概要
林崎甚助は父の仇討ちを祈願して林の明神に百ヶ日参籠し、抜刀の鍛錬に明け暮れ、満願の暁、夢中に示現した林の明神から秘術卍抜を授けられたとされる。
夢の中で会得したことから、林崎甚助の開いた流派は後世「神夢想林崎流」、「林崎夢想流」などと呼ばれた。
江戸時代における武芸十八般の一つにも数えられた武術の一つで、最初から剣を抜いて戦う剣術とは趣を異とする。
柔術と剣術の融合から産まれた技術で、腰に下げた刀を鞘から抜き放って素早く敵を倒す。真正面からぶつかり合う戦闘ではなく、不測の事態に備えた瞬間的な行動に特化している。
流派によっては座って抜き放つものを「居合」、立った状態で抜くことを「立合」と区別しているが、相手が立ち自分が座った状態で行う場合が多い。
剣道や柔道のように審判が旗を持って「一本!」とやるような試合は危険なためほとんど行われない。
幕末の混乱期には暗殺術・奇襲技として使用されることもあった。