『仮面ライダー』シリーズの平成ライダー7作目『仮面ライダーカブト』に登場するマスクドライダーの特殊能力。
クロックアップと並んで、作品の代名詞となっている。
元々は「脱ぎ捨て」を表す英語であり、転じて昆虫の「脱皮」の意味もある。
概要
『仮面ライダーカブト』に登場するマスクドライダーは変身操作により基本的に重装形態であるマスクドフォームに変身する。
マスクドフォームで各々のゼクターに特定の操作を行う事で、全身のアーマーを吹き飛ばし(カブトとガタックは更に角がせり上がり)、クロックアップ可能な高機動形態・ライダーフォームへ移行する。その後、「チェンジ!◯◯!」(◯◯の部分はライダーによって異なる。例を挙げるとカブトだとビートル、ザビーの場合はワスプなど)の音声で完了。
このマスクドフォームからライダーフォームへ移行する一連の流れをキャストオフと呼ぶ(逆にマスクドフォームに戻る場合は「プットオン」と呼ぶ)。
元々の英語の意味と同じく「幼虫や蛹から成虫への脱皮」をモチーフとしており『カブト』に登場するライダーの多くは「最初から二段変身が可能なライダー」である。
装甲の飛散速度は初速2000m/s=マッハ5.88であり、この機構自体が無差別全体攻撃になる。
ザコ敵のサナギ体程度ならコレ一発でまとめて撃破可能。ただし、成虫ワーム相手だと装甲が当たれば吹き飛ばす程度まではできるもののクロックアップで全回避されることも珍しくなかった。
展開が進むに連れて変身直後に即キャストオフという流れはよくあるものとなり、攻撃として描写しない事もよくあった。
劇中でこそ無かったが、下手をすると味方を巻き込みかねないので周囲に注意を配る必要がある。実際、ライダーと共に戦っているゼクトルーパー隊は、ライダーがキャストオフする際には飛んでくるアーマーを避けるために姿勢を低くしたりしている。
隣にいる味方に当たらずちょっと離れた敵には当たる事もあるなど当たり判定は割と謎だが、そこは絵的な都合という事だろう。
『仮面ライダーディケイド』のカブトの世界では味方に当たる描写もあったが、本作以降ゲストとしてカブト系ライダーが登場する際は飛散する装甲の破壊力が下げられており、直撃しても軽い衝撃のみで有効打にはならない程度となっている。
また、原作中では(絵的な都合による描写カットを除いて)一切無かったマスクドフォームとキャストオフを省略したライダーフォームへの直接変身という事も他作品でのゲスト参戦からは解禁された。話のテンポや用意するスーツ数や撮影作画コストなどの都合だろう。
ゼクター玩具では当然機能として再現されている。作りの都合上、劇中の流れ(装甲飛散直前の演出としてのタメ)やSEが完全に再現できないもの(サソード)もあるが、それはご愛嬌。
PS2で発売された『仮面ライダーカブト』では攻撃力こそ低いが周囲にダウン効果のある攻撃判定を発生させ、使用モーション中は完全無敵となる。
これを利用して超高速のハイパークロックアップを完全回避してしまうという攻略法(ハイパークロックアップ発動確認時点でキャストオフコマンドを入力する事で、発動中ずっと無敵でいるというもの)が、あろうことか説明書に記載されていた。
ちなみにクロックアップされた場合に同様の事をすると無敵判定の方が先に切れるため、完全回避とはいかない。
余談
『カブト』放映に先駆け、少年漫画『覚悟のススメ』においても装着している強化外骨格を弾丸の様に弾き飛ばして攻撃する「瞬脱装甲弾」なる技があった(こちらは素っ裸になる)。ただしこれがキャストオフの元ネタかどうかは不明。
脱衣要素として
転じて、着衣がはじけるように全裸(半裸)になる様を「キャストオフ」と呼ぶようになった。
そのため、このタグがつけられているイラストのおよそ3割はR-18だったりする。
またフィギュアで、コスチュームを脱着出来る仕様になっている場合にもこの単語が使われ、一部の商品名にも用いられている。
前述のとおり「脱皮という意味の常用英語」なので、東映側も商標登録しなかった(出来なかった)らしい。
関連タグ
仮面ライダーガタック 仮面ライダーザビー 仮面ライダードレイク
類似機構
仮面ライダーアギト (バーニングフォーム→シャイニングフォーム)
仮面ライダーイクサ (バーストモード→仮面ライダーライジングイクサ)
仮面ライダーアクセル(仮面ライダーアクセル→仮面ライダーアクセルトライアル)
仮面ライダーエグゼイド(レベル1からレベル2への変身時および40話でのムテキゲーマーへの変身時)
脱衣関連
ライギョン→ギョストマ:ライダーに於ける先達。ただしこちらは寄生らしい。
その他
オーバーボディ - 直接の関係はないが、正体を明かしたりするときには多くの場合でキャストオフされる場合が多い(次点で攻撃でオーバーボディが消滅する場合がある)。
北條透:『仮面ライダーアギト』第10話で独断で仮面ライダーG3の装甲を脱ぎ捨てて敵前逃亡する行為がファンから「キャストオフ」と評されることがある。