概要
量産型の子守用ネコ型ロボットの1体として製造された「ドラえもん」。1975年に作者の藤子不二雄の藤本弘(のちの藤子・F・不二雄)先生の最終決定によりドラえもんの誕生日が9月3日に決まり、その数値をあてはめることで身長は129.3cmに設定され、ほかのスペックについても「129.3」にまつわる数字に統一されている。
「身長を129.3cmにしたのは、1969年の漫画連載当時の小学4年生の平均身長にすることで、のび太を見下ろさないようにしたため」というもっともらしい話が長年テレビ等で流布され続けているが、現状まったくのデマ。多くのドラえもん研究者が血眼になって探してもまったく根拠が見つかっていない(初出とされる『ド・ラ・カルト』ですら「らしい」と伝聞)。
そもそも、ドラえもんが平均身長だったら、のび太や静香は学年内でかなり長身の少年少女ということになってしまうし、平均身長以下の子どもたちは見下ろされることになってしまう。
ドラえもんの生年月日、身長、体重等の設定は1975年に藤本と方倉らによって決められ、「ドラえもんの誕生日の9月3日はアシスタントの誕生日を元に決められた」という元アシスタントの証言があるので、誕生日の数値がまず決まり、それを身長や体重の下2桁にも当てはめたと考えられる(こちらを否定できる要因はこの書籍での発言以前に一切話題に上らなかったことと、これが書かれた書籍がその元アシスタント直々に誇張表現や曖昧だったり間違った情報もあると言及されていることくらい)。
1975年にわざわざ1969年の小学生の平均身長を調べて採用するのは不自然だし、そもそも「1969年の小学4年生の平均身長が129.3cmだった」というデータの出典は一切見つかっていない(129.3cmという数値が出るのは1968年小4女子の平均身長くらいのため)。
129.3あれこれ
- 誕生日は2112年9月3日。 ⇒211293。
- 身長は129.3cm。小学4年生の平均身長が由来という話はデマ。
- 体重は129.3kg。作中では何かと無視されやすい設定で、非力なはずののび太がこの体重のドラえもんを特にひみつ道具を使わずに抱えて運んだり、肩車やおんぶをしたりしている描写が多々見られる。実は凄まじい怪力なのだろうか?ちなみにセワシにも同様の描写が見られる。
- ロボットとしての性能・パワーは129.3馬力。師匠筋の彼に比べると控えめだが、軽自動車(ターボ車)2台分。もっというと平成初期のRVブーム到来以前のワンボックスカー(→ミニバンのキャブオーバースタイル車)で彼より高出力なのは自重だけで2トン前後もあるハイエース(1RZ-E車)・キャラバン/ホーミー(VG30E車)・バネットラルゴ(CA18ET車)だけという状況。そりゃジャイアン程度じゃかなわないわ……
- 典型的な2頭身で、上半分を占める頭の周りは129.3cm。
- 胸囲も129.3cm。
- 足の長さは129.3mm。超短足だが、折れ曲がりする装置は付いており、正座することもできる。
- 走る速さは時速12kmだが、ネズミを見て逃げる時の速さは時速129.3kmになる。これは偶然なのか……?
- ネズミを見たときに飛び上がる高さは129.3cm。これも偶然なのか……?
ちなみに空想科学読本にて挿絵担当の近藤ゆたか氏が上記の数値通りのプロポーションで描いてみたところ、小顔になって胴が伸び、何か気持ち悪いことになった。