道具の概要
ドラえもんに登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC23巻収録「まあまあ棒」。
先端に×形の板が付いた棒。人(ロボットや動物含む)がどんなに怒っていても、×形の部分で口をおさえて「まあまあ」と言えば怒りを鎮められるという道具。
ただし、怒りを腹の中へ飲み込ませて強引に我慢させるものであり、怒りの感情を完全に消すわけではない。
その為、同じ人に何度も使用して我慢させすぎると、積もりに積もった怒りエネルギーが火山のように大爆発する。こうなると、自然経過とともに発散されるのかも怪しい。
エピソードの解説
周りから怒られてばかりで嘆くのび太。ドラえもんは「そっちにも非がある」と指摘するも、のび太本人は「ジャイアンだけは(無茶苦茶な理屈でいじめてくる事が少なくないということから)許せない」と言う。
そこでドラえもんから「まあまあ棒」を貸してもらったのび太は、ことごとくジャイアンの理不尽な怒りを鎮めていく。
だがそれを知ったスネ夫はのび太からまあまあ棒を奪い、わざとジャイアンを怒らせては即その怒りを鎮めるという、調子に乗ったイタズラを繰り返し始めた。
そしてその事を知ったドラえもんと危険性を聞いたのび太は、大慌てで現場へ急行するが、もはやジャイアンは爆発寸前の状態。転ぶ程度で爆発してしまうだろうという所まで溜まっていた。
安全のため、彼を宥めながら空き地(大山版では学校の裏山)へ誘導した2人だったが、そこへスネ夫が現れ、トドメのちょっかいを出してしまう。
絶叫し一目散に逃げ出すのび太とドラえもん。直後、状況を分かっていないスネ夫の眼前で、退避が間に合った2人すら吹き飛ばされる程の大爆発が起こった。
そして爆心地にて黒焦げで呆けるジャイアン、無残な姿になったスネ夫とまあまあ棒を見て、戦慄したドラえもんは「あのすさまじいエネルギーを、なんとか平和に利用できないものだろうか……?」と語った。
余談
『ドラえもんひみつ道具大事典』では、のび太とスネ夫の喧嘩にドラえもんが使用しようとした。しかし喧嘩に巻きまれたことによってドラえもんが怒ったため、逆にのび太とスネ夫の2人がドラえもんに使った。
『ドラえもんWii ひみつ道具王決定戦!』ではミニゲームとして登場。ジャイアンがプレイヤーとして登場しているため、先生が代わりにまあまあ棒を使われる役割となっている。まあまあ棒を使用中に爆発するとリタイアとなり、生き残った時間が長い順に順位が付き最後に生き残ったプレイヤーが勝利となる。
わさドラ版のアニメオリジナルエピソード「南極ペンギンを救え!」では、以前と同じように調子に乗ったスネ夫の手でジャイアンが爆発するが、その衝撃により、ペンギンたちの生活の妨げになっている巨大氷山問題を解決することが出来たので原作初使用回で指摘された「平和利用」が出来たといえる。
後に「感情エネルギーガスボンベ」という怒りの感情をエネルギーにして、お湯を沸かしたりラジオを鳴らしたりできる秘密道具が登場する。
こちらは実際に相手の怒りを治めることができ、未来でもまあまあ棒の怒りの爆発エネルギーが注目され、それを利用しようと開発した道具なのだろう。
他にも「ポップコーンハット」という怒りのエネルギーを変換してポップコーンを作るひみつ道具が登場するなど、食品方面でも怒りのエネルギーは利用されているようだ。
関連タグを見ればわかるように、何らかの要因で怒りの感情を抑えても、許容量が限界に達してトラブルが起きる展開は以降の創作に大きな影響を与えている。
わさドラでは比較的初期(2005年)に登場しており、ジャイアンの声質も現在とは大分異なっている。次の登場は実に17年後。
2022年1月22日のわさドラ版では第2版が放送される予定であったが、放送一週間前に発生したトンガの火山噴火に伴い順延となり、『テレビとりもち』(再放送)に差し替えられた。
その後本作は同年11月26日に放送されたが、こちらは冒頭から機嫌の悪いジャイアンがメインになっていたりとオリジナル要素が多く、本編内に怒りを火山噴火に例える描写も多々見られた。