「やれやれ……白状するしかないか。実は僕、全ての世界を創った"神様"なんだよね♪」
「あるべき場所へお帰り…」(第45カイ!)
概要
第45カイ!で明らかになった存在であり、ゲゲの肉体を奪ってボッコワウスに取り入っていた人格の正体。
第42カイ!ラスト以降はステイシーにも憑依しており、状況に応じて2つの体を行き来していたが、第46カイ!以降はゼンカイジャーの面々や一般人の体を使う様になった。
本人曰く今作に登場する全ての並行世界を創ったらしいが…。
名前などは明かされず(そもそも名前があるのかも不明)、本編中では一貫して自他共に「神様」と呼称された。これまでのスーパー戦隊シリーズにおいて「神」を自称する者は何人かいたが、(名称不明な神としては全能の神という前例はあるが)固有名詞を持たない単純に《神》とだけ呼ばれた初の事例となった。加えて実体がない為に神本人の姿などが登場する事もなかった。
この手の他人に憑依する系の存在は特撮では珍しくないのだが、本体や本人の姿などが一切登場しなかった(本体と言えるものがおそらく存在しない)系のキャラクターは非常に珍しい。
人物像
一人称は「僕」。
常に猫撫で声の様な甘い声で話す。
誰に対してもやたらとフレンドリーに接する馴れ馴れしい態度の持ち主であり、飄々としていて掴み処の無い言動は先述の口調と相俟って腹黒さや不気味さを感じさせる。
元々実体を持たないからか、上記や後述にあるように常に誰かの体を借りる形で干渉する。
ボッコワウスに最後の世界への武力行使を進めただけで無く、終盤になるとステイシーになりすましてトジテンドと対立する構図を作る等、戦いを誘発しているかの様な行動が多く、その様を楽しんでいるようにも見える事から愉快犯気質な側面も強く、基本的には面白いか否かを行動原理としている。
一方で対立や戦いを煽りはするものの、実は神自身がそれによって起きた直接的な破壊行為や蹂躙を楽しんでいる様子は見られない(ハカイジュウオーの都市破壊をボッコワウスと共に観戦していたのも素の方のゲゲである)。オミクジトピアを消滅させた件も本人的には渋々であり、後述の目的や基本的には創造神である事を考えても、世界を壊す事自体は嫌っているようである。
トジテンドに混乱と欺瞞を齎している一方で、ゼンカイジャーの味方と言う訳でも無く、表向きは彼等に寄り添いつつも、ゲゲになりすましてSDワルドを生み出した際には、それをわざと倒させる事で彼らの心強い協力者であるゴールドツイカー一家をSDトピアに旅立させた上に、カイゾクトピアのトジルギアも破壊して彼らが最後の世界に戻らない様にして戦力を削る事までしている。
その上、ゲゲの姿でトジテンドパレスの並行世界間ゲートを弄り、道行くキカイノイド達の前に現れては、ゲートの先のキカイトピアに押し返すという通り魔の様な行動にも走っており、その目的は読めない。
加えて、ある意味当然ながらステイシーを始め憑代に定めた人物に無許可で体を使っている上、キカイトピアの現状やキカイノイド達の境遇を知って居ながら、神自身の考える「あるべき場所」に拘って彼らをキカイトピアへ強制的に送り返すと言う苦しい暮らしを強要させる行為を平然と行い、しかも前者を五色田介人から責められた際には、「神様だから」と言って開き直っている。
ただし、これらについては単純に傲慢や自己中心的というよりも、文字通りの神の視点で見ている故にナチュラルに「世界の中の個々の住民達の視点など見えていない」という側面が強い。ステイシーの身体を乗っ取った事を介人に責められた件についても、本人の言動を見る限り本気でそこまで責められるような事をしたとは思っていなかったらしく、一般的な人間の価値観とは根本的に乖離している部分も多い。
一方で、介人達が代わりに自分達の身体を使うように提案すると、あっさりと引き下がってステイシーの身体を開放するなど、意外にも相手の話にちゃんと耳を傾けて応える誠実さもある。
また、(面白いと思いさえすれば)一対一の決闘にも勝率が五分五分の戦いにも乗ってくれ、そこで交わされた約束にもしっかりと準じるなど、割とどこまでもフェアなメンタリティをしている。
このように纏めると、良くも悪くも常に神らしい視点や思考で動いている存在であり、善なる存在とはお世辞にも言えないが、かと言って悪かと言われるとそれも違うと言える。
公式の備忘録でも「人類の価値観は通じない存在」「邪悪ではなくむしろ清らかな雰囲気」などと評されており、まさに善悪などという我々人類の単純な価値観では到底測れない存在だと言える。
能力
神を名乗るだけあって、常識を超える程の絶大な力を持っている。
神としての最大の能力=権能はまさしく「世界を創造もしくは破壊する能力」であり、文字通り自身が思うままに世界を創造し、逆に自身が想像した世界そのものを破壊する事もできる。
作中では、オミクジトピアそのものを砂に変えて消滅させてしまう事で、ダイオミクジワルドからオミクジトピアの力を抜き取って只のクダイテストに戻す、という規格外の力でゼンカイジャーを助けており、この結果にはゼンカイジャーはおろかトジテンド側にも大きな混乱を齎した。
他にも、世界そのものから自身にとって不都合な記憶を消し去って修正する事もできる。これは憑依している状態ならば個人レベルでも行えるらしく、作中では自身の憑依体であるゲゲやステイシーに対して行い、自身が乗っ取っている間に欠けた宿主の記憶を無理矢理刷り込んで強引に辻褄を合わさせると言う記憶操作を行使する事で、最後まで自身の存在を宿主の彼等に悟らせなかった。
加えて、宿主の記憶を自由に覗き見る事も可能であり、これによって宿主の情報を瞬時に理解出来る。
また特殊能力だけで無く、言葉巧みにボッコワウスの懐に入り込む人心掌握術や、ワルド…ひいてはそのモデルになった世界の特色を深く把握した上での作戦指揮能力等、頭も非常に切れる。ただし、これについては後述する通り憑依した相手によっても左右される。
と、ここまで書くと最強の存在のようにも感じるが、その実態はそんな単純なものではない。最大の問題点は、神自身は基本的には上記した「世界を創造もしくは破壊する」という絶大な権能以外のものは、殆ど何も持っておらず自分自身ではそれ以外の事は何もできないと言う事である。
これは比喩などではなく、神は肉体すらも持っていないので、事実として彼自身は基本的にはどの世界にも直接干渉する事は出来ず、その世界の住民に憑依しなければ意思表示すら出来ない。
しかも神自身の戦闘も含めた全ての能力やポテンシャルは、憑依した器に全面的に依存しており、この手の相手に憑依する存在にありがちな、憑依する事で元の器が使えないような様々な能力が使えるようになる、超常的な力を行使できるようになるといったオプションは皆無である。その為に憑依対象にポテンシャルが無ければ何もできず、あくまで神自身の直接的な戦闘力やポテンシャルは皆無に等しい。
だからこそ作中では神は、直接的な戦闘などは全て最終的にはゼンカイジャーにやらせようと目論んでおり、ある意味神とはスーパー戦隊シリーズの敵味方問わず、最強の存在であると同時に最弱の存在でもあったのである。
実際のところ、第46カイ!で次に出てくるワルドの事を予言していたが、神には予知能力など無くただのゲゲを操った自作自演に過ぎなかった(ゲゲイシーの項目を参照)。
これは頭脳面なども同様であり、作中ではゲゲやフリントの頭脳を利用する事で、並行世界間ゲートのセキリュティを解除したり、ゲートの設定を書き換えたりしており、少なくとも神自身にはこういった技術系の方面の能力や知識は皆無である事が窺える。
逆に言えばこちらから神自身に干渉する事もできないので、即ち神を滅ぼす手段もない。器を破壊されても何の打撃も受けない事は勿論だが、器に憑依した神の精神体自体を滅ぼす手段も特にないらしく、最終回では自身に戦いを挑む介人に対して「このまま戦っても永遠に決着はつかない」という事を警告していた。本体がこちらの世界に存在しない以上過去作の前例のように封印する事も当然ながら不可能である(そもそも本体と言えるものがあるのかも定かではない)。
目的
それは、トジテンドに蹂躙された全ての世界を元の姿に戻す事であるとされ、自分が創造した数多ある世界を滅茶苦茶にされた事が癪に障ったらしい。
…と本人は言ってるが、この行動原理にはこれまでトジテンド側の人物(しかも首領に寵愛されてその気になれば組織を好き勝手できる立場)に憑依しているのにもかかわらず、世界の蹂躙を止めようとせずに行動を共にしていたと言う矛盾点が生じており(介人達は神がゲゲに憑依していた事を知らない為、気付く由も無いが)、やはりその真意は窺い知れない為にゼンカイジャーの不信感も払拭はされない。
そしてゼンカイジャーを自身のマッチポンプでまんまと懐柔(別に彼等からも完全に信用されてはいないが)すると、「トジテンドを倒させる」と言う名目で彼等をキカイトピアに連れて行く(第45カイ!でゲゲの身体を作って並行世界間ゲートのセキリュティは解除させていた)。
その一方、ゼンカイジャーの目が届かない内を狙って人間界に戻って、第45カイ!から始めたキカイノイドをキカイトピアに強制送還する行為の続きを始め、ターさんを始め多くのキカイノイド達をキカイトピアに送り返して行った他、カイゾクトピアを解放して戻るように仕向けた筈のゴールドツイカー一家がゼンカイジャーの援護の為に戻ってきた事で、フリントに人知れず憑依し、彼女の頭脳を利用して並行世界間ゲートの設定を更に変更している(また明言こそなかったが、五色田功にも憑依して五色田美都子がスシトピアに迷い込んでいた事を教え、彼等の帰還にも介入していた模様)。
そしてボッコワウスが倒された事を見届けた後に計画の最終段階に移行、ゾックスに憑依してゴールドツイカー一家をカイゾクトピアに改めて帰還させ、全ての世界の住民が「あるべき場所」に還った事を確認した後に、介人に憑依してトジルギア装置を人間界に移動させてから再起動、今度は介人達の世界を除くキカイトピアも含めた全ての世界を再びトジルギアに閉じ込めてしまった。
全ては神のシナリオ通り…。
そしてその後、介人らゼンカイジャーの世界の住人はこれまでの出来事の全ての記憶を消し去られ、仮初の日常を取り戻した(全並行世界がトジルギアになった事で、五色田夫妻も並行世界を把握すら出来ていない)。
しかし、ゼンカイジャーのリーダーだった介人は次第に記憶の齟齬に違和感を感じ始め、やがて介人はセンタイギアを一つ未だに持っていた事に気付き(神に憑依された影響か、記憶等を改竄された影響なのかこの時のものは閉じられた通常タイプだった)、世界で初めて神の記憶改竄を打ち破る。
そして記憶を取り戻した介人に呼び出された神が接触、介人の精神世界で彼自身の姿を模して顕現した神はその真意を語る(因みにこの時神は介人に憑依している状態であり、介人や神様が喋る際には現実世界の介人もそれぞれの意識が表層化して喋る為に、傍目には介人が一人芝居をしているように見える)。
真の目的
「お片付けだよ。大掃除♪」
「思い付くままに世界を創っていたら、増え過ぎちゃってねえ。僕には世界を作るか消すかのどちらかしか出来ない。折角創ったのに消すのは勿体無いなあって思っていたら…イジルデが世界を丸々閉じ込める仕組みを研究している事に気が付いたんだ」
前述の行動原理自体も嘘ではなかった(トジテンドが行っている事に腹を立ててはいた)ようだが、それは本質ではなく、神が言う「世界を元に戻す」とは「世界を元通り整理する」事であった。
創造神という役割を持った彼としては、増えすぎた世界を一度整理する事もまたその役割だったのである。公式の備忘録では「暇を持て余した神の仕事?」と評されており、あくまで世界に対して善意があった訳でも悪意があった訳でもなく、ましてや人類や世界に失望していたという訳でもない。
しかし、前述通り自分では世界を創る事と壊す事以外の何もできない神は、かと言って自分がせっかく作った世界を壊す事も惜しく、世界を整理するにしても本人だけでは手詰まり状態だった。
その矢先、イジルデが開発したトジルギアを用い、キカイトピア以外の並行世界を次々と手中に収め始めたトジテンドの存在に気付き、これにより並行世界を消去しなくとも「記念」として保存する事が出来ると考えた神は、ゲゲに憑依して極秘にトジテンドへの協力・誘導を開始した。
この為、神が全ての元凶かと言われるとそういう訳でもなく、トジルギア自体は元々神とは無関係に作られた技術であり、トジテンドが他の世界への侵略を始めたのも神の介入とは直接関係はない。
ちなみにゲゲに憑依した理由は、ゲゲ自身の勘の鋭さや頭脳を警戒したのだと思われる。
実際にゲゲは、サカサマワルドの能力で入れ替わったステイシー(in介人)を、瞬時にステイシーではないと見抜いており、神がボッコワウスなど他の者に取り憑いたとしてもゲゲに見抜かれる可能性が高かった。だからこそ神はゲゲという危険因子を封じつつゲゲの頭脳と立場を手に入れる事を目論んでゲゲに取り憑いた模様(ボッコワウスのお気に入りという立場が都合が良かったのも間違いない)。
そして、ギアのオリジナルの技術を保有していた故に(トジルギアはイジルデがセンタイギアの技術をパクッて作ったものだった)、世界同士が反発or共鳴した結果閉じる事が出来ずキカイトピアと融合してしまった介人達の世界、そしてゼンカイジャーに興味を持った神は、二つの世界の内どちらか「面白そうな方」を残す事を思い付き、どちらがより残すに相応しいか見極め始める。
ある時は強力な世界をチョイスして厄介なワルドの作成、ある時はステイシーや介人の援助という不可解な暗躍を続けていた神だが、これも残す世界を見極める前にどちらかが圧勝しない様にするバランス調整が目的であった。加えてステイシーに拘っていたのは、人間の世界であるゼンカイジャーの世界やゼンカイジャーと接触する上で、見た目が殆ど人間である上に介人と様々な因縁や繋がりが出来ていたステイシーを器とするのが、一番懐柔しやすいと考えていたからである。
そしてハカイザーを巡る全面対決の末に功を奪還した介人に心が傾いた神は、介人の世界を残す事を決める。
それはあくまで人間界『だけ』を残すという意味であり、ジュラン達キカイノイドや他の並行世界の人間は有無を言わさず元の世界に帰してトジルギアを発動させるつもりだった。
人間界以外の全並行世界をトジテンドの技術でトジルギア化すべく、最早用済みでしかなく計画の邪魔になるトジテンドをゼンカイジャー達に倒させるべく(神自身は前述通り戦闘力は皆無なので)、ステイシーを使って行動を開始。同時に並行世界を自由に移動できるゴールドツイカー一家は計画上邪魔なので、SDワルドとカイゾクトジルギアを使って一足先に元の世界に戻るように仕向けた。
ちなみに神の目的や思想から、たとえ選んだ世界がキカイトピアだったとしてもどちらにせよトジテンドだけは最終的には潰すつもりだった模様(「神」は物理的な干渉はできないので、誰かに倒してもらうか仲間割れで自滅させるしかないのだが)。前述の自分が作った世界を無秩序に侵略し続けるトジテンドに対する非難の言葉も本音ではあり、本人としては世界を全て閉じた後に自身が全てのトジルギアを管理するつもりだったので、いずれにせよトジテンドは邪魔でしかなかった。
- 「神」はイジルデの開発したトジルギアが「五色田夫妻が開発したセンタイギアの技術をパクッて作ったものだった」と知っていて利用していたのだから図々しい話である。まさに人間の倫理観が無い。
各話での具体的な暗躍についてはゲゲイシーの項目を参照。
全ての世界を閉じた創造主との決着と顛末
最終的にまんまと目論見を成功させ、介人のいる人間界以外の全ての世界をトジルギア化するに至った神。
ジュラン達キカイノイドはキカイトピアに帰され、ゾックス達界賊はカイゾクトピアに帰され、キカイノイドと人間のハーフでキカイトピアに拠り所が無かったステイシーもまた「生まれた場所はキカイトピアなので、帰るべき場所はキカイトピア」と勝手に決められ彼等の世界は閉じられてしまった…。
しかし、身体に残る様々な経験に基づく違和感と、ブランク状態のセンタイギアによって全ての記憶を取り戻した介人は(神によると彼の記憶操作を破った者は世界初らしい)、トジテンドとの戦いを通じて多くの人々と交流したこれまでの全ての経験から、そんな結末を受け入れる筈も無く一蹴する。
当初は介人の方から神に干渉する事は出来なかったが、尚もトジルギアの場所を追及する介人に対し、「僕に勝ったら教えてあげる」とゼンカイザーの姿になり、敢えて実体を持ち干渉出来る状態で介人に勝負をしかける。そして介人のチェンジした本物のゼンカイザーと激突。
神は途中でスーパーゼンカイザーの姿となり介人を圧倒しようとするも、介人の方は心に宿るキカイノイドメンバーとゴールドツイカー一家、ステイシーザーへと次々と姿を変えて猛攻、最後はゼンカイザーとなって拳で互角の勝負を繰り広げるた上に、介人の心の中の仲間達全員とのパンチで圧倒する。
しかし、結局は精神体に過ぎない神とは決着がつかず、このまま介人の心の中で永遠に争う事になるかと思われたが、ここで介人はまさかのじゃんけん勝負を提案。
介人「最初はグーで、1回勝負な!これで負けたら、オレも諦める!」
「はぁ?えっ、待って…世界の命運を、じゃんけんで?」
予想外の提案にここまで終始飄々としていた態度を全く崩さなかった神も、流石に困惑した様子を見せる。しかしすぐにそんな介人を面白いと評して、神は提案を飲む。
その結果は神の負け。
奇しくも、世界を閉じる事を望んだ神の「グー」に対し、世界の解放を望んだ介人の「パー」が打ち負かす事となり、同時に物理的には一人でも心は常に5人戦隊で仲間と共に戦っている介人は5本指の「パー」を出し、誰の姿になろうが所詮は一人でしかない神は「グー」を出して負けたのである。
「あーあ、負けちゃった。でも、僕も本当は片付けたくなかったからね……その気持ちが出ちゃったのかも」
アッサリと負けを認めた「神」だが、1年を通してゼンカイジャーと戦い関わる中で並行世界に情が移った事を吐露する。気まぐれで始めたこの1年間の戦いで奇しくも神の方も、初めて「1つの世界やそこに生きる住人達と向き合い続ける」という経験を得た結果、無自覚にそこに生きる者達や自由な世界の面白さに気付き始めていたのである。
ある意味主人公の介人と並行して、初めて外の世界と向き合うという経験を得た神は、最終的には自身と同様の経験を重ねて、他者を尊重して世界を解き放つという“大人”へと成長した介人と真っ向から戦う事で、介人を認めて彼の意見を尊重し、全ての世界を解放した上で介人に世界の今後を託したのである。
即ち、最終回の神の敗北と心変わりは、まさしく五色田介人という主人公の勝利であり、ゼンカイジャーという戦隊の勝利であり、ゼンカイ脳という彼等のスタンスそのものの勝利だと言える。
またこの事から、神について公式の備忘録では「ただの介人のファンなのでは?」とも評されている。
そしてこれからは今まで創った世界も、これから創る世界も1つ1つを大事にするように介人に促され、「その方が面白いよ」というアドバイスを受けた事で、「簡単に言ってくれるね」と苦笑いしつつもそれを承諾して約束。世界の今後を介人に託してトジルギア装置の場所を教えて姿を消した。
その後、介人はスカイツリーの上にステルスで隠されていたトジルギア装置をゼンリョクゼンカイフィナーレバスターで破壊。
全てのトジルギアから並行世界が解放され、介人達の世界改めゼンカイトピアとも交流が広がるのだった。
フローチャート
そんな神様の時系列だが少し分かり辛いので、ゼンカイジャーの東映公式サイトでは、ゼンカイジャーの東映公式サイトでは、最終カイ!のゼンカイ備忘録にて以下のように整理されている。
【ゼンカイ1話以前】 |
---|
|
【ゼンカイ1話】 |
---|
|
【ゼンカイ序盤】 |
---|
|
【ゼンカイ中盤】 |
---|
|
【ゼンカイ#40】 |
---|
|
【ゼンカイ#43~】 |
---|
|
デウス・エクス・マキナ
『機界戦隊ゼンカイジャー』最終回は、全ての世界の創造主と言うスケールの大きいラスボスと、そこに辿り着くまでに張られた無数の伏線と綺麗に繋がったラスボスの最終目的、さらにその意外ながらも非常にゼンカイジャーらしい世界初の決着方法などに称賛の声が多く集まり世界トレンド1位となった。
一方で、「全ての世界を創った創造主である“神”が物語を支配しており、神に消された世界は元に戻る事は無い(オミクジトピアが元に戻る事は無かった)」と言う展開に拒否反応を示した視聴者も一部には居た模様(この作品のこのキャラの時も同じような事が起きた)。
ただし、神自身は前述通り、世界の創世と破壊以外は不可能だが、「破壊した世界を再び創世することは不可能」とは一言も発言していない。他にも、今後は自分が今までに作った世界も全て大切にする事を介人に約束しているので、オミクジトピアに関してもあの後復元されていて救済されている可能性もある。
ファイナルライブツアー
本編終了後のファイナルライブツアーでも登場する。
こちらではゼンカイジュランに憑依する形でゼンカイジャーに協力しており、この事から本編以降は完全にゼンカイジャーに協力する立場になっている事が窺える。
また、自分が作った世界やそこに住む住人達に対する見方も謙虚になっている。
神はメタ的に見ても、スーツなどが存在せず憑依という形でいくらでも出せる上に、物語を動かす上でも非常に便利なキャラなので、今後の戦隊の関連作品でも登場する可能性は高い。
余談
意図したものか不明だが、キラメイジャーからゼンカイジャーへのバトンタッチが奇しくもジャンケンのように見える。
また、視聴者の中には、神の本名を考察する者もいる。
関連タグ
ラスボス:ただし神との最終決戦については、主人公の介人が最後の成長と選択をする為のイベント戦のような趣も強い事や、神が単純に悪役や敵役とは言えない事から、ラスボスはあくまでその前のボッコワウスであると見なす視聴者もいる。その為、どちらをラスボスと見るかは視聴者に委ねられる(一応公式では、神がラスボスであるとしている)。
デウス・エクス・マキナ:意味は「機械仕掛けの神」。演劇において収拾が付かなくなった局面を無理矢理解決させる存在である。
本作は「機械」がテーマの物語で「機械生命体による帝国」と戦う作品であり、故にそれを操っていた最後に戦う存在は、世界を創造・管理するシステムそのものと言える存在=まさに「機械仕掛けの神」だったのである。そしてその神が手にしたトジルギアという、“全並行世界を封印する神の如き機械装置”の使用権を主人公が放棄させて、世界の命運を機械仕掛けの神から託されるまでの過程を描いたのが『ゼンカイジャー』の物語だったと言える。
八手三郎:メタ的な意味で全ての世界を作った神と言うべき存在。ある意味ステイシーザーがやはり非公認戦隊の要素を持ってしまったと言えるかもしれない。
香村純子:ある意味この作品の「神」の様な存在。なおこの方も、サブ脚本家の立場(前シーズンの脚本を荒川稔久とで約半分ずつ執筆)で非公認戦隊に大きく関わっていた。
実際、こんなイラストも···