あ、ドラえもんだ!
概要
藤子・F・不二雄作の漫画「ドラえもん」のテレビアニメ。テレビ朝日系列で放送中。
テレビシリーズとしては3作目だが、第2作第2期とする場合もある。今作でのドラえもん役の水田わさびから名前を取り、水田版やわさドラと呼ばれる。
既にテレビ朝日系列では大山版ドラえもんが放送されていたが、2001年に大山のぶ代が長期入院を機に、各キャストの高齢化を勘案して大山版ドラえもん放送開始から25年をめどに一斉に声優交代を行うことが決定された。2005年4月放送分より声優一斉交代、それと同時にデザインや劇伴の一新が行われることとなり、「リニューアル」という形で水田版ドラえもんは幕を開けた。
キャラデザインや物語の内容は大山版と比較して原作漫画に近いものに変更されている。
2022年現在放送期間は17年を超え、ドラえもんといえば水田わさびと考える世代層も増えてきた。
2017年にはリニューアルと称し、デザイン設定が変更された。キャラクターに関しては、のび太たちレギュラーキャラの服の色や、ジャイアンの白目など、大山版ドラえもんのデザインに回帰した個所もあったりする。
登場人物
大原女史、木村氏は本作が声優としてのデビュー作であり、他メインキャラ担当の3人も90年代に活動を開始した声優である(水田女史、関氏、松本女史は大山版から出演済)。大山版声優の高齢化を理由とした声優交代であるため、デビュー時期の新しい時期の声優に交代したと推察できる。
メインキャラの両親に関しては90年代に主役、ヒロインを担当するなどして活躍した声優が多い。
また、水田女史や関氏や松本女史は大山時代からチョイ役ながら関わっており、特に関氏は幼少期のスネ夫を演じていたこともあって、そういう意味では結果論だが昇格とみることもできる。
放送時刻(テレビ朝日基準)
2019年9月まで
1982年以降の大山版ドラえもんから引き続き、毎週金曜19時より放送。なお、2020年4月からはBS朝日にて同時間帯で再放送をしていたが、2023年3月をもって終了した。
基本的に声優交代前から引き続き、前半・後半パートでの放送が基本となるが、通常放送でも前後半を合わせて1話扱いとなる「中編」や、2015年の期間限定で短編3本立てとなる「ドラララ3」といった放送形態が行われたことがある。
2019年10月以降
毎週土曜17時より放送。なおドラえもんの土曜放送は大山版初期に存在した関東ローカルの帯番組版以来である。
21世紀に入ると平日ゴールデンタイムは基本的に1時間尺となるバラエティ番組の台頭により、その特番が放送されると同時間帯のアニメが放送休止となるケースが多く、本作もその影響下にあった。時代の流れに合わせ、放送休止の少なく、メイン視聴者となる子供の視聴しやすい時間帯として、土曜夕方に変更された。他局アニメの名探偵コナンと同様の事例である。
2020年、2021年はほぼ毎週ドラえもんが放送された、という実績もある。
本作は2019年10月まではすべて新規のエピソードを放送していたが、2019年11月以降は過去のエピソードを再放送することがある。通常回であっても、前後半共に再放送を行う、もしくは中編を再放送する、前半が再放送で後半が新規エピソードであるなど、1984年以降の大山ドラえもんの再放送のフォーマットとは必ずしも一致しないケースが存在する。
なお、2020年4月から2023年9月まで、BS朝日において移行前の金曜19時に直近の回が再放送されていたほか、2024年10月より本作のエピソードを季節に応じたものや原作の存在する回を中心に、Youtubeの公式チャンネルでランダムに毎週金曜日と日曜日の19時に配信されている。
その他
他系列メインのクロスネット局の福井放送とテレビ宮崎、系列外の山梨放送、北日本放送(富山県)、山陰放送、高知放送でも遅れネットで放送されている。
作風
2005年の声優交代直後は、原作エピソードを放送し、連載当時との文化の変化やコンプラ対策のために、現代に適応した表現にしつつも、おおむね原作通りの展開で製作されていた。
しかし、2006年は、『ガキ使』等を手掛ける放送作家の安達元一が5月下旬から「企画協力」として番組に参加するようになり、週刊誌のような煽り文句のサブタイトルをつけたり、芸能人が顔出し出演する等、一時期バラエティ番組のような展開がされていた。しかし、ファンからは「ドラえもんの世界観にそぐわない」と批判する声が多く、氏自身が元々賛否両論ある人物ということもあり、ブログは炎上状態になっていた。2007年5月をもってスタッフクレジットから外れたため、以降は関わっていない。
その後は映画ドラえもんの風潮の影響か、感動する話になるようにストーリーを味付けしていた時期があった。しかし、ドラえもんは本来ギャグ・コメディ漫画であるため、メイン視聴者である子供を中心に、この時期の人気はやや低調気味であった。特に2010年度は、裏番組のピラメキーノに視聴率で負けていた。
そこで、2011年頃からスタッフの交代とともに、ギャグ路線編の回帰が進み、評価が上がっていった。
映画の方も、2000年代後半の作品よりも、2010年代以降の作品の方が評価が高かったりする。
このため、本作を「2010年代から本作の味が出てきた」と評価するファンも少なくはない。
今になっては完全に削除された(のび太のパパの)喫煙シーンも放送当初は存在した(『くろうみそ』など)。
主題歌
ドラえもんのうた:2005年4月より同年10月まで放送された。大山版と同一の楽曲ではあるが、女子十二楽坊の演奏によるインスト版を流していた。
また、2019年4月には大山版より通算で40年放送されたことを記念し、現行のキャスト歌唱によるバージョンが放送された。
踊れ・どれ・ドラ ドラえもん音頭:夏季限定の特別エンディング曲。大山版のドラえもん音頭とは異なる楽曲。
ハグしちゃお:2005年10月より2007年4月まで使用。
映像ソフト版ではドラえもんのうた使用時の回もこのopに差し替えられているが、理由は不明。
第1話の映像ソフト版op
夢をかなえてドラえもん:2007年5月より2019年9月まで採用された主題歌。現時点で一番使用期間の長い主題歌であり、水田版の主題歌を代表する楽曲と呼ばれることも。
ドラえもん(星野源):2019年10月の土曜移行後の主題歌。元々は映画「のび太の宝島」の主題歌。
関連タグ
リメイク:視聴者によってはリメイク作ととらえる向きもあり、放送15年目を経過した頃からは初期に取り上げた原作エピソードのリメイクも行われるようになった(この意味でのリメイクは大山版でも同様に行われている)。
日テレ版ドラえもん:水田氏は日テレ版後期でドラえもんを演じた野沢雅子にあこがれて声優を目指した。野沢氏も時を経て彼女のフォロワーが自分の演じたキャラに声を当てるとは思わなかっただろう。
ドラゴンボール改:原作漫画連載中にアニメを放送し、連載終了後に時期を置いて再びアニメ化という点では本作と類似した背景を持つ。しかし、本作とは違い、声優は極力旧作にあわせ、映像のほとんどは旧作から流用するといった作り方になっているため、リマスター版としての側面が強い。