概要
コナミ(現・コナミデジタルエンタテインメント)が手掛ける『がんばれゴエモン』シリーズの古参キャラクターであり、ゴエモンと共に同社を代表する看板キャラクターの1人。
七福神の恵比寿、あるいは布袋を思わせる福々しい顔相に恰幅の良い体型、青地の忍び装束と併せの頬被り、関西弁がトレードマーク。
モチーフは、江戸時代後期の文政年間に存在したとされる盗賊『鼠小僧次郎吉』。キャラクターデザイン自体はゴエモンシリーズ開発チーム『ゴエモン制作委員会』の中心人物であったゲームプログラマの蛭子悦延氏(現:グッド・フィール代表取締役)がモデルとなっている。
初登場となるファミコン版『がんばれゴエモン2』では『ねずみ小僧えびす丸』名義であったが、外伝作『きえた黄金キセル』以降は『エビス丸』表記で統一されている。
プロフィール
『がんばれゴエモン2』FC版の取扱説明書に記載。
人物
「正義の忍者」を自称し、行動の大半をゴエモンと共にする相棒兼女房役。かつては一人働きをしていたが、かねてより噂を耳にしていたゴエモンに手を貸した一件を契機に付きまとう様になり、現在はゴエモンの相棒として共に数多くの戦いを乗り越えている。
普段はひたすらマイペースな道化者という掴み所の無い人物で、茶店の団子を何よりも好む大食漢。
持ち前の面相に滲み出る愛嬌と円やかな性格から憎めない反面、見世物小屋の舞台に乱入して裸踊りを披露したり、忍術のためとは言え平然とチュチュを着込んだり、シリアスな場面であろうともボケを差し込むなどの無軌道振りを存分に発揮するお調子者であり、自身を「絶世の美男子」と信じて憚らないナルシストでもある。
しかし、仲間が窮地に陥った際にはその安否を誰よりも気にかけ、自分以上にボケてみせる相手には鋭いツッコミで的確に場を繋ぎ、些細な思い違いから悪党に身を落とした獅子重禄兵衛に怒気を顕わにして説教し性根を叩き直したりと、まるで無神経という訳ではない。
贅肉を揺らすほどの肥満体でありながら長時間に渡って身軽に動き(プロフィールからも、見た目と裏腹にそんなに体重は無い)、時には玩具や食品ですら武器として自在に使いこなす器用さも備えている点から、そのトボけた外見や振る舞いとは裏腹に、忍者としての極めて高い資質を垣間見せる。
ちなみに初期作品では笛だったのだがマッギネスからはコロコロと変わっている。
はぐれ町(作品によっては大江戸はぐれ町)の長屋に住まうゴエモンを頻繁に訪ねる事から別居しているのは確かだが、エビス丸の居宅がどこであるかなど私生活については多くの謎に包まれている。
一方、『でろでろ道中』では瓜二つの愛娘であるマオの出演によって主要キャラクター陣で唯一の既婚者である事実が明かされている。
漫画版
ボンボンのコミック版では『ゆき姫救出絵巻』の冒頭から登場。ゴエモンとは初対面であり、その勇名から兄貴と呼び慕い、押し掛けて来て子分になった(その際に冷蔵庫のものをすべて平らげた)。
この頃はゴエモンと並ぶ助平であり、初対面のヤエちゃんに対してデレデレしながらスリーサイズを聞くなどしている。後にゴエモンに惚れる男色家としての面が強くなり、ゴエモンとヤエちゃんの仲に嫉妬するようになる。
食べてばっかりで戦闘では役に立たないことも多く、大体ゴエモンやサスケが戦うことが多い。ただし役立たずというほどでもなく、エビス丸が戦う時は抜群の能力を発揮する。
普段は食べてばかりで場を引っ掻き回す役目だが、ゴエモンが不真面目な時は怒鳴りつけるなど真剣な顔も見せる。
関連人物
獅子重禄兵衛の側近。重禄兵衛とゴエモンの関係が子孫と先祖という間柄なのに対し、人相こそ瓜二つだがエビス丸との血縁関係の有無に関しては最後まで明かされなかった。
- オビス丸(『きらきら道中』)
どことなくエビス丸に似た風貌を持つ泥棒。自身を「シティボーイ」と大言して憚らないナルシストだが、その割には広島弁で捲し立てるガラの悪さが目立つ。
元は『奇天烈将軍マッギネス』の町ステージに徘徊している名無しのマイナスキャラ・泥棒だったが、きらきら道中にてサブキャラに昇格した。
腕利き揃いで名を馳せる治安警備隊「ご組」の一員であり、機械整備を一手に担うメカマニアの女の子。所属間もない新人ながら組頭の推薦を受け、ゴエモンと共に妖魔討伐の任務に旅立つ。
か弱い女の子なので、旧作のエビス丸同様に機動力に欠けるが、自作のからくり武器を駆使した攻撃により、全メンバー中最高の攻撃力を誇る。
声優
関連イラスト
- エビス丸
- シスタ-・ビスマル
- おびす丸
- エビス
- 絶世の美男子
余談(ファミコン版『2』エンディングのネタバレ含)
古参プレイヤーにとってはもはや有名な話しであるが、初登場となるファミコン版『がんばれゴエモン2』では、エビス丸は、実は、変身からくりの術で男性に姿を変えられた女性だったというオチになっていた。
次回作である外伝作『きえた黄金キセル』では設定変更され、「ゴエモンと初対面かつ正真正銘の男性」と再設定され上述の女性設定はなかったことにされた。(「仲間たちが変身からくりの術でエビス丸そっくりの姿に変えられてしまう」という展開で一応のつじつま合わせは行われている)
制作者の蛭子氏によれば「新規に2Pキャラクターを考えるのがめんどくさかったから」だとか。
なお、エンディングにおけるエビス丸の真の姿は、次回作『きえた黄金キセル』で初登場となるヤエちゃんに非常によく似たデザインとなっている。
また、公式サイトで公開されている『2』の企画初期案内のエビス丸の正体のラフ画は、興味深いことに、ボンボン版のヤエちゃんの初期キャラデザインと同じポニーテールだったりする。
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ファミコン版『2』でエビス丸に変身からくりの術をかけた張本人、からくり権左衛門はエビス丸が主役のスピンオフ作品『それ行けエビス丸 からくり迷路』に再登場し、真エンディングでエビス丸との会話シーンもあるので興味のある人はプレイしてみるといいかもしれない。