「先生の味付け良かったです!だから…このウシバロック様と一緒に来てもらうぜ! ウッシッシッシー!」
「俺は…ライモンちゃんのために料理を覚えたんだ! 俺より美味いもん作れる奴は、要らねえんだよぉぉ‼︎」
データ
身長/196m(巨大金庫身長/49.0m)
体重/226kg(巨大金庫体重/565.0t)
犯罪歴/略取誘拐
犯罪技/ウシバロック投げ
ルパンコレクション/「熱くなれ~La chaleur est là~」
概要
怪力自慢のパワーファイターと料理人の顔を併せ持つギャングラー怪人。
同格のギーウィ・ニューズィーと共に、ギャングラー内でも有数の実力者であるライモン・ガオルファングの側近であり、彼が築いた独自勢力“ライモン軍団”の一員である。
ウシの特徴を持ち、筋骨隆々の体のあちこちから水牛やインパラ、ヌーといったウシ科の動物に似たツノが生えている。
「ウッシッシッ」「モウ」と言ったウシに因んだ言い回しを多用する。
人間界に潜伏している時はガタイが良く、ファーのついたジャケットを着た男の皮を被っている。
その体格に違わず、怪力を活かした肉弾戦が彼の持ち味。両肩に備えた角を向けて突進、組み付いた相手を角に引っ掛けて放り投げる犯罪技『ウシバロック投げ』を得意技としている。
更にリングのルパンコレクション「熱くなれ~La chaleur est là~」の力により、分子振動を起こして相手を高熱で攻撃する能力も獲得した。
ルパンコレクションを納める金庫は胸部にあり、暗証番号は「715」。
ライモンとは昔からの長い付き合いの様で彼の事を「ライモンちゃん」と親しみを込めて呼んでいる。
そしてそんな彼の傍に居続けるべく、ライモンの健康管理と言う名目で料理を学びお抱えの専属料理人にもなったと言う経歴も持っている。
しかし一人で料理人を続けるのも厳しく感じて来たらしく、人間界では腕に覚えのある料理学校の講師達を次々と誘拐、“ライモン軍団の終身お抱え料理人を決める”と言う名目で料理勝負を強要。勝負に勝った相手を料理雑用として死ぬまでこき使おうとしていた。また、もし勝負に負けてしまうと問答無用で始末されてしまい、どちらに転がっても死ぬ運命は免れない。
先述のルパンコレクションは仕組み上電子レンジと同じ原理の為、ウシバロック自体が髙火力のオーブンとなって肉をローストする芸当も出来る。これも含めて豪快かつダイナミックな動きで食材を捌いて行く調理スタイルを会得している(本人も「料理に攻撃に大活躍だ!!」と気に入っている)。
ただし長らくライモン軍団のみに料理を提供して来た為か、味付けは彼ら(特にライモン)好みな一方で新しさの無い大味な物になっている模様。
しかし料理学校で生徒に化けて料理を学ぶ際には積極的で真摯な姿勢を見せており、透真との料理対決の際にも透真から学んだ事をきっちり取り入れている。また戦闘時にも料理をポーダマンに命じて退避させており、料理人としてのプライドやライモンのために美味しい料理を作ろうという情熱や姿勢は本物(料理対決の際にもコック帽子と前掛けを着けていた)。
活躍
ギャングラーの本拠の洋館に幹部陣の集まる大広間でライモンやギーウィと勝手に酒盛りをしていたところ、ドグラニオ達と対面した。
その後、人間界に赴き料理学校の講師達を誘拐しようと化けの皮を被って『中央料理専門学校』の生徒として潜伏する。そこには自身を誘き寄せるための囮捜査として講師になりすました透真とノエルがいたが、気づかずに透真の教える事を積極的にメモして学んでいく。
ちなみにノエルの話によると、パトレンジャーの3人は講師として囮捜査を決行したものの…
と、料理の出来が悪かった為すぐに素人と見破られて現れなかったらしい。
授業が終わるとウシバロックは2人に接近。化けの皮を脱いで正体を現すと2人の鳩尾に一発お見舞いして気絶させ、ガラスを打ち破って誘拐。自身のアジトであるクルーズ船の操縦室に監禁する。
しかし、気絶したフリをしていた2人はダイヤルファイターを使って扉の鍵を解錠しそこから脱出、探していると給仕係のポーダマンに自身が講師達を拐っている目的を話している事を聴かれてしまう。
目的を知った2人はルパンブルーとルパンエックスに快盗チェンジ。急に現れた快盗に驚くもアジトに侵入したと思い、給仕係のポーダマンを逃しつつ交戦。
2対1という不利な状況だったがその差を物ともせずに戦い、更にルパンコレクションの力で分子振動を起こし高熱で2人を攻め立て、更に騒ぎに気づいたライモンとギーウィも参戦してきた事で2人を追い詰めていく。
そして、戦う中でライモンと交戦していたブルーが、ライモンの攻撃でブルーダイヤルファイターを破損、変身解除してしまう。だがこれで不利を悟ったルパンエックスがXロッドソードの刀身からフラッシュを放ち目晦まし、その隙に逃走されてしまう。
その後、一旦操縦室に避難した透真とノエルに向けて放送室から5分後に自身と料理対決を執り行うメッセージを送りつける。
透真はノエルにブルーダイヤルファイターの修理を任せて厨房へ向かい、ウシバロックと料理対決を開始。自身は材料を放り投げ、自分専用の包丁でキャベツを千切りにしたり、ルパンコレクションの力を使って肉をローストにしたりと豪快に調理を進める。透真の方も手際良く着々と進めていき、遂に2人の料理が完成する。先手のウシバロックは、
ライモン「やっぱり美味ぇ!!」
ギーウィ「さすが、俺たちの好みを把握している」
といつも通りの高評価を得られ、
「今回もモ〜ウ勝負ついちゃったな?」と自信満々に勝利を確信。
続いて後手の透真も料理を差し出す。2人はどうせ今まで負けた人間と同じと言いつつ食べた直後、フォークを落として硬直し急に悶え始める。ウシバロックはその様子を見て毒を盛ったと透真を責め立てようとするが、
ライモン&ギーウィ「「美味〜〜い!!!!」」
ウシバロック「はっ!?」
2人は透真の作った料理の美味さに無我夢中になってしまい、頭部が吹っ飛んだりお花畑に包まれたりするなどのオーバーリアクションを取りながら料理を完食。ライモンは「人間界の食事が、こんなに美味かったとは!」と透真の料理を絶賛し、ライモン軍団の新しい専属料理人として透真を出迎えてしまう。
その結果に激しく動揺し、専属料理人の任を解かれる事を拒絶。ライモンの為に料理を覚えたのに、たった1人の人間に打ち負かされた事で料理人としてプライドを傷つけられ、透真に激しく嫉妬。
記事冒頭二段目の台詞と共に透真に突進を仕掛け船の外で暴れまわるがノエルによって修復されたブルーダイヤルファイターの攻撃を受けて怯む。その隙に透真とノエルは再度快盗チェンジし、グッドストライカーの知らせを聞いたルパンレッドとルパンイエローも駆けつけてくる。
透真が先程交戦したルパンブルーである事を知ると更に怒り出し、ルパンレンジャーと交戦する。
レッドとイエローがライモンとギーウィと戦う中、自身は因縁のブルーとルパンエックスと戦うも、ルパンエックスがパトレンエックスに警察チェンジ。パトレンエックスのXロッドソードから繰り出される斬撃に怯み、羽交い締めにされて動けない隙をついてブルーが金庫にダイヤルファイターを当てて解錠、コレクションを盗られてしまう。
ブルーに自身のコレクションを盗られた事により怒って取り返そうとするもかわされてしまい、駆けつけた2人を含む4人の連続攻撃を立て続けに喰らった挙句、ブルーの飛び蹴りを喰らって吹っ飛ばされる。
そしてその流れで『イタダキストライク』と『スペリオルエックス』の同時攻撃を受けて敗北。
その後、「有力な後継者候補にはサービスしておかないとね」とゴーシュの手で巨大金庫を施され復活。「ルパンブルー…貴様だけは絶対に潰してやる!」とブルーに向けて怨みの炎を燃やし続ける。
ルパンエックスはブルーとイエローの手も貸してもらいつつエックストレイン全機を発進、エックス合体させてエックスエンペラースラッシュを完成させる。ルパンレンジャーもルパンカイザーを発進、2大ロボでウシバロックに連携攻撃を仕掛ける。
対するウシバロックは「こうなりゃ、ギュウの音も出なくしてやるっ!」と突進を仕掛け、怪力で2体を押し出し犯罪技で投げ飛ばそうとするも、その際のパワーを利用してエックスエンペラースラッシュがエックスエンペラーガンナーに変形。その流れから『エックスエンペラーガンナーストライク』を受けて、両肩の角を破壊されてしまう。更に一旦エックスエンペラーは合体解除し、ルパンカイザーへエックストレインファイヤー・サンダーを貸し出しルパンカイザートレインズへと換装。相手が両腕から放つ火炎放射と電撃を喰らって追い詰められる。
最期は再度合体したエックスエンペラースラッシュの『エックスエンペラースラッシュストライク』を受け、「ライモンちゃ〜ん!!」とライモンの名を叫んで爆散した。
これだけライモンを想っていたにもかかわらず、当人が彼の死を惜しむシーンは最後までなかった。哀れ。
余談
名前は牛と料理人の道場六三郎を掛け合わせたもの(包丁に名前を刻んでいるのも共通)。
『バロック』(baroque)はフランス語で『歪み真珠』(一部の好事家に玄人向けの宝石として好まれた)を意味しており、そこから転じて『個性的』と言う意味を持たされた言葉である。
これに『衝撃』を意味するブロウ(blow)も併せて考えると、『衝撃的な個性を持つウシ』と言う意味合いのネーミングと推測される。豪快な肉弾戦で戦うパワーファイターへ、食材を繊細に扱う料理人と言う相反する面が同居しているキャラ個性を現した物だろうか。
牛の頭部でなく様々な牛の角がより合わさった秀逸なデザインが特徴だが、頭部の角は牛に似た角をもつ肉食恐竜・カルノタウルスのものになっており、デザイナーの遊び心が垣間見える。
ギャングラー共通の骨の意匠は両脛で、牛の胴体と腰部分の骨が置かれている。
牛がモチーフのためか足や手にはカウボーイが着用するチャップスの様な意匠もある。
識別番号の「715」は#23の放送日である7月15日からとられていると思われる。
ルパンコレクションのモチーフは電子戦隊デンジマンのデンジリング。電子レンジと電子戦隊をかけている。しかし指輪だった原典とは異なり腕輪にアレンジされている。
名前の由来はグレン・フライの楽曲「ザ・ヒート・イズ・オン」と思われる。
登場回は#19同様片方の戦隊(今回はパトレンジャー)が変身しないエピソードであり、それどころか出番もほとんどなかった。
デザイナーの久正人氏はTwitterでどこかで見た事のある牛怪人(と武器)の没案を描いている。
料理勝負で勝利した透真を後任の料理人にしようとするライモンに対する記事冒頭二段目の台詞は多くの視聴者は愚か、ルパンレンジャーの演者まで胸を打った模様(同時に極一部のファンからはあらぬ、しかしそうにしか見えない扱いを受ける羽目になってしまった...)。
そしてそのことから
- ウシバロックが料理対決を行なっていたのは、「『色々食ってきたがやはりウシバロックの飯が最高だ』とライモンに再認識させたかったから」
- ライモンが透真を後任の料理人に据えようとしたのは、「常に自分達の為に料理を作ってくれているウシバロックにも同じ食卓に付いて食事を楽しんでもらいたかったから」
という考察も挙がっている。
もしこの考察が真実ならいずれすれ違いによる悲劇が起こりかねなかったが、透真が倒すべきルパンレンジャーの一員と発覚したのはせめてもの救いか。
ちなみに誰かの為に料理を始めて腕を磨いたという経歴は他ならぬ透真と同じである。
関連項目
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー 異世界犯罪者集団ギャングラー ライモン軍団 ギャングラー怪人
幸平創真:料理対決の相手だった透真と似た名前のジャンプ料理漫画主人公で、同じく凄腕の若き料理人。ちなみに漫画の作画を担当する佐伯俊氏は、戦隊シリーズのオマージュを大いに含んだ警察ヒーローアニメのキャラクター原案も担当している。
カルノリュータス 同じくカルノタウルスモチーフの敵
チャンプ/オウシブラック:前作に登場した牛モチーフのキャラクター。但しこちらは正義側。
ドルマー:星獣戦隊ギンガマンに登場した美食家の怪人。こちらも同じくボスの目的の為に料理人を攫おうとした。
電子鬼:料理対決を行う(ある意味本物の)美食家怪人。奇しくもモデルは今回のルパンコレクションと全く同じである。
クラッシングバッファローレイダー:約2年後に登場した、牛モチーフで「ブロウ」な後輩。