清く正しく美しく。ドロンボーがいる限り、この世にヤッターマンは栄えない。闇を払い、新たなる夜明けを!
概要
2015年1月からTOKYOMX、読売テレビ、中京テレビ、BS日テレで放送された。全12話。
同年4月以降からは福島中央テレビ、宮古テレビ(沖縄県のケーブルテレビ局)でも放送されている。
タイムボカンシリーズ初の(ゴールデン枠に該当しない)プライムタイムまたは深夜枠で放送された1クール作品となる。
今風になった三悪及びヤッターマンと詳細は公式サイト内で徐々に更新されていく形式で明らかになっていった。
スタッフには『ガッチャマンクラウズ』や『波打際のむろみさん』などに参加した若手メンバーが参加しているが、その代わり、古参スタッフのほとんどは関わっていない(ただし、笹川ひろしはスーパーバイザーとしてクレジットされてはいる)。
TVシリーズ初の三悪が正式な主人公となった(派生OVAを含めれば『タイムボカン王道復古』などの前例あり)ほか、ヤッターマンは敵側となり、後述するように正義の味方ではなくなっている。
今回登場する三悪は「ドロンボー一味の子孫」という設定で、女ボスは大人の女性ではなく9歳の少女となった。それに伴い三悪のキャストも刷新されており、後の『タイムボカン24』の三悪アクダーマにも受け継がれた。
従来のシリーズのように1話完結式のギャグアニメではなく、ヤッター・キングダムの世界観やそれに纏わるエピソードなど、シリアス色の強い作風となっている。
実際本作では、流血シーンが起用されたり、シリーズの特徴の一つでもある「メタ発言」と「ナレーター」が廃止されている。
イントロダクション
何が善で、何が悪なのか…!?
ドロンボー一味との長き戦いを制したヤッターマンだが、彼らが築いた王国ヤッター・キングダムは平和な楽園ではなかった !?
国は疲弊し、圧政に苦しむ人々!そこに立ち上がったのは、かつてヤッターマンのライバルとして戦ったドロンボー一味の末裔で、ヤッターマンに恨みを抱くレパード。
“ドロンジョ”の後継者としてその名を受け継いだ彼女は新生ドロンボーを結成。
憎きヤッターマンにデコピンするため、ヤッター・キングダムに乗り込む !!
(公式サイトより)
登場キャラクター
用語
ドロンボー一味
ヤッターマンに”おしおき”をするべく、レパードたちが自分たちの先祖の名前を名乗って立ち上げた組織。
当初は、裁縫が苦手なヴォルトカッツェ(ボヤッキー)が作ったお粗末な衣装を着ていた。
しかし、第3話でガリナが追っ手(ヤッター兵)の目を逃れるため咄嗟に暖炉で燃やしてしまったため、その後ガリナがお詫びの意味も込めて絵本(下記参照)で見たドロンボー一味の衣装を徹夜で製作し、これが以降の正式な服装となった。
メンバーもレパード、ヴォルトカッツェ、エレパントゥスの3人だったが、この時からガリナとアルエットも加わって5人になった。
登場時の口上は「清く正しく美しく。ドロンボーがいる限り、この世にヤッターマンは栄えない。闇を払い、新たなる夜明けを!」で、この口上は昭和版及び平成版におけるヤッターマン登場時の口上とほぼ同じである。
インチキ商売は祖先のようにうまくいっていない。それどころか、商品の種を自らバラしてしまい、代わりにそれをサービスと称して無料にするほどで、彼らには根本的に向いていないようである。
第9話で久々に行ったが、もはやインチキでもなんでもない、ただの裸踊りであった。
ヤッターマン
本作のヤッターマンは、かつてドロンボー一味を倒し北の地に楽園ヤッター・キングダムを築いた男女一組の英雄である。ヤッターマンの伝説は後の世にまで語り継がれており、レパードも子供向けの絵本『ヤッターマンでんせつ』を読み、憧れを抱いていたが…。
第1話で、レパード達がレパードの母・ドロシーの病気を治す薬を求めて海を渡った時、海中からせり出した壁の上に立つヤッターマンのようなシルエットを持つ2人組に出会ったが、その2人組は無慈悲に「退去せよ」と繰り返しつつ光線銃を発砲し、レパードの訴えを一顧だにせず追い返した。
その時はシルエットの状態だったが、続く第2話でロボット兵士ヤッター兵である事が明かされた。さらに無数に登場し、光線銃で侵入者を容赦なく攻撃する。
またヤッター兵隊長と呼ばれるリーダー格のロボット兵もおり、彼らを指揮している。
ヤッターメカやビックリドッキリメカらしきメカも登場しているが、容赦ない攻撃をするなど悪側のようなメカとして描かれている。
他に終盤ではヤッター十二神将と称される幹部たちも登場し、新生ドロンボーと激闘を繰り広げた。
第10話でのヤッター・メトロポリス内の放送では、ヤッター・キングダムの国王たるヤッターマンは「偉大なるヤッターマン様」と称され、「死ぬことも許されずヤッター・キングダムの民の栄光のために日々身を粉にしている」と語られており、不死の存在であることが示唆されている。そして最後に明かされた驚くべき正体とは…。
ここで全てを知ったガリナとアルエットは、「本当の新たなる夜明け」をもたらすために自分たちの手で真のヤッターマンを甦らせることを決意する。
本作のヤッターマンは昭和版・平成版とは180度違って、正義の心の一かけらもなく人々を苦しめる極悪非道な存在として描かれているが、昭和版・平成版のヤッターマンとの関係は終盤まで明かされなかった。どちらの子孫でもないことは間違いないようである(まあ、最後に明かされた正体を見れば当然なのだが。もっとも昭和版のヤッターマンはドロンボー一味はおろか、オモッチャマやヤッターワンに対してもぞんざいな振る舞いをすることがあった)。
なお本作の世界観・ストーリーは昭和版ヤッターマンを思わせるが、ヤッターメカやオープニングの亡霊のようなヤッターマン1号のデザインは平成版の物である。
ヤッター・キングダム
長い戦争の末にドロンボーを打ち倒したヤッターマンたちによって築かれた王国。国王は代々「ヤッターマン」を名乗り国を治めている。デッカイドーと呼ばれる所に存在しており、ドロシーたちの住む辺境の地の対岸にある。
樹立当時は楽園のように国は富み、暮らす人々は幸せに包まれると言われていた天国のような理想郷であったが、時代が進むにつれて当時の正義の心は忘れ去られ、いつしか圧政で人々を苦しめるディストピアへと変貌、冷酷非道な暴君に支配された国となっていた。
そのため、国民の多くは80%と高額な消費税をかけられているなか、粗末な家でその日の食べ物にも困窮する貧しい暮らしを強いられ、ヤッターマンの恐怖政治に怯えていた。それだけでなく、国民は赤紙により首都ヤッター・メトロポリスに送られて強制労働させられ、周辺の人々も洗脳されたかのように万歳で送り出す(というか、そうしないと何をされるかわからないのでやらざるを得ない状態である)。
また許可なくヤッター・キングダムへ上陸することは許されず、上陸しようとすれば容赦ない攻撃が加えられる。
そして最後に明かされた真の姿は、「地球人を滅ぼすために、ヤッターマンの名を騙って築かれた偽りの楽園」に過ぎなかった…。
なお「デッカイドー」は昭和版「ヤッターマン」に見られた架空の地名…と思われたが、どうやら実在の北海道のなれの果てのようである。
ヤッター・メトロポリス
「デッカイドー」の最北端にある「ソリャソウサ岬(稚内市の宗谷岬に相当する場所)」にあるという、ヤッター・キングダムの首都。防衛のためと称して周囲は高い壁で囲まれ、中心部は華やかで煌びやかな高層ビル街だが外周部は戦後間もない時期の日本のように雑然とした工場群と粗末なバラックの家屋がひしめいており、この国の明と暗を象徴している。そして高層ビル街の中心には国王の”ヤッターマン”が住むタワーが建っている。
ガリナとアルエットの両親はこの地での強制労働に駆り出された末、工場の爆発事故で亡くなった。しかしアルエットの父親とは、後に思いがけない形で再会を果たすことになる…。
第11話のラストで上空から見た形がドクロマークであることが判明しており、この国を築いたのがヤッターマンではなかったことが示されている。
ヤッターマンでんせつ
レパードが子供の頃から読んでいる、子供向けの絵本。内容は先代のヤッターマンが、先代のドロンボー一味を倒し、ヤッター・キングダムができるまでが描かれている。
レパードが持っていた他に、アルエットの家にも置いてあった。この絵本が”ドロンボー一味やガリナ&アルエットにも影響を与えることになり、後にレパードたちは「ヤッターマンでんせつ」を再読し、描かれていたドロンボー一味の服装や行動・言動に倣うようになり、ガリナもこの絵本を参考に新生ドロンボーの衣装を製作した。
辺境の地
かつてドロンボー一味がヤッターマンに倒されて流れ着いたという、海と山に囲まれた土地(地理的に見て青森の津軽半島と思われる)。
レパード(ドロンジョ)の生まれ故郷で、ドロンボー一味の末裔が代々住んでいた。大地は痩せて作物は育ちにくく、住人たちは貧しい暮らしを強いられており、医療体制なども貧弱で、薬もろくにない模様。
山側にはYマーク(ヤッターマンのマーク)が刻まれた巨大で長い壁が聳え立ち、海を越えてヤッター・キングダムに渡ろうとしても海中からYマークが刻まれた壁がせり出してきて行く手を阻むため、住人たちは他の地に移り住むこともままならず、半ば閉じ込められたような状態である。
集落の外れの海に面した岬のような場所に墓地があり、住人に取ってはさながら「天国(ヤッター・キングダム)にいちばん近い場所」で、第1話で病死したドロシーも夫の墓がある所に埋葬されて共に永遠の眠りについている。
第2話では子豚のオダさまが見つけた本からヤッター・キングダムに通じるもう一つの手段として、永らく使われずに瓦礫などに埋もれていた青函トンネルを発見し、瓦礫を撤去した上でヴォルトカッツェ製作のトロッコを使い、ヤッター・キングダムへの上陸に成功する(途中に竜飛海底駅があった)。
おしおき
本作ではドロシーが自分たちの状況を「おしおきを受け続けている」と語ったり、決起したレパードが「ヤッターマンに”おしおき”をする」と誓うなど、キーワード的に多用されている。
メカニック
詳細は「夜ノヤッターマンのメカニック一覧」を参照。
制作スタッフ
原作・制作:タツノコプロ
監督:吉原達矢
シリーズ構成:ふでやす かずゆき
キャラクターデザイン:後藤圭佑
プロップデザイン:中山竜
演出チーフ:中野英明
色彩設計:のぼりはるこ
美術監督:海津利子
撮影監督:神木正士
編集:奥田浩史
音楽:加藤達也
音響監督:今泉雄一
音響制作:HALF H・P STUDIO
主題歌
オープニングテーマ
作詞:勇-YOU- / 作曲・編曲:太田雅友 / 歌:SCREENmode
エンディングテーマ
余談
- 系列会社のタツノコプロ製作にもかかわらず、日テレはなぜかネットを拒否、関東地上波では独立局でネットされた。
- 「Windows100%」という雑誌の2015年2月号の付録として、レパードのMMDモデルが収録された。
関連動画
関連イラスト
関連タグ
世代交代(声優):ある人物がレパードに語り掛ける場面や、新三悪の中の人がボカン24への続投から、本作そのものを三悪声優の世代交代イベントと見る事が出来る。
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