卍固め(まんじがため)とは主にプロレスで使われる、関節技の一種である。別名:オクトパス・ホールド、もしくはアントニオ・スペシャル。
概要
欧州マットでは古くから存在していた技とされているが、日本での公開はアントニオ猪木によって1968年12月13日に用いられたのが最初であるとされている。かつて猪木はコブラツイストをフィニッシュ・ホールドとしていた。しかし、ライバルであるジャイアント馬場がコブラツイストを使った事をきっかけに、コブラツイストが一般的な技と化してしまった。そこで猪木はそれに代わる新たな技として、より威力のある卍固めを開発したともされている。
「オクトパス・ホールド」の名称は猪木がこの技をかけた状態がまるでタコが何かに絡まるような様子に見えたことから、レフェリーの沖識名が名づけた。後にこの技が猪木の代名詞となるにつれて技名の一般公募が行われ、技を掛けている様子が漢字の「卍」に似ていたことから卍固めが新たな技名となった。
他にはTAJIRIや鈴木みのるなどの使い手がいるが、未だファンの間では「卍固め=猪木」のイメージが根強い。天龍源一郎も全日本プロレス時代に使用していた。
この後に腕ひしぎ十字固め→キャメルクラッチ→ロメロスペシャルという流れ(対戦相手:ケットシー)。
※なお、同じくこの技を使う先輩が居る。
技の掛け方
相手の横に立ち、自分の右足を相手の左脚に絡める。次に相手を前屈みの状態にし、右腕の下から自分の上半身を出す。そして、相手の首の部分に自分の左足を引っ掛けた状態で、相手の右腕を相手の背中側に直角に曲げ、自らの左腋に抱え込む(その際に技を掛けてる人は、自分の右腕を相手の臀部に引っ掛けてるか、腰の部分でガッツポーズをしているかはその人の自由)。
肩・脇腹に最もダメージを加えることができ、腰や首筋などにも痛みを与えることができる。決まった形の美しさに定評があるが実は体勢が崩れた方がより大きいダメージを与えられる。
因みに鈴木は「空中式卍固め」と名付け、全く足をマットに付けず、自分の体重も掛けて仕掛ける技として改良しているが、元々卍固めは技が完成した際に両足が浮いた状態になる為、自然と自分の体重をのし掛けて仕掛ける事になっている。ちなみに元祖である猪木自身も両足を浮かせて極めている。
決まれば決まるほど脱出する術はなく、レフェリーストップかギブアップするしかないとされる。ちなみに、ブルーザー・ブロディは猪木との初シングル戦で猪木の卍固めを猪木ごと跳ね飛ばして脱出しているが、猪木の卍固めをあっさり跳ね返したのはブロディが最初で最後である。