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闇王ギル

やみおうぎる

『救急戦隊ゴーゴーファイブVSギンガマン』に登場する敵にして、災魔兄弟の本当の長男。
目次 [非表示]

「来たか、待っていたぞ!」

「間もなく地上に破壊を訪れる、とだけ言っておいてやる」

「もうすぐだ、この石が生贄共の血で染まった時、巨大な暗闇獣が現れる!」

「人間共のつまらぬ命、破壊の役に立ててやるだけでも、ありがたく思え」


CV:大友龍三郎


概要編集

闇地獄の支配者。

その正体は大魔女グランディーヌの息子の一人にして、災魔兄弟の本当の長男であり、冥王ジルフィーザの兄にあたる。「闇」の属性を司っている。


後述のようにグランディーヌが「子供はいずれ親を裏切るもの」という思想を持つに至った原因となった存在であり、後に母に忠誠を誓う弟、妹達や災魔一族自体の運命を大きく狂わせた全ての元凶である。


外見編集

両耳と両肩の先端に髑髏の意匠を持ち、側頭部に二本の山羊のようなを生やし、右胸から左下腹部にかけてを巻き付け、首に金色の前方が欠けた棘付き首輪、両手首と両足首に金色の棘付きブレスレットを着用し、背中にボロボロのを生やした、いかにも禍々しい悪魔魔王然としたビジュアルをしている。

また、下記するその壮絶な生涯を物語るかのように、全身には無数の生々しい傷跡があり、目も傷のせいで若干左目の方が大きい。


性格編集

目的の為なら幼い子供をも巻き添えにし、人命を「つまらぬ命」と吐き捨てる等、極めて傲岸不遜かつ冷酷非道で狡猾、残忍な性格をしている。

同時に、自身の身体に流れる災魔一族の血を「呪われた血」と呼んで心底憎悪しており、龍皇子サラマンデスに「兄上」と呼ばれる事すら内心では嫌悪している。闇の亡者の王として生まれ変わった事で、最早自分には災魔の血など一滴も流れていないと言い切っており、当然ながら弟や妹達に対する情など一切ない。


逆に災魔兄弟の方も、そもそもグランディーヌ以外で彼を認知していたのは呪士ピエールと、彼に接触したサラマンデスの二人のみで、獣男爵コボルダ邪霊姫ディーナスはその存在すら知らなかった。

その為、コボルダとディーナスは真相を知った後も、ギルの事などただの謀反人としか認識しておらず、サラマンデスも口では地上の王にすると言いつつ、実際は用が済めばグランディーヌの力で、再び闇地獄に封印するつもりだった(ちなみに一番上の弟であるジルフィーザが、ギルの存在を認知していたかは不明)。


戦闘力編集

戦闘はシンプルにパワーを活かした肉弾戦を得意とし、加えて武器のから緑色の破壊光線を放ち、口から緑色のを放つ事で遠距離攻撃ができる。

他には、上空から隕石のような火の玉を落とす事も可能。

さらに彼も闇地獄の住人である為、亡者達と同様にゴーゴーファイブの攻撃自体が効かないという、大きなアドバンテージを持つ。


総じてその戦闘力は驚異的で、ゴーゴーファイブギンガマンをまとめて圧倒し、ゴーゴーファイブ全員とギンガレッドギンガブルーギンガイエロー変身解除に追いやる程である。


経歴編集

まだ赤ん坊の身で母・グランディーヌの命を狙って謀反を起こし、その結果としてグランディーヌの命で呪士ピエールによって頭陀袋に詰め込まれ、無数の闇の亡者達がいる闇地獄の中へ突き落とされたという過去を持つ(ピエール自身は「恐ろしいお子でした」とギルの事を評している)。

当然ながら、グランディーヌらにはそれで死亡したと思われていたのだが、その実力で生存していたばかりか逆に闇の亡者達を抑え、彼等の頂点に君臨して闇地獄の王となっていた。


活躍編集

劇中では、暗闇獣と呼ばれる最悪の魔獣を召喚する力を持つ唯一の存在としてサラマンデスに目を付けられ、彼に「地上を焼き尽くした暁には地上の王にする」という密約を持ちかけられた事でこれを受け入れ、サラマンデスらの導きによって闇の亡者達を率いて遂に闇地獄から地上へと抜け出して復活を果たす。

しかし、前述通りサラマンデスは約束を守る気など一切なく、あくまで暗闇獣召喚の為に利用して、事が済み次第グランディーヌの力で再び闇地獄へ再封印するつもりでいた。


そして、暗闇獣召喚の為の儀式として、とあるホテルの一室をアジトにし、そこを訪れた客を生贄として血液を収集し、ピラミッド型の祭壇の中に集める。ちなみにギンガマンがその事に気付いた時点では、既に相当数の死者が出てしまっていた模様(実際に干からびてミイラとなった死体が映る描写がある)。その為、本作の話では明確に救えなかった人間が存在するという、非常に重い事実が存在している。

同時に、ギンガマンのアースで浄化する以外では、亡者である故に無限に再生する闇の亡者達を差し向ける事で、ギンガマンと合流する前のゴーゴーファイブを苦戦させた。


ゴーゴーファイブとギンガマンが合流した後も、上述の能力と剣を用いた驚異的な戦闘力と、そもそもゴーゴーファイブの攻撃が効かないという特性で彼等を苦しめたが、皮肉にも彼の身体にまだ流れていた「災魔一族の血」のせいで、ゴーレッドが放ったVモードパンチを受けた結果、土壇場でダメージが通ってしまい重傷を負う。それによって、儀式に必要な生け贄の血が僅かに足りないまま、儀式も途中で止まってしまう。

しかし、まだ生きていた彼は剣で自らの体を貫き、剣に己に流れる災魔一族の血を吸わせ、その剣を祭壇に投げ入れる事で最後の生贄分とし、暗闇獣復活と引き換えに爆散して死亡した。


「暗闇獣!この呪われた血を受け取れぇぇぇ!!」


最後まで、彼が呪われた血と評する災魔一族の血のせいで苦しめられその血が原因で敗北し、そしてその血によって最悪の魔獣を目覚めさせて果てるという皮肉な末路だった。

しかし一方で、彼がかつてグランディーヌに植え付けた「子供はいずれ親を裏切る」という思想そのものは、最終的にグランディーヌと災魔一族を破滅に導く事となり、彼は結果的には思いもよらない形で、母親と災魔一族への復讐を成し遂げている。

災魔一族の血が彼にとって「呪い」だったのならば、グランディーヌにとっては彼の存在自体がまさしく「呪い」だったと言えるだろう。


余談編集

彼がグランディーヌに謀反を起こした具体的な動機は不明だが、劇中での彼の言動や己の血への憎悪を見ても、グランディーヌ側に何か原因があった事は疑いの余地はないと言える。

そもそもTV本編でグランディーヌの人格について「愛や友情や信頼といったプラスエネルギーに起因する感情が大嫌い」と説明されている通り、ギルの件はあくまで「子供は親を裏切る」という極端な思想を持つに至った原因であって、自分の子供を駒としか認識していない冷酷非情な毒親ぶりについては、元々の性格だった可能性が極めて高い。

ギルの謀反もいずれ自分が母親に捨て駒にされる事を察したからではないかと言われている他、一部のファンの間ではギルの身体の無数の傷も、幾つかは母親からの虐待によるものではないかと推測されている。


スーパー戦隊VSシリーズでは、初めて前年度の戦隊の敵勢力に関わる敵キャラが一切登場しなかった本作だが、一方でギルは今年度の戦隊の敵勢力である災魔兄弟の隠された真の長男である事、その首領であるグランディーヌの思想形成にも影響した存在である事、さらには前述通りその思想自体によって、グランディーヌ自身と災魔一族を最終的に破滅に追いやった全ての元凶である事などから、ゴーゴーファイブTV本編の物語にも密接に関わる非常に重要なキャラクターであり、本作における災魔一族側の第0話」とも言うべき側面を担っている存在だと言える。

ぶっちゃけ、お祭り作品の様相が強い戦隊のVSシリーズで、ここまで本編の物語にも密接に繋がる重要なオリジナルの敵キャラが登場する事はかなり珍しく、本作がどちらかと言えばゴーゴーファイブのスピンオフ作品としての色合いが濃い作品となっている最大の要因の一つである。


声を担当した大友龍三郎氏は、昨年の『星獣戦隊ギンガマン』にて怒涛武者の声を担当しており、スーパー戦隊シリーズへの出演は3年連続となる。さらに翌年の『未来戦隊タイムレンジャー』ではドン・ドルネロの声でレギュラー出演し、4年連続出演となった。

さらにVSシリーズのゲスト怪人繋がりで言えば、『デカレンジャーVSアバレンジャー』にてギンジフ星人カザックの声も担当している。


パワーレンジャー・ライトスピード・レスキュー編集

29話、30話(日本語版では17、18話)にて、トライスカルとして登場。救急戦隊ゴーゴーファイブVSギンガマンの映像も流用されている。吹き替えは土田大氏。

作中では前作『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』のラスボスであるトラキーナと結託しており、クイーン・バンシーラ一派との関連性については触れられていない。

トラキーナを復活させるためビルの一室で人間を縮小し生命エネルギーを集めていたが、原典通りにロスト・ギャラクシー、ライト・スピード・レスキューそれぞれのレッドレンジャーとの戦いで倒されてしまった(ただしこちらでは国内版と違い、巨大化している)。



関連タグ編集

救急戦隊ゴーゴーファイブ 救急戦隊ゴーゴーファイブVSギンガマン

災魔一族 闇属性 闇の王


ラスボス 悪のカリスマ 悪魔 魔王 全ての元凶 勝てる気がしない


哀しき悪役必要悪毒親の被害者:グランディーヌに捨て駒にされることを察して謀反を起こしたという考察が事実なら該当する。


ガディウス(リメイク版):中の人繋がりのラスボス兼黒幕。肩書が闇の王、自分以外の存在に憎悪を抱いている、最後はもう一体のラスボスを復活させるために自らを生贄にした等の共通点がある。

キン肉アタルラディッツ主人公が存在を知らなかった兄つながり。奇しくも、両者とも中の人が同じ。

飛影:生まれてすぐ捨てられた兄繋がり。

城ヶ崎賢志:ギルと同じく体中に痛々しい傷跡がある悪役にして悪魔繋がり。彼は公式からも毒親(城ヶ崎は父が毒親だった)から虐待を受けたと明かされている。

煌闇帝オプス・キュリテ:肩書が似ている闇属性の悪魔。二次創作作品では父親となっている(親子関係は至って良好)。


戦隊VSシリーズ敵キャラリンク

獣魔王ゴルモア闇王ギル/暗闇獣殺人ボクサー・ボリバル/囚人親族


バッカス・ギル:『特命戦隊ゴーバスターズVSゴーカイジャー』に登場する、本編に登場した首領&幹部親子(こちらは前年度の作品)の血縁者にして、名前に「ギル」を含む繋がりの戦隊怪人の後輩。こちらの登場作品も小林靖子が脚本を担当している。

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