《雜?坤謌ヲ髫》
「青春とはなんだ?青春とはなんだ?青春とはナンダァッ!?青春トハナンナンダァーッ!!」
「誰か、俺ニ青春ヲ教エテクレ~ッ!」
データ
身長/190cm
体重/230kg
スキン/生命アカデミア
むかしむかし/男はずっと勉強ばかりで青春を知らずに育ったそうな…。
概要
冴えない男の「青春を教えてくれ」という欲望を叶える為に誕生した、超獣モデルのヒトツ鬼。
シソツ鬼が、様々な動物の部位を合体させたようなスキン・“生命アカデミア”を身に纏った姿。赤いハヤブサやサイに見える頭部にイルカのヒレを模した両肩、ライオンの頭骨の眼窩からバイソンの物らしき角が飛び出した様な形状の胴体を持つ。その外見は、まとまったシルエットながらカオスな風体を有する。
また黒い頭頂部は黄色い角のような部位も相まって、まるで学帽を被っているように見える。
変貌時には「雜?坤謌ヲ髫」(超獣戦隊)の文字化けと超獣戦隊ライブマンのクレストが浮かび上がる。
掌から出す緑の光線で建造物をワイヤーフレーム化して消滅させる能力「青春爆発ファイヤー」を駆使する他、戦闘では若さをぶつける特殊な波動「青春スロー」を放ち、花…鳥…人間…それぞれどんな生き物の動きも低倍速モーションにすることが可能。これを浴びた者は精神を強制的に青春の陽気に浮かれた状態にされてしまい、物理的に動きが遅くなるのに加えて危機回避の意思が削がれ無防備となってしまう。そしてその隙に周りへ散らばった光が一斉に爆発を引き起こす、回避が困難な技である。
逆に青春スローを突破されれば、宿主に戦闘経験が無いのも相まってすぐに劣勢へ追い込まれてしまう程度の実力しか無い。
ちなみに攻撃時のSEはライブマンがジャンプする際の効果音である。
活躍
勉強漬けの日常ゆえに青春が送れず「青春とは何か?」と自問問答を続ける青年。青春を求めてあちこち回ってみても理解できず、キラリ輝くライフを送る人々にどんどん問い詰めても萎縮して教えてくれず、とうとう欲望が暴走して超獣鬼へと変貌。人を超えた青春の鬼となった。
翌日、ひとまずは落ち着きを取り戻せたのか元に戻り、今度はシロクマ宅配便に押しかけて、配達の準備していたタロウに「青春」を教えて欲しいと請うてみるが、「そんな言葉に興味は無い。するべき事をしていれば無駄に頭を使う必要もないと思うが?」とあしらわれてしまう。すると「青春」知りたさに落ち着いた感情が昂ったことで超獣鬼に再変貌、「青春爆発ファイヤー」でビル街を破壊し始める。
この事態を受けて体調不良のジロウを除くドンブラザーズが招集(ただしキジは収監中の招集、イヌは姿を消した夏美を探している途中でどちらも気が気でない)超獣鬼を討伐せんと向かっていくが、超獣鬼は青春スローを発動。
真一「ゆっくりになったぁ〜!?」
はるか「何この感じ!?青春真っ只中みたい!」
まるで青春を送っているように気分が高揚したと思ったら、謎の爆発が発生しドンブラザーズの面々はまともに近づくこともままらない。
するとタロウ/ドンモモタロウはトッキュウジャーギアとゴールドンモモタロウの合わせ技で金のマントをまとったトッキュウ1号へとチェンジ。
そんな相手を見て「マバユスギル〜ッ!」と悶絶しつつも超獣鬼は青春スローを発動。しかし、ゴールドンモモタロウに通用せずに瞬く間に接近を許し、「お前の姑息な技は通用しない!」と一喝からの猛攻を叩き込まれ、怯んだ隙に桃型バリアで拘束。
「青春ノ暗闇…?出セ!出シテクレ!」と混乱している間に「抱腹絶桃・フェスティバル縁弩」を食らい、「青春ガァァ〜……気持チイイ…♡」と極楽気分に浸りつつ爆散した。
しかしすぐさま欲望が暴走したことで超獣鬼ングへと変貌してしまい、ドンブラザーズはゴールドンオニタイジンとなって迎え撃つ。
事件後、改めて夏美を探す翼だったが、見つけ出した彼女はアノーニを捕食し獣の如く狭山と争うまさに人ならざる者『獣人』だった。ショックを受けながらも割って入る犬塚だったが、狭山がアノーニを取り込む際に腹部に作った穴から獣人らの異世界へと吸い込まれてしまう。
そこでオリジナルの夏美他囚われた人々を発見するも翼も囚われ、自身のコピーを作られ、姿を成り代わられてしまう……。
冴えない男
ずっと勉強ばかりで青春を知らずに育った結果、青春コンプレックスに陥った男。理系らしく思考する事で答えを得ようとするも上手くいかず、思い詰めて超獣鬼を引き寄せた。
ドンブラザーズに倒されて解放された後は、ヒトツ鬼として暴れていた感覚も相まって自分なりに答えを悟ったらしく、綺麗な夕日に向かいエネルギッシュな表情で明日に向かって全力疾走するのだった。
余談
- モデルとして使われた戦隊は『超獣戦隊ライブマン』。スキンの生命アカデミアはおそらくライブマンの母校科学アカデミアと思われ 青春スローはライブマンの固有武器『ドルフィンアロー』、低倍速モーションは等身大戦の必殺武器『バイモーションバスター』と考えられる。
- シソツ鬼ベースの理由として3人編成だったが途中から5人編成となった追加戦士ブラックバイソンとグリーンサイあるいはこの2人の候補生となったが敵により命を落とした矢野卓二と相川麻理と考えられる。
- スーツは手裏剣鬼の頭部と動物鬼の体を合体させリペイントした物。
- この内、動物鬼とはジュウオウジャーの初期メンバー3人の内赤、青、黄色のモチーフの生態(青はそれぞれ哺乳類と魚類とで異なるが)並びに性別の構成、レギュラーキャストの1人が同じ、外伝作品含めレッドファルコン役の嶋大輔氏が出演した(こちらは手裏剣鬼のモチーフであるニンニンジャーにも当てはまる)という共通点もある。また胴体に刻まれた賽の目のモールドはライブマンの変身バンクで使われたワイヤーフレーム演出を彷彿とさせている。
- 「青春爆発ファイアー」で消去したビルのエフェクトもワイヤーフレーム演出を発している。
- 一方、頭部は手裏剣鬼の独特なモールドをハヤブサ風の顔に見える様処理しているが、ニンニンジャーも客演回でハヤブサモチーフの先輩忍者レッドたるハリケンレッドと共演している。しかもドン35話放送前日でハリケンジャーの新作Vシネクストが発表されるタイムリーなネタもあった。
- 「悪魔に魂を売った友と対峙する道を選び、その身に秘めた熱い青春を爆発させて戦い続けた」ライブマンに対して、この超獣鬼は「勉強漬けで熱い青春を知らぬまま学校生活を過ごしていた」存在である。また、超獣鬼の頭が学帽にも見える為、見方によっては「青春を知らないが故に青春を求める羽目になり、『真の意味で』卒業していない落第生」ともいえよう。
- 今回はゴールドンモモタロウがアバターチェンジを披露し、トッキュウ1号になったが、ライブマンと対峙した敵組織の首領が強引に若返った経緯とトッキュウジャーの正体(ネタバレ注意)と照らし合わせるとなかなか皮肉の効いた展開だったといえる。
- また、トッキュウジャーのギアをドロップした烈車鬼は若く見られたいという欲を持った人間に憑依し、宿主を若返らせていた。
- 冴えない男が持っていた本のタイトルにもなっている「バリオン非対称性」とは、観測できる宇宙で観測されたバリオンと反バリオンの不均衡のこと。
- pixivでは登場以前にオリジナル怪人として超獣鬼が投稿されていた。
関連タグ
太陽鬼、鳥人鬼、星獣鬼、百獣鬼、特命鬼、動物鬼:動物スーパー戦隊モチーフのヒトツ鬼の前例。
騎士竜鬼:年号最後の戦隊モデルのヒトツ鬼。
烈車鬼:モチーフとなった戦隊の悪の組織の首領と同じように自分が永遠の若さを我が物にする為に若者を収集していたヒトツ鬼。
冥獣ファンガス、カタツムリワルド:動きを遅くさせる事ができる戦隊怪人の前例。
ドクター・ケンプ、ドクター・マゼンダ、ドクター・オブラー:原点にて青春を間違えて悪となった連中。
バリゾーグ、ザイエン:11年前のライブマンのレジェンド回で判明した敵幹部に改造された友人とその張本人。後者に至って元ネタの敵首領の中の人が演じている。
ライモン・ガオルファング:原典の変身アイテムをモチーフとしたアイテムを使用するライオンモチーフの怪人。