概要
『仮面ライダー龍騎』に登場するアドベントカードは、大きく分けて3つある。
1つはアドベントとファイナルベント…すなわち、全ライダーの保有するカード。
2つ目はソードベントやストライクベントなどのように、武器などを装備するタイプのカード(一部例外もある)。
そして3つ目がコピーベントやコンファインベントなどのように、間接攻撃に使用されるカードである。これらは複数枚存在することはほとんどなく、そのライダーの代名詞とでも呼ぶべき貴重な存在である。
タイムベントは3番目にあたるカードで、仮面ライダーオーディンのみが保有している。その効果は時間を逆行させるというもの。
これにより、神崎士郎は幾度となくライダーバトルを「なかったこと」にして、新たなライダーバトルを繰り返していた。実は『龍騎』の世界は何度も何度も同じことを繰り返している世界であり、士郎は「またダメか」と判断する度にタイムベントを使用してライダーバトルを無に返し、また新たなライダーバトルを行っていたのである。これを踏まえると神崎士郎が城戸真司に向けて言った「お前が龍騎か…」というセリフも違った意味に解釈できる。
いわばミラーワールドは神崎士郎というゲームマスターの箱庭に過ぎず、その証明となっているのがこのタイムベントと言えるだろう。
ライダーバトルに参加していたライダーたちの記憶は巻き戻しによって消えるが、即座に消えるわけではないらしく、真司は発動後に記憶がしばらく残っており、オーディンの攻略方法をメモっていた他、「消えて行ったライダーたちの重さが2倍になった!」と発言している。
なお、このカードを読み取る際の電子音声は若干高めになっている(ベルデのクリアーベントやタイガのフリーズベントなど作品後半に新たに登場した他のカードも該当する)。
カードダス版では1デッキに1枚しか入れられず、バウンスしたカードの枚数相手にドローさせ、自身および相手は一切のドローが出来なくなって手札の続く限り、レベルアップを続行させる効果を持ったカードになっている。
余談
カードにオーディンのエンブレムが描かれている為、本来はオーディン専用なのだが(『愛蔵版 仮面ライダー龍騎超全集 下巻』でも龍騎が手に入れたところで扱えないと言及されている)、諸々の設定が異なる『仮面ライダーディケイド』では他のライダーでも使用が可能となっている。加えて効果も"時間を巻き戻す"というより、指定した過去に転移するといった方が適切なものになっていて、使用者だけでなく、その近くにいた人物も記憶の持ち越しが可能という扱い。
このカードの力で事件を未然に防いだ為に、光夏海の裁判はなかったことになった。
それにしても、何故裁判という重要な場でこんなカードが存在できるのかは不明(よく悪用されないものである)。有事に備えてのリセットシステムなのだろうか。
ちなみに、てれびくん2002年11月号に掲載された漫画『龍騎 ハリケンジャー クイズパズルバトル』ではハリケンジャーや龍騎達を江戸時代に送る効果が発動していた。つまり、こちらの解釈では対象を任意の時代に追放するという効果になっているものと思われる。
Wii版『KAMEN_RIDER_DRAGON_KNIGHT』では仮面ライダーラス(オーディンのこと)のカードとして登場。効果は時間を巻き戻して体力を全快にするというもの。
『龍騎』本編では一切語られなかったが、ストレンジベントで引き当てられるかは謎であるが、少なくとも該当ゲームではストレンジベントでタイムベントを引き当てる事は可能となっている。
TCG『レンジャーズストライク』ではメイン画像のように「追加条件を持たないユニットをすべて撃破する」という、リセットカード。オーディンが追加条件を持つため「オーディンだけが戦場に残る」というフレーバーなのだろう。もっとも、サバイブを始めとした強化フォームはまだしも『仮面ライダーカブト』のライダーたちの通常フォームに当たるライダーフォームも追加条件(キャストオフして登場する)を持っているのだが。
ディケイドに登場した龍騎の能力としても登場。こちらは手札を犠牲に他のユニットを撃破から守る(被害を無かったことにする)もの。
TCG『バトルスピリッツ』でも仮面ライダーオーディンの固有効果として登場するが、解説はオーディンの項目にて。
タイムベントに描かれている時計のイラストのギリシャ数字をよく見ると12ではなく13まであることがわかる。
これは即ち13人のライダー達の戦いを無に還すことを意味しているのかもしれない。
関連項目
類似能力
- 檀正宗:同じく神格の名を冠するライダーに変身する。『エグゼイド』の世界でも仮面ライダークロニクルというデスゲームが開催されているが、正宗はリセット能力を発現させてハイパームテキガシャット誕生をなかったことにしている。