒーローが悪の姿にゆがめられた姿と言う点で似ているものを持つ。
鈴原サクラ:対象が複数か個人かの違いはあれど、似た様な事をしていた人。
シートン動物記:同じく読みが「どうぶつき」。
アナザーゴースト:ジュウオウジャーと同期のヒーローを歪めたアナザーヒーロー。元ネタの作品に出演した工藤美桜女史は2年前の戦隊で女医を演じている。