ヘドリアン女王
へどりあんじょおう
スーパー戦隊シリーズのTVシリーズで唯一2作品に跨って登場した敵キャラクターである。
また、シリーズで数少ない女ボスでもある(他には、同じく曽我が演じる『ジュウレンジャー』の魔女バンドーラ、ゴーゴーファイブの大魔女グランディーヌ、リュウソウジャーのエラスがいる)。
『デンジマン』・『サンバルカン』共にヒーローの手で倒されることなく最期を迎えたのは、ひとえに曽我町子女王の魅力にあるといえよう。
後に演じた魔女バンドーラでもヒーローの手で倒されなかった。
ちなみにスリーサイズはB98:W98:H98である。
頭にツノが生えた独特の衣装デザインはMARVEL作品『マイティ・ソー』のヴィランである死を司る女神ヘラのものを流用している。これはパクリやオマージュとかではなく、東映特撮版のスパイダーマンの制作時に結ばれた「東映はMARVELのキャラクターを3年間使っていい」という権利の元に行われたMARVEL公認のもの。
『サンバルカン』で衣装デザインがまるっきり変わったのは、その契約期間が終わっていたからというのもあるが、頭部の角がセットに引っかかることが多く曽我本人から苦情が出ていたためだったのが大きい。
サンバルカンでの再登場は曽我がキャラクターを気に入ってもう1年出演したいと希望し、吉川進プロデューサーも曽我の演技を高く評価したことによる。サンバルカンに「デンジマン5人とそっくりな一般人が女王とすれ違い、女王が訝しむ」という話も検討されていたが実現しなかった。
ベーダー一族の指導者。絶望や悲しみといった負の感情を好み、地球に絶望感を与えようとする。
ベーダー怪物に我が子のように接し、デンジマンに倒された時には慈しんだり労わったりするなど、ヘドラー将軍をはじめとする幹部たちからは非常に慕われる一方、戦闘員のダストラーは雑然と扱う。そのためか、バンリキ魔王が反乱を起こした際には、ダストラーたちに反逆されてしまった。
最終回で魔王の排除には成功したが、魔王の暴虐ですべての同胞を失い孤独になった女王は、ベーダー魔城に乗り込んだデンジマンの前に幻として現れ、
「ヘドラー将軍も死んだ……ミラー、ケラーも死んだ……私はひとりぼっち。だが、勝ったと思うなよデンジマン。私には、しばらくの休息が必要なだけじゃ。では、また会おう……さらばじゃ」
と言い残し、ベーダー魔城を自爆させていずこへともなく姿を消した。
だが、北極にて彼女を目覚めさせようとする者がいた…。
第4話の最後でメカ心臓を埋め込まれてよみがえった。ミラーボールのような頭と活動的な服装になっている。
「ダイヤを独り占めしたい」(12話)、「雷様に扮する」(31話)、「おしゃれをしたい」(33話)など、前作に比べてはっちゃけた面が目立つが、妖術の腕は衰えておらず、幾度となくサンバルカンを苦しめた。
終盤ではアマゾンキラーと共に機械帝国の乗っ取りを画策し、アマゾンキラーと縁のあった銀河の流れ者イナズマギンガーを唆してヘルサターン総統を倒させた。そして、ヘルサターンに忠誠を誓っていたゼロガールズのイナズマギンガーに対する反感を利用してまんまとブラックマグマの頂点に立った。
しかしその後ヘルサターンの亡霊に魘され、腹心のアマゾンキラーさえも信じられなくなり、メカ心臓が弱り死が迫っていたにもかかわらずアマゾンキラーによるメカ心臓の交換を拒否してしまった。
嵐山長官の娘である美佐を生贄にして延命を謀るが、弱りきったメカ心臓が妖術に耐え切れず、サンバルカンと戦うことなく死亡した。
- 『電子戦隊デンジマン』の第24話では、ヘドリアン女王と顔が瓜二つのテニスプレイヤー(曽我町子さんの一人二役)が登場する。
- スーパーヒーロー大戦では、前年の199ヒーロー大決戦の黒十字王に続く形で彼女を元にした『メカへドリアン』なるキャラクターを登場させる案もあったという。しかし本命である曽我氏が既に鬼籍に入っており、制作陣も『演じるならやはり曽我さんでなければ…』と難色を示したため没になった。