「至急、原因を究明しろ!全世界を我が手に収める目前でこの有り様……許されると思うなよ!!!」(第1カイ!)
「機界戦隊ゼンカイジャーだと!?」
バラシタラ「はっ!そう名乗っていたであります」
「ワシ等の企みを邪魔するとは、一体何者…だっ!!!」(第2カイ!)
データ
概要
全ての並行世界の消滅を目論むキカイトピアの独裁国家・キカイトピア王朝トジテンドの頂点に君臨する恐怖の大王。国民のキカイノイド達から恐れられるトジテンドの暴君。
トジテンドを代々収めて来た王族の1人であり、作中の時点での大王である(トジテンドが何時の頃に創設されたかは不明だが、少なくとも彼の先々代大王まで居た事は確認されている)。
住処である「トジテンドパレス」内の、歴代のトジテンド王族の力を蓄積した巨大な黒い鉄板「グレイブモノリス」と一体化しており、それによって圧倒的な巨体とグレイブモノリスから無数の菱形のパーツで構築された本体が浮き出た様な、他のキカイノイド達と比較しても明らかに異様な容姿を持ち、顔以外のパーツは肩から上の部分と右腕しか確認出来ない。
左側の巨大な菱形の穴にペット兼側近である鳥型機械生命体のゲゲを鎮座させており、その様はまるで左肩にゲゲを乗せている様にも見える。
性格は全ての世界の支配を目論む野心家で正に暴君であり、謁見の間にてトジテンドの構成員達に指示を与えているが、機嫌が悪くなると激しい口調で責め立てるのみならず、トジテンドパレスが大きく揺れ幹部達も思わず飛び上がる程に強く手元の台を叩いて威圧する等、部下に対しては非常に高圧的で厳しい。
因みにこの床ドン或いは台パン、エピソードを重ねる毎にグレードアップしており、飛び上がった幹部がボッコワウスの顔の真正面の高さまで打ち上げられたり、空中で一回転したり、そのままひっくり返ってしまったり、ひっきり無しに台を叩きつけて小刻みに跳ねさせたりとバラエティに富む様になった。話が進むにつれ部下達=特にイジルデとバラシタラも慣れて来たのか、床ドンで飛び跳ねさせられた状態で会話を続ける場面もあり、そのシーンはさながら紙相撲の様にも見えてよりシュールな光景となっている。更に第47カイ!では謁見の間に乗り込んだゼンカイジャー達を台毎ひっくり返して、彼等をトジテンドパレスから叩き出している。
その上、第28カイ!でマンガワルドの能力で人々がマンガになって囚われた際には、バラシタラが「人間達はマンガワルドの手の中」と報告するや否や「マンガワルドのだと?」と凄み、バラシタラが急いで「人間達はボッコワウス様の手の中」と訂正すると悦に浸っており、変な所で狭量且つ自己中心的な性格でもある。
只、ゲゲに対しては信頼を通り越して「ワシの可愛いゲゲ♡」と孫の様に溺愛しており、猫なで声で接する程に甘く、どれだけ不機嫌でもゲゲに甘えられるとたちまち機嫌を直す。
加えて理不尽に怒鳴る印象が強いが、責任の押し付け合いをするバラシタラとイジルデをしっかりと諫める場面もちゃんとある。それ以前の問題でバラシタラとイジルデの2人に関しては、実際にトジテンドの幹部としてもボッコワウスの部下としてもあらゆる意味で問題が非常に多い為、ぶっちゃけ怒鳴られても仕方が無い面も多く、割と真っ当な言い分で2人を叱ってる場面等も普通に存在する。
また、事ある毎にゲゲに諌められているのも大きいが、高圧的に怒鳴り散らしこそはするが、何だかんだで部下を一方的な理由だけで痛め付けたり処刑したり等はしておらず、ハッキリ言って上司としてはこれでもバラシタラとイジルデの2人よりはマシである(後述のゲゲの件にしても、ボッコワウス目線では「ゲゲが自分を裏切った」と捉えてしまう明確な理由が一応はあった)。
因みに「可愛い生き物をペットにする」意外な趣味を持っており、ゲゲをペットとして溺愛しているのはこの趣味もある模様。作中でもバラシタラがコタツワルドを使って人間やキカイノイド達を猫化して捕らえて、ボッコワウスにペットとして献上してご機嫌取りをしようと目論んだ。
指揮官として
軍事国家のトップとしての戦略眼についても、お世辞にも鋭いとは言い難い。
作中でも、宮殿に匿っていれば倒される危険性も無く、振り撒いた災害を維持し続けられたタイプのワルド達に前線で働き続ける状態を強いて、案の定作戦の瓦解を招いてしまってもいる。尤も、この姿勢についてはバラシタラやイジルデも基本的に同様であり、末端の兵士は現場で働くべしと言う、トジテンド上層部の間で強く根付いている保守的な軍事思想が最大の問題だと言える。
また軍略の乏しさに関しては、これまでトジルギアに頼り切って侵略を繰り返して来た為、これ程の巨大な侵略国家でありながら、実は武力による侵略のノウハウが乏しいというトジテンドの構造的な欠点の影響も大きい(トジテンド王朝その物も、今のボッコワウスを初めとした上層部が生まれた時点で最初から完成していた国家なので、キカイトピア内でも抵抗勢力と戦ったりした経験が無いのだと思われる)。
但し、流石に末端のワルド達の方も上層部のこの姿勢に従っていては成功する作戦も成功しないと判断したのか、話が進むとワルド自身が率先して何所か別の場所に隠れたり、移動しながら作戦を行う様になり、それを様々な方法でゼンカイジャー側が探し出したり、ワルド達自身の性質を利用して誘い出す作戦に引っ掛かってしまい敗れるパターンが多く見られる様になった(これについては本能にクリーンヒットしてしまうと、罠だと分かっていても誘い出されてしまうワルド自身が根本的に抱える欠陥の影響が大きい)。
それでも、そもそも「ゼンカイジャーから逃げ回る」戦略が通用するのは、あくまで一度能力が発動したら後は自動的に侵略が進むタイプのワルドだけであり、現場で継続して能力を使わなければいけないタイプの大半のワルド達は、当然ながらこの戦略は最初からそこまで有効では無い。そこで後にイジルデによって、ハカイザーと言うワルド専属のボディガードが用意される次第となった。
一方で、レンアイワルドやカブトムシワルドの能力を解析して、(一応は)有用性を見出だす等、軍事以外の慧眼は優れていると思われる面も見られる他、ハカイザーの強化改造を自ら提案して、その為に自身の先々代大王の身体の一部を提供する等、意外にも自身が期待を掛けた相手には積極的に投資を惜しまず、率先してより有効活用する提案を行う側面もある。
加えてイジルデの発明がパクリだったと発覚した際にも、イジルデが自身を騙していた事自体には怒ったが、イジルデのトジルギアを初めとした発明品その物にはその有効性を踏まえた上で、逆にイジルデのパクリを「目の付け所が良い」「最高技官に相応しい実行力だ」と称賛する(ゲゲに諌められた事も理由としてはあると思われるが)等、自身に有用な物であればそれの出処等は一切問わずに採用を続ける臨機応変さや度量等も見せている。
本性
不甲斐無い部下の失態に毎度怒っている印象が強いが、その本性は一度激怒すると突発的に暴力に訴えて他者を簡単にスクラップへ変えてしまう凶暴性と、そうした「自分の衝動的行為を都合の良い解釈で歪めて全く顧みない」ばかりか、その「嗜虐的行為への歪んだ認識に自分自身で本気で自己陶酔して涙すらをも流す」等、暴君に有りがちな躁鬱性と歪んだ精神構造の持ち主。
或いは精神の核が幼稚な子供のままで成長・老熟して来てしまったとも捉えられ、敵味方問わず自分に逆らう者や思い通りにならない者への苛烈なまでの横暴ぶりは、その実「自分の思い通りにならないモノは嫌い」という子供のワガママの延長でしか無いとも考える事が出来る。
「全ての世界を欲する」異常な野心も、それによる侵略行為の数々も、その実態は「自分が欲しいモノは何もかも全て手に入れたい」と、正しく子供の様な欲求の延長線上だったと言え、前述した変な所で狭量かつ自己中心的な性格は正にこの本性を現したものである。
ゲゲに対する愛情も、その実「自身を慕い尽くしてくれる健気なペットへの愛情」以外の物は何も無く、激情に駆られてしまえばゲゲであっても前述した突発的な暴力の対象外にはならない。これについてはゲゲの事を子供の様に可愛がって来たにもかかわらず、ゲゲの言動の変化には最後まで全く気付けなかった事にも表れていると言え、その実ゲゲ自身の事は全く見ていなかった事が窺える(純粋に無関心故に実子のステイシーの変化に全く気付けなかったバラシタラとは、ある意味対照的だと言える)。
ペットのゲゲ(に憑りついていた上位の存在)からは、寧ろ「ボッコワウスの方がペット扱いされている」という裏設定は、こうした本性を見抜かれた上で都合の良い様に甘言に酔い惑わされ、体良く動かされていた事実を如実に表していたと言えよう。
最終形態
「我が王族は先代の亡骸を代々受け継ぎ、力を蓄える。そうしてトジテンド王朝を守って来たのだ。今の我が身には、全てのトジルギアの力もある。我が怒りを喰らえ!」
第48カイ!に登場した、ボッコワウスの真の姿。テレ朝公式サイトや『機界戦隊ゼンカイジャー公式完全読本』p.105等では「バトルモード」表記。
外見は黒いスカートを穿いた、シンプルなシルエットに複雑なモールドの施された銀色の人型キカイノイドに変化。これが彼のキカイノイドとしての本来の姿にあたる。
また、腰から黒い菱型状のリングパーツが伸びて上半身を囲んでいる他、目元が隠されていた顔は赤い双眸を露出して鍬形状のパーツの付いた王冠を被っているかの様な外見になった。
その一方で、顔の輪郭は丸くて何処か幼さも感じさせる見た目でもあり、下記の体躯サイズも含めて“心が子供のまま年齢を重ねてしまった暴君”というボッコワウスの本性を、暗示している様でもある。
満を持してゼンカイジャーの前にその姿を見せるも、その体躯は玩具サイズ程に小さい物だったのだが、代々の王族の力を蓄積して来た“グレイブモノリス”と一体化し、更に全てのトジルギアとゲゲの破片を取り込む事で人間サイズのバトルモードに変貌した。いわば歴代の王族たちの屍の山からパーツを取り込んだことで度々生きながらえてきたという事になる。
キカイノイドの中で彼だけが異様に巨大だったのも、この歴代の王族の亡骸と力を代々受け継いだグレイブモノリスと一体化していた結果であり、彼自身は玩具サイズの体躯からモノリスの歴代王族の力を取り込む事で、標準的な人間サイズの大きさになれる(作中で登場した先々代大王の亡骸の一部も巨大だった為、どうやら彼等王族は代々先代の力をモノリスと共に引き継いで一体化していた模様)。
大量のトジルギアを取り込んでいるだけあり、固有能力は複数のトジルギアからパワーを次々と引き出せる、ワルドのバージョンアップ版と言うべき物(※事前にイジルデにトジルギアを用意させていた事から、ワルドの運用データをイジルデの手で反映させた事で得た可能性もある)。
コレによってイワヤマトピアの力を用いて戦闘フィールドを即席で生成する、歴代スーパー戦隊の世界から合体必殺技を再現して連発する等、最早デタラメとしか形容出来ない様な技や攻撃を繰り出す。
皮肉にも、突き詰めた結果トジルギアと根幹技術を同じくするセンタイギアに近い現象を起こせる様になった訳なのだが(しかもセンタイギア同様に一部戦隊の力はやや拡大解釈されている節がある)、専用ツールを介さない分此方の方がタイムラグほぼ無しでの連発が出来る。
彼自身が持つ王族のエネルギーを凝縮した攻撃力はワルドを遥かに超えており、只でさえ強い上にモチーフとなった戦隊の必殺技の波状攻撃でゼンカイジャーはチェンジ用のギアが破損、変身解除されて丸腰の状態に追い詰められている。
因みに胸部中央へは、その時に使っているトジルギアの情報を簡易表示するインジケーターが設けられている。作中ではスーパー戦隊のエンブレムが表示された後、各レッドの顔を模したレリーフが現れる描写があった。
また、ゼンカイジャーの公式HPでは並行世界は無限に存在するとされており、キカイトピアとゼンカイトピア以外の無数の世界がトジルギアに閉じ込められていた事が語られている。
元々の神の目的が「自らが創造して増え過ぎた世界をトジルギアにする事で整理する」事であった為、ボッコワウスが吸収したトジルギア、つまり世界の力は文字通り「無限」と言える膨大なものであり、最終形態となった彼が持つ能力の数と戦闘力も文字通り「無限」と言えるだろう。
※ただし「無限に世界があるのに残り1つになった」という時点で矛盾が生じており、「無限と評するに等しい数の世界があるという表現に過ぎないのではないか」という声もある。また「世界の総数が無限」という情報も初回の公式サイトのみでしか語られておらず、48カイ!まで設定として生きていたかは疑問である。
しかし、いすれにせよ「無限」とまで評せる程のの並行世界の凄まじい力を、最初から彼1人で制御出来る筈もなく、作中では結局ボッコワウスが力を引き出した事で、逆に封印していた筈の44戦隊の力を覚醒させてしまい、自分自身がダメージを負う結果になってしまった。加えて彼が自身の中の「無限」に等しい並行世界の力を何処まで把握して掌握し切れていたのかも不明である。
また、戦隊の力を初めとした攻撃能力は同時に複数は使えないらしく、作中ではフィールド形成の為にイワヤマトピアの能力を常時展開していたが、それ以外の戦隊の力はそれぞれ1つずつしか使えてはいなかった。これは違うワルド同士で複数の能力を同時に使うと相殺されるのと同じ事だと思われる(ワルド同様にボッコワウスも並行世界の力を制御し切れていないが故であろう)。
ボッコワウス自身の弱点は「背中」であり、背中は装甲に覆われておらず恐らくは生身のボディが剥き出しになっている。普段はグレイブモノリスと常に一体化しているのはこの弱点をカバーする為でもあったのだと思われる。
しかし、その弱点以上にそもそも終始安全なトジテンドパレスに引き籠もり、今まで侵略の現場に出なかった故の戦闘経験の未熟さから、ある事情で弱点を知られていたにもかかわらず、そこをカバーする戦略眼は持ち合わせていない致命的な欠点もあった(相対した相手が歴代戦隊の世界のバックアップを受けたゼンカイジャーであった事もあるだろうが)。
結局、「強大過ぎる力をそれを制御できる器でも無い使い手が無理に使った事で、チグハグが生じて相手の反撃の隙になる」と、ワルド達と変わらない弱点を抱えてしまった形態だとも言える。
使用したトジルギア
イワヤマトジルギア(推定) |
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ボウケンジャーのトジルギア(以下のギアは正式名称不明) |
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マジレンジャーのトジルギア |
ガオレンジャーのトジルギア |
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ジュウレンジャーのトジルギア |
ゴレンジャーのトジルギア |
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各話の動向
第1~2カイ!
トジテンドパレスの謁見の間にてイジルデから近況報告を受けるが、「1月前から進んでおらんでは無いかっ!!一体どうなってるん…だ!!」と一向に最後の並行世界となった人間界をトジルギアに閉じ込められない上に、何故かキカイトピアの一部と融合してしまった事態に機嫌を損ね、床ドンで部下達を威圧。イジルデに原因を究明しろと急かす。
すると、ゲゲから「人間界はトジルギアにせずに領地を増やす為に武力で制圧すべき」との提案を受け、「ソレだ!流石ワシの可愛いゲゲ~♡」と褒めるとそれを直ぐに了承。
人間界制圧の為の先遣隊としてバラシタラを送り込むも、トジテンドの人間界制圧を阻止するべく現れたゼンカイジャーの事を帰還したバラシタラの報告から知り、より機嫌を損ねる結果になった。
第5カイ!
「バッカモン!!!折角閉じ込めた世界が、元に戻っただとっ!?」
今までワルドとダイワルドの誕生の為に使っていたトジルギアの並行世界が、ゼンカイジャーに倒された事で解放されていたというイジルデの報告を聞き、幹部陣が空中でひっくり返り、暫く倒れて動けなくなる程の床ドンを起こす程に怒り散らして、ゲゲから窘められる。
この不測の事態にイジルデは自身の研究室に戻り、トジルギアの対策の為の研究に取り掛かる事になる。
第7~10カイ!
イジルデが開発したギアトジンガーの実験兵士・ステイシー/ステイシーザーの戦い振りを見て愉悦に浸っていたが、ダークセンタイギアの多用によるギアトジンガーのエネルギー枯渇問題の判明や、嘗てトジテンドから一部のデータを強奪した界賊・ゴールドツイカー一家のゾックス/ツーカイザーの妨害など度重なるトラブルから一転して不機嫌に。バラシタラが送り込んだドアワルドの作戦が失敗に終わった後に、過去のゴールドツイカー一家の強奪事件を引き合いに出しイジルデを責め立てる。
イジルデが事態終息の為の新たな技術開発に没頭する最中、「あの界賊はまだノウノウと、のさぼっているそうだ!??どうなっているんだ!?」と、今尚ゴールドツイカー一家が人間界に居座り続ける状況が気に入らず、バラシタラに当たり散らすボッコワウス。
ゲゲから諌められて落ち着きを取り戻すも、「しかしだなゲゲ…。ゼンカイジャーとツーカイザーが手を組んだら、面倒な事にならんか?」と戦隊側の勢力拡大を懸念したが、バラシタラが送り込んだマヒルワルドに対しての彼らの動向から見て「両者とも利害が一致しているだけで、完全な協力関係に至らない」と返される。
第11カイ!
バラシタラが新たに生み出したオニゴッコワルドが展開する作戦内容をバラシタラから聞き、意思に関係無く人間同士が苦しむ状況にご満悦。
しかし、ゼンカイジャーと界賊の仲間も鬼になり「驚く程絶好調」と報告に戻ったオニゴッコワルドに対して「何をグズグズしておる!貴様も鬼であろう!現場でどんどん鬼を増やさんか!!!」と怒鳴りつけて人間界に送り返してしまう。
オニゴッコワルドはその性質上、一度でも能力の行使が成功すれば連鎖的にその世界を制圧できる上に、その能力を解除する唯一の手段はオニゴッコワルド自身である。
なのでトジテンドに引き返して、作戦完了まで引き籠もるのが最善手だったのだが、時間を惜しんでソレを送り返したボッコワウスの判断が、完璧だった作戦を瓦解させる結果になってしまった。
但し、鬼となった者の様子を見る限り、飲食は愚か休息さえマトモに取れず疲弊している為、放置すれば(幾らねずみ算式で鬼役を増やせるとしても)鬼役が次々と過労死し、作戦が破綻する可能性もあるので、ボッコワウスの判断もあながち間違ってはいない。
第15~16カイ!
「イジルデ!バラシタラ!ゼンカイジャーは倒せん!界賊も倒せん!誰も彼も敗戦続きで、一向に征服が進まんでは無いか!!!」
人間界の武力制圧へと方針を変更して以降、ゼンカイジャーやツーカイザーによって作戦失敗が度重なり、征服の進捗が芳しくない現状に遂に堪忍袋の緒が切れ大激怒。
激しく台を何回も叩き付けてバラシタラとイジルデに怒鳴り散らしつつ、既に人間界へと送り込まれた、レトロワルドが展開する作戦に不備が無いかを問い詰める。
「今度のレトロワルドとやらは大丈夫なんだろうな?ん!??」
両者「「レトロワルド?」」
イジルデ「はて…?その様な者は存じませんが…」
バラシタラ「小生も、出撃させた覚えは無いであります」
しかし、2人は口を揃えて「レトロワルドを生み出した覚えは無い」と答える。
増々不機嫌になり掛けるも、そのレトロワルドを作ったのがゲゲだと知ると、ボッコワウスは案の定ゲゲをベタ褒め。
ゲゲがゼンカイジャーとトジルギアの力を再確認すると同時に、レトロワルドの力でレトロな世界に慣れ切った人間達をノスタルジックな気持ちに浸れさせ、思考を停滞させて人間界をそのまま滅亡させる作戦を行っている事を聞くや「実に良い作戦だ!流石ワシの可愛いゲゲ~♡」と褒めちぎっていた。
実際、ゲゲが生み出したお陰で上層部からの余計な指示や横槍の無かったレトロワルドは、自分のペースで作戦を進め非常に良い線まで行ったが、長い事トジテンドの悪政で嫌な過去しか過ごしてこなかったキカイノイド4人が懐古主義を悪用した精神汚染を跳ね除け、レトロワルドを直接叩いた為に作戦は破綻。
謂わばボッコワウス達上層部が長らく、庶民に強いて来た悪行が巡り回って、ゲゲ発案の作戦を失敗させた結果になり、壮絶なまでに皮肉な結果を生んでしまった。
しかし、そんな事実等は気にすらせず、続く第16カイ!ではゲゲの「もう1つトジルギアを試してみたい」我が儘を快く了承。イジルデに選ばさせたジシャクトジルギアでジシャクワルドを誕生させた。
第20カイ!(&『仮面ライダーセイバー』特別章)
並行世界を観測した所、新たに『仮面ライダーセイバー』の世界を発見し、新たな侵略先として標的を定める。
コレにバラシタラがオリヒメワルドを『セイバー』の世界に送り込んで制圧を完遂しようとするも、後を追跡したゾックス/ツーカイザーと飛羽真/セイバーら仮面ライダー達によって作戦を失敗に追い込まれ、散々な結果に憤慨する。
「新しく発見した並行世界の制圧に失敗した上、ツーカイザーにしてやられただと!?」
バラシタラ「イジルデが界賊共に、並行世界間ゲートの設計図を奪われたお陰で良い迷惑であります!」
イジルデ「何を言うかっ!軍隊長の貴様がだらしないから…!」
「えぇい!黙れっ!!!」
この結果に、責任を擦り付け合うバラシタラとイジルデを強引に諌め、「そろそろあの界賊を、少しばかり懲らしめた方が良いかもしれないな」とゲゲの取り成しで、幾度も邪魔してきたゾックス達にいよいよ本格的に報復する事を考え、ゾックスが大事にしている身内のフリントに危害を加えようと画策したイジルデに作戦を任せ、生み出させたヒコボシワルドにフリントを誘拐させようとする。
しかし、当のヒコボシワルドは片っ端からフリントの特徴の「髪を後ろで束ねた」無関係の女性を誘拐しまくり、肝心のフリントが「ライダーギア」の開発に没頭してクロコダイオーの中にいたままだったので計画が頓挫。ヒコボシワルドもゾックス/ツーカイザーと凌牙/デュランダルによって撃破されて、策略は失敗した。
第24カイ!
バラシタラ「侵略が完了したであります」
バラシタラより今行っている作戦の近況報告を受けるが、その発言にボッコワウスは耳を疑った。
「何!?もう一度申してみろ!」
バラシタラ「侵略が完了したであります!」
「なっ、何だと~!??どう言う事だ、バラシタ!?」
改めてバラシタラから報告を聞くや、驚きの余りか結局何時もの床ドンを行ってしまっていた。
何と、バラシタラが送り込んだバカンスワルドが人間界の侵略を完了させてしまったのだ。今では、人間界の人々は永遠のバカンスを楽しみ、もう反抗出来る者は誰も居ない。
仔細を聞き、待ち焦がれた人間界を漸く手中に収められた事態に「良くやったバラシタラ! 流石ワシが見込んだ軍隊長だ!」とバラシタラを褒め、共に高笑いしたのだった。
……この回での出番はここまでなのだが、その後人間界に送り込んだ調査隊が誰1人戻らずバカンスに耽り、それに腹を立てたバラシタラがバカンスワルドを粛正した為に結局、成功したはずの人間界の侵略も元の木阿弥になったりと、彼にとっても不愉快な事実が立て続けに起こるとは、この時想像もしていなかっただろう。
第25カイ!
「幾度も邪魔をして来たゼンカイジャーを結成させなけば良い」と考えたバラシタラが誕生・送り込んだヒドケイワルドが半年前の時間へ遡り、ゼンカイジャーの結成を阻止する時間改変作戦の詳細を聞いたものの、やはり半信半疑な様子は隠し切れていなかった。
案の定、過去の時間軸にてヒドケイワルドはバラシタラ幹部達と接触・歴史改編の為に助言をするも、ヒドケイワルドは口下手かつ説明下手であったり、幹部達は悉く自己中心的な言動に終始した為に妨害が出来ず、逆に拉致したセッちゃんの連絡を受け、それを信じたゼンカイジャーがヒドケイワルドの力を知っていたのが仇となり作戦は破綻。
その結果、モニター越しで人間界に侵攻してから敗戦続きのトジテンドの戦績を、最初から改めて見させられただけになり、コレまで以上に不機嫌になったボッコワウスは、
「えぇい、もう良い!!!時を遡っても、敗北を繰り返しただけでは無いかぁぁぁ!!!」
挽回せんとクダイテストを呼ぼうとするバラシタラの言葉を遮り、ゲゲを除く幹部に烈火の如く当たり散らした。
第36カイ!
暫くは幹部陣が生み出すワルドの作戦を傍観していたが、イジルデがワルドをガードをする為に作り出したハカイザーの正体が五色田介人の父親・五色田功であると知り、更にイジルデが作った数々のトジテンドの技術は彼が攫った功・美都子博士の発明を盗用した物だと初めて知った事で大激怒。「このワシを騙しておったとは…そう言う事だな!?」と怒りを撒き散らす。
すると、ゲゲから「でも、その凄い科学者を攫って来たのはイジルデだろう?」と取りなし、更に両博士を発見・誘拐した事実に加えて、並行世界間ゲートは自らの技術で作ったとイジルデからの弁明を受けると、「良くやった!ワシを騙した事は許せんが、目の付け所が良い!トジテンドの最高技官に相応しい実行力だ」と一転して上機嫌になった(この賞賛はイジルデ本人も予想外だったらしく、若干戸惑いながら返礼をしていた)。
第37~40カイ!
エピソード前半はダイコンワルドの能力に困惑しつつも、不安定になっているハカイザーの「より良い運用方法」の模索を検討していた。
しかし、エピソード後半になってダイコンワルド(及びダイダイコンワルド)が倒されてしまった…が、ボッコワウスはそれに目もくれず、ゲゲに「ステイシーがワルドのガードをすると言うなら、ハカイザーには更なる発展を期待したい所だが、どう思う?」と、良からぬ算段を立てる。
そして、人間界侵略の手先としてショウガツワルドを送り込んだばかりのイジルデを呼びつける。
イジルデ「お呼びでしょうか、ボッコワウス様?ショウガツワルドでしたら何時でも出陣出来る様、スタンバイを…」
「お前に渡したい物があってな」
イジルデ「んっ?…そ、ソレは!?」
ボッコワウスが携えた龍の頭蓋骨の様なパーツを見て、驚きを隠せず狼狽するイジルデ。それもその筈、ボッコワウスが持っていたのは嘗てトジテンドを治めた先々代大王の体の一部であり、ボッコワウスはそのパーツを使って「ハカイザーの強化改造」の勅命を言い渡したのだ。
「コレを使って、ハカイザーを育ててみんか?フフフフ…」
これを受けたイジルデはショウガツワルドの作戦をバラシタラに任せて、自身はハカイザーの改造に着手してハカイザー・改へと強化。更にハカイザー・改を基に巨大怪獣兵器・ハカイジュウオーを開発し、ハカイザー・改をハカイジュウオーの制御装置として生体部品化して取り込む事に成功する。
人間界制圧とゼンカイジャー殲滅を完遂させようとするが、ゼンカイジャー&ツーカイザーの作戦や、ステイシーが密かにコピーしたデータを彼らに提供した事によってハカイジュウオーは粉砕、ハカイザー・改=功もゼンカイジャーに奪回。提供したパーツが無駄になり、台を思い切り叩きつけて激怒するのだった。
尚、今回のエピソードで「ボッコワウスはトジテンドパレス内部に限り、上下の昇降移動が可能」だと判明した。
第41~43カイ!
ハカイジュウオーを破壊させた上、先々代トジテンド大王のパーツも損壊したイジルデを制裁を加えて責任を取らせたが、それでも怒りが未だに収まらないボッコワウスは、トジテンドパレスが大きく揺れ続ける程当たり散らしていた。
その後、拘束を解いて貰い、謁見の間に現れたイジルデから「ハカイジュウオーを破壊させたのはデータを横流ししたステイシーの仕業」だと吹き込まれ、それを信じて大激怒。
実際にゴールドツイカー一家にデータを渡したステイシーは、弁明しようにも噤んで逃走を図るも、ボッコワウスはそれを許さず電撃による粛清を与え、彼を捕らえて一先ず牢獄送りにする。
それ以降はイジルデへの信頼も失った様子で、バラシタラはここぞとばかりにコタツワルドを利用してボッコワウスご機嫌取りの作戦を目論むのだがそれも上手く行かず、幹部陣への怒りと不満が募り続けていた。
「何だと!?では、ステイシーが脱獄し、裏切ったと言うのは本当なんだな!?」
そしてその矢先に、バラシタラから送り込んだムカイカゼワルドから投獄されている筈のステイシーが作戦妨害をした事や、イジルデからも取り上げた筈のギアトジンガーを初めとしたステイシーザーの装備一式が、研究室からステイシーに奪われたとの報告を受け、衝撃と怒りから癇癪を起こす。
更に、ゲゲから「脱獄の協力者が居るのでは」と言及された事で更に激怒し、「まさか…貴様らではあるまいなぁぁ〜!??」と幹部陣にも疑いの目を向けていた。
しかし、バラシタラは第39カイ!でのステイシーとのやり取りや、ワザと不信を煽る様な物言いをするゲゲを訝しんでおり…。
第44~45カイ!
侵略を開始してから一向に進捗が進まず、遂に怒るのも億劫になってしまった。
ここ最近ゲゲも甘えて来なくなって愚痴を漏らしていると、久々に甘えて来たゲゲに上機嫌になり、彼のおねだりを了承してトジルギアを選ばせ、SDワルドを生み出させた。
結果、目の上のタンコブだったゴールドツイカー一家が人間界から居なくなったので、ゲゲの事を褒めていたが、ゲゲ本人はその事を全く覚えていない様子だった。
第46〜47カイ!
謁見の間にてイジルデから、前回生み出したオミクジワルドの力の大元であるオミクジトピアが消滅したとの報告を受ける。
イジルデを質問攻めにしていると、ゲゲへの不審に確信を抱いたバラシタラが「ゲゲが何か知っているのではないか?」とゲゲを追及した事に激怒し、「その言い方、ワシの可愛いゲゲが何かやったとでも言うのか!?」と威圧して無理矢理黙らせた事で、この話題は曖昧なまま流れてしまう。すると、ゲゲが話題を変えて先程送り込んだニンジンワルドに続き、またワルドを生み出したいとねだって来たので了承し、サファイアワルド、コウモリワルドを生み出させる。
しかし、こちらのワルドはとある事情から大方の予測が出来たゼンカイジャーに能力を対策されて悉く侵略に失敗。更に様子を見ていたバラシタラから情報が漏洩されていると報告された事で、たった一つの並行世界に散々手こずらされた怒りが遂に頂点に達した。
「ちっぽけな世界の庶民共が、つまらん小細工を…!良いだろう、王族の力を見せてやる!!」
そして、グレイブモノリスに蓄積された王族の力を使って、イジルデに献上させた残りのトジルギアを取り込み、自らを強化して直々に人間界制圧に乗りだそうと目論む。
すると、神の力でキカイトピアに来訪したゼンカイジャーがトジテンドパレスに侵入し、防衛役のクダイター部隊達も瞬く間に鎮圧され、自分の要る謁見の間で第47カイにして初めてゼンカイジャーと対面するが、「来るのが早いわっ!!」とまだ準備が出来ていないと、台を叩きつけて回転。そのままゼンカイジャーを落下させてトジテンドパレスから追い出した。
天網恢々、権力に溺れた暴君の末路(第48カイ!)
イジルデを倒したゼンカイジャーが再度謁見の間に辿り着き、再度台を回転させて追い返そうとするも今度はマジーヌの飛行能力を利用して対策される。
そこにゲゲが加勢し、マジーヌを捕えた後に再び追い返そうとするが、シンケンジャーのセンタイギアの力によりセッちゃんがモヂカラで巨大化してゲゲと対決し、マジーヌも解放される。
そんな中、「神」がゲゲに憑依して、「ボッコワウスは背中が弱いよ」と自身の弱点を教える裏切り行為をした事に動揺。
「どうしたゲゲ!?何故、急にワシを裏切る様な真似を!?」
ゲゲ「ゼンカイジャーの方が、面白いと思ったからかなぁ?」
ゲゲが反旗を翻してゼンカイジャー側に寝返ったと思い込んだボッコワウスは、「何だとぉー!?」とつい癇癪を起こしてゲゲを思い切り殴り付け、自らの手で破壊してしまった。
この行動にゼンカイジャー一同は戦慄するが、直後我に帰って、もはや物言わぬ残骸となったゲゲの片翼を手に「おぉ…何と言う事だ…ワシの可愛いゲゲがこんな姿に…」と嘆き悲しみ(マジーヌからは「自分でやったんだが…」とさり気無くツッコまれている)、ゲゲの残骸と全て取り込んだトジルギアを使ってバトルモードに変異する。
「あぁ……ワシの可愛いゲゲ…。これからもワシを助けておくれ。父上達の様に、共に反乱分子を…抹殺しようぞぉぉぉぉっ!!」
そのまま自身がイワヤマトピアの力を展開して作り出した荒野にてゼンカイジャーと交戦し、ゼンカイジャーのモチーフとなるスーパー戦隊の力でジュランらキカイノイドメンバーを次々と撃破。
「残るは1人。バンバラバンバンバン!バンバラバンバンバン!」
残る1人となったゼンカイザーにはゴレンジャーの世界であるゴレントピア(仮)のトジルギアの力で発動した、トジテンドハリケーン・家族で一撃でノックアウト。
数多ある並行世界の力を駆使する圧倒的な戦闘力でゼンカイジャーを一度は完封し、自身の勝利を確信する。
「ハッハッハッハ!!そうだ!愚民共は這い蹲っていれば良い!キカイトピアに…いや、どこの世界でも君臨するのは、我がトジテンド王朝!遥か昔から、揺るがぬ事実だ!」
マジーヌ「何…言ってんすか…!」
ガオーン「笑わせんな…!」
ブルーン「ボッコワウス…!」
ジュラン「好き勝手、言いやがって…!」
介人「負けて…たまるか…!」
満身創痍になりながらも立ち上がるゼンカイジャーだが、先の戦闘のダメージで彼らの持つチェンジ用ギアが壊れてしまい、チェンジが不可能になると言う圧倒的に不利な状況に陥る。だが、
介人「俺達はきっと…世界初じゃない……だからこそ、諦めない!」
ジュラン「そうだ…他の世界のスーパー戦隊もきっと…お前らトジテンドみたいなのと戦って…世界を守ったハズなんだ!!」
ガオーン「そんな大事な世界を…トジルギアなんかにして!!」
マジーヌ「世界侵略に利用するなんて…ハチャメチャに酷過ぎる!!」
ブルーン「そんな悪い使い方…断じて許す訳には行きません!!」
介人「チェンジ出来なくても…結果出すまで…全力全開だ!!」
介人「秘密のパワー!ゼンカイザー!!」
ジュラン「恐竜パワー!ゼンカイジュラン!!」
ガオーン「百獣パワー!ゼンカイガオーン!!」
マジーヌ「魔法パワー!ゼンカイマジーヌ!!」
ブルーン「轟轟パワー!ゼンカイブルーン!!」
介人「5人揃って!」
5人「機界戦隊ゼンカイジャー!!」
それでも諦めず生身での名乗りを決めたゼンカイジャー達に、「力も持たぬ只の愚民など、ワシの敵では無い!」とトドメを刺そうとするも胸部のインジケーターが突如ショートして苦しみ始め、介人達の気持ちに取り込んだ歴代スーパー戦隊の世界のトジルギアが呼応。
その力を受け、砕けたチェンジ用のセンタイギアが46番目のスーパー戦隊のギア型アイテムと同形状の新たなセンタイギアに生まれ変わる。正に本作のキャッチコピーでありオープニングテーマの歌詞にも入っている「見てろよ!全部の戦隊!」が実現した瞬間だった。
介人「ギアが…直って行く…!」
マジーヌ「ぬぬっ!?ってか、何か新しくなっとる!」
介人「トジルギアにされたスーパー戦隊の世界が力を貸してくれたんだ…!」
ガオーン「凄い…!」
ジュラン「閉じ込められてるってのに…パイセン達流石だわ…!」
介人「ココまでされたら、もう絶対負けない!ボッコワウス!お前を倒して…全部の世界を解放する!」
5人「チェンジ全開!!」
そして再度変身したゼンカイジャーと再戦し、一進一退の攻防が繰り広げられる中、スーパーゼンカイザーのゼンカイテンランスによる特攻を受け止め、この程度の力なら反撃出来ると高を括ったが、お互いに硬直状態になった隙に背後に回ったジュランから弱点である背中にゼンリョクゼンカイキャノンを押し付けられる。
ジュラン「聞いたぜ?アンタ、ココが弱いんだって?」
「あっ…しまった…!」
ガオーン「僕らも付いてるよ!」
マジーヌ「そうっす!」
ブルーン「皆で一緒に!」
介人「ちょあぁー!!」
両方から遮られたボッコワウスは為す術無く「ゼンリョクゼンカイフィナーレバスター」と強大な一撃を込めたゼンカイテンランスの同時攻撃をマトモに受けてしまい、さらに弱点に直接攻撃を入れられて致命傷を受け、最期は「我が王族の…ワシの世界があぁぁぁーーっ!!」と、自身の理想の世界を実現出来なかった苦悶の言葉を叫びつつ、火柱が上がるとそのまま前のめりに倒れて爆散・完全に倒された。
これで長きに渡りキカイトピアを支配し続けたトジテンド王朝は滅亡の道を辿り、キカイノイド達も圧政から完全に解放。ボッコワウスが取り込んだ全ての並行世界も元に戻り、ゼンカイジャーの活躍で漸く世界は均衡を取り戻す事が出来たのだった。
…が、介人に憑依した「神」が人間界へ転送したトジルギア装置を発動し、キカイトピアを含めた解放されたばかりの並行世界を再びトジルギアに封印。全てを振り出しに戻されてしまう。
実は「神」は、自らが生み出した無数の並行世界を“整理”する為の道具としてトジルギアシステムに前々から目を付けており、その使用権をボッコワウスらトジテンドから取り上げる事を目論んでいた。
しかし諸事情でトジルギアと反存在の関係になったセンタイギア、及びそれを用いるゼンカイジャー達の存在が生じた為、彼等とトジテンドを戦い合わせて「神」がより面白いと思った方の世界を残す事と、最終的にはゼンカイジャーを利用してトジテンドを潰す事を計画する。
そしてゼンカイジャー達が勝った時点で改めてトジルギアシステムを起動、「神」が唯一つ残す世界は人間界と定め、キカイトピアを含めた全ての並行世界とその住民はトジルギアに閉じ込められ、介人達人間界の世界の住民から並行世界の記憶は封印されてしまう。
ところが全ての並行世界が閉じられて以降、自分の得た経験からの直感とセンタイギアの力で世界で初めて「神」の記憶改竄を破った介人は「神」と真っ向から対峙し、最後の勝負を仕掛けて勝った事で「神」との和解を成立させてトジルギア装置を破壊、改めて全並行世界の開放を実現させた。
コレは言い換えるなら、「神」が介人の辿った経験と成長を認めて彼に世界の命運を譲渡した事であり、自らが至上であるとの選民思想にしがみ付き続けた末に、「神」に良い様に使い倒されて破滅したボッコワウス達上層部の末路とは真逆の結果だった。
また奇遇にも、介人もまた「親より受け継いだ力を使う」、「何処か子供っぽさが抜けない」人物であったのだが、自分が「親を始めとした王族より受け継いだ物に執着して、従わない他者を弾圧・愚弄する暴君の立ち位置に終始留まり続けた」ボッコワウスへ対し、介人は「仲良くなりたい他者へ反発されても向き合い続けて心を開き繋いで、世界の垣根を越えた絆を築き上げ、それを土台にして両親とはまた違う方向で大きな事を成し遂げた」上に、一回り成長して“大人”になっていた。
謂わばこの結果を持って、ボッコワウスとトジテンドは戦闘の結果だけでなく、思想面においても介人とゼンカイジャーに完全敗北したと言えるだろう。
ゼンキラセンパイにて…ボッコワウスの隠し子?
本編の後日談の時間軸に当たる『機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメキジャーVSセンパイジャー』では、ボッコワウスの隠し子を自称するポットデウスが登場する。
しかし実は…?
(映画の重大なネタバレがある為、ポットデウス、Dr.イオカルの記事を読む際は注意されたし)
余談
- 名前の由来は、「ぶっ壊す」の南東北・北関東の方言「ぼっこわす」と推測される他、音の響きから「勃興(=急激に勢力が増える、盛り上がる)」のダブルミーニングの可能性もある。
- 声を担当する中田氏はスーパー戦隊シリーズを含む東映特撮の常連声優の1人であり、近年では『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のタンクジョウの声で出演していたのが記憶に新しい。
- また、首領格としてのレギュラー出演は、俳優として出演した『超獣戦隊ライブマン』の大教授ビアス以来となる。
- 更に仮面ライダーシリーズまで含めて考えると『仮面ライダー鎧武』のロシュオ以来だが、こちらは“自らが率いていた文明へ選民思想と弱肉強食を許してしまった結果、再興を望めない状態にまで荒廃させたのを悔いる王”と、ボッコワウスの覇道の果てを思わせる設定背景を持つ。また偶然にも目元が隠れている様なデザインをした顔なのが一致する。
- しかし、道を間違えたとは言え愛する者を救いたい一心で行動していたロシュオに対し、ボッコワウスは己の欲望のままに力を振るい続け、自身に忠誠を誓っていた者すらも使い捨てた結果破滅した。
- 最終決戦で使用したスーパー戦隊の必殺技で、マジレンジャーだけは強化形態の武器であるダイヤルロッドを使用したのは、基本形態のマジレンジャーにメイン必殺技が無い故であろう。
- ファイブファンスティックキックがメイン必殺技にカウントされる事があるも、ボッコワウスの手で使用されなかったのは絵的に地味な為と思われる。
- 因みに、9年連続で敵組織の首領がラスボスとなった。
- 昔は『宇宙刑事ギャバン』のドン・ホラーのように、敵基地に巨大なボスをセットの一部として出せていたが、予算やご時世の都合で今はセットを組むステージ不足という物理的な事情から大規模な敵基地を作れなくなり、巨大な敵のボスを出しにくくなった。しかし、敵組織の巨大さを出すために各所に相談し、どうにか具現化可能となった(『東映ヒーローMAX VOLUME 63』pp.24–26)。
- セットの壁面に巨大な頭の作り物を据えるという趣旨且つゲゲが神託を受けてボッコワウスを操る設定で、ゲゲが肩の辺りに留まって耳元で囁くイメージだったが、セットで無く合成で巨大に見せる手法にシフトしていく中で、小さく出来ないゲゲがかなりの比率を占める様になった。ボディの大部分が機械的パーツから成る回路の様になっているが、口の周りを囲う菱形の枠内のみを造形する事で全体を顔に見せるのを狙いつつ、この菱形をゲゲの居空間の形に合わせることで両者の関係性を裏付けようとした。
- バトルモードのデザイン上の解釈は、顔の菱形の枠をグレイブモノリスの境界線と捉え、枠を巨大化させて半身をモノリスからあらわにしたというもの。イメージが変わり過ぎぬ様、元々あったメカ回路要素を残しつつ、生物的で柔らかいタッチの土台部分を所々露出させる事で差別化を図った(『機界戦隊ゼンカイジャー公式完全読本』p.105)。