概要
▼詳しくはこちらの作品の18枚目をごらん頂きたい。当該イラストの背景は原作通りだが、特に意味は無い(他意なく)。
元々はリージョン界の政府組織「トリニティ」に反抗するグループに所属していた男だが、現在はトリニティの第7執政官。λ基地を管理しており、前執政官のヤルートが失脚したために後釜として収まった形。冷酷な切れ者として有名。
こうした不思議な経歴を辿ってきた理由は、かつて反トリニティとして活動していた頃、ウェント・イアン(リュートの父)と親友同士だったのだが、トリニティ軍に追い詰められた際イアンに庇われて助かっている。このイアンを亡くした一件により、反トリニティとして活動するには限界があることを悟り、作戦を変更。
今度はトリニティ内部に入り込み、内部から崩壊を狙おうとした。もともと切れ者だった彼にとって、一度政府組織に入ってしまえばそこからの出世は早かった。裏組織グラディウスからも恐れられるほどの手腕を持っており、「執政官に上り詰めて(市井のレベルでちょっかいを出されなくなり)ホッとしている」と言わしめるほどである。
しかし——豊富な資金と軍備が整えられているトリニティという組織は、彼の人生を狂わせる野望を持たせるには十分なものだった。
最初の志を忘れさせるほど恵まれた環境と立場は、彼を独裁者へと駆り立てさせる。トリニティにてクーデターを起こし、自分1人で政府を牛耳ろうと考え始めた。リュート編最終ボス兵器グレートモンドも、そのために作り上げたものだった。
エミリア編では、ジョーカーを倒そうとするエミリアへジョーカーの情報を与え、さらにウェント・イアンと共に過ごしていた頃の「遺品」をエミリアに託す。ある意味、彼の「最後の良心」という説も。
「リージョン界を統べるのは力だ!
それがまだ分からんか。
愚か者達よ、今から力の意義をその身に直接、叩き込んでやる!」
ちなみに彼が普段仕事をしているλ基地の執政室には、「攻♥受」と描かれた額縁が飾られている。それだけではなく他の部屋にはやばそうなものがいくつかある。ただしこれらは前任のヤルートの頃にはすでにあったものなので、モンドとは関係ない。本作が発売されたのは1997年···当時としては随分濃いネタを仕込んだもんである。
一方、リマスター版でのヒューズ偏では、独裁者になろうとした背景にイアンの意志があったことが明かされている。イアンの志であったトリニティ打倒をグレートモンドにより為そうとしたらしく、結果としてワカツを滅ぼしたことに後ろめたさがない点など冷酷無比な部分は変わらないものの、グレートモンドが破壊された際に生き延びており、自分のやり方が間違っていたことを素直に認めた。
それを「自分はイアンの志を本気で裏切っていたなら、この結果も当然である」という形で言葉にしており、どこまでもイアンの遺志を背負って生きていることのわかる人物である描写がされている。
ちなみにこの時、復讐を果たそうとしたゲンは、その後切腹しようという腹積もりであったが、その意図はリュートに見抜かれており、モンドはリュートとヒューズに庇われる形で命を拾う。
後に、自らが腐敗したトリニティを象徴する人物になる形で逮捕されることによって、トリニティの旧体制に見事風穴を開けた。
インペリアルサガ/エクリプス
いくつかの中核ストーリーの一つ「キューブルート」に登場。このルートの物語の引き金になった人物にして、実質的なこのルートの最終ボスでもある。
異世界であることを理由に、リージョン界では絶対的な機密事項だった「キューブ」の正体をヒューズへ明かし、それが桁外れのエネルギー発生装置であること、場合によっては世界が消し飛ぶ危険物にもなりうるものだと明かし、回収を依頼する。
この物語はマルチエンディングという体裁をとっており、各クエストの選択肢によってキューブを追いかけた末の結末が異なるようになっている。その中で最難のクエストにて、彼は冷たいその本性をあらわにする。
キューブの詳細をIRPOに教えたのは、キューブの所在地を絞り込んでもらった上で、自身がそれを奪い取り利用するため。彼にとってキューブの使い道とは、イスカンダールも身につけた「アンリミテッド」という不死の術を施し、不死身の独裁者になることだった。キューブの力を借りれば、術者なくしても施術可能という、これぞ「最も危険なキューブの扱い方」であり「最も禁忌とされるアンリミテッドの生き方」。そしてグレートモンドを起動させ、戦いを挑んでくる。
数多くの形態を持つこのメカだったが、サガフロ裏解体真書の小説に倣い、平行世界を含むヒューズの仲間全てが集い、総攻撃を浴びた結果大破。しかし、原作ともこの小説とも違い、モンド本人は生き延びた。
彼が独裁者を目指した動機の一つとして、かつてリュートの父イアンにかばわれたことで、イアンに助けられた自分の命をできる限り長らえさせることが、イアンへの恩返しになると考えていた。そのため、本作独自の描写として、カミソリのような独裁者でありながら、かつての友イアンを忘れない心を持ち合わせ、彼を仇敵とするゲンなど因縁のある者も、モンドがただの独裁者ではないと感づいていた様子。それが結局、彼がトドメを刺されなかった最終的な要因だったことになる。
リュート曰く「酒ならいくらでも付き合うから、こんなことはやめないか」。温厚な彼が、父イアンの友人としてモンドの死を望まず、またモンドへの復讐を果たして自分の人生にも幕を閉じようとしたゲンを引き止めるため誰よりも真剣に説得するシーンは、まさしく原作でやりたかったけど出来なかった場面だろう。これは上記のサガフロ1リマスターでもほとんど同じ描写がされている。
- 原作では丸々ボツになったヒューズ編だけでなく、リュート編もストーリーの大部分が削られており、そこへ補完が当てられる形にもなっている。
そして、キューブを悪用した罪で、サイレンスの、無言による(ヒューズ曰く「いつまでも終わらない」)取調べを受ける結末となったのだった。
のちに、エクリプスの舞台となる新世界ディミルヘイムでは、レオナルドに正式な許可を貰う形でカジノ施設を経営。
本来ならばリージョン界の高い科学技術は、いたずらに外へ持ち出されると際限無い暴力へと発展しかねないなどの理由から外への持ち出しを制御しているのだが、真影帝国との長い戦いに備えて解禁する流れになったことで、まずは皆に機械科学に触れてもらうためカジノという形で諸侯やセレブなどを招待している。
明らかに原作や旧作で前科のある人物も多く訪れていたが、モンドの真の狙いは、真影帝国と裏で繋がっている人物を割り出して本部へと通報することであった。原作でトリニティの高官へのしあがった手腕を活用し、「カネの流れを追えば怪しい人物がわかる」として怪しい資金源から何人もの容疑者を密告している。
同時に、コアを搭載した自律兵器とすることを条件に、レオナルドからグレートモンド再建の許可をもらっており、地下に模擬戦闘施設を隠している。
仮にまともな統治者が今後滅んだ場合に備え、かつての野望を密かに心の奥底で静かに燃やし続けたまま・・・。