CV
大山のぶ代版アニメ:高橋和枝(ドラえもんのびっくりオール百科)、横山智佐(『2112年ドラえもん誕生』以降のシリーズ)
水田わさび版アニメ:変更なし
概要
まだ耳があり身体の色も黄色だった、ドラえもんの本来の姿(ドラミと同じ色である)。上記の名称は『2112年ドラえもん誕生』における声の出演に記載されていたものだが、公式グッズ等では「元祖ドラえもん」とも呼ばれている。
以下、特別な記載がない限りは『2112年ドラえもん誕生』における設定及び描写を記述する。
ドラえもんは量産型の子守用ネコ型ロボットであり、2112年9月3日、マツシバロボット工場にて製造途中で雷が落ちてネジが1本抜けたことで故障し、その結果ドジでマヌケな欠陥品になってしまい(『続ドラえもん全百科』ではとんでもない大安値が付けられていた)、ロボット養成学校の特別編入教室へと回されることとなった(ちなみに、ザ・ドラえもんズのメンバーとはこの時に知り合っている)。
性格は今の「頼りになるやつ」というイメージが浸透している青いドラえもんとは異なり、精神的にも未熟で将来の教育対象によく似た性格だった。ちなみに原作版初期、つまりのび太の家に来たばかりのドラえもんは非常識でちょっとマヌケな一面(例:家電販売店に行けばテレビ番組に出演出来ると思い込む、忍者を大蛇と言い間違える)を見せることがあった。
その後、卒業試験にて当時赤ん坊だったセワシがボタンを間違えて押したことで合格し、未来の野比家で働くことになった(原作版では、ドラえもんが何故セワシの元で過ごすことになったかは説明されていない)。
しかしある日、昼寝していたドラえもんは、セワシの指示を勘違いしたネズミ型工作用教材メカ(原作版では通常のネズミ)に耳をかじられてしまい、修理に失敗して耳を失ってしまう。その後、
- 耳が無くなった姿を見てショックを受けたことで青ざめてしまい、そのまま青い体色になった(方倉設定、大山版アニメオリジナルエピソード「ドラえもんのびっくり全百科」、水田版アニメオリジナルエピソード「走れドラえもん!銀河グランプリ」及び「ドラえもんの100年タイムカプセル」)。
- ノラミャー子に笑われたショックで落ち込み、「元気の素」と誤って「悲劇の素」を飲んだ事で三日三晩泣き続け、メッキが全部剥がれて青い地色が出てしまった(『2112年ドラえもん誕生』)。
といった経緯があり、今の青い姿になった。
『2112年ドラえもん誕生』では、セワシから「(今のドラえもんの姿は)前よりずっとカッコ良くなったよ」と言って貰えたことで、ドラえもんは耳が無く青い姿へのコンプレックスを解消している。しかし原作版では、耳を付け直すには野比家の懐があまりに寂しかった(TC1巻収録「未来の国からはるばると」にて、セワシが「お年玉が50円しか貰えない」と発言している)為、とうとう過去へ向かうその日までドラえもんは耳が無く青い姿のままだった。ドラえもんは今でも「耳があれば」と漏らすことがある(TC7巻収録「好きでたまらニャイ」等)。
また、『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』では、のび太の提案で「タイムふろしき」を使用して耳がある黄色い姿に戻ろうとしたが、表と裏を間違えて却って古くなり顔が壊れてしまったことがある。
また、ドラえもんがのび太の元へ向かった目的は「セワシを幸せにする為」であるが、大全集4巻収録『ドラえもんの大ひみつ』では改めてのび太の元へ向かった経緯が描かれており、セワシから「心の痛手を直す為に遠くへ行ってみるか」と提案され、ドラえもんは「失恋から意識を逸らす為にのび太の世話を焼くことに決めた」と説明されている。
余談
TC11巻収録「ドラえもん大事典」に掲載されている「ドラえもん おもいでのアルバム」では、そもそも身体が黄色い時代が存在せず、最初から真っ青だった。故に黄色いドラえもんは原作版には登場しない。上記の「青ざめた」という設定も方倉陽二氏による『ドラえもん百科』にて説明されたものであり、しかもこのイラストを見る限り、耳があった頃もどう見ても黄色には見えない。
なお、ドラえもん型のロボットの耳「高感度音波測定イヤー」は人間や猿と同じ側頭部に内蔵されている。そのため、ヘッドホンや電話の受話器は猫耳部分ではなく頭の横につけており、TC16巻収録「宇宙ターザン」では、ドラえもんがのび太の泣き声に対して側頭部を押さえるシーン、大長編「魔界大冒険」では耳バンを側頭部に装着するシーンもある。
所謂猫耳の部分は「集音機」と呼ばれており、補聴器の役割を果たしている。もし耳が残っていれば遥か遠くの音や、人間の耳には聞こえない特殊な音を聞き取ることが出来た(『決定版ドラえもん大事典』)。
また、『2112年ドラえもん誕生』及び上記の「走れドラえもん!銀河グランプリ」では、ロボット病院の医者から「元々耳なんてただの飾り」と言われている。
上記の「ドラえもんのびっくり全百科」における黄色いドラえもんを演じた高橋和枝氏は、『サザエさん』の登場人物・磯野カツオ(2代目)の声優として知られているが、テレビ朝日版第1期のドラえもんを演じた大山のぶ代氏は初代カツオを演じていた為、放送当時から見れば新旧カツオの共演となっていた。
関連イラスト
関連項目
パワえもん:水田版アニメに登場したアニメオリジナルキャラクター。ドラえもん型ロボットの出世頭で、出木杉の子孫らしき子供の世話をしている。また、当初はドラえもんのことを落ちこぼれだと嫌味を言う性格で描かれていたが、上記の「走れドラえもん!銀河グランプリ」では落ち込むドラえもんを慰めたり、レースに出場したドラえもんを最後まで応援する良き友人として描かれている。