解説
1935年10月2日、東京府(現・東京都)出身。本名・戸部法子(とべのりこ)。父は鹿児島県士族の弁護士の小原栄次。夫は演出家の戸部信一(2023年死別)。息子はアニメーターの戸部敦夫。芸名の由来はスカーレット・オハラから。
所属事務所は、児童劇団虹の橋→劇団女優座→プレーヤーズ・センター→東京プロ→高松事務所→青二プロダクション(~1979年7月31日)→ぷろだくしょんバオバブ(1979年8月1日~2018年4月30日)→フリーランスを経て、2018年6月3日より、81プロデュース所属。
1946年に児童劇団虹の橋に入団、NHKラジオの子役として出演。跡見学園中学校・高等学校卒業後の1955年に劇団女優座に入団。女優として日本の民放テレビ開局当時のドラマやCMに多数出演する。その後声優業に移行する。
高いトーンの愛らしい声で、『ドラえもん』(テレビ朝日版)ののび太、『アルプスの少女ハイジ』のペーター、『未来少年コナン』のコナン、『ブンブンたいむ』のブンブンといった少年キャラから、ドロンジョに代表されるタイムボカンシリーズの三悪リーダーのような気が強くセクシーな美女、『うる星やつら』のおユキのように物静かなクールビューティー系まで、何でもこなす実力派の大御所。
このため「少年から美女まで」がキャッチフレーズだったが、本人は子犬役を演じたことがあるため、正しくは「子犬から美女まで」だとネタにしていた。
またのび太が代表作となる以前は、ジェーン・フォンダ、クラウディア・カルディナーレ、ブリジット・バルドーといったハリウッドやフランスを代表するセクシーな美人女優の吹き替えでも有名で、笑っていいともや徹子の部屋を始めTV番組に顔出し出演した際などは、司会者からバルドーの色っぽいセリフをリクエストされていた。過去には陣内智則がMCを務める番組にゲスト出演してのび太の名ゼリフを披露したエピソードもある。
のび太役の交代後は、主に後進の育成のほかに子供たちへの絵本の読み聞かせなどのイベント活動・ボランティア活動に力を入れている。また近年はタイムボカンシリーズを始め数々のレギュラーキャラを若手にバトンタッチする形で卒業している。
『おかあさんといっしょ』では人形劇コーナー第7作目「ブンブンたいむ」の主人公のブンブンの声を担当したほか、「とんでけブッチー」メキシコ編でのブーフーウーのブーでゲストの声、「はいスタート」の猫の声も担当した。
2024年7月23日、同月12日に逝去していたことが報じられた。享年88。
葬儀は遺族の意向により親族のみで執り行われたと言う。
これにより「タイムボカンシリーズ」のドロンボー一味、初代三悪の声優、「ブンブンたいむ」の主要声優が全員鬼籍に入ることとなり、『ドラえもん』のメインキャラ5人のテレビ朝日版第1期キャストで存命なのは源静香役の野村道子のみとなった。ちなみにサブキャラだとよこざわけい子、千々松幸子、横尾まり、松原雅子、青木和代、田中亮一等である。
訃報が伝えられた後の2024年7月27日放送の『ドラえもん』にて番組の最後に追悼メッセージが放映され、テレビ朝日版第1期ののび太のシーンが幾つかピックアップされ流された。
その後水田わさびを始め声優交代後の『ドラえもん』のキャストは元より後輩からはSNSで追悼メッセージを述べた。
『未来少年コナン』では小原が死去する1ヶ月前の6月8日には同作品でタルコスを担当していた山下啓介が、『ドラえもん』では小原の死後の2ヶ月後の9月29日には同作品でドラえもんを担当していた大山のぶ代が、小原の死後の4ヶ月後には映画『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』でゲストキャラのエル役を担当していた喜多道枝が死去しており、声優界は相次ぐ訃報に深い悲しみに包まれた。
エピソード
余談だが、代表作である「タイムボカンシリーズ」のマージョがグロッキー・ワルサーがヘマをした際に放つ「スカポンタン」という言葉は小原の作った造語である。
台本にあった「バカ、ドジ、マヌケ」のセリフが表現的にきついということで、スカタン+アンポンタンから作られた。
知名度の高さから「ヤッターマン」のドロンジョのセリフとして認識されている。
『夜ノヤッターマン』での出演では、部下達との共演は叶わなかった(たてかべ和也は逝去、八奈見乗児は長期休業)が唯一オリジナルキャストとして出演した。
2009年の実写版『ヤッターマン』ではたてかべとアニメ監督の笹川ひろしと共にドロンボーのインチキ寿司屋の客としてカメオ出演している。
声色を変えずその役に合わせた服装で役柄になりきるというスタンスを取っており外画の吹き替えで妖艶な女性を演じる際には高いヒールを履いて行っており別の吹き替えの現場に行った際にはジーパン履いて言ったら声が出ず少年役を演じる別の現場で女性の着物着ていったら気持ちが作れず声出なかったというエピソードがある。
アフレコでは沢山遊んでおり若手声優の演技にもいいじゃんいいじゃんと肯定して伸ばしている。
千葉繁によると心底楽しみながら楽しそうに芝居してる雰囲気を醸し出した人と称しておりある日ぎすぎすとした収録現場で当時若手だった千葉が失敗を恐れてると良いよ!!!楽しめばいいと肩の力を解してアドリブを入れたら良いよ!と褒めてくれて採用された事がありこのアドリブで遊ぶというジンクスは千葉に受け継がれている。
2017年には当時天皇皇后両陛下だった上皇上皇后両陛下がドラえもんに関するコーナーでドラえもんのひみつ道具のお言葉を述べられ、大山氏や小原氏を始めドラえもん声優陣達も驚き、2024年には佳子内親王殿下が暗記パンを始め(特にのび太が好きな)ひみつ道具に関するお言葉を述べられ、ファンの間でも話題になった。
主な出演作
雪女@ゲゲゲの鬼太郎(第1期) | マリン@海底少年マリン | ひろしの母ちゃん@ど根性ガエル |
春日翔太@宇宙大帝ゴッドシグマ | ラブラブ@冒険コロボックル | ペーター@アルプスの少女ハイジ |
コナン@未来少年コナン | ダークバアヤ@Bビーダマン爆外伝 | 石田公一@サザエさん |
おユキ@うる星やつら | クイーンバタフライ@サラダ十勇士トマトマン | ボロンコ@ルパン三世(PART2) |
野比のび太(初代)@ドラえもん(テレビ朝日版) | 野比玉子@ドラえもん(日本テレビ版) | カトリーヌ夫人@ラ・セーヌの星 |
タカシ@ザ☆ウルトラマン | セルジュ・バトゥール@風と木の詩 | ラグ@鉄腕アトム(第2期) |
リューズ@銀河鉄道999(劇場版) | 剛日吉@超電磁マシーンボルテスV | リー・カザリーン@超電磁マシーンボルテスV |
氷の女王(テレビシリーズ初代)@それいけ!アンパンマン | エマニエル・ポアロ@ルパン三世PART2 | ター坊@ハゼドン |
コウネッツ@超力ロボガラット | 神奈川健@魔法使いサリー | あやめ@ドンキッコ |
泥のメーテル@銀河鉄道999 | 黒バラ女王(初代)@それいけ!アンパンマン | バーバママ@バーバパパ(1977年版) |
ウィルバー@リトルルルとちっちゃい仲間 | ザクリーヌ@ルパン三世(PART2) | クローディア・ラサール@超時空要塞マクロス |
テラル総司令@宇宙大帝ゴッドシグマ | セバスチャン@名犬ジョリィ | ミーメ@宇宙海賊キャプテンハーロック |
マチヤ@家なき子 | ワンサ@ワンサくん | ナンドバット@それいけ!アンパンマン |
エスピオナージR1@マジンガーZ | コンチェッタ@母をたずねて三千里 | サーベラー@宇宙戦艦ヤマト2 |
ルビーナ@UFOロボグレンダイザー | シンドバット@シンドバットの冒険 | ミルクちゃん@チキチキマシン猛レース |
リッキー@クラッシャージョウ | ビアンカ@ビアンカの大冒険 | ノビスケ@ドラえもん(テレビ朝日版第1期・映画版) |
ブンブン・イザトナルトブン(画像中央)@ブンブンたいむ | 上条サクラ@こちら葛飾区亀有公園前派出所 | コマンダー・ジーラ@無敵鋼人ダイターン3 |
テロンナ@宇宙円盤大戦争 | ||
以下、タイムボカンシリーズ
マージョ@タイムボカン | ドロンジョ@ヤッターマン | ムージョ@ゼンダマン |
アターシャ@タイムパトロール隊 オタスケマン | ミレンジョ姫@ヤットデタマン | ムンムン@逆転イッパツマン |
ヤンヤン@イタダキマン | ルージュ@タイムボカン2000 怪盗きらめきマン | |
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