「見たか?全てに美しく、華麗な美獣ケンプの技!」(第7話)
演:広瀬匠
概要
武装頭脳軍ボルトの幹部である、ドクター・ケンプの戦闘形態の一つ。
自らの身体に生体的な改造を施し、「強さと美しさを兼ね備えた」と自ら豪語する、ケンプが大教授ビアスの元で培った科学力の結晶ともいうべき姿である。同様に獣人としての姿を持つドクター・オブラーとは異なり、任意で姿を切り替えることもできるようになっている(※1)。
その出で立ちも、額から生える一本角と翼の如き鬣とを持つ頭部、大きく広げた掌のような形状の両肩、胸に備わった一つ目、そして全身を染め上げる鮮やかな青を基調とした体色と、通常時と比べて全体的に派手さと彼なりの美的センスが強調されたものとなっているのが特徴である。
前述の通り、単に美しさのみを追求している訳ではなく、攻撃の面でもウインクと共に繰り出す衝撃波の「ビューティフルアイ」や、虹を発生させ(※2)そこから放つ七色の破壊光線「ビューティフルレインボー」と、攻撃手段も華麗にして強力そのもの。物語中盤からは自らの開発したギガゾメタル製の剣も駆使するなど、遠近の両面においても隙のない実力を発揮する。
このように、ケンプにとっては自慢の姿ともいうべき形態であり、物語序盤から中盤にかけて度々ライブマンを苦しめた美獣ケンプであるが、物語も後半に入ると自らと同型の血液による強化を模索したり、かつては自らが圧倒的優位を示していたレッドファルコンとの直接対決においても逆に劣勢に立たされたりと、彼等との戦いが長期化するにつれて力不足とも取れる面を露呈していくようになる。
こうした様々な要因に加え、中間成績発表において最下位に甘んじるという屈辱を味わったことも重なり、ケンプはそれまでの「強さと美しさの両立」という基本路線を捨て、純粋な強さを追求すべくさらなる自己改造に踏み切ることとなるのである・・・。
(※1 とはいえ、ウイルスを利用した自己改造で完全な獣人へと転じたオブラーからは、「愚かな人間を否定する者が、人間の姿を残すなんて恥ずかしいと思わんのかね?」と、その”中途半端さ”を嘲られてもいる)
(※2 この虹は、ケンプの足場としても活用することが可能となっており、実際にギガボルトの元へ急ぐライブマンの前に、虹の上に立った状態で待ち受けていたこともある)
備考
デザインは荻原直樹が担当。通常時の衣服が破れて、そこに肉体が覆い被さっていくというイメージの元に描き起こされたもので、特徴の一つである鮮やかな青については、前作『光戦隊マスクマン』にて自身が手掛けたデビルドグラーで用いられた青の発色がすごく良かったことから、それよりも綺麗な色をとの旨の添え書きもデザイン画稿に残されている。