概要
合戦で戦うための技芸を「武芸」と呼び、これが基になり、剣術や柔術などが生まれた。
十八の武技の内容は元々中国で行われていたものとも異なり、また時代や集団により異なる為、一概には言えないが、概ね以下のものが挙げられる。
※日本武芸十八般より
一覧
剣術
使用武具:刀(日本では刀と剣の認識が混ざっている為、曖昧になっている)
高名な剣術流派の数は失伝したものも含め100を優に超える。
代表的な流派は香取神道流、天然理心流、北辰一刀流、二天一流など
居合(抜刀術)
使用武具:刀
呼び名は色々あり、居合、居合術、抜合、居相、鞘の内、抜剣ともいう。
居とは座っているという意味で、立って行うものは立合であると説明している場合もある。
柳生流等は、居合と抜刀術を異質のものと考えられているらしい。
弓術
使用武具:和弓
弓術の基本的な技術体系は流派其々に通じる所もある。
特徴としての差異はあっても、和弓を用いる根本的な弓射技術は流派とも大同小異と言われているらしい。
弓道に繋がる弓術は技術、道具共に江戸時代に大成したと言っても過言ではない模様。
馬術(騎馬術)
使用武具:刀、弓等
騎馬隊といえば、戦国時代甲斐国の武田信玄の騎馬隊が有名であるが、
これは古来から甲斐や信濃国に御牧が設置され騎馬の扱いに長けた者や馬の産地が多く甲斐の黒駒伝承に象徴されるイメージ的な要素や、
かの地の馬が山岳機動に優れた能力を示したといった様々な説が唱えられている。
水術(泳法術)
水術、水練、踏水術、游泳術、泅水術とも
通常の泳ぎ方のみではなく、甲冑を着用したまま(武装したまま)の着衣水泳というべき泳法や、
水中での格闘技術や立ち泳ぎの体制での火縄銃の射撃など、武術としての水中での戦闘技術も含む(流派によっては操船術も含む)ものである。
海や河での戦闘、あるいは護身のための泳ぎである。
かつては武士のたしなみとして重んじられた。
薙刀術
使用武具:薙刀
奈良時代から平安時代にかけて寺院の守護のために僧兵の武器として威力を発揮し、鎌倉時代末から室町時代にかけて戦場の主武器になった。
しかし、応仁の乱頃より戦いの主流が歩兵(足軽)による密集戦に変わると、やがて機能的な観点から槍に取って替わられていった。
かつては女子校、または女性のみでしか習えない、言わば男子禁制の武道として男性が習える機会は殆ど無く、歴史の断片による偏見が根強い時期もあった。
槍術
使用武具:槍
元禄期以降、槍術は古格を重んじて閉鎖的・守勢的な状況になり、流派を形式を存続させることに主眼が置かれ、独自の技術や新流派の発展は見られなくなった。
この時期に剣術と同様に稽古用の防具が製作されたが、実践的な稽古に使うものではなかった。また他流試合も無かった。
小具足
双方もしくは片方が脇差を帯びて対する技術である場合が多い。
一般には戦場組み討ちの技術と言われるが、形の想定としては武士の平時の護身や、使者を迎える、
または使者として身を守る、両手を掴まれ連行される、歩行中に敵に捕まれた、打ち掛かられた等である。
棒術
使用武具:棒
戦場で薙刀、槍を折られた時に棒として立ち向かう時にも使われる。
日本武術における棒術は、主として6尺(約180cm)前後の、全て均一の太さで、磨いて滑りやすくした断面が円形の棒を用いる武術である。
直径が八分(約2.4cm)〜一寸一分(約3.3cm)のものが良く見られる
杖術
使用武具:棒、杖
棒術の一種である。捕り手役人が犯罪者を捕縛するための捕手術として発展した。
柔術・和術(やわら)
使用武具:なし
徒手もしくは短い武器を用い、攻撃や防御を行う武術。
組み討ちや捕手の技術が元になっている。