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概要編集

元スーパーモデルの女性。恋人にIRPO隊員のレンがいる。

幸せな日々を送っていたが、結婚を目前にしたある日レンが何者かに殺害され、しかもレン殺害の容疑までかけられ一転して刑務所送りに。

獄中で知り合ったアニーとライザの助けにより脱出したが、実は彼女たちは裏組織「グラディウス」のメンバーだった。

真犯人が組織の追っている怪人「ジョーカー」であると知ったエミリアは、レンの仇を取るためグラディウスに加入することになる。


CM時のボイスは小原乃梨子氏が演じた。


経緯編集

「順風満帆だった人生が急転直下する」というわりとお約束のオープニングで始まった彼女の物語は、表の組織では追えない立場から犯人を追い詰める、裏社会メインの話である。

生活の為に心を殺して任務に携わる仲間、目的のためなら手段を選ばない任務、そしてプレイヤーの判断次第で変わる犯人の正体など、二転三転するバラエティ豊かな展開が彩られる。


元々スーパーモデルだっただけに、最初は貧弱な能力だが集中力はすでに高く、銃の扱いに長けている。覚えやすい技も銃が中心になるため、長所は活用できるわけである。


彼女のシナリオのみの特典として「コスプレ・モード」があり、メイン画像の四隅にある特殊な衣装に着替えることで、覚えやすい技を自由自在に変更することができる。

最初の任務で獲得するバニーガール姿は、カジノに犯人を捕まえに行く内容ゆえのスパイ作戦なのだが、バニーになりきってしまうところまでは作戦を立案した周囲のメンバーも予想しておらず、「鉄の女」と呼ばれるライザさえ一目置いた。

おそらく、こうした「なりきり」ができるからこそ、衣装変更で得意分野までもを変えられるのだろう。

平和な環境では花開かせることが難しかったであろう、もはや一種の「才能」である。彼女の手に掛かると、「コスプレ」が「本物」になってしまうわけである。


任務を重ねるごとに衣装は増えていき、最終的には5種類の衣装から自由に選べるようになる。

そのため、最強かつ難関技の「DSC」すら、閃きタイプを変更することで修得困難な技を揃えて、誰よりもたやすく習得してしまう、

プレイヤーの腕次第では凶悪無比な活用が可能である。


いつもの衣装「ノーマル」、術が得意な「マジカルバニー」、体術が得意な「ピンクタイガー」、剣が得意な「ソードダンサー」、通常衣装と同じ銃が得意な「リーサルコマンドー」がある。

最終ボスでは特別に「ウェディングドレス」にも着替えるため、6種類の衣装で戦闘を見ることができる。


……と、上記ではまるで6種類の適正変化があるように述べたが、実は技術の習得適性が変わるのはピンクタイガーとソードダンサーのみ。他は衣装を変えても全く変わらない(本来ならマジカルバニーに付加されるべき術適正などは設定ミスなのか全く機能していない)。通常衣装・リーサルコマンドー・マジカルバニー・ウェディングドレスの閃き適性はメイレンアセルスと全く同じ「剣技・体術どちらも不得意なタイプ」である。また、剣が得意とされるソードダンサーについても単にアニーと同じ閃き適正になるだけなので、さほど剣技が閃きやすくなるというわけでもない(と言うか、かのアニーが「カタカナの剣技に適正がある」という剣技に関しては本作屈指の貧弱な閃き適正数の為、適正のある剣技の数はむしろ減る)。ピンクタイガーはライザと同じ閃き適正で、こちらは名実ともに体術(特に投げ技)が得意。

なお、ピンクタイガーはスライディング以外のDSC用技に適正があり、スライディングも通常タイプとソードダンサーに適正があるので、着替えを駆使する必要があるものの(主人公限定で)全キャラで最もDSCが習得しやすいキャラである。


エミリア編以外のシナリオでは、カジノリージョン「バカラ」にて、マジカルバニー姿で登場(ただし実際の加入時はコスプレを解いてノーマルになる)。秘術のイベント中ならばどの主人公でも仲間にすることが可能。

この際、ブルー編では「頭の悪そうな女だが…」と思われてしまうが、実際にその通りINT(知力)の初期値は仲間キャラの中でもかなり低め(システムデータにもよるが10~15)で、その成長率も仲間になる全ヒューマン中最低だったりする。

尤もサガフロのゲームシステム上、INTが伸びにくいとは言っても全く成長しないという事は勿論なく、銃や術をしっかり使っていればきちんとINTは成長するのでさほど気になる欠点ではない。また、逆にWIL(集中力)やVIT(丈夫さ)は伸ばしやすいため、強力な銃使いとなれる素質がある。

ただ、やはり低いINT(知力)成長率のせいで、銃技の学習は遅れがち。特に主人公時は何一つ技術を持っていないため、長くやきもきする事になるだろう。INTの伸びの悪さがあるため、術は補助を中心に使っていくと無駄がない。

 

尚、彼女の加入時の主人公のリアクションにも少々変化があり、レッドやクーンはバニーだと気づいておらず、アセルスは特殊な事情ゆえに「私に近づかない方がいい」と突き放し、リュートは「おたく美人だね~、美人は大歓迎だよ」と素直に鼻の下を伸ばし、T260Gは「衣装が変わりましたね」とメカ特有の観察力を発揮する。

このときの彼女は装備・技術もそれなりに充実しており、銃技の「曲射」を駆使した主力としても機能する。

序盤のうちに仲間にして「デュエルガン」でも持たせれば、有能なガンナーになれるだろう。

リマスター版では、引継ぎ機能を活用すれば、仲間時の優秀な初期ステータスを主人公としても使えるので、他の主人公経由なら序盤からかなり楽ができる。


派生作品編集

ヒューズのクレイジー捜査日誌編集

攻略本『裏解体真書』に掲載の小説「ヒューズのクレイジー捜査日誌」では、ゲーム同様にレン殺害の容疑をかけられた上で裁判もなしに刑務所送りにされてしまう。

しかしその真相は、検死予定だったレンの遺体がサイレンスのせいで回収不能になったのを隠蔽するのが目的だった。元々ヒューズはエミリアを「チャラチャラした女」と認識し、良い印象を抱いていなかったのも一因だった。


しかし投獄後、僅か1日で刑務所長の試練を超えて出獄に成功。グラディウスに参加してレンを殺した犯人を探す為、ピンクタイガーとしてルージュ一行に同行。

ムスペルニブルで氷漬けになっていた朱雀の回収を無理矢理手伝わされたものの、コスプレのおかげでヒューズには正体がバレなかった。が、虎視眈々と報復の機会を窺っていた。


結局この小説のレンは泥酔していた所に押収品の変な仮面をかぶって気分が高揚し、大喧嘩したエミリアへの当てつけとして、偽の死体を残して旅に出た事が判明。

後の始末も考えず、遺跡巡りで意気投合したディーヴァ(エミリア編ラスボス)と呑気に旅をしていたが、双方エミリアによって鉄拳制裁を受ける羽目になった。

更に成り行きで駆けつけたヒューズに対し、エミリアは正体を明かした上で

「オトコなんてぇぇェェェ───ッ!」という絶叫と共にDSCをブチかまし、復讐を完遂する。

なおこの時エミリアは婚約解消を宣言しており、正気に戻ったレンはガックリしている。自業自得なのだが。


しかしその後、ヒューズのぶっ飛んだ所が「クセになった」として、最終決戦にはライザと共に参戦。

ヨリを戻せると勘違いして飛びついてきたレンを無造作に裏拳で吹き飛ばした上でヒューズに交際を申し込み、命の危険を感じたヒューズにOKをもらって大喜び。その勢いでライザと共にスカイツイスターを披露、グレートモンドを攻撃した。

エピローグではマジカルバニーの姿でIRPOを訪問、ヒューズを間に挟んでドールとにらみ合いをしていた。


インペリアルサガ/同エクリプス編集

ディスノミアという別世界に辿り着きながらも、グラディウスメンバーとして変わらず活動を続けていた彼女。異世界ゆえにグラディウスに固執する理由はないのだが、ヒューズから「レンがいるぐらいだしIRPOに来たらどうよ」と誘われるも「あんたがいるから嫌よ」と突っぱねるあたり、レンと一緒に居たい<ヒューズと同じ職場に居たくないというなかなかの逞しさを見せる。


原作および上記の小説以上にヒューズとの腐れ縁がたびたび描かれており、レンとの結婚式をヒューズのトンデモ案で台無しにされたり、ジョーカー事件ではレンを助け出したヒューズの行動が本人も意図しない生死スレスレになっていたなど、どうにも腐れ縁から来るトラブルに巻き込まれがち。


エクリプスの舞台ディミルヘイムでは、グラディウス自体がIRPOの派生組織のような扱いになったため、エミリアも一瞬心を動かされたが、それでもやはりヒューズを理由に入隊は断固お断りらしい。


一方でその逞しさは天然とも紙一重で、水竜にさらわれた時は、さらった女を躍らせて楽しむ趣味を持っていたことに着眼し、ソードダンサーとしての経験を活かして水竜を楽しませたことで見返りとしてシーフード食べ放題の悠々自適な生活を送っていたことも。


本作シリーズ独自の設定として、「別衣装に変装するとその技能が得意になる」という原作の性能が拡大され、短時間でその道のプロの腕前を身につけてしまうという、もはや自己暗示・洗脳に近い技能を身につけている。同僚のグラディウスメンバーからもその一点は心底恐れられ、ヒューズもお手上げの模様(そしてトラブルの際はヒューズへのお仕置きにも存分に活用されている)。


スーパーモデルから急転直下したはずの彼女がここまでポジティブでいられるのは、むしろ逆境に慣れきって不幸不遇を感じなくなったためらしい・・・。


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