「お前はお情けで入れてもらったのだ!」(第21話)
「真の弟子ならば心から愛し、尊敬するお方のためには全てを投げ出せる筈」(第48話)
演:広瀬匠
概要
武装頭脳軍ボルトの幹部、ドクター達の筆頭格。
本名は月形剣史。元は後のライブマンである天宮勇介達と同じく科学アカデミアの生徒であったが、自分達はもっと高次元の研究をすべきだと主張してアカデミアの教育方針に反発していた所、優れた科学者を求める大教授ビアス率いるボルトの誘いに乗ってボルトに加入した。
人物
確かにアカデミアおいては極めて優秀な人物であったものの、自身の才能に自惚れたナルシストで、さらに目的のためならいかなる犠牲も手段も厭わない極めて利己的な性格の持ち主。ボルトに加入する際に勇介達の学友だった矢野卓二と相川麻理を容赦なく殺害している。
ただし、アカデミアの生徒時代に病気の女性のために遺伝子改良した新種の枯れない薔薇「ケンジローズ」を作って送ったエピソードがあるように、利他的な優しさは持っていたのだが、過剰なプライドがその優しさを呑み込み、失われてしまった。
その強過ぎるエリート意識とは裏腹に精神的に脆い所もあるが、自身の才能を認めてくれる者に対しての忠誠心は絶対的で、自分を取り立ててくれたビアスには心酔しており、最終的に自らの千点頭脳を、自身から献上する等、下克上等反逆的な考えを持つ事は無かったが、最終回に、ブルードルフィン(岬めぐみ)のビアスに放った説得を聞くうちに、昔に戻りやり直したいという後悔の念が生まれ、これまでビアスが集めていた他の11個の千点頭脳と共に反乱を起こし、ビアスを元の老人の姿に戻した後に自爆した。
その後、復興した科学アカデミア近辺に設けられた、かつて自分が手にかけた卓二と麻里の墓の隣に、彼はドクター・マゼンダと共に埋葬されることになるが、それはまた別の話……。
能力など
機械を信奉するドクター・マゼンダ、バイオテクノロジーに優れたドクター・オブラー、電脳テクノロジーに能力を発揮したドクター・アシュラと比べると突出した得意分野はないが、その分何でもできる万能型である。生命改造では上記の様に「ケンジローズ」を作り出すことに成功しており、素材工学では宿題を出された5人の中で最も早くギガゾメタルを開発している。
他の幹部達(特に最も格下であるチブチ星人ブッチー)からも格上の存在と見なされ羨望されていた。
変身
自らの体を改造しており、美しい蒼い体毛で覆われた獣人のような美獣ケンプに変身する能力を持つ。
中盤では美しさを捨て戦闘能力に特化した、怪物型の恐獣ケンプへと強化改造する(美獣ケンプの着ぐるみが酷使されて劣化したという大人の事情はこの際伏せる)が、その姿はカブキロックスの氏神一番のような代物になってしまった。
能力は美獣ケンプ時は「ビューティフルアイ」やら「ビューティフルレインボー」といった美しさを全面に推した技を使うが、恐獣ケンプ時には烏賊の化身で「ケンプデーモンフレア」や「ケンプテンタクルス」などより攻撃力の高いおぞましい攻撃を駆使するようになる。
後に自身の頭脳を千点頭脳として摘出されると、その抜け殻となった身体は恐獣ヅノーへと変貌している。
余談
『研究』『開発』としてなら間違いなく天才であるケンプだが『注意力』とかそっち方面ではいわゆる『アホの子』な所があり、本編中でも以下のようなミスをしてしまっている。
- 自分が作った『怒りの感情に反応して、その相手から怒りのエネルギーを吸収する』という特徴を持つ頭脳獣であるイカリヅノーと一緒に戦っておきながらライブマンの挑発に引っかかって怒ってしまい、イカリヅノーに怒りのエネルギーを吸収されてしまう。しかも二度も
- ケンヅノーがレッドファルコンを圧倒した際に調子に乗ったのが理由なのか、冥土の土産と言わんばかりにボルトの極秘計画である『ギガ計画』のことを口走ってしまい、レッドファルコンに「ギガ計画? なんだそれは!」と聞かれた際には「誰にも分らぬ」とドヤ顔で素直に正直に答えてしまっている。
- この手のシチュ及びケンプの性格ならレッドファルコンに聞かれても「これから死ぬ貴様には知る必要のない事だ」とか「それを俺が馬鹿正直に話すと思うのか?」のようなセリフを言いそうなものだが……
広瀬氏が声優に転向した後に出演した『勇者指令ダグオン』のスピンオフCDドラマに、広瀬氏が演じる剣星人ライアンに対して試験官役の中田譲治氏が1000点満点を取った事を告げるという、ケンプが千点頭脳になって脳を捧げるシーンのパロディがある。
関連イラスト
関連タグ
武装頭脳軍ボルト 月形剣史 変身 悪の幹部 キザ ナルシスト 狂信者
ケンプに関連したスーパー戦隊のキャラクター
レー・ワンダ:『超新星フラッシュマン』に登場する改造実験帝国メスの幹部。広瀬和久氏(広瀬匠氏の旧芸名)が演じており、美獣ケンプ同様に顔が出る。
トランザ:『鳥人戦隊ジェットマン』に登場するバイラムの幹部。レー・ワンダやケンプと同じく広瀬匠氏が演じており、キザやナルシスト寄りの性格。本編で全裸になるシーンがある。そして視聴者がトラウマになる程の残酷な末路を迎えてしまった。という共通点がある。
魔導神官メーミィ、ガルザ(キラメイジャー):どちらもケンプと同じく『元々はスーパー戦隊側の勢力に属していたが後に私利私欲で裏切り、悪の勢力の幹部になった』という共通点を持つ。しかし後者は……