「前代未聞の力を手に入れた俺様は、いよいよ無敵!残すはこの世界の覇権のみだ!」
データ
身長/199cm
体重/219kg
犯罪歴/騎士竜拉致監禁
犯罪技/ガニミマムショック
ルパンコレクション/未所有
概要
かつて、ルパンレンジャーとパトレンジャーに滅ぼされた異世界犯罪者集団ギャングラーの残党である、強化移植手術タイプのギャングラー怪人。
赤いカプセルに身を包んだゴリラの様な胴体を中心に、紫色の鋭い棘を生やした白い毛むくじゃらのトラの様な右腕、投げ輪の装飾がある玉乗りしたアシカを模したレザー生地調の黄色い左腕、ゾウの顔の様な緑色の機械の右脚、キャビアを抱えた青黒いチョウザメの様な左脚と、様々な生物の要素を継ぎ接ぎにして形作られたキメラの様な容姿をしている。
この姿はゴーシュ・ル・メドゥによって実験台にされて彼女の身体手術を受けた為であり、その影響で胸部に3つ、背中に2つと合計5つの金庫を持ち、同じくゴーシュが関与している実験体と同じ『ステイタス・クインティプル』になった。
しかし、現在はゴーシュによって人里離れた洞窟の中の牢獄で拘束されており、一向に出られない状況や自身を実験台にしたゴーシュに対しての怒りを募らせており、彼を見つけたクレオンにそのマイナス感情から目を付けられグリフォンマイナソーを生み出されたが、異世界人であると同時に人間よりも遥かに長い年月を生きる事が可能な為か、はたまた自由を尊ぶ気質のギャングラーな為か、マイナソーを生んだ後も体力の消耗は無くピンピンしている。
武器はキューブが重なった形状の槍・窮武槍『ノシアガランス』で、これを用いた刺突や高火力の光弾、紫色の斬撃を繰り出して攻撃する。
幽閉されていた為にルパンコレクションは所持していないが恐らくクレオンの情報を元に、生命体を収納できる程小さくする犯罪技『ガニミマムショック』を用いて捕獲した騎士竜を閉じ込めており、それぞれ右胸にはディメボルケーノ、左胸にはパキガルー&チビガルー、背中の金庫左側にはモサレックス、右側にはピーたん(プテラードン)を閉じ込めている。
各金庫を光らせる事で、その騎士竜の能力を使用することが出来、ガニマ本人も「ゴーシュの実験体になって金庫を増やしてよかったぜ!何年も放置されたのはチャラだ!」と金庫の事だけは感謝を述べている。
更に、胸部の真ん中の金庫に閉じ込めたティラミーゴの力で生命エネルギーが高められた事で、ゴールド金庫を5つ持つ『ステイタス・クインティプル・ゴールド』にグレードアップした。
ダイヤルファイターを2つ取り付けないと解錠出来ないと言う幹部クラスのギャングラーに付いているゴールド金庫の特性を受け継いでおり、その結果、5つの金庫にそれぞれ2つのダイヤルファイターを同時に取り付けないと解錠できないと言う『クインティプル』と『ゴールド』の金庫の特色を掛け合わせた厄介な特性を獲得しており、上記の圧倒的な戦闘力に加え精神面でも戦隊達を苦しめた強敵。
ただ、グレードアップによって戦隊側の対抗策を一度は失わせる事に成功するも、ギャングラー怪人にありがちな「コレクションを奪われたら弱体化する」欠点は残っており、騎士竜を奪われると元の『ステイタス・クインティプル』へ弱体化してしまう。金庫の暗証番号は音声が無かった為不明。
上記の騎士竜の力を手に入れた事で、自らを「新生ギャングラー」のボスと豪語する程の自信家で、ギャングラー側に寝返ったクレオンと結託して世界の覇権を手に入れ、人間界を牛耳ろうと目論む。
復活早々に破壊活動に乗り出す等ギャングラーらしい荒くれ者だが、自身の配下となったクレオンやグリフォンマイナソーを有効活用しルパンレンジャーを分散させ金庫の開錠の時間稼ぎを成功させたり、捕らえた騎士竜を自身の能力としてだけでなく人質としても利用する等柔軟性や知略に富んだ側面もある。
活躍
ドルイドン族の幹部陣に見つからない自分だけの隠れ家としての洞窟を見つけたクレオンが、偶然にも幽閉されたガニマを発見。
クレオンの姿を見て「あの女(=ゴーシュ)は何処だ」と聞いても部外者たるクレオンが答えられる筈もなく、一向に出られない状況に怒りを募らせる。その様に目をつけたクレオンによって牢から解き放たれ、同時にマイナソー生成処置も施された。
晴れてシャバに舞い戻ったガニマは空の金庫の中にルパンコレクションの代わりに騎士竜を次々と捕獲しては縮小化して金庫の中へと収め、最後の胸部の真ん中の金庫にコウと仲違いしたティラミーゴを捕獲して金庫の中へ閉じ込める事に成功した。
すると、ティラミーゴの叫び声を聞いて駆けつけてきたコウらリュウソウジャーやノエルと交戦開始。
向かってくる相手に右胸の金庫のディメボルケーノの火炎や、左胸の金庫のパキガルーより得た怪力でリュウソウジャーを退け、騎士竜の力を手に入れた事で新生ギャングラーのボスになると高らかに宣言。ギャングラーに寝返ったクレオンと共にその場を後にする。
その後、先程の戦いの最中にノエルによって金庫の解錠方法を特定されたので、クレオンとグリフォンマイナソーにルパンレンジャーの持つダイヤルファイターの強奪命令を下し、自身は街へと赴いて背中の左側の金庫のモサレックスの能力である電気を浴びた水流弾を放って破壊活動を始めるが、そこに駆けつけたリュウソウジャーとパトレンジャーと交戦。
ノシアガランスから繰り出される攻撃を食らわし、一斉に攻撃を仕掛けたリュウソウジャーを背中の右側の金庫のプテラードンの力で氷漬けにして動きを封じ、圧倒した。
ここでコウ/リュウソウレッドはマックスリュウソウレッドに変身し、ガニマを倒してから騎士竜達を救おうと「エバーラスティングクロー」を放とうするも、ビルの屋上で様子を見ていたノエルが騎士竜が巻き添えにされる事を危惧しパトレンエックスへとチェンジし、エバーラスティングクローをその身に受けたので、自らは受けずに済み、倒れこんだノエルを吹き飛ばす。
更に、胸部の真ん中の金庫に収めたティラミーゴの力で『ステイタス・クインティプル・ゴールド』へとグレードアップし、先程までとは比べ物にならない力でリュウソウジャー達を圧倒。
この力を手に入れた以上、自身は無敵だと豪語した上で、「明日は地球を半分にしてやる!」と言って異世界へと逃走していった。
ゴールド金庫に変化した為ダイヤルファイターを2個同時に使用しなければならなくなり、しかもガニマの金庫の個数に対して戦隊側のダイヤルファイターが足りず(※レッド・ブルー・イエロー・サイクロン・シザー・マジック・ビクトリーストライカーにエックスの解錠バックルを加えても足りない。シザーからはブレードを分割出来るが、それでもあと一機必要となる)、新しく作ろうにも何ヶ月もの時間を費やす必要があり、明日までに間に合わない。
バンバのみならずメルトも、苦渋の決断で「騎士竜ごとガニマを倒す」しかないという結論に至って戦隊達は絶望、危機的状況に追い込まれてしまうが、ノエルはとある方法を思いつき…。
そして翌日、クレオンとグリフォンマイナソーを連れて早速、地球を壊滅させようとするも、何とか気を取り戻したリュウソウジャーの6人が駆けつけ、リュウソウジャーは必殺技の同時攻撃を放って自身を討伐しようとする。
しかし、ガニマに閉じ込められた騎士竜達の事を思った事で気持ちが揺らいで攻撃を中断。ガニマはその隙を突いてノシアガランスから光弾を容赦無く放ってリュウソウジャーを変身解除に追い込む。
しかし、この世界を守る事も騎士竜を救う事も絶対に成し遂げると諦めずにリュウソウジャー達が立ち上がり、彼らの覚悟を理解したルパンレンジャー&ノエル、ガニマを倒す為に一時休戦を決めたパトレンジャーが自身を倒す為に駆けつけ全員がそれぞれチェンジ、計13人の戦士が揃い踏みする場面を目撃。
これを見て、「やれるものならやってみろ!」と挑発してポーダマンとドルン兵を仕向けるも蹴散らされてしまい、「奪うのはもはや面倒。貴様らも街も、全て破壊してやる!」と戦隊ごとダイヤルファイターを破壊してやろうと自ら戦隊に襲い掛かる。
ゴールド金庫にパワーアップした凄まじい戦闘力を惜しげもなく見せつけ、ディメボルケーノの火炎を浴びせようとするも、ルパンレッドより譲渡されたトリガーマシンスプラッシュを使用、スプラッシュバスターを装備したパトレン1号の攻撃ですぐに鎮火されてしまう。
それでも金庫を開けられない戦隊達に無駄だと言い放つも、咄嗟にLエックスがレッド、リュウソウブルー、リュウソウピンクに、前日の夜にアルセーヌがかつて海のリュウソウ族の友人と交換で手に入れた「はじまりのリュウソウル」に快盗のエネルギーを注入して作った、新たなリュウソウル・ルパンソウルを渡し、それを使った3人はルパンレンジャーの姿へと変化。
そしてルパンソウルの力でレッド・ブルー・イエローダイヤルファイターが一つずつ生成されていたので、ダイヤルファイターの個数不足を解決されてしまっていた。これを見たガニマは解錠させまいと襲い掛かるがルパンレッドのキックを喰らってノシアガランスを手放してしまい、その隙にパトレンジャーや残りのリュウソウジャーから羽交い絞めにされた所を全ての金庫にダイヤルファイターを当てられて解錠、騎士竜達は解放されて自身は大幅に戦闘力が低下してしまう。
グリフォンマイナソーと纏められて自身が追い込まれた事に困惑するが、最期は3大スーパー戦隊の合体技『イチゲキソウルストライク』をグリフォンマイナソー諸共食らい、「地球のトップにのし上がりたかったぁぁぁ〜!」と果たせなかった願望を叫んで爆散、金庫も跡形もなく粉砕された。
デザイン
デザインを担当した久正人氏によると『ステイタス・クインティプル』である事は決まっていたが実験体とは違うデザインにしてもらいたいというオファーを受けて5体のギャングラー怪人を継ぎ接ぎにした姿のギャングラー怪人にしようとした所、「VS」作品を一回しかやった事がなく、ギャングラーのモチーフと同じ「動物」の戦隊を裏モチーフに取り入れる事にしたと言う。そして、このデザインに落とし込む事で、その戦隊の「VS」作品1回分を取り返す事を考えた。
その戦隊のモチーフの動物の中でサメとライオンのモチーフのギャングラー怪人は既に存在しているので捻りを加えてサメ要素はチョウザメ、ライオン要素は英語でシー“ライオン”と読むアシカに変更。ただ、アシカを模した左肩を見てみると首部分がライオンの鬣の様な造形になっている。
グリフォンマイナソーとモチーフが被るを回避するために赤い部分はその作品のレッドの形態の1つであるゴリラに変更されている(久氏によると「クジラでも良かった」との事。ただし古代に書かれた想像図でのクジラはアシカに似た姿だったので、左肩にモチーフを集約されているとも取れる)。
色や要素といい共通している所が多く、まさに1人動物戦隊というべきデザインであり、武器の窮武槍ノシアガランスの形状がキューブなのも頷けられる。
偶然にもグリフォンマイナソーのモチーフのグリフォンは、鷲とライオンの要素を持つ怪物なのでガニマに無いモチーフの補完が出来ており、擬似的に4大戦隊の対決が実現する事になった。
因みに、モチーフの戦隊の追加戦士は、前作の「VS」シリーズに出演済み。
体の一部という形ではあるが、アシカとチョウザメのモチーフの怪人は初となる。
ギャングラー共通の骨の意匠は顔。脳が露出したゴリラの頭蓋骨がシリンダーの中に浮いているイメージらしい。
余談
前述の通り、ゴーシュは既に亡くなっており(巨大化に使うルパンコレクションもとうに奪われている上、そもそも金庫が砕けているのでどの道無理と思われるが)、グリフォンマイナソーも宿主(ガニマ)とほぼ同時に爆死した為、本作では巨大戦が行われていない。
ただそれを逆手に取り、リュウソウジャー側の巨大戦力である騎士竜が人質として捕らわれる劇中の構成も成立している。
また、ガニマの存在は、人体実験絡みの犯罪歴を持ったゴーシュの余罪にしてその原点とも推測される。ガニマが金庫を増設された後で幽閉された経緯と時期を考慮すれば、元々ギャングラー怪人へ新たな金庫の増設を行うのは容易な物(※ルパパト本編終盤、ザミーゴ・デルマの依頼を受けたゴーシュがザミーゴの身体へ新たな金庫を増設する手術を難無く行っている)かガニマを実験台として、ゴーシュがその技術を確立させた可能性が出て来る。
だが、自我を持ち、揃いも揃って身勝手なギャングラー怪人が金庫を移植してくれたゴーシュに従う可能性はほぼ有り得ない(ガニマが幽閉された原因の一つもそれだろう)。そこからゴーシュが考え付いたのが、複数の金庫を持ちながら自我が希薄で自身の命令に従ってくれる『人造ギャングラー怪人』を造る発想だったのだろう。
そしてそれを実現するべく『自我が希薄な状態でルパンコレクションの力を利用する方法』を確立すべく製造されたのが改造ポーダマンであり、それを踏み台として完成したのが実験体だったとの推測が出来る。
名前の由来は「Γ(ガンマ、ギリシャ文字の1つ、大文字では記号論理学にて論理式における『集合』を意味する)」と「(実験体から組織のボスに)のし上がる」と思われる。
また、「合体したアニマル」あるいはアルセーヌ・ルパンのライバルの警部「ジュスタン・ガニマール」の名前も取り入れているという声も。
声を演じる大塚氏はバラリベンジャー、冥府神ダゴン等を演じた戦隊怪人の常連の1人。
近年は『宇宙戦隊キュウレンジャー』のチャンプ/オウシブラックの声を演じており、ルパパトとも共演している。
またパキガルー役のM・A・O氏もキュウレンジャーでラプター283/ワシピンクの声を演じており、大塚氏と共にVSシリーズへ3年連続の出演となった。
今作で登場したルパンコレクション『時を共に過ごそう~Vieillis avec moi~』のモチーフは『海賊戦隊ゴーカイジャー』のゴーカイトレジャーボックス。リュウソウルがレンジャーキーと共通点の多いアイテム(※ワンタッチギミックで人型に変形する、関智一が音声アナウンスを担当)である事に因んだチョイスと思われ、実際劇中ではレンジャーキーとほぼ同一の能力を持ったルパンソウルが登場した。
元ネタとなった洋楽はジョン・レノンのグロー・オールド・ウィズ・ミー(Grow Old With Me)と思われる。
スーパーヒーロー戦記ではアスモデウス配下の怪人として登場したが、何故か頭部のカプセルが外されている。
関連タグ
リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー 異世界犯罪者集団ギャングラー
ドグラニオ・ヤーブン:ギャングラーのボスだが、金庫内のルパンコレクションを快盗に全て回収され、 自身は警察に逮捕されて死ぬまで勾留されると言う、かつてガニマが辿った境遇と似た顛末を迎えている。金庫内に残った快盗を人質として、警察が自身へ止めを刺すのを躊躇わせたのも類似する。
ダラダラ、バラキング、キラーゴースト、ダークバスター、デーボ・ブレイブスキー、アバレンゲッコー:戦隊自体をモチーフにした戦隊怪人。但し、いずれも元ネタの戦隊を歪めた外見で、『元ネタの戦隊が採用したモチーフを再構築』したガニマとはデザインのアプローチが異なる。
ネガティブシンジケート:『轟轟戦隊ボウケンジャー』の敵役で、こちらは戦隊ロボをデザインモチーフにしている。因みにガニマの場合はこの戦隊ロボの要素も入っているとの解釈が可能。
キマイラオルグ:『百獣戦隊ガオレンジャー』に登場したオルグ魔人。ガニマと同じく、複数の動物を掛け合わせたキメラじみた姿を持ち、戦隊側の戦力の力を自分の能力として使用できる。
合身銀河闘士:『地球戦隊ファイブマン』の敵組織・銀帝軍ゾーンの怪人。別々の怪人をそのまま継ぎ接ぎにして一体化させた姿を持つ。
アナザーライダー:ガニマのデザインコンセプトを考えると、近い物がある。
動物鬼:6年後に登場したジュウオウジャーモチーフの戦隊怪人の後輩格。
ゲルドリング:透明なカプセルに入った不気味な頭部を持つ、超人機メタルダーに登場したネロス帝国の怪人。久氏もゲルドリングの造形が気に入っていて、それにインスパイアされてガニマのデザインに取り入れた。ただ、『スーパーヒーロー戦記』にアスモデウスの配下として登場した際は、カプセルがオミットされている。
ドン・アルマゲ:頭部が脳味噌剥き出しの黒い髑髏である繋がり。ただし顔付きが獣風のガニマに対し、こちらは宇宙人風。
グレートアイ:仮面ライダーゴーストの世界観を作り上げた存在。他惑星の知的生命が意思を一つに纏めた事で進化したと言う誕生経緯故か、ガンマ(Γ)=『集合』を捩った“ガヌマ”と言う本名を持つ。またこの存在に救われ、別の星へ移住した古代地球人が“ガヌマの民”を名乗り、後に眼魔(がんま)と名乗る集団になった。
アーロニーロ・アルルエリ:透明なカプセルに不気味な頭部(2つ)を備えたヴィラン。多少は違うものの、こちらも自身の体内に取り込んだ者物の力を行使する。
オール・フォー・ワン:中の人且つ複数の能力を有するヴィラン繋がり。なお能力の所有数は彼のほうが上であるためある意味上位互換といえる。
ゴリラモンドフォーム:ルパパトと同期の仮面ライダーに登場するゴリラモチーフのヒーロー。
戦隊VSシリーズ敵キャラリンク
リルス・リピッグ/ドン・アルカゲ←グリフォンマイナソー/ガニマ・ノシアガルダ→ムービー邪面/カントクマイナソー