概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC37巻収録「魔法事典」。
見た目は何も書かれていない白紙の本だが、この本のページに自分が考えた魔法を書き込むと、その通りの魔法が使用出来るようになる。
魔法の発動条件も指定することが可能。例えば呪文を唱えれば発動する魔法や、特定の動作をすれば発動する魔法等、自由に決めることが出来る。魔法を解除したい場合は、呪文で発動する魔法であれば呪文を逆から読めば魔法を解除することが出来る。それ以外の魔法であれば、魔法が書かれたページを破ることで強制的に解除出来る。ただし解除条件を自分で指定することが出来るかは不明。
欠点
魔法を発動及び解除出来るのは使用者(この道具に魔法及び発動条件を書き込んだ人物)だけでなく、第三者が魔法の発動条件を満たした場合は魔法が発動してしまい、解除条件を満たした場合は既に発動中の魔法が解除されてしまう。
その為、魔法の発動条件を簡単にしてしまうと、第三者が偶発的に魔法を発動させてしまう危険がある。作中では、ドラえもんがこの道具に「箒で空を飛ぶには、頭を三回かく」と書き込んだ際、庭で箒を使用して掃き掃除をしていたママが偶然頭を三回かいたところ、魔法が発動してママが箒ごと空中へ飛び上がってしまった。
それだけでなく、のび太がこの道具に「姿を消すにはイナイイナイと唱える」と書き込み、透明になったのび太がジャイアンを追いかけていた際、彼の傍にいた女性が赤ん坊に「いないいないばあ!」と言ったことで、のび太が発動していた透明になる魔法が解除されてしまった(ただし、のび太の傍にいた女性が「いないいない」と唱えた時点で、解除条件だけでなく発動条件も満たしているはずだが、その女性には透明になる魔法が発動していない)。
その一方、魔法の発動条件を複雑にしてしまうと、使用者が魔法を発動させる前に他者から攻撃されてしまう危険もある。作中では、のび太がこの道具に長い呪文の魔法を書き込んだ際、ジャイアンに対して魔法を発動させようとしたものの、呪文を言い終える前に殴られてしまった。
余談
上記の通り、作中ではのび太が「魔法事典」を使用して散々な目に遭っているが、実際にはひみつ道具の中でも破格の効果を持つ道具の一つ。「第三者の行動により魔法が偶発的に発動してしまう危険がある」という欠点こそ抱えているものの、何の制限もなしに自分が使用したいと思った魔法を自由に生み出すことが出来るのだ。
その為、上手く利用すれば「ソノウソホント」、「ウソ800」、「あらかじめ日記」、「しあわせトランプ」、「アトカラホント」等と同様に、全知全能の力を行使することが出来る道具と言えるだろう。
また、ドラえもんはTC26巻収録「魔女っ子しずちゃん」、大長編及び映画『魔界大冒険』の作中にて「魔法を使用出来るようになる道具はない」と発言しているが、実際には上記の通り自分で考えた魔法を自由に使用出来る道具が存在している。