概要
蝶ネクタイの形をしたボイスチェンジャー。番号で声を選ぶことができる。
眠りの小五郎で推理をする際に使用する、腕時計型麻酔銃と並ぶ探偵アイテムの代表格。
利便性の高さから、他人に存在が知れただけで正体がバレる危険性を秘めた道具でもあり実際、領域外の妹は一目見ただけで機能と使用方法を推測して使いこなしたり、ある時に阿笠博士を推理役にした(博士は眠らされる事なく口パクでやるため、たまに博士本人のリアクションで周囲の人から怪しまれる事がある)際には少年探偵団から口々にその事を指摘されたりする(その時は灰原が「江戸川君は博士に助言している」などと機転を利かせたり、彼らをコナンから遠ざけたりする)。
その為「ボタン型スピーカー」と合わせて遠距離から声を出すこともある。
赤井秀一も、コナンと連携を取る際に使ったこともある。
毛利小五郎以外にも様々な声を出すことが可能であり、事件解決のみならず、黒の組織の人間を欺く際に利用するなど、最も多くの貢献をしている。
また、毛利蘭に心配を掛けないように工藤新一の声で彼女と電話越しでの会話ができるのも、この道具があってこそである。
流石に声を聞いたことが無い人物までは真似ることが出来ない(裏を返せば「一度でも声を聴いた人物」であればコナンの機転によりダイヤルの微調整で完璧に声が再現出来るとも言え、実際にアニオリ回の『わるいやつら』などの様に「共犯者を何らかの手段で眠らせ、その共犯者の声で撹乱する」という方法を使った事もある)が、アニオリ回の『少年探偵団の肝試し』や劇場版である『世紀末の魔術師』では変声機を使って「死人の声」を出していたりする(コナンがその死人の性別などの「大まかな情報」だけで当てずっぽうで出しているとはいえ、犯人が動揺するなどの一定の牽制効果はある様である)。
「黒の組織との接触」でも殺害されたばかりの人物の声を使ってウォッカと取引したが、この場合はその人物の死が報道されていないか逐一注意した上で使用していた。
ちなみに、よく勘違いされがちだが『月と星と太陽の秘密』の回での「死人の声を出した」事例はこの蝶ネクタイ型変声機の技術を応用したヤイバーレコチェンジャー(原作での「ボイスレコチェンジャー」に相当するものだが、ペン型がカード型になった以外はほとんど役回りは変わっていない)である。
ただし、これらの使用法は推理ショーを完全に無意味にする反則技と認定されているのか、数える程度しか扱っていない。
江戸川コナンの正装では必ず蝶ネクタイを付けるため出番と使用頻度ではダントツとなっている(アニメ版ではコナンが「あの探偵事務所じゃ使い道がなかったりしてな」と全く当てにしていなかった。その後、腕時計とシューズを加えた「コナン三種の神器」として八面六臂の活躍をする事になるのは皆さんご存知の通りである)。現在は普段着も増えており、ラフな格好の際はズボンのポケットに入れて持ち歩いている。
基本は赤い蝶ネクタイだが、その他にも白(アニオリ回『ワインレッドの告発』、原作回『弁護士妃英理の証言』、劇場版『水平線上の陰謀』など)や黄色も登場しており、マスク型変声機やチョーカー型変声機、ボイスレコチェンジャーなど色や形状など意外にバリエーションが多い。
更にスピーカーについても、先ほどの劇場版第9作でカフスボタン型スピーカーが限定で登場した。こちらは犯人追跡メガネで使える盗聴機能付き。
夢のアイテムだが、現実世界でも電気通信大学・中鹿亘助教が、自分の声を他人の声そっくりに簡単変換できる技術を開発したことが報じられた。野生の阿笠博士である。
また、刑事ドラマ『相棒』Season22では、生成AIによって模倣された声を使って他人になりすます展開のエピソードがあり、主人公の杉下右京がクライマックスでこの機能を使って事件の真犯人を追い詰めるというコナンへのオマージュともとれる展開がある(さらに言うと、そのエピソードではとあるシーンで実際にコナンへの言及があり、この展開への伏線だったのではないかと一部では噂になっている)。
ちなみに字幕放送では変声機で声を変えていることを示すためにリボンの絵文字や、(〇〇の声で)と表示された後にセリフが続く。