「うるさい鳥だヒドケイ。トキヲモドソード!」
「ハッハッハ、寒いと言う事は…ちゃんと時が戻ってるヒドケイ…」
登場話:第25カイ!「やり直せ!ゼンカイジャー・改!」
データだヒドケイ
身長/190cm
体重/291kg
世界/ヒドケイトピア
名物/時をかけるワルド
名産/トキヲモドソードZ
概要だヒドケイ
トジテンドがゼンカイジャー討伐の為に、日時計の世界「ヒドケイトピア」を閉じ込めたヒドケイトジルギアをクダックに組み込んで、口下手に誕生したワルド。
容姿はマヒルワルドその物でリサイクルマークも無い為、ゼンカイジャーは交戦当初マヒルワルドが復活した物と勘違いしていた。
一方右腕にはレトロワルドの物とほぼ同型の「トキヲモドソードZ」を装着している。
見た目がそっくりのマヒルワルドと比べて戦闘力はかなり高く、顔から放つ高熱ビームの連射でゼンカイジャーを翻弄している。
しかし、本当に恐るべきはヒドケイトピアの力を悪用したトキヲモドソードZの能力であり、時間を巻き戻すのを通り越してヒドケイワルド自身が過去の時間軸に遡る事が出来る、“時をかけるワルド”を行使できる事にある。
また剣先から放つ光線「トキヲモドソードV」で局地的な時間停止を行う事も出来、レトロワルドと同じく時間遡行を応用した蓄積ダメージの無効化も可能。
こらそこ、日時計とタイムスリップは関係ないだろとか言わない。
ゼンカイジャーの排除に的を絞ったバラシタラが「そもそも結成自体させなければ良い」との考えから生み出し、第1カイ!の時間軸に遡る事で結成前のゼンカイジャーメンバーの抹殺、歴史改変を目論んだ。
だが、この時間遡行能力はヒドケイワルドが物理的に接触している人物の記憶を巻き戻す事が出来ず、遡行直前で捕まり人質になっていたセッちゃんは記憶を残していた。
その一方、セッちゃんを取り返そうと時間遡行発動直後のヒドケイワルドに接近していた介人は、遡行後も少しの間は記憶を保持していたが、程なく半年前の記憶に上書きされてしまった(曰く「(未来の記憶は)時の渦にすぐ飲まれてしまう」)。
更に当然ながらトジテンド構成員の記憶も引き継がれない為、能力行使後は実質独力での作戦実行を余儀なくされる。
それでも幹部陣に未来の情報を教える等の支援は出来たのだが、その幹部陣が選民思想故にヒドケイワルドの進言を聞く以前に暴力で黙らせる仕打ちを平然と行う上、ヒドケイワルド自身も口下手な為折角未来から持って来た情報を効率良く伝えられなかったので、結局どちらとも助け合えず一切の過去改変も起こせないままゼンカイジャーに負け続けた。
こんな不憫極まりない状況に終始翻弄されつつも、「~ヒドケイ」と言いながらどれだけボコボコにされようが任務完遂を諦めない臥薪嘗胆さと忍耐力・根性を持ち合わせるタフな精神の持ち主。
また、効率の良い作戦の進め方を考える頭の良さこそ無い物の、無いなら無いなりに自分の持っている未来の情報を活用して過去改変を出来る範囲で起こそうとする試行錯誤も見せている。
更にはこうした精神性に自身の能力を掛け合わせ、捕えて時間遡行に同行させた相手へ自身の不甲斐なさを見せ続ける事で油断を誘い、もっと重要な過去の出来事を引き出させその時代へと時間遡行するという遠大な知略も仕掛けている。
なお、よほどゼンカイジャーの事を調べ尽くしたのか「ギアトリンガー」「ゼンカイジュウギア」とゼンカイジャーの使うアイテムの名称まで知っていた。
活躍だヒドケイ
顔からのビーム連射で相手を翻弄して先制するも、その内に自身の危険性を察知したセッちゃんが戦場に躍り出て来たので、トキヲモドソードの力で少し時間を戻し自身の目前を飛び回っていたタイミングでセッちゃんを拉致する。
「俺の技、見せてやるヒドケイ。トキヲモドソードZ!!」
更にその流れから本命のトキヲモドソードZを発動して約半年前の時間へと遡行。能力発動直前に接近して来たゼンカイザー/介人が一時的に未来の記憶を保持したまま遡行する想定外が発生するも、それがすぐに上書きされたのを遠目から確認した以降、鎖で自分の腕に繋いだセッちゃんを連れながら過去改変の工作を開始する。
まずは、この時間軸のバラシタラ(ゼンカイジャーとの初交戦直前)の元に赴いて情報を提供しようと律儀に自己紹介したが、この時(第1カイ!)は当然ながらワルド自体存在しない(キノコワルドの登場は第2カイ!である)為、「ヒドケーイ!」と挨拶は返されるも、「得体の知れないヤツはスクラップである!」と顔面にストレートを叩き込まれのされてしまった。
「ぐはあーーっ!?…ひ、酷い…ヒド…ケイ……」
その後、第4カイ!の時間軸でダイボクシングワルドの登場後に帰還しようとするイジルデを呼び止め、未来から来た事を説明するが、この時点では、比較的に能力が大人しいワルドしかいない上に世界改変を起こせる能力を持つワルドは存在しなかった為、プライドの高いイジルデは「時間移動等と言う高等技術、ワルド如きが使えてたまるか!」と憤慨して一蹴、おまけにイジックハンドからの電撃で制裁されてしまった(セッちゃんは電撃を喰らう瞬間で上空に飛び逃れている)。
「はぁ…はぁ……上司が誰も分かってくれないヒ…ド…ケイ……」
セッちゃん「上司に恵まれない、中間管理職の悲哀チュン」
「同情は要らないヒドケイ!」
セッちゃん「誰が同情するチュンか!」
ボロボロな体にムチ打ちながら今度は第8カイ!での時間軸にて、ドアワルドの能力で何処かへと飛ばされた介人を歩いて探し回るステイシーにも「世界海賊」の存在を教えようとするが(このとき、御丁寧にもヒドケイワルドが「界賊」と言ってるのに対してステイシーは「海賊」と復唱している)、「歌って踊る、訳分からないやつだヒドケイ」と間違ってはいないが大雑把な表現での説明をしてしまった故手掛かりも無しにひたすら歩き回っていたところへイライラが募っていた彼の機嫌を損なった結果、「訳分からないのはお前だ!」とこれまた一蹴された挙句ギアトジンガーでハチの巣へされその場に打ち捨てられる羽目に。
結果、これまでのワルド同様に頭ごなしに話を聞かない上司に足を引っ張られる形で妨害に失敗。干渉を行わなければ歴史は観測された通りに進む為、ゼンカイジャーの結成阻止は成し得なかった。
セッちゃん「上司の問題って言うより、お前が口下手なだけチュン?」
「同情は要らない…ヒドケイ……」
セッちゃん「だから同情してないチュン」
この顛末に関してセッちゃんからと哀れみも含めて毒づかれるも、ならばとゼンカイジュウギアの開発を阻む為、第19カイ!の時間軸にてカラフルにやって来たフリントをトキヲモドソードVで止めて倒す事で阻止しようとするが、丁度そのタイミングで中から現れた「その時のセッちゃん」と鉢合わせ。
「現在のセッちゃん」と同期した事でダブルセッちゃんに攻撃され、時間停止が解けてしまった事でまたも失敗するも、行動を共にする中でゼンカイジャーのツールは五色田夫妻が作った物だと言う情報を、五色田博士の身を案じるセッちゃんから聞き出す事に成功。
「成る程ヒドケイ…… ギアトリンガーもゼンカイジュウギアも、五色田介人の両親が作ったのだな?だったら2人をスクラップにすれば良かったヒドケイ」
セッちゃん「今更分かっても遅いチュン!」
「遅くないヒドケイ。 お前を拐ったのはそういう情報を引き出したかったから……!もう一度、時を戻すヒドケイ!」
小規模な時間遡行で蓄積したダメージをリセット(ついでにセッちゃんを繋いでいた鎖も溶解)し、更に大規模な時間遡行「トキヲモドソードスーパーZ」でゼンカイジャーが結成されるより前の過去の時間に遡って五色田夫妻を始末し、ゼンカイジャーの存在自体を無かった事にしようと目論むが、丁度そこにゼンカイジャーがやって来て時間遡行操作を阻止、セッちゃんも手放した事でアバンとほぼ同じ状況に戻ってしまう。
そのままギアトリンガーからの弾幕に晒されるも、一巡したこの時間の相手は自身の詳細を知らないと隙を突いての能力発動を窺っていた。
(元の時間に戻ってしまったか……でも、奴らは油断してる。チャンスを掴んで、時を戻してやるヒドケイ!)
介人「ななななななな……な〜んちゃって!」
ジュラン「そうはいかねーんだわ、“ヒドケイワルド”さんよ」
マジーヌ「お主が時を戻せるなんてと~っくに知ってるんだが!」
「えぇ!? な、何故知ってる!? この時間のお前らとは初対面の筈なのに!?」
だが、この時の彼らは相手がヒドケイワルドである事、その能力も把握していた。
実は、情報を聞き出すために連れていたセッちゃんが、上司に攻撃される等でヒドケイワルドが倒れる度にゼンカイジャーに通信を送っており、結果介人は元より加入するゼンカイジャーメンバーは、ヒドケイワルドの情報を結成当初から知っていた。そして今この瞬間、彼に引導を渡すべく半年間の歴史を再度経験しながら待ち構えていたのだった。
この事実へ酷く狼狽している隙に、ゼンカイジャーからの猛攻撃を叩き込まれて吹っ飛びダウン。そこでセッちゃんに「一番の間違いは、オイラを拐った事チュン…!!」と凄まれている隙に、ジュウレンジャーギアの力でゼンカイジャーが繰り出した「バベルアタック」によって「酷ケェ〜〜イ!!」と叫びつつ敗北・爆散。大規模な過去改変作戦は失敗に終わった。
バラシタラ「ぐっ…。まだ終わってないのである! クダイテストを呼ぶので…」
ボッコワウス「えぇい、もう良いっ!! 時を(床ドン)、遡っても(床ドン)、敗北を(床ドン)、繰り返した(床ドン)、だけではないかぁーーっ!!(床ドン)」
この結果にバラシタラはクダイテストをすぐさま呼ぼうとするも、半年分の失敗・敗北続きな過去の戦績を一から改めて見せ付けられて猛烈に不機嫌になったボッコワウスが制止。
クダイテストが送り込まれなかった為にダイワルドにはならず、残されたヒドケイトジルギアはそのまま砕け散り、ヒドケイトピアが並行世界に解放された。
余談だヒドケイ
- 公式サイトではワルドの説明文に「〇〇誕生したワルド怪人」という文章が書かれているが、〇〇の部分には対応するワルドの能力やモチーフにちなんだ言葉が入る。
- しかしヒドケイワルドの場合は上述の通り性格に関する言葉が入っていた。
- 声を演じた鳥海氏は昨年の『魔進戦隊キラメイジャー』にてマネキン邪面の声を演じており、スーパー戦隊シリーズへの出演は2年連続となった。
- また、今作に出演している声優は特撮が久々か初出演のどちらかに分けられるが、どちらにも当てはまらない初のケースとなった。
- ちなみに、セッちゃん、即ち鳥とずっと一緒にいるから鳥海さん!が起用されたという訳ではない模様。かつて、彦“星”ワルドだから保志さん!と言う前例があるが、今回は違うとのこと。果たしてその真相は如何に…。
- 次回の出演は『王様戦隊キングオージャー』のクロダ役となる。
- 公式によるコンセプトは「強さと弱さが共存する怪人」。強さが能力とメンタル面ならば、弱さは会話力とプレゼンテーション能力の低さと職場環境の恵まれなさなのだろうか。
- しかし、見方を変えれば彼の行動はタイムリープ物の痛烈な皮肉であり、一個人としての行動では大きな流れを変えきれなかった。そこからなんとか幹部クラスと連携を取ろうとしても未来の怪人(現在は存在しない)故に身元を信用されず、しかもトジテンド自体が部下の助言を突っぱねて信用を軽視した体制に足を引っ張られて敗北したのも事実だが、知っているだけで情報を使いこなせなかったことこそ、彼の敗因であった。
- とは言え前述の通り30分の間に余りにも不憫な目に遭い過ぎたり余りにもタイミングが悪過ぎたりしたのは事実でもある為、恐らくワルド史上最も不幸なワルドとも言える。
- 更に言うなら、最初から「過去改変を狙った作戦」でありながら過去の自分達の反応を考慮して、ヒドケイワルドに身分を証明出来る物などを与える等の配慮をしなかった、トジテンド首脳部のフォローの足りなさも浮き彫りになっている。中でも強情な上に話を聞く気が無い相手を暴力で黙らせるバラシタラや、自分より格下の兵士が高等技術を持っている事にプライドが逆撫でられて不機嫌になるイジルデ、「バラシタラを蹴落とす」、「五色田介人を倒す」以外に興味がなく、傍若無人な振る舞いを見せるステイシー等の態度は、約半年前から今回の話の間でまるで変化が無いのが解かる。但し、バラシタラの場合、声をかけたのがゼンカイジャーが結成する前、ステイシーはザックリとした情報の為、身元不明と相まって知らなければ不審がられる言い方と情報であり、この点はセッちゃんの指摘通り口下手と言うか説明下手なのも事実である。
- 戦いが終わった後、カラフルにてセッちゃんを讃えるパーティーが開かれたが、その際にセッちゃんが「トジテンドと違って、皆はオイラの事を信じてくれたからチュン」と言う様も、皮肉な事に幹部の誰からも自身の言う事を信用されなかったヒドケイワルドと完全に対になっている。
- 尚、食卓に出された鶏肉の料理に関する台詞は全て福圓氏のアドリブである。
関連タグだヒドケイ
時計仮面、タイムラー、タイムモンガー、時計オルグ、ギガノイド第3番「時計」、クロックシャドー、妖怪ネコマタ、妖怪マタネコ:時計モチーフの戦隊怪人の先輩達。
タイムヅノー:『超獣戦隊ライブマン』の怪人で、こちらは体に付いている時計の針を回転させる事で時空間を自在に操る能力を持ち、7000万年前の恐竜達を現代に拉致して、破壊活動を行わせる作戦を行う手始めに肉食恐竜の子供「ゴン」を拉致することに成功し、その後ゴンは悲惨な末路を辿ることとなる。
ワニカエルギン:『地球戦隊ファイブマン』の怪人で、こちらは右目に自らと対象を記憶と経験を保持したまま時間を遡れる事と時間停止を行える時間操作能力を持っていて、序盤で時間操作能力を駆使したシュバリエとの連携攻撃でファイブレッドを死に至らしめて勝利したが、時間操作はエネルギーの燃費が非常に悪く、エネルギー補給の為にはダイヤモンドを喰わねばならないのが弱点だと知ったファイブピンクの味方をも欺いた作戦によってレッドがシュバリエに致命傷を負わされる前に時間遡行させられてレッドを助けられて逆転される。
ジクウマンモス:『鳥人戦隊ジェットマン』の怪人で、こちらは主人公達をモチーフとなった古代生物が生きていたとされる時代に飛ばした。
タイマーのバクトフージER:こちらも『天装戦隊ゴセイジャー』にて主人公を物語開始の頃にまで時間遡行させた(※正確には幹部の力が自身の能力に干渉して起こった想定外の現象)繋がりの戦隊怪人。
スナドケイロイド:『特命戦隊ゴーバスターズ』に登場した時計がデザインモチーフとなった怪人。ただし、こちらは、「巨大な蟻地獄状のワープトンネルによって優秀な生徒達を彼らが通う学校の校舎もろとも砂粒のようなデータに変換、そのまま胸部の巨大な砂時計に転送して蓄積・収集する」と言うボッコワウスの声の人がスーパー戦隊シリーズで演じた悪役の野望・計画を連想させる作戦を行っていた。
リセットボタン邪面:前作で自ら記憶と経験を保持したまま一定の時間を遡れる能力を持つ怪人。こちらもメンタル面が強かったが、同じくタイムリープに引き込んだ戦隊メンバーに無限リセット地獄へと追いやられた結果、精神が擦り切れて降参・戦意喪失し、ガルザの怒りを買って処刑されてしまった。
本当です!信じてください!:これから起こる事を過去の時間の幹部達にことごとく信じてもらえなかった悲哀はこれに通じる。上記のほむらも通った道である。