「機械のパワー、ハカイザー!」
「俺はワルドをガードする為にイジルデに作られた機械戦士だ。って事で~、邪魔する奴らは、全力でハカーイ☆」
データ
身長/198cm
体重/197kg
世界/キカイトピア
概要
イジルデが新たに製作したステイシー/ステイシーザー に次ぐ実験兵士。姿を見せたのは第29カイ!だが、本格的な登場は第30カイ!からとなる。
人間界侵略に送り込むワルドのボディーガードとして作り出された機械戦士で、ゼンカイジャーとツーカイザーが6人纏めて掛かって来ても、攻撃を全て捌き切った上で、チャージしたパンチの一撃で一気に吹き飛ばしてしまう程の高い格闘能力を持つ。下記のブイメランや腕に装備されたハカイザーショット等、ゼンカイジャーを圧倒する装備も多彩。
出撃当初はスーパー戦隊の力を宿した「全力破壊銃」を用いてレジェンド達の力すらも使いこなしていた。これはゼンカイザーに2戦目で奪取された為に使用不能となったが、それを持たずとも素の戦闘力が高いので大きな弱体化にならなかった。
更には他の対象の影に潜伏する能力で相手の意表を突くトリッキーな戦法や、背中の噴射口を用いての低空飛行も可能であり、総じて攻守共々隙がない強敵中の強敵である。
ただ、トジテンド出身ではあるが「機械戦士」と呼称をされているのに加え、充電式である等、キカイノイドとは異なる存在としての要素が強い。
「1から作り上げた機械の兵士」とイジルデは誇っていたが、ゲゲは「1から……ねぇ?」と疑わしげだった。
それもそのはず、ハカイザーは五色田夫妻が残したデータを、功博士の脳からイジルデが盗用して作り上げた物。要はパクリである(トジルギアのマークに充電メーター等、一応それなりのアレンジは施されているが)。
ゴツくもヒロイックな姿をしているのは「元々ゼンカイザーのスーツのデザイン候補(の没案)だった」為であり、実質的にプロトタイプ・ゼンカイザーとも言える存在である。実際、セッちゃんのラボにあったデータに「PROTOTYPE-ZENKAIGER(プロトタイプ・ゼンカイザー)」と書いてあり、想定されていたコードネームも「イサオージャ」であった。
また元々はゼンカイザーのスーツデザインだった=誰かが変身する為のシステムだった事実を考えると、機械兵では無く変身者が存在する可能性も高いと考察されていた(後述の通り実際その通りだったのだが……)。
基本的にはこの姿のまま行動している。
「ワルドをガードする為に作られた」存在理由に従って、その任務を忠実に遂行している。悪意も感じられず「仲間と一緒に、ゼンカイジャーの様な面白い連中と戦うのは嬉しい」等、ポジティブな感想すら口にする程。
同じくイジルデ配下のステイシーとは、本来手柄を競う立場(ステイシーも当初はそんな認識であった)のハズだが、彼への競争心や対抗心は特に持っておらず、ボッコワウスとの謁見で「ステイシーザーよりも性能は高い」と評価された際も、「ですかね! まだ比べた事無いですけど」ハカイザー自身とぼけた返答で終わらせている。寧ろその爽やかな性格からステイシーを「仲間」と見ており、ファインプレーを素直に賞賛する対応をしたりする為、頑なであったステイシーも数少ない仲間として歩み寄る姿勢を見せつつある。
また、ワルドをガードする為に作られた存在ではあるが、イジルデは当初「あくまで自身の配下」であるのを理由に、バラシタラの生み出すワルドの作戦に参加させていない。
人物像
ヒロイックだが見た目がゴツく、感情を読み取れない無機質な印象を受けるデザインは、いかにも強敵キャラの系譜であり、普通なら冷酷で威圧感がありそうなものだが、彼の場合は正体が正体だからか、硬派な外見に反して言動がやたら人間臭い。
話し方はとても敵とは思えない程に爽やかで明るくてノリが良い。
「全力で~」と五色田一家おなじみのフレーズを多用し、細かい仕草も妙に介人に似ている。
更にクダックやワルドらと違い、任務に直接関係する、または戦いを挑んできた相手以外には最低限しか手を出しておらず、ワルドが逃走に成功すればゼンカイジャーを放置して撤収するケースもしばしば。
またボッコワウスにはきちんと挨拶し、敬語で話すのは勿論だが、任務の過程で一般人の民家を訪れた際にも、襲ったり威嚇するどころか、律儀に挨拶をして済ませる等、非常に礼儀正しい。
この性格の実態は、後述する変身者の頭脳を刺激する目的で彼の感情・感覚面だけを引き出し、それに対しイジルデがインプットした思考・価値観を組み合わせて人格を構築した事実に由来すると考えられる。
正体(ネタバレ注意!)
その変身者は10年前にトジテンドに拐われ、イジルデにコールドスリープにされ知識を利用されていた五色田介人の父親・五色田功。
アーマーに充電されたエネルギーを利用した洗脳を施されており、後述の第35カイ!の様子から、ハカイザーとして活動している際の言動等は功の記憶には残存しない模様。充電残量が0%になるとマスク部分が消滅し、本来の五色田功としての人格が表に出る。
因みにアーマーはかなり頑丈なのか、ゼンリョクゼンカイフィナーレバスターをゼロ距離で喰らってもふらつく程度で済んでおり、内部の功は特にダメージを受けた様子は無かった。
尚、ハカイザーの正体は他のトジテンドの幹部のみならず、組織のトップであるボッコワウスにも当初は秘密にされていた。これはイジルデが上記のパクリ=数多の技術盗用を表沙汰にされるのを恐れていたからであったが、第35カイ!の一件で正体がトジテンド内に知れ渡ってしまい、続く第36カイ!でボッコワウスの御前にて激しく糾弾されている。ただし、イジルデが功の技術を元として多くの発明品を生み出した功績から(ゲゲがボッコワウスを宥めたのもあって)お咎め無しで済んでいる。
総じて、ハカイザーのアーマーは功の知識を欲したイジルデが、彼の意識を封じながら活動させ、その頭脳を刺激させて新たな知識を絞り出させる役割も持たせた、端的に「動く氷牢」とも評せる悪辣な機能を持った装備へと改編されていた。一方、思考面に悪影響が及ぶのを考慮してか、功の身体自体には最低限の改造(アーマー抜きでも定期充電が必要ではあるが、人間の原型は保たれており味覚も残されている)しか加えられておらず、曲がりなりではあるもハカイザーのアーマーは、生みの親の命を最後まで護り抜いている。
また功の存在が、彼の息子にしてトジテンド最大の脅威に当たるゼンカイジャーの中心人物である介人に対して、大きな牽制になるのも見込まれていた可能性もあり、実際に一時、事情を知らなかった介人と一足先にハカイザーの正体を知ってしまったキカイノイドメンバーの間で、チームワークをぎこちなくさせる効果があった他、介人へ家族の絆に関するコンプレックスと嫉妬を感じているステイシーを焚き付け、自主的にワルドの護衛へ買って出させる副次効果も産んでいる。
使用武装品
- ブイメラン
背中に装備された巨大ブーメラン。敵を牽制する投擲武器にも、手にして敵を攻撃する武器にも使える万能装備。
- ハカイザーショット
両腕に装備されたマシンガン。弾切れも無く無限に銃弾を打ち出し敵を蜂の巣にする。必殺技発動の起点にもなる。
- 全力破壊銃
スーパー戦隊の力を引き出す為の武器。
その正体はいわばギアトリンガーのプロトタイプに当たる、スーパー戦隊の力を引き出す為の武器「ゼンリョクゼンカイキャノン」をイジルデが再現した物であり、ギアトジンガーと同じく、スーパー戦隊を召喚して戦わせる機能を持つ。こちらは戦隊単位では無く、同じ属性を持つ別戦隊の同色、または色以外の共通点でカテゴライズされた戦士を呼び出す芸当も可能。
初登場の第30カイ!ではハカイザーが使用していたが、ゼンカイザーとの一騎討ちでゼンカイザーの手に渡り、ゼンリョクゼンカイキャノンとして使用される。
必殺技
- ハカイフィニッシュバスター
ゼンカイジャーのゼンカイフィニッシュバスターに相当する技。ハカイザーショットに赤い角のついたエネルギーをチャージして放つ。
第35カイ!にて初披露。ステイシーザーのシーザー邪王砲皇撃と同時発動し、スーパーゼンカイザーを吹っ飛ばした。
ハカイザー・改
第40カイ!に登場。ボッコワウスから譲り受けた「先々代トジテンド大王の一部(パーツ)」によって、更なる強化改造を施されたハカイザー。
外見的変化は特徴的だったブイメランを黒マントに替えたのみだが、アーマーには巨大怪獣ロボ形態・ハカイジュウオーへの変形機構(アーマーの収納・展開ギミックにより、巨大⇄等身大への形態変化を実現する)が組み込まれている。
また洗脳を強化されて功の情動面すら封じられてしまった結果、淡々とした口調の正しく「冷酷無比な兵器」「悪の戦士」その物と化している。強化改造以前の記憶も封印されているのか、イジルデを「イジルデ様」と呼び変え従う他、仲の良かったステイシーに対しても「実験兵士は引っ込んでいろ」と見下した発言をする等、性格が別人のように変貌してしまった。
その影響か、重心を落とした重い一撃を叩き込む戦闘スタイルに変わっている。
ハカイジュウオーへの変形機構と、遊び無く命令へ忠実に従う性格改変により、単騎で世界を淡々と壊滅させる文字通りの破壊の化身となった反面、元の運用目的から完全に方針転換されている。
五色田夫妻の知識から兵器開発のアイデアを得ていたイジルデにとっては、こうした様に功の頭脳への刺激に成り難くなるかも知れないハカイザーの改造(仕様変更)は非合理的かもしれない(※もう1人、その知識を利用していた五色田美都子が、この当時ではトジテンドから脱走して行方不明だったので、イジルデの功への依存度はより高くなっていた)のだが、計画発案者のボッコワウスに逆らえない為、止む無く強化改造と運用転換へ踏み切ったと推測される。
活躍
第30カイ!
カキワルドと戦っていたゼンカイジャーとゾックスの前に「やめろー! ゼンカイジャー!」とヒーローさながらに登場。
名乗りを決めた後、カキワルドの周りをぐるぐると回りながら、ノリノリの勢いで1対6であるにもかかわらず徒手空拳のみで6人の攻撃を捌き切り、更に全力破壊銃で召喚した戦隊「お覚悟!チャンバラパワー」(ニンジャイエロー、ハリケンイエロー、シンケンイエロー、キニンジャー)で翻弄し完全にガードして見せた。
「チャンバラパワー、全力でハカーイ☆みんな頼んだよ~」
怯んだ所で「カキクエバカネガナルナリ砲」をゼンカイジャーに浴びせたカキワルドに続き「よーし、カキワルドを守ったぞ~! じゃあな~☆」と言い、「トウーッ!」と掛け声と共に前方宙返りで撤退。
その後、正体を現したホシガキワルドとの戦闘に現れ、全力破壊銃で召喚した戦隊「爆発!サイエンスパワー」(デンジブルー、ダイナブルー、ブルースリー、タイムブルー)で喉の渇きで動けない6人を圧倒する。
「ホシガキワルド! 諦めるのはまだ早いぞ☆サイエンスパワー、全力でハカーイ☆」
しかし、ホシガキワルドの能力によって渇きに苦しみながらも、全力破壊銃を奪取しようとするゼンカイザーと一騎打ちに持ち込まれる。給水に行かずに限界に近いゼンカイザーを「このままじゃミイラになるだけだぞ?」と挑発するが、「そうなったら、世界初! 世界を守るミイラになってやる!」と返され、何がツボにはまったのか大爆笑。
その隙にギアトリンガーのガトリングモードによる連射を受け、取り落とした全力破壊銃を奪取されてしまい、ホシガキワルドも倒されてしまった。だが、すかさずジュラン達を蹴散らして「安心するのはまだ早いな」と全力破壊銃を取り返そうとするも、突如胸部のランプが点滅し、警告音が鳴り出す。
「あっ……残念! エネルギーが切れそうだ……またな☆トウーッ!」
と、全然悔しくなさそうな軽いノリのまま、ダイカキワルドに後を任せて撤退した。
第31カイ!
イジルデが送り込んだギュウニュウワルドをゼンカイジャーから護衛すべく出現。
主要武器のゼンリョクゼンカイキャノンを失っても、背中のブイメランで全く衰えない戦闘力を見せつけゼンカイジャーを圧倒。「両親の考えた姿で悪事を行う事態」が許せないゼンカイザーに怒りをぶつけられるが「俺に言われても、困るな」と意に返さず、腕のハカイザーショットを乱射して一同を蹴散らすと、ギュウニュウワルドと共にその場を後にした。
その後は、ギュウニュウワルドの能力で白く変色していく人間界の様子を「う〜わ、すご……このままじゃ、文明滅びちゃうな…」と呑気に見物していると、ステイシーが現れる。
ステイシー「あいつらを舐めない方が良い」
「あいつら?ゼンカイジャーの事?」
ステイシー「いざとなると、思いも寄らないパワーを発揮してくる…」
何度もゼンカイジャーの起こしたパワーに苦汁を飲まされたステイシーの忠告を受けるが、「へぇ、それは楽しみだなぁ」と寧ろそれを好意的に捉え、ギュウニュウワルドがピンチになってもすぐに駆けつけると危険視はしなかった。
しかし上空のクロコダイオーからゾックス/ツーカイザーが突如降り立ち、そのまま戦闘開始。
ツーカイザーと互角の勝負を繰り広げるも、長引いて救援に駆けつけられず、その間に世界改変の影響が消えて、ギュウニュウワルドが撃破されたのを悟る。
「しまった〜! 世界が戻っちゃった。こりゃイジルデに怒られるなぁ……まぁ、良いか。今日の仕事は終〜わり! ま〜たな〜☆」
とアッサリと戦いを中断し、ブイメランでスーパーツーカイザーを牽制した隙に、軽いノリのまま撤退した。
しかし、今回の戦いでゾックスはハカイザーの言動が、妙に介人に似ている点を訝しみ始め……。
第33カイ!
新たにイジルデが生み出したガクエンワルドを護衛する為に送り込まれ、ガクエンワルドを見つけた介人とブルーンを襲撃。軽トラックの荷台の上で何時もの名乗りを上げた後、戦闘開始する。
自身の攻撃でゼンカイジャーが動けない隙に、ガクエンワルドがガクエンパワーを解放し、人間界を「トジテンド学園」へと変貌させるチャンスを作るのに成功したが、自身も世界改変の影響を受けて生徒の姿にされてしまい、校長室に行方を眩ましたガクエンワルドを探す羽目になった。
「ちょっと待てよ、ガクエンワルド!守ってやったのに、俺まで巻き込む事無いだろう!? もう、何処行ったんだよ〜! 」
仕方無くガクエンワルドが変えた世界のルールに沿って行動し、教師を務めるステイシーの出したテストで合格して教師に昇格、教師のネクタイを授かって力を取り戻すと同時に校長室に行けるようになったので、そこで暫くのんびりお茶を飲んでいた。
そこへ、不良生徒に扮して大喧嘩する芝居を打つ介人やゾックス達が手に負えないと、教師クダイターが報告に来た為、ガクエンワルドと共に現場へ向かう。
介人達の感動の学園ドラマ風の芝居に引っ掛かったガクエンワルドは、ネクタイを破り捨てられ弱体化。ガクエンワルドをガードすべくステイシーザーと共に乱戦に突入するも、ゼンカイザーがゼンリョクゼンカイキャノンで「果てなき! ギャラクシーパワー」で召喚したメガレッド・ファイブブラック・カメレオングリーンに阻まれてしまい、ゼンカイジャーにガクエンワルドを撃破されてしまう。
悔しがっていると、丁度そこでエネルギー切れ間近の警告音が鳴ったのでそのまま撤退した。
第34カイ!
ハロウィンワルドの護衛をすべく出現し、騒ぎに駆けつけたゼンカイジャーと交戦。
「ハロウィンの日でも、全力でハカーイ☆」
介人「ハロウィンの日でも破壊はダメなんだよ!」
しかし、戦いの最中マジーヌスティックにまたがるマジーヌ/ゼンカイマジーヌを吹っ飛ばした拍子にハロウィンワルドのカボチャヘッドが飛んで行ってしまい、その結果ハロウィンパワーが弱まった結果、操られた人間達が一時的に元に戻ってしまう。
「お前は隠れてろ。俺がカボチャヘッドを見つけてやる! 失敗は、挽回☆」
この非常事態にゼンカイジャーを迎撃した後、ハロウィンワルドに暫く身を隠して貰い、自身はカボチャヘッドの捜索を開始。民家の庭に飾られていたカボチャを調べている際、家人の親子に「誰ですか?」と不審がられても、「あっ、お邪魔してまーす」と会釈して調べ続けると、相変わらずのノリの軽さと律儀さを見せる。
探し回った末にビルの屋上に引っかかったカボチャヘッドを見付け、ツーカイザーから逃げ回るハロウィンワルドへと送り届けるのに成功するも、ツーカイザーにカボチャヘッドを破壊されてしまう。
だが、当のハロウィンワルドは頭にフィットするカボチャなら何でも良かったので、ステイシーが拾って来たカボチャを被り、パワーを増大させて調子を取り戻す。ステイシーは自分より先にハカイザーに手柄を立てられたと思って落ち込んでいたが、功名心等とは無縁のハカイザーはそんな彼を、
「良いカボチャ見付けたな☆ナイス、ステイシー!」
と称賛。頑なだったステイシーの心に変化を齎した。
そうする間にハロウィンワルドは倒されてしまい、自身もエネルギー切れが近付いた為に撤退しようとする。
「あらら、充電が切れそうだなぁ……じゃあ、またな〜☆」
ジュラン「ちょ、待てよ!そうは行くかっての!」
「ちょっと!? また今度にしようよ!」
しかし、ジュランに足を掴まれ逃走に失敗。そう簡単に逃がしてたまるかとキカイノイド陣に粘られ、更にボウケンジャーギアを使用したブルーンにコンクリートで固められて足止めされ、そこでジュラン達からの猛攻を受けて充電が完全に枯渇。
「あっ……ヤバい。充……電……ガ……」
結果、エネルギーが尽きて顔を覆うマスク部分が消滅して素顔を曝してしまう。それを見たジュラン達は驚愕するも、イジルデが回収に現れ素早く撤退。
ジュラン達が目撃したその素顔は、何と介人の父・五色田功その人であった……。
第35カイ!
新たに送り込まれたダイヤワルドを守るべく颯爽と登場。しかし、「ハカイザーの正体」を知っているせいで、迂闊に戦えず逃げ回るジュラン達に困惑するハカイザー。
「どうしたお前達? 今日は調子が悪い様だな?」
その間にダイヤワルドの「カタクナルフラッシュ」を受けたジュラン達は口が堅くなり「ダイヤ」しか喋れなくなった状態に面白がっていると、遅れてゼンカイザーとツーカイザーが参戦。
しかし、ジュラン達がこのまま介人が父親を倒してしまうと危ぶみ、今度は2人の攻撃を妨害し始めて混乱するが、隙を見逃さずジュランを思い切り突き飛ばして相手が動けない隙にハカイザーショットで追撃。
一通りはダイヤワルドを守れたので揃って撤退した。
その後、ステイシーの誘いに乗って彼とコンビを結成したハカイザーは、ジュラン達4人が「ダイヤ」しか伝えられない様子を見て「ダイヤワルドに操られている」と誤解し、1人ひた走る介人を倒すべく戦闘を開始した。
「ステイシーの為にもここでお前を全力で破壊だ〜☆」
介人「俺だって、ジュラン達の為に全力で戦う!」
まだ組んだばかり故に連携がままならず(ブイメランを誤ってステイシーザーに当ててしまった)、その隙を突かれて「ゼンリョクゼンカイフィナーレバスター」でトドメを刺されそうになるが、「介人に功を倒させる訳にはいかない!」と決意し、必死に介人を止めようとするジュラン達が乱入。ゼンリョクゼンカイキャノンを蹴飛ばしてしまった。
事態が混沌とする中で充電切れのアラームが鳴り始め、どうにかステイシーザーのシーザー邪王砲皇撃と共に、ハカイフィニッシュバスターを放ってスーパーゼンカイザーを圧倒。
ステイシーザーのシーザー暗黒流星群(ミサイル攻撃)を受けて、満身創痍のジュランに狙いを定めてスクラップにしようとするも、ジュランを守ろうと介人が発動待機中だったゼンリョクゼンカイキャノンを回収し、ハカイザーの腹部にゼロ距離の「ゼンリョクゼンカイフィナーレバスター」を発射しようとする。
ジュラン「……撃つな、介人!!」
ガオーン「ダメだよ!介人!!」
ブルーン「いけません!」
マジーヌ「その人は、介人の……」
ダイヤワルドの敗北で言葉を取り戻したジュラン達の制止も遅く、発射された「ゼンリョクゼンカイフィナーレバスター」を食らって大きく吹っ飛ばされてしまう。
満身創痍になりながらも、装甲が頑丈だったのが幸いしふらふらと立ち上がるが、遂に充電が0%になりマスクが消滅。とうとうその素顔を介人に晒し、功としての意識を取り戻した上で10年越しの再会を果たした。
功「……ここは? ゼンカイザー……まさか、介人? 介人なのか?」
介人「そうだよ、俺だよ。介人だよ……父ちゃん!!」
そして立派に成長した息子に歩み寄ろうとするも、即座にステイシーに阻まれた上に、強引にトジテンドに帰還させられてしまった。
戦いが終わり、ジュラン達はハカイザーの正体を黙っていたのを介人やヤツデ達に謝罪するが、介人達は寧ろ「ゼンカイジャーと戦える位元気」だと功の生存に安堵し、トジテンドから彼を奪還すると改めて決意したのだった。
尚、この一件でハカイザーの正体所か、これまでの所業の何もかもがボッコワウスにバレてしまったイジルデは、次回で(バラシタラを巻き添えに)ボッコワウスの等身大1人トントン相撲の駒にされる羽目になった。
第36カイ!
前回の戦いでゼンカイジャー達に顔が割れてしまったので、すぐに功の意識が戻らないようより強力な洗脳を加えられていた。
すると目覚めた途端、バラシタラが生み出したビックリバコワルドがゼンカイジャーと戦っている事態を勘で察知し暴走。すぐさま人間界へと出動し、ビックリバコワルドを守るべく戦闘に乱入する。
バラシタラ「なぜお前が!? これは俺様の作戦である!」
「誰の配下とか関係ない。俺はワルドを守るんだ〜☆」
今度こそトジテンドから父親を救い出そうと介人/ゼンカイザーと戦闘を開始。互いの武器を投げ捨てられた状態でも、セッちゃんのアドバイスを受けて充電をゼロにしようとするゼンカイザー格闘の応酬が続くも、ようやく手に入れた「仲間」を失いたくないとステイシー/ステイシーザーも乱入し、乱戦状態に陥る。
「渡せとか譲れとかやめてくれ……。俺の仲間は……俺が、自分で決める〜☆」
2人が何故自分自身を取り合っているのか今の状態では分からず、自分の心で仲間を決めると意思を示しつつ戦いを続けるも、ジュラン達にビックリバコワルドを撃破されガードに失敗。
作戦失敗に嘆いていたハカイザーだが、ステイシーに強引にトジテンドパレスへと連れてかれた。
第37カイ!
前回の暴走で「不備がある」と判断され、イジルデが送り込んだダイコンワルドの護衛をステイシーザーに任せて、今回の作戦の待機命令が下されていた。
しかし、そんなのは御構い無しにダイコンワルドを守るべく颯爽と駆け付け、不在のブルーンとマジーヌの除いたゼンカイジャーと交戦。次こそ元に戻そうと介人/ゼンカイザーとの一騎打ちとなり、説得を受けても「分かんないな。だって俺は父ちゃんじゃないんだから〜☆」と意に返さず攻撃するも、ゼンカイテンランスで拘束されてしまい、その隙にダイコンワルドが撃破されガードに失敗。ステイシーザーに連れられトジテンドパレスに帰還した。
またボッコワウスは「ステイシーがワルドをガードするなら、ハカイザーにも更なる強化が必要」だと良からぬ算段を目論んでおり……。
第38カイ!
コンビで行動するボンワルドとショウガツワルドをステイシーと共にガードしようとかけつけるもボンワルドの煙でステイシーの母親リセが実体化。この混乱に乗じてワルド2人は逃亡。
その後、再び出撃したボンワルドに同行、彼が自身の能力を最大限に発揮し実体化した先祖らを暴れさす。それを察知したゼンカイジャーらと交戦するが、その最中ゼンカイザーがステイシーに危機が迫っている事態に気付き、2人は(ワルドを置いて)戦線離脱する。ゼンカイザーの嫌な予感は的中しステイシーは今まさに母親に殺される直前だった。2人は彼を救出、一方で残ったゼンカイジャー4人がボンワルドを撃破されリセは消滅、ゼンカイザーはステイシーをハカイザーに任せ仲間の許へ引き返す。
戦いが終わった後、ステイシーを励まそうとするも彼の顔は晴れない。彼は父であるバラシタラの策に巻き込まれる形で、母に殺され掛けた今回の事件で彼の胸の内には「ハカイザー=介人の父を自身の仲間として彼と戦わすのは、嫌悪する父と同じ行動をしているのではないか?」と自己嫌悪が生まれていた。
また同じ頃、ボッコワウスとゲゲはイジルデを呼び付けて「先々代トジテンド大王の身体の一部(パーツ)」を授け、それで「ハカイザーに強化改造を施せ」との命令を下しており……。
第39カイ!
再び現れたショウガツワルドは介人の誕生日に水を刺されたとして、ゼンカイジャーに凄まじい剣幕で迫られるも、自分を守ってくれる護衛がいるので余裕綽々で呼び出すも、今回はハカイザーもステイシーも来ない。
ハカイザーはイジルデと共に秘密作戦を実行中で不参加。ステイシーは近くに待機していたのだが、前回の事件で迷いが生じており、戦闘参加を逡巡していたのだった。
劇中では終始姿を現さなかったが、ダイショウガツワルドを撃破したゼンカイジャー一同とゴールドツイカー一家の目の前に、改造を加えられたハカイザーが変化した巨大怪獣型破壊兵器・ハカイジュウオーが現れた……。
決着、そして再会。(第40カイ!)
出現する否や両肩のギアキャノンから放つ破壊光線によって、街に無差別破壊を繰り広げただけでなく、ゼンカイオー2体を一撃で変身解除に追い込むハカイジュウオー。
その後、現れたイジルデをガードするかのように等身大へと縮小・変形したその姿は、更なる改造と洗脳を施されたハカイザー・改であった。
「全力で、破壊……!!」
イジルデに命じられるまま、その場に現れたフリントを守りながら戦うゼンカイジャーを単騎で冷血かつ冷酷に圧倒するハカイザー・改だったが、ダイレンジャーギアを使ったツーカイザーの機転により彼等の撤退を許す。
微調整を受けた後、その翌日改めてハカイジュウオーに変形して人間界の蹂躙を再開するも、ゼンカイジャーの作戦で無人の荒野に飛ばされてしまう。
更にステイシーのリークによって、ハカイザー・改の本体が自律システムとしてハカイジュウオー頭部の「脳ドーム」に直接組み込まれる機構が判明、ツーカイザーがハカイジュウオーに侵入しハカイザー・改の摘出に成功する。
単騎で活動を再開するハカイザー・改に対して、ゼンリョクゼンカイオーの合体を解除し、ゼンカイジュウオーになった介人(及びゾックス)を除いたキカイノイド4人は功の記憶を取り戻すべく、五色田功の人生をフリップを交えて説明する奇策を展開。
「貴様ら、さっきから何の真似だ!?」
ジュラン「お前の……あんたの心に呼びかけてんだよ!」
ガオーン「君は介人のお父ちゅわんで、ヤツデの子供なんだ!」
マジーヌ「あったかい家族の記憶、絶対あるはず!」
ブルーン「どんなに心の奥に封じ込められていても、あるはずなんです!」
ジュラン「最後に賭けるとしたら……ぶっちゃけ“愛”だろうが!!」
当初こそ無意味に見えたが、年齢が上がる=家族との思い出が増えるに連れて、功としての記憶のフラッシュバックが起こり、遂に“五色田功”と“ハカイザー”の記憶の混濁が発生、苦悶の声を漏らし頭を押さえるハカイザー・改。
ジュラン「そして─────!!」
四人「「「「2021年11月14日、成長した息子・介人と再会!!」」」」
「ウ……アアァ……グアアアアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
介人「そんで、今日!息子・介人がトジテンドから功を奪回! 父ちゃん見ろよ!これが父ちゃんの作った"ゼンカイザー"だ!」
そして、ハカイザー・改を失い大暴走したハカイジュウオーを撃破した介人=ゼンカイザーとの壮絶な撃ち合いになり、
「ゼン…カイザー……父チャン……!?……違ウ……オレハ……ハカイザアァァァッ!!」
介人「違う!!あんたは”五色田功”だぁああッ!!」
覚悟を決めたゼンカイザーの猛攻に押し負けて倒れ伏したと同時に、ハカイザーのアーマーは完全に消滅。それに連動し洗脳が解除され、功は完全にトジテンドから解放。長きに渡る呪縛からようやく解き放たれたのだ。
朦朧とした意識の中、自分を呼ぶ声に気付いた功は視線を向けると、10年ぶりに再会した愛息・介人の姿が移った。
功「……介人……でっかくなったなぁ……」
介人「20歳……ううん、もう21だからね」
その場で再会の抱擁を交わす父と子、更に同日の夜にはカラフルにて、母を交えた3人の抱擁を交わすのだった。
その後の功博士の動向は五色田功の項目を参照。
- ハカイザーでは無くなったが、サイボーグとして改造された肉体はそのままであり、定期的に充電が必要なのは変わらず。
- また、帰還に際してハカイザーとしての記憶は無くなってしまったらしく、共同戦線を張ったステイシーの事も記憶に無く、彼のことを慮る事は出来なくなっていた。しかし、介人がステイシーの事を気にかけ救いたいと思っている事は察して、彼を救う役割は息子にある事を諭している。
ドンブラザーズVSゼンカイジャー
本作では味方として登場…の流れだったのだが、再生産されていたカシワモチワルドによって柏餅中毒へとまたもや洗脳され、同じく柏餅中毒にされてゼンカイトピアの支配者となったゴールドツイカー一家の手駒として、柏餅欲しさの欲に負けてゼンカイジャーやステイシーザーと敵対するハメになった。
しかしカシワモチワルドのギアが消滅した事で、ゴールドツイカー一家と共に洗脳から解放、ゼンカイジャーやドンブラザーズと正式に共闘、ステイシーザーに続く新たな番外戦士の仲間入りとなった。
尚、装備は改造前のブイメランに戻っており、変身プロセスはアイテムが無い為、「親指をグルグル回して指鉄砲をする」ギアトリンガーを使用する際の仕草を真似たシュールな変身になっている他、変身バンクも作られており、背景にはハカイザー使用のセンタイギアが登場。
掛け声はゼンカイジャーと同じく「チェンジ全開」。
また、前述の通りトジテンドの兵士だった頃の記憶は無くなっていても戦いの感覚は体が覚えており、久しぶりに共同戦線を張ったステイシーザーとの息の合った連携プレイを見せた。
余談
- 名前の由来は“破壊”と“カイザー”の造語と思われる。尚、真っ先に思い浮かぶのは「人造人間キカイダー」のハカイダーだろうが、東映公式曰く無関係。「絶対ハカイダーをこすってる。って誤解されるじゃん。『バイオマン』のシルバみたいに、狙ってるわけでもないのに」と危惧している。
- もっとも、直後に「でも、ハカイダーと設定ちょっと似てるし……」「結局そこかい!」とも漏らしているので、直接の由来では無いが、意識はしている所だろう。
「エネルギー切れ(ハカイザー)」と「組み込まれたパーツの脳の生存の為の血液交換が必要(ハカイダー)」と理由は異なるが「活動に時間的な制限がある」、「ヒーローの生みの親=開発者の脳の為に存在する敵」の2点はハカイダーを思わせる。
- 名前が被った以上はそれを利用しようとの意図なのか公式Twitterでは「ハカイダーのうた」の替え歌で紹介されている。
- 一方で、登場BGMのメロディもハカイダーの歌に似たものになっている(キカイダーの劇伴も渡辺宙明先生が手掛けられたので似るのは当然か)。
- 容姿のモチーフは『忍者キャプター』の火忍キャプター7(『機界ゼンカイジャー公式完全読本』p.109)。キャプターは一時期スーパー戦隊にカウントするかどうかで議論を呼んでいた時代があり、スピンオフ作品『非公認戦隊アキバレンジャー』ではキャプターのパロディが登場した繋がりもある。
- 尚、同じトジテンドの戦士であるステイシーは、モチーフが判明するまで「アキバレンジャーもモチーフの1つなのでは?」とする説があり、関連性を指摘する声もネット上では散見されたが、『ゼンカイ公式完全読本』pp.92-93にてステイシーザーはバトルジャパンがモチーフと判明した。
- また、胴体でクロスしたラインが足に伸びている様子や、展開型の携帯電話風のゼンリョクゼンカイキャノン等から、仮面ライダーカイザを連想する視聴者も(色合いやキャノンはファイズだが)。
- 尚、「ハカイザーの正体は介人の父親である功博士」だとする伏線は幾つか存在しており、特に今回は疑惑を通り越して、確信に至る視聴者までいる程に分かり易い物が多い。
- 介人同様に「全力で」のフレーズを多用する(介人他、五色田家のお馴染みの言い回し)。
- 本格的な登場の第30カイ!ではスーツアクターは紹介されたものの、 CVは紹介されない(伏線よりも、公式からの声から正体がバレるのを防ぐ措置)。
- 「1から作り上げた機械の兵士」とイジルデが紹介した際に、ゲゲが疑わしげ(中身が人間なのでこの一文は大嘘、ゲゲはそれを見抜いた)。
- 遂には作中の登場人物まで介人とそっくりな言動に言及する(第31カイ!でゾックスが発言)。
- 更に突き詰めれば、そのクロスしたラインとその上にある「ハ」の様な赤いラインで「ハ」「χ (カイ)」とも見え、同時にそのラインは漢字の「父」の字の様にも見える。
上記の通り第34話で介人の父親である功博士が変身者であり、体のラインは偶然そう見えただけでは無い事実が実証されてしまった。
- 正体バレ前からこれらの仄めかされた伏線により、実際にネットで視聴者達からは「声やノリも功っぽいし、まさかね……」等の反応が多く寄せられ「ハカイザーの正体は功では?」と考察されていた。
- 上記の第40カイ!ではブイメランを外されているが、これは見方によっては「ハカイザーから“父=功”を取り上げた」風にも見える。
- 敵だが戦隊の魂を持っているという意味で背中にVを背負っていたり、胴体に「父」と入っていたりと、ギャグっぽい要素も入っている。ボッコワウスや幹部のメカ表現を元にデザインされているが、篠原保氏曰く、”正体は父”ぐらいしか最初に決まっていなかったが、ゼンカイザーのプロトタイプという設定があれば全く別アプローチにしていたそうだ『ゼンカイ公式完全読本』p.109。
関連タグ
ゼンカイレッド:当初ゼンカイザーの色はホワイトではなくレッドになる予定だった。このため、メタ的な意味でのプロトタイプゼンカイザーとも言える。
暗黒の使徒ガイルトン:外殻に操られ、しかも戦隊メンバーと縁の深い相手が敵となって戦う境遇に陥る等の共通点が見られる。
ドゴルド:こちらは鎧そのものが意志を持った存在で、しかも戦隊メンバーを取り込んでいた経緯があると、ハカイザーに似てる様で似てない点がある。
鬼王、鉄面臂張遼、魔導騎士ウルザード、ドン・アスラン:主人公の父親が敵組織に操られ敵として立ち塞がった、悪の戦士。ウルザードが登場する戦隊はゼンカイジャー放送当時、東映特撮 youtube officialにて同時配信中だった。
幻獣キメラ拳スウグ、ダークバスター:同じく主人公の父親が操られ対峙した存在。第35カイ!では、彼らの息子達が変身するスーパーゲキレッドとレッドバスターパワードカスタムの偽物が召喚された。
マリア、バリゾーグ:洗脳•改造された、戦隊側の関係者繋がり。正体を知りながら親しくした仲間がいた点も共通するが、この両名は最終的に命を落としてしまう。マリアに至ってはその仲間によって解放された点は、ステイシーに解放されたハカイザーと似てる。
下忍マゲラッパ:忍者キャプターモチーフの戦闘員。