概要
逆作画崩壊とは、普段は頭身の低いSDキャラや2頭身~5頭身ぐらいのデフォルメキャラが突如として、7~8頭身ぐらいの劇画、リアル寄り、乙女ゲーム調や少女漫画風等になる作画に変化する演出技法を指す。
作画崩壊(アニメ作品において作画レベルが低下する)の派生語だが、基本的には作画崩壊の対義語ではない。だが語呂が良いのか対義語として使われたり、普段は等身大のキャラがSD化する逆パターンやイメージデザインと作中でのデザインが違う場合にも使われたりと意味が肥大化してきている。
漫画では古くからある手法で、たがみよしひさが頭身の高いシリアスな絵柄と2 - 3頭身のギャグ調を混在させるこの技法を自身の作品内に用いていたことで知られる。
原作のメディア化で行うと新鮮な感じ十分、批判も十分と賛否両論。
語源
始まりは「パンティ & ストッキング with ガーターベルト」からで変身シーンで突然キャラクターの頭身が上がり、リアル寄りの絵柄に変貌。本作においてはキャラデザ&キーアニメーターが暴走(全開)し、様々なデフォルメを一つの作品にぶち込んだここから逆作画崩壊という言葉が生まれた。これ以前でもその様に演出する作品はあったのだがメジャー化にしたのはこの作品からである。
このキャラたちが → こうなる
逆作画崩壊作品
本来の意味での作品。
漫画
- おそ松くん
- 「新おそ松くん」以降のアニメを含んだ作品殆どである。ただし「最新版おそ松くん」では登場せず、逆に意図的な作画崩壊が登場した。「新おそ松くん」~アニメ「おそ松くん(88年版)」はキャラクターがリアルな劇画タッチになることがある。
- 天才バカボン
- こちら葛飾区亀有公園前派出所
- 原作で初期の劇画調が薄れていた頃に登場した星逃田初登場回で背景がいつも以上に書き込まれたり、20世紀末にはほぼ全編少女漫画的タッチで描かれた話がある。星逃田のエピソードはアニメ化された際に更に暴走している。
- Dr.スランプ
- 主人公の一人則巻千兵衛が度々劇画調に変化する。
- 繰繰れ!コックリさん
- NARUTO
- スピンオフ作品であるロック・リーの青春フルパワー忍伝は普段はSDキャラなのだが原作同様の頭身になる事も。
- モンスター娘のいる日常
- 主人公である来留主公人がモン娘へお叱りする時や多種族差別をする人間への制裁時などで見られるイケメン化。
- たがみよしひさ漫画
- 2~3頭身のキャラクターが突如8頭身になったりする。しかし2~3頭身のキャラクターのみしか出てこない漫画、逆に八頭身のキャラクターのみしか出てこない漫画も存在する。
アニメ
- おそ松さん
- 星のカービィ
- メダロット
- ガイナックス陣営参加パート。
- 妖怪ウォッチ
- ポプテピピック
- 忍たま乱太郎
- サウスパーク
- 世界的に有名な電波ソングである素晴らしいチンチンものを参照。
- 怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜
- 基本的にキャラクターは二頭身にデフォルメされた姿で描写されるが、なぜか主人公のかぷせるがーるずは変身シーンでのみ通常の頭身で描写される(そして、変身完了時の決めポーズの直前で体が縮んで元の二頭身に戻る)。
- がんばれゴエモン 次元城の悪夢
- クレヨンしんちゃん
- 特にヘンダーランドの大冒険、ヤキニクロード、金矛の勇者辺りの野原ひろし。
- おまえうまそうだな
- ポケモンの如く丸くなっている。その反面、非常にカッコいいアクションシーン(これは、原作には全く存在しない。)が追加されている。
- 超爆裂異次元メンコバトルギガントシューターつかさ
- EDに於いてキャラクター達の頭身とデザインが美化されたイラストが流れる。
- ちびゴジラの逆襲
- 第7話でちびゴジラとちびメカゴジラが破壊衝動が抑えられなくなった瞬間リアル調のイラストになっている。
- 魔神英雄伝ワタル
逆パターンの作品
普段は等身大だが主にギャグパートによってデフォルメキャラになる作品。
- ハイスクール!奇面組
- 普段は等身大でギャグパートでは2頭身の代表的作品でアニメでもそれは生かされている。
- こちら葛飾区亀有公園前派出所
- フィクションの意識が存在する回に限ってそうなる事がある。
- 銀魂
- 最初の時点で線撮りで放送された回が存在する。
- さよなら絶望先生
- 彼氏彼女の事情
- 今石洋之参加パート。彼はここで認知された。
- 魔法騎士レイアース(1994年アニメ)
- 初期の第一章「セフィーロ編」にてギャグシーンにて3頭身の描写になる。
対義語としての作品
作画に難があったりする作品がパートもしくは作画監督によって劇的に変わる作品。
- 学園ハンサム
- 東京ミュウミュウ
- 石野聡参加パート。彼が作画監督を務めた回は「神作画」と称されたが、元のキャラクターデザインとは大きくかけ離れた絵柄だった。そのような回がある反面、本来の意味で作画崩壊している回も多かった。
- ロボットガールズZ
ギャップ作品
同じタイトル作品でもキャラクターデザインとかによって雰囲気とかが変わった作品。
- 幻魔大戦
- 機動警察パトレイバー
- WXIII 機動警察パトレイバーと同時公開されたミニパトにおける黄瀬和哉によるWXIIIではリアル表現、ミニパトではデフォルメキャラとして描かれている。
- 攻殻機動隊
- 押井守監督のGHOST_IN_THE_SHELL/攻殻機動隊で沖浦啓之による再構築。
- 新世紀エヴァンゲリオン
- ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qにて黄瀬和哉参加パート。
- ドラえもん
- のび太の恐竜2006の作画スタイルがいつものドラえもんと違いカートゥーンのような画風で普段と全く違う作風になり話題を呼んだ。
- ONEPIECE
- オマツリ男爵と秘密の島にて簡略化されたデザイン・高密度かつ閉塞感溢れる背景・キャラ表でわかるどことないグレンラガンな雰囲気。
- 009 RE:CYBORG
- 男性陣のスタイリッシュっぷり。
- ファイナルファンタジーシリーズ
- ロマンシングサガミンストレルソング
- ロマンシングサガのリメイクであるミンストレルソングはオリジナル元のキャラクターデザイナー自ら180° 変えた。発売前こそ批判を受けるもその後は概ね受け入れられた。
- ポポロクロイス物語
- どろろ
関連イラスト
関連タグ
ブループロトコル:詳細はキャベツ検定にも詳しいが、他の野菜が簡略化しているのに対して、キャベツだけは逆作画崩壊といえるような作りこみが披露された。