セリフ一切なし。
ドラえもんズがひたすらゴールを目指す、楽しいサッカームービー!
ドラズならではのオモシロプレイ炸裂!
瞬きを忘れる、興奮の5分間だっ!
(『のび太とロボット王国』チラシの作品紹介より)
概要
監督:やすみ哲夫
脚本:担当者不在
主題歌:なし
正式タイトルは「ザ☆ドラえもんズ ゴール!ゴール!ゴール!!」。サッカーを題材とした作品であり、その同年に開催された日韓合同W杯に因んだものと思われる。
一応、ドラえもんズ作品の最終作であるのだが…はっきり言ってどうしてこうなったと言わざるを得ない作品と化してしまっている。
あらすじ
ある時ドラメッドⅢ世の魔法の絨毯に乗っていたドラえもんズ達。しかし突然、Dr.アチモフが現れ、彼が率いる悪の軍団とサッカー対決をする事となる。
え、これだけ?
ざっくり言うと、あらすじらしいあらすじはこれくらいなのである。そもそもこの作品では上映時間がOPとEDを入れても約7分と、10分にも満たない。
本作では脚本家が不在なため、それ故にまともなストーリーは作られておらず、作中では王ドラがペチャンコになったり、メンバー達が唐突に回転寿司のコンベアに乗る等訳のわからない展開ばかりである。
更に言うと、当時のチラシ等でも断り書きがされていた通り、本作では主役のドラえもんズ・悪役のDr.アチモフ含めた全員に一切のセリフがない。精々BGMとSEが流れるぐらいで、所謂サイレント劇として製作されている。また、主題歌も存在せず、エンドロールでもBGMが流れるのみである。
また、本作ではドラえもんズのリーダーであり、尚且つ『ドラえもん』本編の主人公でもあるドラえもんが1度も出てこない。セリフがない故にその理由も謎(厳密に言うと前作「宇宙ランド危機イッパツ!」でも未登場だが、そっちでは「どら焼きの食べすぎが原因」という明確な理由がある)。おまけに親友テレカも全く出てこない(「ムシムシぴょんぴょん大作戦!」でも出てきていないが、こちらはメンバーが手に入れる前の話だからである)。
それどころかドラ・ザ・キッドが高い所にいても恐怖しなかったり(ただし、過去にも高いところにいたのに気づかなかった為か怖がらなかった回はある)、ドラメッドⅢ世がカナヅチなのに仲間とシンクロしたり(水を浴びて巨大化が解除されている)、エル・マタドーラがシエスタ(昼寝)しなかったり、ドラニコフがボールを見ても狼男にならなかったり(一応、巨大な扇風機を見て変身する場面はある)と、各キャラクター達の本来の設定をいい加減にしている部分も見受けられる(これらに関しては克服したという意見もあるが、説明は全く無いためやはり不明)。
ドラえもんズの最終作なのに、このようなぞんざいな作品として制作されてしまった理由は不明。この事には多くのドラえもんズファンも落胆したことだろう。
一応、映画公開中の同年3月30日に放送された「春だ!元気だ!!ドラえもんスペシャル」内のブリッジアニメ「ドラリーニョの幸せのドラヤキ探し」ではドラえもんズ全員に台詞があり、そちらが事実上最後の出演となっているが、ドラえもんは進行役でのび太といる為、直接彼らと絡むシーンがなく、ドラニコフはプラカードで意思を伝えている。そちらは現時点でソフト化されていない。