2112年ドラえもん誕生
にせんひゃくじゅうにねんどらえもんたんじょう
読切漫画『ドラえもん誕生』を下敷きに、漫画・アニメ『ドラえもん』における、主人公・ドラえもんの誕生秘話を描いたアニメ映画。監督は米谷良知。同時上映は『ドラえもん のび太の創世日記』。
原作者が読者のツッコミにいろいろボケr・・・サービス精神の旺盛な人であり、読者の質問に答えているうちに(あるいは作品初期頃に激務に追われた時は、その対応をアシスタントに投げたこともあいまって)明らかに適当なのではという「設定」が溢れかえることになってしまった。その為その体系化をするために製作されたという。ついでに「漫画家はこんな無茶ぶりにも答えないといけないんだよ話」としての製作秘話も入る(起き上がりこぼしや猫が云々といった話も収録)作品となった。原作者の当時のアニメコミックの巻末で「もう二度と変えませんから信じて下さいね」とコメントしている。
劇中で、大山のぶ代~水田わさびのようなだみ声で話すことについてのアンサーとなるシーンがあり、そうなる前の元の黄色いドラえもんの声として横山智佐が起用されている。途中まで横山の声でとあるイベントの後から大山のぶ代の声になる。
尚、本作がザ・ドラえもんズのアニメデビュー作であり、来年以降の同時上映作に繋がる為、本作はドラえもんズの第0章にも位置するのかもしれない。
漫画家の藤子・F・不二雄(冒頭のナレーションは本人である)は、新連載の漫画の主人公となるキャラクターのアイデアが出ずに迷っていた。相棒の藤子不二雄Aと相談しても決まらず結局家に帰った藤子はタイムマシンがあれば自分のアイディアを盗んで来られるのにとつぶやきつつそのうち眠ってしまう。
遥か未来の2112年の東京で、不慮の事故により少し不器用になった子守用ネコ型ロボット・ドラえもんがガールフレンドのノラミャー子や他の変わり者のネコ型ロボットたちと出会ったり、ドラ焼きを好きになったり、偶然でセワシと劇的な遭遇を果たしたり、ネズミが嫌いになった挙句医療ミスで「性能以外は問題のない猫型ロボット」が「猫に見えない」姿になったり、体が黄色から青色へ変わったり、「妹」として製作されたサポートロボットドラミと運命の対面をしたり、そのドジと偶然で悪人を倒したりして最終的に20世紀のセワシの先祖である野比のび太を幸せにする理由が語られたりする。そして…
机の引き出しから、ドラえもんが飛び出した夢を見て驚いて目が覚めた藤子・F・不二雄。結局新連載の漫画のアイディアが思いつかないまま朝を迎え困っていると屋根に乗る猫、そして床に転がっていた起き上がりこぼしが視界に入る。そしてフッとアイディアが浮かぶ。さっそく製作に取り掛かると不思議と筆が進む。
そして書きあがった新しい漫画の主人公、そして作品の名前は…
「ぼくドラえもんです」
『恐竜』のラスボスの恐竜ハンター&ドルマンスタインがゲストで登場している。彼らは24世紀の住人であり、かつてタイムパトロールに捕まったのだが、どうも脱獄したらしく、翼竜型のタイムマシンで2112年まで逃げ込んできたようである。
この二人こそドラえもんがポンコツになった原因であり、すべての元凶である。TPに追いかけられている最中に偶然近くにいたセワシを人質にするが、最後は誤って道具を使用したドラえもんより再びお縄に付く。
ちなみにセワシを捕まえる直前に
ドルマン「見たか今の」
黒マスク「子供ですか?」
ドルマン「ああ」
黒&ド「「人質にする!」」(ハモる)
黒&ド「「さ~すが悪党!」」(完璧なタイミングでハモる)
(手を取り合う)
というお笑いものの相槌を打っている。仲いいなお前ら。
今作では横山智佐が黄色いドラえもんの声を担当しているが、1980年のテレビスペシャルでは高橋和枝が声を担当していた。
ドラえもんズの作品『ムシムシぴょんぴょん大作戦』は本作の番外編にあたる。
卒業オーディションの司会担当ロボットの声を担当したのは後の骨川スネ夫役の関智一である。関はのちにおばあちゃんの思い出で幼少期のスネ夫役を、のび太のワンニャン時空伝ではダク役を担当するなど大山時代の劇場版に3度出演していた。
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