概要
ターボエンジン付きスケートボード(たーぼえんじんつきすけーとぼーど)は、『名探偵コナン』に登場する発明家である阿笠博士の発明品の1つ。本作の主人公である江戸川コナンが使用する動力付きのスケートボード。子供数人を乗せて走行できるほど出力が高く、車と同じぐらいの速度が出せる。
初登場こそ原作のエピソード(「歩美ちゃん誘拐事件」)だが、その後は実は数えるほどしか使用していない。一方で劇場版ではキック力増強シューズに並ぶ最多の活躍を見せており、特に犯人を追跡する時などのアクションシーンで重用されている。キービジュアルにもスノボーを含めると2023年現在で5度(第1・5・15・18・25作)堂々の登場を果たしているが、同時に比較的故障・破損・乗り捨てなどによる喪失が多い。
しかし自動車並みの速度で歩道を爆走する小学生を取り締まれないとか、この世界の警察はどうなっているのか。
腕時計型麻酔銃なども法違反だが、一応存在が隠されているあれらとは違い、こちらは公衆の面前で堂々と使用されており、緊急事態とは言え、これに乗って高速道路に侵入した事も警察官に知られている。
また、犯人追跡メガネと違い、直接的な描写は無いが、予備も作成されていると思われる。コナンはスケボーを使用する際、博士の愛車ビートルから取り出すことがあり、江戸川コナン失踪事件〜史上最悪の2日間〜では他の発明品とともに備えられているのが描写されている。
なお、特別編やアニメオリジナルエピソードでは最初から使用すると宣言したかのように何の説明もなくスケボーを所持した状態でコナンが登場する事もある。
動力
主電源は太陽電池とされているので、電動という事になる。ターボジェットやターボシャフトといったタービンエンジンや排気タービン過給器(ターボチャージャー)搭載レシプロエンジンでも無いので、「ターボエンジン」が何を意味するのかは不明である。
ちなみに自動車並の速度を出せる電動スケートボードは現実にも作られており、2016年には時速95km超の記録がギネスに認定されている。2022年内の法改正で、2023年7月から「16歳以上・最高速度20キロメートル毎時以下に制限された構造」なら電動キックボードは免許無し・ヘルメットなしでも運転可能となる予定であるが(逆に言えば16歳未満は運転不可)、それでも所定の方向指示器やナンバープレートの装着などは必須であり、スケートボードである以上コナンのこれにはこういったものがそもそも装着できない。しかも乗り手の見た目が小学生かつ高速度である。
劇場版では
第1作『時計じかけの摩天楼』から登場している。この時点では、動力がソーラーのみ(冒頭OPでも紹介されている)。また、大破ではないものの、縁石にぶつけたことで故障している。しかし、第15作『沈黙の15分』では、トンネルの天井から落下しても問題なく動いているため、どこかのタイミングで耐久性の向上の改造も施されていると思われる。
第3作『世紀末の魔術師』ではソーラーバッテリーが追加され、充電する事で30分なら太陽が見えなくても走行可能になった。その後、原作でも、夜の時間帯に普通に使用していたことから、この設定は逆輸入されていることが分かる(もっとも、その話までに原作・映画ともに、夜に使用できなかった描写がほぼ無いため、気付きにくい点ではあるが)。一応、30分とはあるが、時間超過によるバッテリー切れは今のところ『標的は警視庁交通部』ぐらいしか起きていない。
一応第10作『探偵たちの鎮魂歌』でもグレードアップされたらしいが、この作品では大きな新機能の追加がなく(コナン曰く「パワーつけすぎ」で、初めての走行で一瞬よろけた)、改良による特別な活躍は特には無かった。だが、その後、バイクから逃げる際、追いつかれることなく、距離を保てていることから、恐らく、改造点はスピードの向上だと思われる(その後の作品でも、高速道路のシーンなどで明らかに他の車と同等のスピードが出ているので、初期よりスピードが向上していると言える)。また、同作で専用のものと思われる持ち歩き用のワンショルダーバッグが登場している(第21作『から紅の恋歌』、第24作『緋色の弾丸』、第25作『ハロウィンの花嫁』、第28弾『隻眼の残像』でも使用)。
雪山が舞台となった第15作『沈黙の15分』では、スノーボードタイプ(OPで「高性能スノーボード」と紹介)が登場。スケートボードの改造らしく、デザインが大きく異なるが色合いは同じである。
アクセルを押すために前足の固定金具は回転可能で、持ち歩き用に中間部分を縮めることもできるが、それ以外の変形はない。そのため路面では走行不可と思われる(ただし水面では走行できていた)。また2人乗りも可能で、作中では2度にわたり哀と乗っていた。
アクションシーンのみならず単純な移動などにも使用され、全編通してかなりの活躍を見せた。
特別編『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』では、水陸両用タイプが登場。新しく作られたものらしく、デザイン・配色ともに大きな違いがある。
水面での使用時は車輪がボードに格納されており、陸に上がった時に車輪が出現する。また中に防弾カーボンがあり、これまでのものよりも耐久性は強いと思われる。ヘッドライトやバッテリーもあり、夜間走行も更に強くなった。
しかし、肝心の劇中での活躍は何とアバン(夜中の川と道路)のみ。しかも、耐久性無視のこれに真っ二つにされ、挙句の果てには修理不能で元のタイプに乗り換えられるというかませっぷり。こちらの方が明らかに高性能なのに……
また第18作『異次元の狙撃手』では修理、もしくは改良していると思われるシーンで前輪から飛行機のような翼が飛び出していたが、実際には使われなかった。(特別編1巻の銀行強盗の回では翼が出ているので、その名残か搭載はしているのか……)
使用された劇場版作品
△=故障、中破 ×=大破 □=行方不明
- 『時計じかけの摩天楼』△
- 『14番目の標的』
- 『世紀末の魔術師』*ここからバッテリー内蔵
- 『瞳の中の暗殺者』□
- 『天国へのカウントダウン』×
- 『探偵たちの鎮魂歌』□ *謎のグレードアップがされたらしい
- 『漆黒の追跡者』
- 『天空の難破船』×
- 『沈黙の15分』*スノーボードタイプも登場△
- 『11人目のストライカー』*一回目の使用△ *二回目の使用
- 『ルパン三世VS名探偵コナンTHEMOVIE』□ *水陸両用タイプも登場×
- 『異次元の狙撃手』*一回目の使用△ *二回目の使用□ *三回目の使用△
- 『業火の向日葵』*予告編のみ登場(向日葵のチューブ内を駆け抜けている)
- 『純黒の悪夢』
- 『から紅の恋歌』△
- 『ゼロの執行人』□
- 『緋色の弾丸』□
- 『ハロウィンの花嫁』
- 『黒鉄の魚影』*後半の使用□
- 『100万ドルの五稜星』×
- 『隻眼の残像』