概要
初出は「黒の組織との接触」。
ベルト部分自体は普通の素材で、ギミックが仕込まれているのはバックル部分。
右側面上下に小さいボタンが2つ、その中間に大型のダイヤルが付いており、中心円形部は左右に開閉するシャッター状になっている。
上部のボタンを押す事で、内部に仕込まれた圧縮状態のサッカーボールを特殊ガスで膨張させ、一瞬で通常サイズに戻して中央部から分離・用意できる。ダイヤルで調節すればサッカーボールを優に超えるサイズに巨大化させ、犯人を圧力で拘束する事も可能。
欠点としては、使っているゴムの性質上、膨らませたボールをベルトから外すと10秒ほどでしぼんでしまうこと(なお、この時「しぼんでしまったボール」をつまみ上げた灰原の「ごみを見るような」ジト目が、一部のファン達からネタにされる事がある)。
…まぁ「サッカーボール並みの硬さ」と「アドバルーン大まで膨らむ伸縮性」を両立してるあたりかなりすごいのだが。
本来の目的はキック力増強シューズのサポートで、コナンの代名詞と言える必殺シュートも、サッカーボールのように適切なサイズと強度を両立した物が近くに無ければ満足に使えない問題があった(柔らかいと砕け、硬く重すぎると自身の足を痛める)。
このリスクを解消する為に作ったのが本ベルトで、実際登場してからは、蹴る物品を探す必要が無くなった分、犯人の追跡・逃走から、コナンが犯人への攻撃あるいは反撃までの多大な時間短縮に役立っている。
また、ベルトに繋げていればアドバルーン大まで膨らむ機能も多様性に優れており、高所から落下した際のクッション(自動車のエアバッグみたいなもの)代わりになったり、あるいは水中に沈んだ際に浮かび上がる為の浮き輪代わりに利用されてもいる。しかし、その大きさまで膨らませるのにはそれなりの時間がかかる(現実的には十分早い速度ではある)。
劇場版ではこの特性を生かすことが多く、特に近年はアクションシーンの規模が大きくなり、建物の倒壊などを食い止めたりなどの活躍が度々描かれる。
機能拡張版
劇場版第18作『異次元の狙撃手』に於いては花火機能が追加された。バックル右のダイヤルでタイマーをセットし花火ボール用の新たなボタンを押すことで射出され、切り離されてから指定の時間で炸裂する。一般的な打ち上げ花火と遜色ない色鮮やかな閃光と音を発生させるため、日常での使用は近所迷惑が想定される。外見は通常排出されるボールと特に変わらず、サッカーボール程度の大きさでしか使用されていない。またコナンが蹴らずとも炸裂し、衝撃も大きい上に爆発力の調整は特に無く、爆発する直前に光り始めるまでサッカーボールと見分けがつかない危険性もある(水中でも生成、炸裂可能)。
こちらは攻撃ではなく、爆弾の爆発を打ち上げ花火に偽装して誤魔化す、閃光で暗闇を照らすためなどに用いられる。
2022年現在まで原作コミックやTVアニメでも使用されていないが、以降の劇場版ではこの機能を使用することが多く、こちらも近年のアクションシーンの大規模化からの登場で、作品を盛り上げるのにはうってつけな機能となっている(大規模被害で混乱の最中、唐突に花火が打ちあがるのは、一般人にとってはかなりシュールな状況になるだろうが)。
劇場版第25作『ハロウィンの花嫁』では、超巨大ボール射出ベルトが登場した。これまでのベルトは最大でもアドバルーン大までしか膨らまなかったが、このベルトはそれを上回る大きさ(劇中では渋谷のスクランブル交差点を覆い尽くす位)まで膨らませることができる。初登場時はまだ未完成だったが、ハロウィン当日には完成している。また、ベルト自体は通常仕様と別に新規開発されたもので、サッカーボールの柄も変更されている。
評価
以上からも、本来はキック力増強シューズの補助的なアイテムで、サッカーボールを射出する程度の役目しかなかったのだが、コナンの頭脳が合わさる事で、非常に重要かつ万能なアイテムとなっており、むしろ逆にこれが無い事でコナンがピンチに陥る事も珍しくない。
とはいうものの、「ちゃんと蹴る物があったのでベルトは使用しなかった」ケースも存在する(もっとも、この時の犯人は話の内容がどんでん返しで「蹴られた本人は当初は『善人』だと思われたが、実はゲスを極めたクズだった」事が終盤で発覚したために、一部の視聴者からは「…確かベルトあったよね?」とツッコまれたり「腹に据えかねたコナンがわざと缶を蹴飛ばした」などと冗談交じりに茶化されていたりするが…)。
余談
YouTubeには実際に作ってみた動画がいくつか公開されている。
こちらは使うガスが可燃性のため火に気をつけないと「どこでも火炎放射ベルト」になってしまう。