古流柔術
日本で生まれた戦場格闘技がその源流。かつては異称として拳法とも呼ばれた。
徒手あるいは短い武器による攻防の技法を中心とし、相手を殺傷せずに捕らえたり、身を護ること(護身)を重視する流儀が多いのが、他国の武術と比較して大きな特徴である。
柔道、合気道、日本拳法の元になった武術で、武術勝負の方法(勝負法)を基に教育(修心法)と体育(練体法)をも目的として大系化しまた戦後以降には競技化傾向をも含むものを柔道、護身術として完成させたものが合気道、自衛隊の白兵戦での格闘術となったものが日本拳法である。
また一部流派の空手にも影響を与えている。
又、安土・桃山時代、豊臣秀吉によって刀狩が行われ、百姓が武器を持てない時代があったとき、百姓は柔術(武器を持ってなくても、素手で敵に対処できるように)を始めたとも言われている。(諸説あり)
主な流派
- 起倒流柔術(開祖:福野正勝、茨木俊房)※柔道の源流
- 天神真楊流柔術(開祖:磯又右衛門)※同上
- 大東流合気柔術(開祖:源義光、武田惣角)※合気道 ※八光流の源流
- 不遷流柔術(開祖:武田物外)※少林寺拳法の源流
- 和道流柔術拳法(開祖:大塚博紀)※和道流空手の派生
- 竹内流柔術(開祖:竹内久盛)
- 関口新心流柔術(開祖:関口氏心)
- 柳生心眼流柔術(開祖:竹永隼人)
- 神道揚心流柔術(開祖:松岡克之助)
- 為我流柔術(開祖:江幡満真)
古流柔術を使用する架空のキャラクター
渋川剛気(グラップラー刃牙シリーズ)
影丸(バーチャファイターシリーズ)
梅小路葵(バーチャファイターシリーズ)
風間準(鉄拳シリーズ)
風間飛鳥(鉄拳シリーズ)
ギース・ハワード(餓狼伝説/KOF)
渥美格之進・格さん(水戸黄門)
陸奥九十九(修羅の門シリーズ)
真島零(真島クンすっとばすシリーズ)
地院家若美(主将!!地院家若美)
桃戸美柑(主将!!地院家若美)
関連動画
竹内流柔術
起倒流・天神真楊流柔術
ブラジリアン柔術
伝説的な柔術家前田光世に柔道の手ほどきを受けたブラジル人のカーロス・グレイシー(実際はプライベートレッスンを数回受けた程度など、真相に諸説あり)が改良、発展させた寝技主体の格闘技。
現在「柔術」というとメディア露出の関係でこのブラジリアン柔術をさすことが多い。
1993年、UFCの記念すべき第1回大会でブラジリアン柔術家のホイス・グレイシーが圧倒的な強さで優勝したことから一躍世間の注目を浴びることになる。
その後もバーリトゥードや総合格闘技であらゆる柔術家がその有効性を示し続けたため、現在では選手のバックボーンを問わず総合格闘技をやる上での必須科目とまで言われていたが、柔術も競技としての成熟が始まると次第に両者の技術体系は解離していき、一方のトップ選手が互いの世界に本格参戦することは極めて稀になっている。
一時期の格闘技ブームも手伝って、近年では日本でもブラジリアン柔術を学べるジムが増加傾向にある。
なお、1996年以降はムンジアルという世界大会が毎年開かれている。