「はっ! 小生の出番でありますか。腕が鳴るであります!」
「人間もキカイノイドも無い。我々支配層以外は、全て等しくスクラップである」
データである
身長/203cm
体重/335kg
世界/キカイトピア
概要である
キカイトピア王朝トジテンドの軍隊長。一人称は「俺様」、口癖は語尾には「~である」(ボッコワウスの前ではそれぞれ「小生」「〜であります」)が付く。
下半身がキャタピラ状の戦車の様な姿をしており、体には複数の勲章を付けている。
先端にミサイルヘッドが取り付けられた起爆槍・「バラスピアー」で武装している他、全身を強力な火器でフルカスタムしており、圧倒的な火力で敵対者を蹂躙する。「機械バラシ」を得意と称し、飛び掛かって来た生身の介人を片手間で遥か遠くまで放り投げ、ジュランゼンカイジャー4人を単騎で圧倒する他、スーパーツーカイザーも単独で圧倒する等、圧倒的な膂力・戦闘力を持つ。戦闘機会はそこまで多く無かったが、パワーアップ無しで最終カイ!の1話前まで終始ゼンカイジャーとゴールドツイカー一家を苦しめ続けた。
一方フルカスタムの弊害で “屋内では崩落のリスクが懸念される為、火器の使用を極力控え膂力のみで戦わざるを得ない” “逆に敵より強烈な火力攻撃を一発でも喰らえば、全身の火器が誘爆して装甲の内側から吹っ飛び自滅する、却って脆弱になってしまった耐久面” などの致命的な弱点も抱える。これは「自分だけがただひたすら強くあればいい」とする自分本位を突き詰めた末に露呈した物であって、後述する愚かな人物像を顧みず、散々他者を踏み潰して来た傍若無人の代償とも酷評できよう。
そして最後の決戦では、自分の行動により上記の弱点を突かれるシチュエーションへ自ら嵌る、自業自得の愚行を犯す事態に陥った。
人物像である
傍若無人な心無き戦闘狂
トジテンドの構成員の例に触れず、同族であるはずのキカイノイドですら「支配層以外は人間と同じく価値が無い」と淡々と切り捨てる等、選民思想に毒されている。加えて性格も武闘派だけあって「他の世界を侵略したくて堪らない」危険人物其の物の思考を持ち、その本性は武人ではあるけど戦いでは無く、誰かを踏み躙るのが好きな猟奇的な人物。
息子のステイシーの裏切りに対しても、自分の経歴を汚した怒り以上に、息子が新たな虐げる対象と化した事態を喜んでおり、前線に出てもゼンカイジャーをなぶる程度にしか手を出さず、積極的に深追いは無い。繁栄に忠実なイジルデとは別の意味で厄介な思想の持ち主。因みに当のイジルデとは、担当分野が対になっている扱いから反りが合わず、何かと責任を押し付け合っており「下らん物ばかり作っている」、「技術だけ提供していれば良い」と見下し嫌味を吐く始末。その一方で主君であるボッコワウスに対しても忠誠こそ有れど、何かあるとすぐに癇癪を起して当たり散らす姿勢を「面倒」と愚痴っており、内心では不平不満が溜まっている様子が窺い知れる。加えてマイペースな者の多いワルドに発破を掛ける場面が散見される等、中間管理職的な立ち位置に有る。
また、種族を問わず数百人もの妻を娶っているが、ステイシーの母は放逐し使い捨てに近い扱いをしていた。これについては恐らく「数多の美人を侍らす」意図以上に、「侵略に成功した証」としての意味合いで娶っている様で、要はこれも侵略と並んで自身の嗜虐心を満たす為の行為である。
その為、本人は妻達の名前は疎か娶った順番すらろくに覚えておらず、配偶者に対する関心は全く無い。また、バラシタラは妻の事は基本的に〇番目と番号で呼んでおり、妻としつつも実質は奴隷に近い扱いだった事が窺える(対してステイシーは〇人目と呼んでおり、双方の表現の違いから彼等の根本的な意識の違いが如実に表れている)。
第38カイにて、ボンワルドの力で現れたステイシーの母・リセ(コピー同然の偽物だが)と会った際に彼女の顔は覚えていた様だが、それは愛情や気に入っていた等では無く、単に気が強い性格だったから印象に残っていた程度の反応で、その元妻の反応も息子に対する酷薄な態度から嫌悪されているが、バラシタラ自身は一顧だにしていない(しかも、「まだ霊は妻にした事が無い」としてステイシーの目の前で再びリセに手を出そうとする等、最早女性を“自分と同じ1人の命”では無く“新しいor珍しい玩具”としか認識しておらず、男尊女卑の極みとも評せる)。
当然ながら子供に対する愛情は絶無であり、ステイシーがステイシーザーに初変身して戦った際には「あんな奴でも役に立つとは……」と吐き捨てて普段からも道具の様に接し、第37カイ!で堂々と「イジルデの人形」と唾棄する始末。
息子である当人からも全く慕われていない所か心底憎まれている等、交情と無縁な冷血漢。
更に、第48カイ!ではステイシーの異母兄弟にあたる他の子供達からも、同じ様に憎まれていた上で、自身に反旗を翻した子供達を全員返り討ちにして来たおぞましい過去が明らかになった。しかも本人はそれを自身の功績として誇らしげに吹聴する等、実質的に倫理破綻者と断言しても問題無い悪漢。
そして、第24カイ!で遊び惚けるバカンスワルドを「自分達幹部より先に遊んでいるのが気に食わない」とする理不尽極まりない理由で粛清し、一緒にバカンスに興じていたクダック、クダイター、クダイテストに説教をかます等、杓子定規で融通の利かないブラック上司その物な一面も有る(無論、調査隊が任務を放棄していたのは事実である以上、バラシタラの言い分に一定の理解が出来るのは事実だが、処刑までする必要性はなかった上に、そもそもそ非があるのは調査隊であってバカンスワルドではない)。
そもそも部下を一方的な理由で処刑するなど、イジルデやボッコワウスですら少なくとも作中ではやっておらず、バラシタラ本人もボッコワウスの態度をとやかく言う資格がないレベルのクズ上司である。
だが、バカンスワルドの影響を受けずに動けている点から、裏を返せばステイシーの父親らしくゼンカイ脳に毒されない精神性の持ち主とも取れる。
軍隊長として
前線を指揮する行動隊長らしく冷酷で威勢が良いが、敵であっても戦いぶりを見た後に素直に称賛する等、武人のように思える一面も垣間見せる。ただし、これはあくまでも自分が弄ぶ玩具としての価値を相手に認めているだけであり、決して相手を対等の敵などと認めている訳ではなく、本質的には武人からは程遠い。
しかし、ワルドの能力に自分も翻弄される等と脳筋気味で、ゼンカイジャーのコミカルな振る舞いに合わせて、同レベルのボケをかます場面も。
第25カイ!では、時を越えて来たヒドケイワルドの挨拶に「ヒドケーイ!」とノッてから顔面パンチを喰らわしている。
侵略活動における作戦自体も、主であるボッコワウスに対する配慮を欠いた物だったり、ステイシーからも冷ややかな目で見られる場面もある。また、根本的に保守的かつライバルのイジルデの発明品なので、当初はトジルギアを使った侵略自体に懐疑的だった(尤もこれについては、トジルギアでは彼の侵略欲求は満たせないのもあったのだろうが)。
そんな雑な思考を反映してか、ワルドを生み出す際のトジルギアのチョイスも「寿司」・「ゴミ」・「ドア」・「柏餅」等の具合に、合理的なイジルデとは対照的に、色物揃いでセンスのズレを感じさせる。しかし、バラシタラの選定したワルドは奇妙なチョイス故に能力・戦法の何れも読めないのを強味としている上、ゼンカイジャーのメンバーをその特質で分断し、結果その戦力を削る事に必ず成功しており、その飽く無き征服への渇望と戦闘隊長である自負故に外面では無く、戦力のみを追い求める点ではある意味合理的である……とも見えるかもしれない。
しかし、上記のゴミワルドの作戦の欠点をボッコワウスに突っ込まれると、「イジルデに掃除機を作らせればいい」等と、普段は見下しているイジルデの発明品に丸投げするような発言をしており、肝心なところでは非常に無責任な上にご都合感が強い。
第13カイ!では民間人、ダミートジルギアを利用し、目的の違うゼンカイジャーとツーカイザーまで利用し潰し合わせる恐ろしい悪のリサイクル作戦を決行する。この作戦では使える物は何でも使うとする、バラシタラの非道だが合理的な一面がなお強調された。
しかし、裏を返せば「トジルギアに侵略を依存していた」トジテンドの設定からも分かる通り、作戦は行き当たりばったりで偶然上手い具合に作動したとも取れる。
更にゼンカイジャーが現れるまでは反抗出来ない、一般のキカイノイドを腕っぷしで黙らせる位しかしていなかった経緯もあって、自身が直接赴いた時はゼンカイジャーをそれなりに苦戦させるものの、ワルドに関しての指示も余り良いと評せない(「まさか自分達に並ぶ程強い奴が現れる訳が無い」とする敵組織は戦隊シリーズのお約束ではあるのだが)。
軍事政権にして独裁国家であるはずのトジテンドの軍部の指揮官としては、お粗末な所が所々見受けられている。
何よりも問題なのは、バラシタラは根本的に脳筋である為か、作戦よりも自分の感情や欲求を優先してしまうと、そもそも軍隊長は疎か組織人として論外と断言できる欠点を持っている実態だ。
上記したバカンスワルドの件でも、バカンスワルドを感情に任せて一方的に処刑しせいで、既に地球侵略が完了していたにもかかわらず、それを自らの手でぶち壊すとんでもない大失態をしている。
そもそもゼンカイジャーとの戦いも、その気になれば潰せたところをあえて自分の楽しみの為にズルズルと引き伸ばしている節があり、実際に最終決戦では「もう少し楽しみたかった」と発言した上で、変身能力を奪った介人達をわざとすぐには仕留めずに弄んでいた。
結局はこの行為のせいで、結果的には介人達を取り逃がし、それがイジルデやボッコワウスの討伐とトジテンド滅亡に繋がるなど、ぶっちゃけ上記のバカンスワルドの件といいトジテンド最大の戦犯はこいつである。
但し、仮にも軍隊長の役職を務めるだけあり、相手の弱点を発見すると、率先してそこを狙う作戦を立案・実行する戦略眼を有しており、完全な脳筋では無い。
また、中盤以降からはゲゲの不可解な言動に勘付くと、敢えてイジルデに侵略作戦を任せ自身はゲゲの動向を注視する、脱走したステイシーの言動からゲゲとの共通性を見出だす等、普段の言動のせいで隠されているが、洞察力は幹部陣営の中では相当に富んでいる。
しかし、結局のところ一番大事なのは自身の保身であり、ゲゲに対する不審や疑惑もボッコワウスに「ワシの可愛いゲゲを疑うのか!?」と一喝されると萎縮してそれ以上の追求はしなくなってしまう等、自身の保身を優先してしまう事なかれ主義な面もあり、それがバラシタラ自身の洞察力=長所を殺してしまっている。
まとめると、決して無能な訳でもなく指揮官として優秀な面も実際にあるのだが、それ以上に指揮官や組織人としてあまりにも根本的な欠陥が多く、それが長所を全て殺すばかりか逆にマイナスに転じてしまっているのが、バラシタラの総評だと言える。
各話の動向である
第1カイ!
最後の並行世界となった人間界をトジルギアで閉じ込められない事態に業を煮やし、ゲゲからの提案で武力による人間界制圧を決めたボッコワウスの命令を受け、制圧の先遣隊として人間界へと襲来。クダック、クダイターらキカイノイド兵達を引き連れ、無差別の侵略活動を開始する。
すると、折角キカイノイドと仲良くなれたのにもかかわらず、破壊活動を行う事態に怒りを燃やした介人に飛び掛かられるが、これを意に介さず片手で投げとばし、破壊活動を続行する。
その後、クダックから子供を守ろうとしたジュランと出会った介人と再度遭遇。「おや?……そこに見えるのはさっきの人間。良く無事だったであるな」と挑発するも、矢継ぎ早にジュランがギアトリンガーでクダックを倒した為に呆然、続けてキカイノイド兵達と首を傾げつつも2人がゼンカイジャーに変身するのを目撃する。
瞬く間にキカイノイド兵を蹴散らされ、次の相手としてクダイテストを呼び出し仕向けるも、巨大化したゼンカイジュランが変形したジュランティラノに悉く倒されてしまった。
第3カイ!
イジルデがコオリトジルギアで作り出したコオリワルドを連れて人間界に出撃、カチンコチンにあらゆる物を氷漬けにして人間界の制圧を目論む。瞬く間に市街地を氷に閉じ込めたコオリワルドの力を見てトジルギアの力を確認した。
「なっはっはっはっ!!……中々やるな、コオリワルド」
コオリワルド「はっ、恐縮ですコオリ! イジルデ様にセットして頂いた、コオリギアのお陰コオリ!」
「トジルギアか。イジルデの奴、“つまらん物を造りやがって”と思っていたが、意外に楽しめそうである!」
すると、事態を察知したゼンカイジャー3人が駆け付ける。凍った地面で滑ってマトモに動けないながらもコオリワルドと戦うゼンカイジャーを見て、自らも戦闘に参加しようとするが、凍った地面に滑って真後ろへ大転倒。背中で滑りながらその重量でゼンカイジャーを弾き飛ばしてしまった為、戦闘は仕切り直しに。
一時的にトジテンドパレスへ帰還し、ボッコワウスからトジルギアを実践投入した結果を聞かれると「あの様な物が無くとも、小生の力があれば十分であります!」と豪語する。
しかし、先程の戦いの一部始終を見ていたイジルデから「コオリギアの力で転んだ奴が笑わせる」と図星を突かれる。それに対して、「あれは貴様が使い易く開発しておけば起こらなかった事故である!。最高技官である貴様の怠慢である!」とする暴論で言い返し、内輪揉めになりそうになったのを気を損ねたボッコワウスが床ドンで制止、ゲゲからも上から目線で宣われてしまう。
その後、コオリワルドと共に人間界に戻り、ウミネコふ頭を中心に海を凍りつかせる。ヤツデの連絡を受け駆けつけたゼンカイジャーとマジーヌに向かって、「この世界は氷河期まっしぐらである」と啖呵を切るも、
介人「“ヒョーガキ”って、何だ!?」
ジュラン「えっ、嘘でしょ……」
ガオーン「介人?」
コオリワルド「氷河期って……」
「うーん……あ〜っ、とにかく! コオリギアの力で、貴様らを滅ぼしてやると言う事である!!」
介人が「氷河期」を知らなかった事実に唖然、自身も答えられなかったのを誤魔化しつつ、ゼンカイジャー諸共氷漬けにしようと企む。
これに対し、戦う決意をしたマジーヌが介人からギアトリンガーを受け取り、ゼンカイマジーヌにチェンジ。そうして4人となったゼンカイジャーにすぐさまスリップ対策を施したクダック部隊を仕向けるも、トッキュウジャーギアを用いた攻撃で蹴散らされ、コオリワルドも撃破される。
更にクダイテストを呼び出し、散らばったコオリトジルギアを踏ませクダイテストをダイコオリワルドに変貌させたものの、ゼンカイオージュラガオーンによって続けて撃破され、今回の芳しくなかった戦績に、バラシタラ顔を真っ赤にし「ゼンカイジャー……中々やるのである!」と怒りながらその場を後にした。
第5カイ!
今までワルドとダイワルドを生み出すのに利用し、破壊されたトジルギアより並行世界が解放されてしまう事実が判明し、せっかく閉じ込めた世界が解放された事に癇癪を立てるボッコワウスへ、イジルデが改良の為に研究室に籠るのを傍らで見ると、スシトジルギアを持ち出してスシワルドを誕生させた。
その後、介人とジュランを含むスシワルド握られた人達を助けるべく、 酢飯の匂いでスシワルドを荒野へと誘き寄せ、まんまと引っ掛かったスシワルドと交戦するゼンカイガオーン、ゼンカイマジーヌ、ゼンカイブルーンをバラスピアーのミサイルで爆撃、スシワルドを護衛すべく戦線に参加し、実力差のあるゼンカイジャーをスシワルド共に圧倒する。
ブルーン「コレが本気のバラシタラ……!」
「フンッ! この程度、寿司で言ったらガリレベルである!」
そのままスシワルドがトドメを刺そうとするも、手違いでキュウレンジャーギアの力で発生したラッキーで飛んで来た介人とジュランがスシワルドを下敷きにその場へと参戦。スシワルドの力で海苔巻きにされた状態のままだったので「握られたままで、何ができるのである?」と嘲笑するも、それでもチェンジした2人の戦いぶりを余裕綽々で見物しようとするも、ガオーン達の横槍が入り交戦し、その間にスシワルドが撃破されてしまう。
続けてクダイテストを呼び出し、暴走したスシトジルギアの力で変貌したダイスシワルドを仕向けて戦いを傍観するも、ゼンカイオージュラガオーン&ブルマジーンに撃破。「楽しかったであるゼンカイジャー、また会おう!」とトジテンドに帰還しようとするも両親の行方を探すゼンカイザーがしがみ付き、トジテンドへと行こうとする。
介人「帰るんだろ? 俺も連れてけ!」
「敵地に乗り込むつもりか?……だが、不可能である」
開いた並行世界間ゲートに弾かれたゼンカイザーを後にしつつ、トジテンドへとそのまま帰還していった。
第6カイ!
未だ研究の為に不在のイジルデに代わって、ゴミトジルギアを用いてゴミワルドを誕生。
ゴミをばら撒いて世界を侵食させて行くと共に、ゴミワルドが発するゴミ電波で人間の心を萎えさせ、人間界を正真正銘のゴミの世界にしようと目論む。
しかし、ボッコワウスから「あの世界の奴らをスクラップにするのは構わん。だが、ワシはゴミに塗れた世界など欲しくは無い!」と、流石に汚れ切った世界に君臨するのは嫌だと文句をぶつけられ、当の本人は「侵略が完了した後は、イジルデに特別製の掃除機でも開発させれば良いであります!」とあんまりな案を提示していた(間違ってはいないが……)。
暫くはトジテンドパレスで様子を見ていたが、ゴミワルドに続いてダイゴミワルドをもゼンカイジャーに倒されてしまい、ゴミトピアが並行世界へと解放されたのを確認した直後、ステイシーがその場に出現。
警戒心を強めていたが、ステイシー本人は「忘れたの?……息子の顔」と自身を「バラシタラの息子」であると発言しているが……。
第8カイ!
「手を貸してやるのである。息子の戦場デビュー祝いである」
戦闘中にギアトジンガーがエネルギー切れを起こし、召喚した戦隊ロボが消滅しピンチに陥ったステイシーザーの前にドアワルドを連れて乱入。
息子と全く容姿が似ていない事実をゼンカイジャーに指摘されると、バラシタラはとんでもない真実を告げる。
「ソイツの母親は人間である。398……いや、483番目の妻だったか?」
何と、ステイシーの母が人間で、彼はキカイノイドとのハーフだったのだ。だがそれ以上に驚愕すべきはその妻の序列。本人も良く覚えていないものの、最低でも数百人もの桁違いの人数の女性をバラシタラは娶っていたのだ(これにはマジーヌも素でドン引きしていた程)。
「違う。893人目だ!」と息子から指摘された後、改めてドアワルドの作り出したドアにゼンカイジャーを放り込む。
その後、本拠地に戻るなり「1人でゆったりと、ステイシーザーの戦いを見物させて貰うのである」と、モニターからステイシーの様子を観覧。先にその場にいたゲゲから「お前でも、自分の子供の初陣が気になるのか?」と尋ねられるが、「子供?……いや、俺様の気になるのは面白そうな戦いの行方である」と冷徹に返すだけであった。
第9カイ!
謎の戦士ツーカイザー 、その正体である世界海賊のゾックス・ゴールドツイカーの乱入によりステイシーザーが敗走する羽目になり、それをある一件(ゾックスの故郷である海賊トピアに侵攻した際、ゾックスの率いるゴールドツイカー一家にトジテンド内部に侵入され、ギアトリンガーの設計図を易々と強奪されてしまった)に責任があると考えたボッコワウスはイジルデを咎め、(ステイシーもそれに巻き込まれる形で)イジルデは早々に事態の収集に向かう羽目になる。
それを横目にバラシタラは「自身の作戦が着々と進んでいる」とボッコワウスに報告。
「柏餅を食べた者は柏餅中毒となり、柏餅欲しさに何でもする様になる。それがカシワモチトジルギアのパワーであります」
その作戦とは自身が作り出したカシワモチワルドの力で、人間やキカイノイドに柏餅に対する飢餓感を煽らせ、それにより発生した暴徒をカシワモチワルドが扇動し、社会に混乱をもたらす作戦であった。この作戦をボッコワウスは「飢えた者同士で争うが良い」とご満悦であった模様。
第10カイ!
イジルデがゼンカイジャーやツーカイザーに対抗すべく更なる技術開発に没頭する間、新たにマヒルワルドを誕生。マヒルワルドの能力で人間界を「永遠に日が落ちない真昼の世界」に変え、人間界を制圧しようと目論む。
しかし、今尚ゴールドツイカー一家が人間界に居座り続ける状態が気に食わず、更に「ゼンカイジャーと手を組んだら面倒な事態になる」と癇癪を起こすボッコワウスに責め立てられるも、送り込んだマヒルワルドに対しての彼らの動向から「その心配は少ないと思うであります」とボッコワウスに返す。
暫くは戦隊両陣営の動向を観察し、ダイマヒルワルドが倒されてしまうものの、今回の一戦で「利害が一致はしているが完全な協力関係に至らない」と判断、「何時しか双方が害を被る事態になる」と怪しく呟くのだった。
「やはり結束には至らぬ様である。これは何れ、奴等の命取りになる筈である……」
第13、14カイ!
ガオーン「あいつ、ゴミワルド!?」
介人「何で?……前に倒して、ゴミトピアも解放したはずじゃ……」
「良く見ろ。この胸に輝くリサイクルマークを!」
新たにリサイクルワルドを生み出し、リサイクルワルドと共に人間界へと来訪。リサイクルワルドの能力で人間やキカイノイド達を、クダックにリサイクルしたリサイクルクダックへと変貌させた。
その光景を目撃した介人/ツーカイザーとガオーン/ゼンカイガオーンに対し、かつてイジルデが作ったトジルギアの試作品・ダミートジルギアをばら撒いてリサイクルクダック達に渡して仕向ける。
案の定、民間人に迂闊に手を出せないゼンカイジャーに対し、駆け付けたゾックス/ツーカイザーお構い無しにリサイクルクダックを容赦無く攻撃し、彼らがダミートジルギアを持っていると知るや、倒して奪おうとより攻撃の手を強めてしまう事態に。
ボッコワウス「ほう……。界賊とゼンカイジャーを戦わせると言うか」
「はっ。“世界を守りたい”ゼンカイジャーと“他に目的のある”ツーカイザー、エサ次第で直ぐにぶつかるであります!」
これこそがバラシタラの狙いであり、双方が「トジテンドを倒す」願望は同じであるも、目的が違う事実に既に気付いていたバラシタラは両者の潰し合いを誘発させる為、イジルデが活かし切れてないゴールドツイカー一家の情報やダミートジルギア等、ありとあらゆる物を利用し尽くした悪のリサイクル作戦を画策したのだ。
その後、ゼンカイジャーやツーカイザーによってリサイクルワルドが倒され、急ぎ用意させたクダイテストが変貌したダイリサイクルワルドも、ステイシーザーが駆るバトルシーザーロボによって破壊されてしまうものも、ギリギリなバランスを保っていた両陣営の関係を悪化させるが、続く第14カイ!で同じく同士討ちを目論むイジルデの策に乗ったステイシーの目論見で、逆に結束力を強めてしまう結果になった為、作戦は水泡に帰している。
第19カイ!
カブトムシワルドを新たに生み出し、民間人を鬱蒼と緑が茂る森林の幻覚を見せつけ、カブトムシ取りに夢中させて無力化、その隙に人間界侵略を目論む。しかし、制圧する侵略先の住人を楽しませると言う自身の理念にそぐわないボッコワウスに案の定、癇癪をぶつけられる。
すると、ゲゲの取り成しと幻覚が任意に解けると知り、「と言う事は……牢屋を増やす事も無く、必要な時に借り出せる奴隷を大量に作れると言う事か」とボッコワウスが一方的に話を進めてしまったが、機嫌が良くなったので何とか作戦を継続。
作戦は次々と虫取りの幻覚に魅せられた人々を着々と増やして行き、更にはゼンカイジャーをも幻覚を見せ付けて行動を封じ、マトモに戦えるのはゾックス/ツーカイザーのみと、戦隊側を危機的状況に追い込むのに成功し、作戦の妨害を阻止すべく、巨大なシロップでカブトムシワルドをお誘き寄せたゾックスの前に出現。
「そう甘くは無いのである。界賊、貴様に直接会うのは久しぶりであるな」
ゾックス「俺がトジテンドに乗り込んだ時以来か……」
「あの時は戦う前に逃したが、今度はどうかな?」
ゾックス「相手して欲しいならしてやるよ。チェンジ痛快!」
嘗て、海賊トピアを制圧した際に起こったゴールドツイカー一家の強奪事件を挙げつつ、カブトムシワルドと共にツーカイザーと交戦。フォームチェンジする余裕を与えず追い込み、カブトムシワルドの任務を続行しようとするも、両親との最後の外出の記憶を思い出し、幻覚を脱した介人の乱入を許し、自身もツーカイザーがオーレンフォームにチェンジし反撃を許してしまう。
更には危機的を打破すべく、フリントとセッちゃんが共同開発したゼンカイジュウギアで、ゼンカイザーがスーパーゼンカイザーへとパワーアップ、自慢の防御力をも凌駕するパワーを持つ相手にカブトムシワルドが撃破され、幻覚に心を魅せられた全員が正気を取り戻してしまって計画が頓挫。
ツーカイザーを振り払って、スーパーゼンカイザーの力を確かめつつクダイテストを呼び出し、ゲートを通ってトジテンドパレスへと帰還した。
第20カイ!(&『仮面ライダーセイバー』特別章)
トジテンドが並行世界を観測していた所、新たに『仮面ライダーセイバー』の世界を発見、新たな侵略先として標的を定めた。これにバラシタラはトジルギアで新たにオリヒメワルドを生み出し、並行世界間ゲートを使って侵略の手先として送り込み、『セイバー』の世界の制圧を完遂しようとする。
しかし、以前に並行世界間ゲートの設計図を奪っていたゾックスが異変を察して、オリヒメワルドの後を追跡されただけでなく、オリヒメワルドの能力を看破した飛羽真/セイバー達仮面ライダー達とゾックス/ツーカイザーによって、オリヒメワルドを討伐され制圧に失敗。
散々な結果に「情報管理が甘いから」とイジルデに難癖を付けて小競り合いになるも、ボッコワウスに叱責されて強引に諌められた。
第24カイ!
「侵略が完了したであります!」
ボッコワウス「なっ、何だと~っ!? どう言う事だバラシタラ!?」
「バカンスワルドが奴らの戦意を喪失させた事により、我々に抵抗する者は居なくなったであります。今あの世界にいるのは、のんびり休み、遊んでいる者だけであります!」
新たに送り込んだバカンスワルドがアッサリと人間界の侵略を完了する快挙を成し遂げる。
久々の朗報をボッコワウスに奏上し、揃って高笑いをし、侵略した人間界の使い道を模索すべくクダイター達に調査に向かわせた。
「クダイター! クダイターは居らんであるか?……おかしい、誰も報告に戻らんばかりか、クダックの姿まで見当たらんのである」
しかし、どんなに待っても送り出したクダイターとクダック達が誰1人戻って来ず、様子を見に自分も人間界へ向かう。
そこでバラシタラが見た光景は、クダイテストまで揃ってバカンストピアの法則に飲み込まれた人間界を満喫する調査隊の姿だった。
「な、何をしているクダイター!?」
クダイター「あぁ、バラシタラ様! この世界は我々のリゾート地なので~す!フッフ~♪」
しかも、クダイターは人間界を「自分達が休めるリゾート地にする」と好き勝手する始末。
あんまりな事態を前に「バッカモ~ン!!」と調査隊を怒鳴りつけ、恐らく遊び惚けているだろうバカンスワルドの許へ急行。
廃工場でゼンカイジャー、ゴールドツイカー一家と共にスイカ割り競争に興じるバカンスワルドを見付けたバラシタラは「下っ端の癖に、我々より先にバカンスを満喫する等言語道断!!」と大噴火。
そのままバラスピアーからミサイルを放ってバカンスワルドを粛清してしまった。
その後、一緒になって遊んでいたクダック達に説教をかました後、これまた遊んでいたクダイテスト達にを呼び出すと、その内の一体をダイバカンスワルドに変貌させて撤収していった。
戦略目標を完遂しておきながらそれを短気と怒り(上記の通りバラシタラがバカンスワルドを処刑したのは「上司より先にバカンスに入った“怒り”」であって、職務放棄や敵と遊んでいた事実では無い)に任せて自ら潰すと、軍隊長にあるまじき大失態をやらかしてしまった訳だが、果たして彼の明日は……。
第25カイ!
ボッコワウス「あぁ?……時を戻しただと? それでゼンカイジャーが倒せるのか?」
「倒すまでも無く、ゼンカイジャーを結成させなければ、我々の勝利であります!」
前回の失態についてボッコワウスからの叱責は免れた様で、今度はヒドケイワルドを誕生。ヒドケイワルドの力で第1カイ!のトジテンドが人間界に進行を開始した時の時間軸へと巻き戻し、ゼンカイジャーが結成できない様に歴史改変を目論む。
だが、ヒドケイワルドが口下手かつ、過去の幹部陣が話を信じず、悉く妨害に失敗、結局元の時代に戻った上にヒドケイワルドが人質に取っていたセッちゃんが、逐一報告していた為に既にゼンカイジャーがヒドケイワルドを知っていたので作戦が頓挫、そのままヒドケイワルドを撃破されてしまった。
すぐさまクダイテストを呼び出そうするも、前回も含めて過去の敗北の記憶を再度見せ付けられて不機嫌になったボッコワウスが制止、叱責を受ける羽目になった。
第32カイ!
以降も次々と侵略に送り込むワルドを生み出す中で、対象の意識を入れ替える能力を持つサカサマワルドを生み出し、人間界を混乱に陥れようと画策。
謁見の間にてフラっとやって来たステイシーに注意しつつ、ボッコワウスに今回の作戦を説明した後、先程からトジテンドパレスに何者かが侵入し、騒動を起こしていると報告する……と。
ゲゲ「侵入者ならそこに居る。お前、ステイシーじゃないな?……何者だ?」
サカサマワルドの能力でステイシーと意識が入れ替わった介人がステイシーの姿でいるのを見抜き、(ボッコワウスに床ドンされつつも)すぐさまステイシー(in介人)を捕縛すべく跡を追い掛け、並行世界間ゲートを通って人間界へと来訪。
その先ではゼンカイジャー&ツーカイザー(inフリント)とサカサマワルドが交戦の真っ最中で、ガオーンとマジーヌが連れてきた介人(inステイシー)の様子から、サカサマワルドの能力の影響を受けた事を悟る。
「ほう……ステイシーとゼンカイザーが逆さまにされていたであるか」
しかし、自身が生み出したサカサマワルドが討伐されるの阻止すべく戦闘に参加するも、ステイシーと介人によってサカサマワルドを倒され作戦失敗。
息子であるステイシーに邪魔されたが然程怒らず、トジテンドパレスへと帰還した。
第34カイ!
今回は待機。
出撃早々に、自身の能力の源である「ハロウィンヘッド」を失くす失態を曝したハロウィンワルドによって、ボッコワウスとゲゲから叱責をぶつけられるイジルデに対し、自身も苛立ちつつ、
「ええ~い!! そもそもワルドが出来るまで、“どう言う仕様になるか分からん”と言うのが問題である!!」
イジルデ「あっ」
ゲゲ「あ」
ボッコワウス「あっ……」
イジルデ「……うるさ~~~い!!」
公然の秘密と化していたワルドの能力は生み出してみないと分からない欠点を口に出した結果、イジルデのみならずボッコワウスやゲゲまでも「それを言うか」とせんばかりのリアクションを見せ、空気が凍り付いてしまった。
第36カイ!
イジルデが送り込んだダイヤワルドの作戦にてハカイザーの正体が介人の父親・五色田功だと割れてしまった挙句、今までのイジルデの発明が捕まえた功・美都子博士の発明を盗用したものだと知り激怒した、ボッコワウスのトントン相撲に巻き込まれる。
「フンッ。嘘を吐かねば、手柄も挙げられんとは」とイジルデをなじった上で「既に送り込んだビックリバコワルドを展開する作戦を見て貰いたい」とボッコワウスに報告した上で、自身もゼンカイジャーを叩き潰すべく行動を開始。
ゼンカイジャー達が功を取り戻そうと必死になってると踏んだバラシタラはそれを逆手に取り、介人が知らない所でビックリバコワルドを囮にハカイザー=功を誘き寄せる作戦を実行するゴールドツイカー一家の前に並行世界間ゲートを通って出現。
「残念だったであるな。ハカイザーはイジルデの配下故、俺様の作戦には関わらんのである」
「自身の作戦なのでハカイザーは関係無い」と言い放った上で自身の罠に嵌めたゴールドツイカー一家を、本性を現しパワーの出力を上げたビックリバコワルドの能力で翻弄。変身を封じられたゾックスを痛めつけて、そのままスクラップしようとするもゼンカイジャーが駆け付け、他のメンバーにギアトリンガーのカバーを閉めて貰う単純ながら盲点だった方法で解決され振り出しに。
しかも作戦に関わらないハズのハカイザーの乱入によって、作戦が滅茶苦茶になってしまい、最終的にゼンカイジャーにビックリバコワルドを撃破され失敗。呼び出されたクダイテストに後を任せ、そのまま退却した。
第39カイ!
前回の第38カイ!にてボンワルドを生み出し作戦を展開するも失敗。しかしここ最近ハカイザーの姿を見せていない事態を訝しみ、謁見の間にてステイシーと共にボッコワウスに問うも「最凶兵器の開発」と伝えただけで詳細を教えてくれず、ゲゲにも「余計な詮索をするな」と口止めされてしまう。
その後、イジルデの研究室でイジルデとハカイザーを探すステイシーとゲゲのやり取りを目撃し、ゲゲの「両者の居場所を伝える」と先程とは真逆の行動に不審がっていた。
第43カイ!
新たにムカイカゼワルドを生み出して人間界侵略を遂行を目論むも、第41カイ!にて「ハカイジュウオーのデータを漏洩した主犯」だとイジルデから伝えられたボッコワウスの粛清を受け、投獄されているハズのステイシーの妨害があった報告を受ける。
ボッコワウスに報告するも案の定激怒されるが、「誰か手引きした者が居るんじゃないか?」とボッコワウスに吹き込んでいたゲゲを見て、第39カイ!の様子から疑いに目を向けていた。
その後、脱獄したステイシーの粛清を実行すべく、ムカイカゼワルドやクダック等を連れ人間界へと来訪し、介人との連絡を受けてステイシーの正体を暴こうとするゴールドツイカー一家とステイシーを襲撃。
「ステイシー。本当にトジテンドに歯向かうつもりの様であるな」
ステイシー?「フフッ。お前も僕を倒しに来たのかい?」
「まずは褒めてやるのである……お前にこんな度胸があったとはな!」
クダックを薙ぎ払いつつステイシーザーに襲い掛かり、ステイシーと互角以上の戦いを繰り広げる状況に喜びを覚えるバラシタラ。
「ハハッ、確かにあのまま牢獄で死んで行くよりは、最期に一暴れするのも悪くない選択である!」
そんな彼にステイシーに「今、褒められてもねぇ……」と呆れ気味に返されると、召喚されたスーパーシンケンレッドによる攻撃にも物怖じせずに挑みかかるが、「後ろ向きで戦う」奇策でムカイカゼワルドの能力の攻略したゼンカイジャーにムカイカゼワルドを撃破。
自身もステイシーザーの加勢へ現れたゼンカイジャーとツーカイザーに囲まれるが、全身からの砲撃を用いた爆撃で一蹴。
代わりに“ステイシーの奇妙な違和感”を察したらしく、「ボッコワウス様には悪いが、俺様としては楽しみが増えたのである!」と自身の娯楽に“打倒ステイシー”が出来たのに免じて、その場から撤収した。
第45カイ!
イジルデがオミクジワルドを使っての再起を賭けた作戦の為、バラシタラ自身は前線に不参加。
ただ、第44カイ!でゲゲがSDワルドを生み出したお陰で、邪魔なゴールドツイカー一家が人間界から居なくなったのをボッコワウスに褒められたが、それに身に覚えが無いゲゲの様子を見逃さなかった。
その後も、ゲゲが並行世界間ゲートの設定を弄る様をも目撃、ゲゲへの不信感を募らせていった。
「アイツ、もしや並行世界間ゲートの設定を弄っているのであるか?ステイシーの脱走を手引きしたのも奴だとしたら、一体何を企んでいるのである……?」
第46カイ!
ゲゲへの疑惑は(ほぼ)確信に変わったバラシタラは、同エピソード前半にてゲゲに問い詰めたがボッコワウスの目の前で行った為に、ボッコワウスを怒らすだけの結果に終わってしまった。
そこでバラシタラはゲゲイシーの監視を実行、そうする内にゲゲイシーの予言に合わせ、ゲゲが必要なトジルギアを要求する実態を確認し、同エピソード終盤にて(ゲゲの名指しこそ控えた形だが)改めてボッコワウスに「裏切り者がトジテンド内部に居る」と進言。
しかし、彼のこれら指摘や観察眼は、結局最後まで実を結ばなかった。
第47カイ!
残る全てのトジルギアを取り込んで自己強化を図るボッコワウスの様子を見ていた直後、遂にゼンカイジャーがキカイトピアに侵入した為、バラシタラと共に迎撃に出陣。
ボッコワウスにトジテンドパレスから追い出されてジュラン達とはぐれた介人とブルーンを発見した。
「貴様等とはもっと遊びたかったが、ボッコワウス様がキレてしまっては仕方無いのである。ここで仕留めさせて貰うのである!」
直ちにスクラップにしようと襲い掛かり、2人のギアトリンガーをはたき落として変身を封じ、必死に逃げる2人をわざとすぐには仕留めずに弄びながら攻撃しつつ追い掛け、追い詰めた先でトドメを刺そうとするも、トジテンドや自身に反旗を翻したステイシー/ステイシーザーの「シーザー闇黒流星群」の爆煙に紛れて2人の逃走を許す。
その後、捜索の末に介人とブルーン、そしてステイシーを再度発見するが、SDトピアの呪いを解くには時間がかかると共に海賊トピアが続け様に解放された事に疑問に感じ、介人のいる所へ戻ってきたゴールドツイカー一家が助太刀に参戦。
「自身を超えたい息子」と「自身に因縁のある敵」と、繋がりの強い相手と戦闘に入るも、バラシタラの敵では無く、頭からの砲撃で2人を変身解除に追い込む。
愛を踏み躙り続けた戦闘狂は、愛を追い求める者により討ち果たされる(第48カイ!)
両者を追い込んだバラシタラは、早くも自身の勝利に酔い痴れ、ゾックスには「海賊はそのまま宝集めでもしていれば良かった」、ステイシーには捨てられた母親の仇を打つ為に刃向かった子供全員を、悉く蹂躙し尽くした事実を暴露する等、彼等を容赦なく愚弄し続けた。
「ステイシー! 母の敵討ちに来た子供は、貴様だけでは無い。片っ端から返り討ちにしてやった!。別の方法で俺様にぶつかって来る貴様を、一時は面白いと思ったが結局はこれである!。しかも1人で向かって来る気概も無い……実に情けないのである!!」
だが、ゾックスは「今まで出会ったヤツ等全員が俺の“お宝だ”!」、ステイシーは「“復讐”では無く“帰るべき場所を守る”為に闘う!」と、自らを鼓舞し再び変身、バラシタラへの反撃を開始した。
先程と一転、次第に追い詰められていったバラシタラは、劣勢をどうにか覆そうと虎の子の「ギガバラシュート」を発射、スーパーツーカイザーの「ツーカイザー・レックスリフレイザー」とステイシーザーの「シーザー邪王砲皇撃」を中心に、フリント達ゴールドツイカー一家の鍔迫り合いとなった。
だが「守るべき存在を持つ者」と「自分以外何も無い者」の差は歴然であり、押し負けたバラシタラを彼等の攻撃が貫いた。
「ぐあぁぁ!……この俺様が……此奴等如きにぃいぃぃぃ!!」
致命傷を受けたにもかかわらず、尚もそれを受け入れられないバラシタラは、時折り見せた武人の矜持の欠片も無く、最期まで他者を見下した断末魔を上げて敗れたのだった。
そしてバラシタラは最期に全身が誘爆して大爆発を起こすも、その爆発からゴールドツイカー一家とステイシーを守ったのは、皮肉にもバラシタラが散々下らない物ばかり作っていると見下し続けたイジルデが開発したステイシールドだった。
かくして数多の命を使い捨ての道具の様に弄び、暴虐非道の限りを尽くしてきた将軍気取りの暴漢は、自身が不幸に陥れた実子の一人とその仲間によって引導を渡されるという、まさに自業自得かつ因果応報に他ならない最期を遂げたのであった。
合わせ鏡の決戦
今まで圧倒的な強さを見せつけ、それに自負するように何処までも傍若無人なバラシタラにしては、余りにも呆気ない幕切れとなったのは結局、嫌い合うイジルデと同じ「自分さえ良ければ良い」に終始した結果なのは、何とも皮肉な物であろう。
しかも、自分の遊びを優先して介人達をすぐに仕留めなかった結果、介人達を取り逃がし彼等によってイジルデとボッコワウスは倒される事態を生んだ。つまりはバラシタラは自分の利己的な快楽に拘った結果、仲間の足を引っ張り最終的には自組織を破滅させた大戦犯となったのである。
……だが、息子のステイシーも嘗ては「利己的な復讐心」に囚われ、ゾックス達ゴールドツイカー一家もまた、バラシタラと同じ「傍若無人な界賊」であった。
しかし、彼等は介人達との交流により、他者との繋がり=絆に価値を見出だす内に「守りたい世界」を得て、ステイシーとゾックス達は共に成長していた。
そして、その証左のようにゾックスは「介人の為」に過去の遺恨を捨ててステイシーと共闘し、ステイシーはバラシタラの死によって生じた爆風からゾックス達を守った。
この一戦は例えるなら「“変われた=絆によって成長出来た者”と“変われなかった=絆を否定し成長しなかった者”の戦い」でもあり、自らの強さに慢心しそれ以外を軽んじるのみで、何の進歩も無かったバラシタラの敗北は必定だったのかも知れない。
しかも、最終的にはバラシタラの爆発からステイシー達を守ったのは、イジルデが開発したステイシールドであり、結果的にはステイシーを見下しろくに関わろうともしなかったバラシタラよりも、ステイシーに歪な形ながらも関わり続けたイジルデの方が後世に何かを遺すのには成功すると、散々自分や自分の発明品を見下し続けたバラシタラに対し、ステイシーを介して自分の発明品の凄さを見せつける=一矢報いる皮肉な結果になった。
また「母の仇を討つ」為や「復讐」の為にバラシタラに刃向かったステイシーの異母兄弟達は、皆一様にバラシタラに敵わず命を散らした。
復讐では無く「帰るべき場所を守る為に戦う」と決意したステイシーがゾックス達と共に戦った末に、漸く何百人もの妻子を不幸に追いやった、悲劇を生み出すだけの邪悪な男に引導を渡せたのであった。
余談である
- 名前の由来は大阪弁のそのまま「バラしたらぁ」。
- 『機界戦隊ゼンカイジャー公式完全読本』pp.106-107によるとデザインモチーフは案の定戦車で、戦車の展望塔から戦車長の顔がのぞいているイメージでデザインされた。ただ、重厚なイメージと裏腹に動きやすくするためにボディをスマートにするとの要望もあったため、その両立が難しかったと答えている。裏モチーフは『電撃戦隊チェンジマン』のメンバーが着ていた迷彩柄の制服。
- 役職が『軍隊長』とやや箔に欠ける風に見えるが、幹部陣営の人的資材の少なさから鑑みると、現実の軍隊では『元帥』や『将軍』に相当すると思われる(もちろん、ボッコワウスがそれらの役職の全てを、1人で兼務している可能性も否定できないが)。
- 声を演じる乃村氏は『獣電戦隊キョウリュウジャー』のデーボ・ヒョーガッキ以来、8年振りの出演となる。ちなみにヒョーガッキはバラシタラと異なり仲間意識が非常に強い。また、第3カイ!で氷河期を用いて啖呵を切るシーンがあったが、間接的な中の人繋がりのネタだろうか。
- 同時に『救急戦隊ゴーゴーファイブ』の獣男爵コボルダ以来、22年振りに幹部クラスの怪人の声を演じる。こちらもバラシタラとは逆で家族意識が非常に強い(2人を除く)が、それが報われなかった。
- ステイシーが893番目の妻の息子である事実から、トンデモない性豪の可能性があり、マジーヌも序列を聞いた際には「えっ? ヤバいドン引き……」と露骨に引く程であった。
- 人間で彼と同じ3ケタレベルの数の妻を娶っていたとされるのは、ソロモン王ぐらいである(それも伝承)。彼はちゃんと後宮にハーレムを作っていたそうだが。
- そもそも一夫多妻とは“権力の誇示”や“血の勢力図の拡大”等の為に行われて来た。だがバラシタラは支配欲求に赴くまま、数多の女性に手を出しては棄てる悪行を繰り返した為、産まれた我が子達に尽く恨まれ、血の勢力図を拡大……以前に「子を作る=敵を作る」状況と化してしまっていた。バラシタラはとことん愚かで非道な男であった。
- 第48カイ!にてバラシタラの台詞から、リセ以外の妻達もバラシタラの手で死に追いやられた上、ステイシーの異母兄弟に当たる子供達も皆バラシタラの手で殺されていた過去が明らかになった(しかも、復讐心に駆られていた時分のステイシーを「面白い」と評価していた態度から、寧ろこの状況を“娯楽の一環”として捉えていた可能性さえもある)。これらの事実を知った視聴者からは「毒親の次元を越えている」と戦慄させた。