概要
柔道、ブラジリアン柔術、総合格闘技、プロレスなど様々な競技で使用されるいわば関節技の代名詞である。
海外ではアームバー(Armbar)、クロスアームロック(Cross Armlock)と呼ばれている。
相手の腕を足で挟み込み自分の手で引き寄せる技だが見た目の単純さとは裏腹に腰の位置や足の使い方など、しっかりと相手を仕留めるには細かい技術が必要で、柔術や柔道出身の選手でも何度も技を掛けなおしたり、極めそこなって逃げられるシーンが総合格闘技においては珍しくない。
ポピュラーな技だけに様々な選手が独自のプロセスで技を掛けるため、マウント、バックマウント、サイド、上四方、ガード下、スタンドなどほぼすべてのポジションから極めることが可能で、如何に多くのプロセスを用いて極めるかも重要な要素である。
何がどう極まっているのか、傍目には一見分かりづらい技だが、ちゃんと極まった十字固めは肩と肘、ひいては腕全体に強烈な痛みを与える。肩関節を自分で後ろに押してみても、姿勢次第では痛くないし押し返せそうに感じるが、この技術はそういった抵抗が出来ない方向に腕を固め、その上で体重を掛けるため、想像を絶する痛みが襲うのである。
相手の肘関節の脱臼や関節周囲の骨折、それによって血腫ができ最悪の場合死に至る可能性もある技なので、素人は絶対真似しないようにしてください。
格闘技経験者が多くないpixiv上では見落とされ勝ちだが、極める腕は親指が上になるように固定しなくては肘にダメージが与えられないので描く際は注意してほしい。
呼び方
ポピュラーな技だけに複数の呼び名が存在している。
プロレスでは「腕ひしぎ逆十字(腕ひしぎ逆十字固め)」と呼ばれる事がある。これは元々プロレスに有った「十字架固め(クルスフィックス・ホールド)」が相手の背中側に脚を通して両腕と肩を固める技なので、反対側である胸側に脚を通して極める腕ひしぎに「逆」をつけて区別したのではないかと、プロレス評論家の流智美氏は著者の中で考察した事がある。
その他では実況や解説者が「ひしぎ」や「固め」を省略して「腕十字」「逆十字」などと呼ぶ場合がある。