概要
映画ドラえもんの38作品目にして、二期の十三作品目。2018年3月3日に公開。
藤子プロ創立30周年記念作品。
あらすじ
冒険小説「宝島」に影響され、宝島を発見することをジャイアン達に宣言したのび太。
そんなのび太から相談を受けたドラえもんはひみつ道具「宝探し地図」を取り出す。その地図で探し出した宝島は、太平洋上に突然現れた新しい島だった。
その後ドラえもんは「組み立て帆船」を取り出し、完成させた船にのび太は「ノビタオーラ号」と名付け、しずか、ジャイアン、スネ夫も誘い船に乗って島に向かうも、島に上陸する手前で海賊達に襲われる。
ドラえもん達は様々なひみつ道具で応戦するも追い込まれてしまい、万事休すとなったところで突如宝島の形が巨大な潜水艦に変形。実は宝島は未来の技術によって島にカモフラージュされた巨大な海賊船だった。
海賊船の出航により海賊はノビタオーラ号より引き上げるが、その際しずかが攫われてしまう。
海賊に逃げられた後、ドラえもん達は海に漂う少年・フロックとペットのオウム型ロボット・クイズに出会う。
フロックは海賊船から逃げ出したメカニックで、宝島の重要な秘密について知っていた。
ドラえもん達は海賊たちからしずかを助け出すべく、海賊船を追いかける。
レギュラーキャラクター
ドラえもん
主人公。のび太達の宝探しに同行し、ひみつ道具で様々な問題を解決する。
ロボット同士である為かクイズと仲良くなり、中盤では言い合いをしていることもあったが、後にピンチを乗り越えた仲間として認め合っている。
終盤では地球のピンチを救う為、自分の身を犠牲にしてまで地球を守ろうとした。また、クライマックスでは彼の最後の武器である石頭が思わぬ形で役立つことになった。
のび太
ドラえもんに相談して様々なひみつ道具を出してもらい、彼やしずか達と共に宝探しに向かう。
途中でしずかが海賊達に攫われてしまった際、自分が泳げないことを覚悟の上で海の中に飛び込み、懸命にしずかを助けようとした。
終盤ではドラえもんやフロックと共に地球の危機を救う為に行動し、ピンチに陥ったドラえもんを救い出す。
しずか
ドラえもん達と宝探しをしている途中、海賊達に攫われてしまう。しかし、このことがきっかけでセーラと仲良くなる。
ジャイアン
最初はフロックと言い合いになるものの、共に活動する内に打ち解ける。終盤では敵の目を引きつける囮役となり、ひみつ道具を上手く利用して敵の攻撃を封じ込める。
スネ夫
終盤に手ジャイアンと共に囮役となり、頭の回転の速さを活かしてジャイアンがひみつ道具を使うチャンスを生み出した。
ゲストキャラクター
フロック
CV:山下大輝
海賊船でメカニックとして働いている少年。海賊船に残された妹・セーラを助けるためにドラえもん達と協力して海賊船を追う。
クイズ
CV:悠木碧
フロックのペットのオウム型子守りロボット。冒険のヒントをクイズに出して出題してくれるだけでなく、コンピューターの解析や写真の表示など様々な機能を持つ。
因みに、クイズに搭載されているクイズはフロックの母が考えたものである。
予告編1では本編と配色が異なるが、予告編2以降は本編同様の赤色をメインに据えた配色に変更されている。
セーラ
CV:折笠富美子
フロックの妹、容姿はしずかと瓜二つ。
海賊船の食堂で働いており、パン作りが得意。得意料理はフレンチトースト。
ビビ
CV:早見沙織
姉御肌な性格の女海賊。
ガガとは夫婦で剣の達人。その腕は空気砲の空気を切り裂き、ジェットスキーの様なひみつ道具さえ一振りで両断するほど。
ガガ
CV:大友龍三郎
ビビ同様特徴的な外見の海賊。ビビとは夫婦。
妻のビビには頭があがらず、うっかり大切な秘密を口走ってビビにどつかれるなど何処か憎めない言動が多いが銃の腕は超一流。僅かな物音から姿を消した相手を捉えることが出来るなど洞察力も優れている模様。
また、両腕がマジックアームの用になっており本人の意思で自由に伸ばすことが可能。
キャプテン・シルバー
CV:大泉洋
ドラえもん達を襲った海賊団の船長。宝島に眠っている財宝の鍵を握った人物。
備考
- 『ドラえもん』という作品のオマージュ
TC45巻収録「南海の大冒険」及び『のび太の南海大冒険』にてのび太が宝探し地図で宝の場所を一発で当てるシーンや、のび太が「鼻でカルボナーラを食べてやる」と啖呵を切るシーン等、過去作を彷彿とさせる演出が多くキャプテン・シルバーを演じる大泉洋に因んだポスター(金曜ドラでしょう)等の小ネタも随所に隠されている。
- デザインの変化
キャラクターデザインが大幅に変更(白目が大きく黒目が極端に小さい、やや面長、大きく膨らんだ頬など)され、メインキャラクターは1980年代に近いデザインに変更されている。
但し、実際の本編の映像では常に上記のようなデザインという訳ではなくシーンによっては黒目が大きく描かれていたりする。
また第2作第2期シリーズ映画の特徴である鉛筆タッチなど、作品ごとによって多少の違いは今までもあった。
- オープニング
本作では映画ドラえもんシリーズで初めてオープニングが存在しない。ただし、のび太が「ドラえも~ん」と叫ぶシーンは存在する。
- しずかの入浴シーン
今作ではしずかの入浴シーンが復活。
但し、過去作に比べると大人しめの表現になっている。
第2期の映画としては初めて本編に関わる形でミニドラが登場する(前作『のび太の南極カチコチ大冒険』では、ドラえもんが氷山の成り立ちについて説明していた図解で「ドラドラ」としゃべるミニドラらしきキャラクターが登場していた)。
ドラえもんが慌てて道具を取り出しているシーンで一瞬だけパーマンのマスクとマントとバッジが映っている。
- 楽曲
主題歌は星野源が担当しており、タイトルはそのまま「ドラえもん」。
さらに挿入歌「ここにいないあなたへ」も担当している。
「ドラえもん」については2019年10月よりテレビシリーズの放送時間移動に合わせ、正式にオープニングテーマとして採用となった(二期のOPとしては4代目となる)。
- 小説版
『小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団』(2011年)以来の小説版が2018年2月2日に小学館ジュニア文庫より発売されている。内容は劇場版をやや補完する形となっている。
- 興行収入
53億7000万円を記録。シリーズ最大にして、初の50億円超えになった。更に、観客動員も同年4月24日時点で446万人を記録し、『のび太の日本誕生』の最高記録(440万人)を29年越しに更新した。
関連イラスト
関連タグ
のび太の海底鬼岩城、のび太の南海大冒険、のび太の人魚大海戦:同じく海が舞台の映画ドラえもん。その中でも『のび太の南海大冒険』は本作と同じく海賊の宝探しが物語の発端である。