概要
カラリパヤット(英訳:Kalaripayattu)はインド南部のケララ地方発祥の古くから伝わる武術であり、名称のサンスクリット語のカルーリカが訛った“カラリ”、ドラヴィダ語の“パヤット”はともに『武術』を意味する言葉である。
代表的な流派にワダッカン(北派)とテッカン(南派)があり、出自についての伝承において、インド神話の登場人物を開祖として位置付けている。
それによるとワダッカンは維持神ヴィシュヌの化身パラシュラーマ、テッカンは『リグ・ヴェーダ』にも登場する大聖アガスティヤを祖とする。
中国拳法・少林拳の発祥にまつわる伝承によれば、大乗仏教の一派である禅宗の開祖である達磨大師がインド武術を持ち込み、そのインド武術が発展し少林拳となったとされ、そのインド武術がカラリパヤットではとする主張がある。この主張は『世界格闘技ガイドブック』(1995年、新紀元社刊)などで展開されているが、この伝承における達磨大師が持ち込んだインド武術が、カラリパヤットだと断定できる描写ない。