概要
CV:下元史朗
星逃田とは、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のキャラクター。通称『劇画刑事』。
名前は「ほし とうでん」が正しい読み方だが、「ほし にげた」「ほし のがした」と呼ばれる方が多い。他にも「おでん」「田楽」「感電」と間違えられることが多い。
見た目は渋くて格好よく、一緒にドライブをする恋人がいたり、犯人が取り出そうとした銃を素早く撃ち落とすなど実力も高い。
しかしそこはギャグマンガ。どうにも決まりの悪いシーンが多く、当初は犯人を捕まえる際にも不意打ちしていることを独白して嘆いていた(主人公である自分が犯人に負けるなどあってはならないという危機意識と自分では思っているが、両津には「態度は大きいけど根は小心」と見抜かれている)。
原作漫画
初登場が第17巻という非常に古参のキャラクターで、ハードボイルドがウリの警視庁の刑事。彼が登場すると、本人を含め周りのキャラクターが劇画タッチで描かれるが、「それでどうしたんですか『ほしにげた』さん」などと呼ばれてズッコけると、通常の作画に戻るというギャグがしばしば行われていた。次の登場回ではさらにエスカレートし、実写としても登場した。
ちなみに初登場と2回目の登場時には絵面を重視したり読者になくし物を捜させたりと怪作だった。
『カルティエのライターをなくした、見つけてほしいっ!』と読者に呼びかけたところ、本当に読者から100円ライターがたくさん送られてくるということが起きた。2回目の登場時には時計を無くしたと騒いでいたり、別の登場回ではフェアレディZをベースとした変形覆面パトカー(装甲車やブルーバード、いすゞトラックなどに変形可能)を操縦したりしていたが、その後普通の準レギュラーに落ち着き、出番は徐々に減っていった。34巻ではほぼ単発キャラの島雪之城とも共演した。(昭和時代)
その後再登場、禿げ頭になったので、あだ名が「星禿田」にされた。しばらくカツラ頭の設定に。67巻以降は登場しなかった。(平成初期)
131巻で復活。それからはたびたび懐かしのキャラというポジションで登場。(2000年代)
なんとタイムカプセルの中からでてくるというメチャクチャな設定だった。
最後に登場が確認されたのは特殊刑事課へ配属が決まったところで、やがて太ったりしているので、あだ名が「星太田」になって散々な扱いを受けている。
そして最終回では40周年企画の復活キャラベスト10で1位になり、ついにレギュラー昇格かと思われたが、その直後に最終回であることを知らされ愕然としていた。
アニメ版
アニメ版では第100話にて登場。最初から特殊刑事課の一員「ハードボイルド刑事」として登場。このことから、原作で特殊刑事課に配属されたのは逆輸入と言えなくもない。
アニメ版でも原作と同様に絵面を重視し過ぎたあまり話の進行が無茶苦茶になっていき、結果的に原作以上かつアニメ版史上最大の怪作となっていった。
- まず登場シーンだけで4回もやり直したため(劇画調、セピア色、シネマスコープ等試行錯誤を繰り返していた)、これだけでAパートが終わってしまった上、大原部長が途中で役を投げ出して(本田に押し付ける形で)逃げるという事態も起きている。
- 出動シーンでも透過光を目立たせるために夜にしたり、首都高速道路を走行したり、納得のいく主題歌を探そうとしたり、結果的に2回もやり直している(主題歌は葛飾ラプソディー→ブウェーのビヤビヤ→淑女の夢は万華鏡→夏が来た!(Diamond Head)-「渚の女王様」より→スマイルの順に使用したが、星が納得のいく曲は無かったが、TOKIOが歌うEverybodyCanDo!なら納得していたかもしれない)
- 事件現場(銀行強盗)に到着後は本作の2枚目である中川への対抗心から、星も負けじと顔の影の段の数を増やしたり(この時に顔を拡大し過ぎて皮膚細胞のミトコンドリアが映ってしまうというNGも入っている)したものの、小野小町や清正奈緒子からは「やり過ぎて不気味」と不評であった。これに激怒した星は中川、小町、奈緒子の3人を影無しの2頭身キャラに変えた挙句画面外に追い出してしまう。
- さすがにやりたい放題の星に怒りを感じた両津は、彼の足音をギャグマンガやロボットアニメの足音に変えたり、星の決めシーンにおばさんの笑い声を入れたりと反撃するが、星も番組タイトルから「本作の主役は両津ではなく派出所である」と指摘(原作では派出所の建物がモノローグ風に語っている程度であるが、アニメでは手足や顔を付けて見事アニメキャラ化していた(タイトルは「こちら葛飾区亀有公園前派出所くん」))。その上で、自身が派出所勤務になれば主役になれると指摘。結果、両津と対立し(この時、背景の龍とトラを取り換えるという気の抜ける発言をしている)、最後は先に銀行強盗を逮捕した方がレギュラーになれるという勝負をしようとする。
- しかし、その時はもう放送時間切れであったため、銀行強盗は中川により既に逮捕済みという扱いとなり、これに驚いた星はアニメ監督(高松信司)に文句を言ってやったら、まさかの本人が実写で登場する始末。
- ラストは作画担当者が背景→彩色→動画→原画の順でどんどん逃げて行き、最終的に作画そのものが消失するに至り、両津により「絵が全部消えたから消息不明になった」と片付けられた。最後に中川と両津が本エピソードに苦言を呈し、「番組中お見苦しい点ありました事をおわびいたします -スタッフ一同-」のテロップが出て、終了となるがその後次回予告にまで懲りずに無理やり割り込んできたためまともに予告もできなかったりと最後までやりたい放題であった。
- 本エピソードの作中に度々出てくる設定画や台本には「105話」と書かれている事があるが、それまでにテレビ放映されたスペシャル回(5回分)をカウントに加えると本エピソードが第105話になる為である。第100話とされたのはスペシャル回を除外したからである。
- なおこのエピソードでは麗子だけは休暇を取っていたため登場しておらず(メタ的な理由として麗子役の森尾由美が産休をとっていた為であり、麗子が出れない代わりに麻里愛がそのポジションにいた)、この話より2話後にして麗子が復帰した話である「浅草シネマパラダイス」の冒頭でこの回の事が少しだけ触れられており中川も「ま、いつもの事なんですけどね」と両津と共に笑い飛ばしていた。
セリフは無いが、劇場版第一作にもクライマックスのシーンで他の特殊刑事課メンバーや坊那須、石頭鉄岩と共にワンカットのみカメオ出演(一番手前に写っており目立っていた)。
第245話でも「帰ってきたハードボイルド刑事」として放送。こちらは放送時間が余ったための時間調整のための短編であるため、映像は殆ど前述の第100話の使い回しである。なお、この際両津が言ってた「今日のワンピースはないかもしれんな」というセリフは印象的である(当時は本作の次にワンピースが放送されるタイムテーブルであった)。
なお、監督が同じためか、後に似たような事をアニメ版『銀魂』でもやらかしている。