概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。別名「秘剣電光丸」。初登場エピソードはTC11巻収録「名刀【電光丸】」。
レーダー内蔵の剣。レーダーが最適な行動を自動的に取らせるので、どんな人でも剣の達人相手と斬り合って勝利することが出来る。それどころかドラえもんは「これさえ持っていれば眠っていても必ず勝てる」と明言している。
耐久性も凄まじく、こん棒のような大きく硬い物で叩かれてもビクともしない。更に、使用者の腕力や身体能力もお構いなしで敵を斬り倒していく(上記の初登場エピソードでは、非力なのび太でも大男が振り下ろしたこん棒を片手で受け止めており、下記の宮本武蔵も大勢の敵を自分でも気づかない内に一瞬で斬り倒している)。
上記の初登場エピソードでは、ドラえもんとのび太が電光丸を若き日の宮本武蔵に渡したのだが、彼はドラえもん達に電光丸を返すことをうっかり忘れてそのまま持ち去ってしまう。ドラえもん達も現代に戻る途中で電光丸が手元に無いことに気付くのだが、大長編版『大魔境』ではドラえもんが再び電光丸を取り出し、それを受け取ったのび太がサベール隊長と戦った。
水田版では武蔵は電光丸を返しており、タイムマシンで巌流島で武蔵が佐々木小次郎と一騎打ちをする少し前にやって来たのび太達と再会し、のび太に決闘を挑んでいる。のび太は電光丸を使って武蔵と戦うも、武蔵はなんと電光丸相手に互角以上の強さを見せている(しかし、決闘に勝ったらしずかちゃんをお嫁さんにするとのび太に言った事で奮起したのび太に押し返されて敗退した)。
原作版(上記の初登場エピソード及び大長編版『大魔境』)では二回しか登場していない非常にマイナーなひみつ道具だが、近接戦闘の王道である刀剣である為か、下記の派生作品(水田わさび版アニメ・映画版等)ではバトルシーンで使用される事が多くなっている。
派生作品
『ドラえもんひみつ全百科』(『てれびくん』1980年6月号の付録)では、のび太がこの道具を使用した際、二刀流の宮本武蔵を一瞬で倒す様子が描かれている。
映画版『ひみつ道具博物館』では、相手を転ばせる衝撃波を撃ち出す銃で攻撃してくる「ころばし屋」相手に応戦する様子が描かれている(ただし最終的にはころばし屋が放った衝撃波で電光丸が吹き飛ばされてしまったが)。
スピンオフ作品『ザ・ドラえもんズスペシャル ロボット養成学校編』収録「ドラえもんの必殺技」では、素手で殴りかかって来た敵のロボット二体(スーパースーツという強力なアーマーを装着している為、電光丸で対抗したドラえもんを除くドラえもんズの攻撃が一切通じなかった)に対し互角以上に戦っており、相手が放ったロケットパンチさえ一振りで弾き返す様子が描かれている。
しかしアニメ版及び映画版では電池式となっており、大抵の場合は肝心な時に電池切れになってしまうことが多い。
『ワンニャン時空伝』では、電光丸を使用したドラえもんがネコジャラと戦った際、途中で電池切れを起こしてしまう様子が描かれている。
参考として1986年発売『ドラえもん道具カタログ』では、電光丸には「光蓄電池」が搭載されている旨が描かれている。また、1991年発売『ドラえもんのひみつ道具使い方事典2』では、電光丸には「ソーラーシステムバッテリー」が搭載されている旨が描かれている(ただし、これらの書籍は原作者の藤子・F・不二雄が監修しているとはいえ、F氏が直接手掛けた作品ではなく、それが原因なのかは不明だが、原作版と矛盾している設定及び解説も存在する)。
また、水田版アニメでは上記の電池式という設定だけでなく、普通に使用して(電池切れを起こしていない状態で)敗北したケースも存在する。
2017年版「天井うらの宇宙戦争」では、悪役が持っていたライトセーバー(のような武器)に対し問題なく斬り合っているものの、上記の初登場エピソードにてドラえもんが「使用者が眠っていても必ず勝てる」と明言しているはずの電光丸が、電池切れを起こしていないにもかかわらず純粋な斬り合いで敗北している。
また、水田版アニメオリジナルエピソード「アリガトデスからの大脱走」でも、ドラえもんが電光丸を使用して応戦しようとしたが、悪役との純粋な斬り合いで敗北している(ただしこちらの悪役は「電光丸?そんな玩具で私に挑もうと言うのですか?」と言っている)。
ただし原作版の作中では、電光丸が電池切れになってしまう描写は一切存在せず、作中で「電池式」と明言及び描写されたケースも一切存在しない(原作者が監修している辞典において光蓄電池の存在が語られる程度)。それだけでなく、原作版の電光丸は大勢の相手だろうと剣の達人が相手だろうと例外なく勝利しており、敗北したケースは存在しない。
攻撃力
上記の初登場エピソードでは、のび太や宮本武蔵が使用した際は相手を無力化するに留まっており、致命傷を負わせてしまうような描写はない。大長編版『大魔境』でのび太が使用した際も、サベールを傷付けることはなく無力化するに留まっている。
派生作品
2010年版「夢まくらのおじいさん」では、子供時代のパパがチャンバラごっこに使用した際、相手の頭を軽く叩いて気絶させる様子が描かれている。一方、水田版アニメ「のび太VS武蔵 巌流島ちょっと前の戦い」では、のび太が宮本武蔵と対決した際、電光丸が武蔵の持っていた刀を切断する様子が描かれており、2009年版「のび左エ門の秘宝」でも、敵が持っている武器を切断する様子が描かれている。
また、映画版『ワンニャン時空伝』では、攻撃してきた相手を電気ショックで気絶させている(参考として、上記の『ドラえもん道具カタログ』及び『ドラえもんのひみつ道具使い方事典2』では、電光丸には「電気ショック発生機」が搭載されており、相手を電気で気絶させることが出来ると解説されている)。
更に、水田版アニメオリジナルエピソード「王子を守れ!伝説のドラミ三剣士」では、使用者の激しい感情(基本的には怒り)に反応し、そのエネルギーを利用して衝撃波を放ち相手を吹き飛ばす様子が描かれている。
上記の「ドラえもんの必殺技」では、落下してくる障害物から使用者であるドラえもんを守る為に、落下物を全て切断する様子が描かれている。それだけでなく、作中では上記の通りドラえもんが電光丸を使用して敵のロボット二体相手に対し互角以上に戦っており、アニメ版及び映画版とは異なり電池切れも起こしていない。
その凄まじい性能は、ドラえもんが「このまま電光丸でとどめを刺せば、相手の身体を容赦なく切断して再起不能にしてしまうかもしれない」と考えるほどであり、彼はそのような事態を防ぐ為に電光丸の使用を自らの手で止めた。
関連道具
- ライトニングボルトサーベル
水田版アニメオリジナルエピソード「海賊大決戦 ~南海のラブロマンス~」に登場したひみつ道具。
「名刀"電光丸"」のサーベルバージョンで、相手の動きを感知して自動的に敵を倒してくれる。
水田版アニメで登場した電光丸(の亜種)としては珍しく電池切れを起こす描写がない。その為、作中では終始ドラえもん達のメイン武器として活躍した。
ちなみに名称及び効果はアニメ版『ドラえもん』公式サイト「ひみつ道具カタログ」にて解説されているが、作中ではこの道具の名称が呼ばれることはなく、使用法等の説明もされていない。
リアル名刀「電光丸」
武器ではないが、カトラリーの一種であるスプーンにコンピュータを内蔵した商品が存在する。加齢やパーキンソン病による手の震えを軽減させる。
関連項目
フラガラッハ:神話における剣で、自動的に敵を迎撃する能力を持つ。
アヌビス神:似て非なる。こちらはコンピューターではなくスタンドが宿った呪いの刀。何の因果かアニメ版CVがのび太のお父さんと同一である。
ターボエンジン付きスケートボード:原作での出番は少ないが、劇場版などでは大活躍するガジェット繋がり。