イザーク・ジュール「舐めるな!バスターとは違うんだよ!!」
機体データ
再生機
動力源 | バッテリー(パワーエクステンダー搭載) |
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所属 | 地球連合軍・第81独立機動群「ファントムペイン」 |
パイロット | ミューディー・ホルクロフト |
概要
地球連合加盟国の1つ大西洋連邦が、オーブ連合首長国公営企業モルゲンレーテ社の技術協力を受け、オーブ管轄の資源コロニー「ヘリオポリス」で極秘開発した5機の試作型MS(G兵器)。
第1期GAT-Xシリーズの中で最初に完成したMSであり、後から完成した4機のお兄さんである。
将来の連合軍主力MSの基本形として、要求性能をバランスよく備えた汎用機というコンセプトで開発された。それゆえ後の4機と違い尖った武装を積んでいない。
既にジンで確立されていたバッテリーによる電源と各部に点在したモーターの分散同期という基本構造は踏襲しつつ、先行して導入されていたザフト製MSが対艦・対MA用兵器で在ったのに対し、それらのカウンターと成るよう対MS戦用MSとしての側面を強調した初の機体と成る。
まず作業用パワーローダーを踏襲したジンでは成し得なかった人体駆動の再現をより高め、運動性を強化。
これによってNジャマー下における機動戦闘で優位性を獲得。
次にPS装甲の採用によってザフト製初期型MSの標準兵装である実体兵器を無効化し、逆にMSの標準装甲を一撃で破壊可能な携行型ビーム兵器の実現によって攻撃力においても圧倒する。
「デュエル=決闘」という名の通り、高い汎用性を持つ軽量な機体であり、他の機体との連携運用も考慮して白兵戦機としての切り込み役も担当する。
加えてGATシリーズ特有のフレーム構造は運動性を高めるだけではなく後々のアップデートにも対応する拡張性を持っており、同期で開発された他の4機は、本機を基に各々のコンセプトに特化して開発されている(イージスのみベースフレームが新機軸だが、手足の様な流用可能な末端部品はやはり流用されている)。
これによって後続の機体に前型機の改良点をフィードバックする事も可能であり、バスターやストライクはおろか、ストライクダガーやカラミティの様な他メーカー製の同規格の機体ですらもX100系フレームとして基本骨格はそのまま受け継がれている。
便宜上はコズミック・イラの初のガンダムではあるが、SEEDシリーズにおける「GUNDAM」は「GAT-X105 ストライク」の起動時に表示されるOSの頭文字を繋げてキラ・ヤマトが勝手に呼んでいるだけの通称であり「デュエルガンダム」という呼称は作中で使われない。
再生機
戦後、地球連合軍の特殊部隊「ファントムペイン」が兵器開発会社「アクタイオン・インダストリー社」を中心とした連合に加担する企業の支援を得て推進したエース専用MS開発プロジェクト「アクタイオン・プロジェクト」の際、データ収集の為に再生産された機体。
旧式化した部分にパワーエクステンダー等の幾つかの改修が施されている以外は、イザークの使用したデュエルとスペックはほぼ同一。運用試験の後、そのデータを元にブルデュエルへ改修された。
アクタイオン・インダストリー社以外ではライブラリアンにおいて、レーゲンデュエルのベース機として製造されている。
武装
75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」
頭部に2門内蔵されたバルカン砲(CIWS)。
兄弟機のストライクやイージスにも搭載されている。
175mmグレネードランチャー装備57mm高エネルギービームライフル
地球連合軍で最初に採用されたビームライフル。ストライクに採用されている装備と同じ口径を持ち、銃身下部に一発限りのグレネードランチャーを装備しているが、ストライクやストライクダガーの物に比べてやや大型の弾頭を採用している。量産化されているのか、GATシリーズのロングダガーやデュエルダガーが装備している他、任務によってストライクノワールでも使われている。
ビームサーベルでの接近戦などに切り替える際は、右側サイドアーマーにマウントしている(ストライクやストライクダガーと共通)。
ビームサーベル
ストライクのエールストライカーと共通の装備。此方は本体のバックパックに装備される。
終盤でフォビドゥンを二刀流で撃墜した武装であり印象深いためか、ゲーム作品などでは威力が高めに設定されることが多い。
対ビームシールド
此方もストライクと共通。HDリマスター版では非使用時にバックパックへと取り付ける初代ガンダム的なマウントも行っている。
350mmレールバズーカ「ゲイボルグ」
デュエルの携行装備として開発されていた電磁式バズーカ。地球連合規格のリニアキャノン方式を採っており、砲身と弾体が磁場によって接触せず加速する。この為か連射性には優れるのだが、破壊力ではザフト製レールガンに劣るので、バレルを長大化する事で加速力を稼いでいる。
ザフトによる強奪は免れたものの、ヘリオポリス崩壊時にアストレイ ゴールドフレームが持ち逃げした為、本編未登場。ヘリオポリス製で設計書を消失してしまい再生産不可能。
その他の武装
最終決戦の際に大破したバスターを回収して再出撃した際には、ストライク用の予備のライフルとシールドを装備。
先行して発売されていたカプセルトイ『SDガンダム フルカラー』において同様の装備構成のフィギュアが収録されており、そのリスペクトとなる。
オプション装備
アサルトシュラウド
第1世代MS用の強化装備として開発されていた性能向上パッケージ。
増加装甲や肩部に装備された武装、バックパック及び脚部に追加された高出力スラスターで構成され、戦闘中でもパイロットの任意でパージする事が出来る。
これによって火力と宇宙空間における機動性は向上したが、アサルトシュラウドはMSのコンセプトをスポイルするかの如き重厚な装備であり、素の状態から40t近くも重量化してしまっている為、有重力下における機動力の低下は否めない。
詳細はアサルトシュラウドを参照。
ジェグス
漫画『機動戦士ガンダムSEED Re:』に登場。
ヘリオポリスから強奪したデータに不完全ながらI.W.S.P.のデータが存在し、それとビーム兵装技術にディンを組み合わせたザフト版I.W.S.P.となる大気圏内飛行装備。
高速飛行時にはディンのエアロシェルが頭部を覆う様になっている。
武装レイアウトはI.W.S.P.と同様でパック上部に左右で2門装備されたビーム砲とレールガン・シヴァ、パック両サイド下部にマウントされたレーザー重斬刀2本。
この装備はジン等の旧型MSに飛行能力とビーム攻撃能力を一度に与える計画が基となっている。
劇中での活躍
ロールアウト後はザフトにより奪取され、以降イザーク・ジュールの乗機となる。
劇中では宇宙から大気圏、地上と幾度と無くストライク及びアークエンジェル隊と交戦したものの、悉く撃退される。その過程で追加パッケージ「アサルトシュラウド」が施される。
中盤以降の宇宙での戦闘中にアークエンジェル隊に参加していたディアッカと再会、紆余曲折を経て同盟に参加した。
ヤキンドゥーエ攻防戦
アサルトシュラウドの特性を生かしてフォビドゥンを撃破。
アサルトシュラウドは、この時に失われた。
続いて、プロヴィデンスの攻撃により損傷したバスターの援護に回ったデュエルは、ビームライフルと左肩アーマーを破壊されながらも、バスターより武器を拝借してレイダーを撃破した(ただ、スペシャルエディションではそのシーンが変更され、バスター単独でのレイダー撃破に成っている)。その後、大破したバスターを連れてアークエンジェルへ着艦し、エネルギーの補給とストライクの装備を受け取り再出撃している。
その前後にもMSや艦艇を複数撃沈する等、赤服のイザークの技量も相まって輝かしい戦果を挙げ、最前線で戦い続けながら、GAT-Xシリーズの中で唯一損傷らしい損傷はなく五体満足で終戦を迎えた。
またイザークは、ガンダムシリーズの中でも数少ない『フルアーマーの特性を生かして敵機を撃破した』パイロットの一人である。
「機動戦士ガンダムSEED RGB」ではバスターともども資料館に展示された可能性も語られていたが……?
バリエーション
ロングダガー、デュエルダガー
デュエルのコンセプトを受け継いだ量産型MS。
アサルトシュラウドを参考にした、強化装備も採用している。
ブルデュエル
アクタイオン・プロジェクトで再生産されたデュエルを改修した発展型MS。
詳細はブルデュエルを参照。
レーゲンデュエル
詳細はレーゲンデュエルを参照。
デュエルブリッツ
かつてイザークが搭乗したデュエルをベースとして改修したカスタムMS。
詳細はデュエルブリッツを参照。
ストライクダガー
ストライクの量産型MS、だったが戦時の簡易生産によるストライカーパック等を除いた純粋な白兵戦用MSに再設計した為、コンセプトはデュエルに寄ってしまった。
詳細はストライクダガーを参照。
立体物
ほとんどのデュエルの立体物はアサルトシュラウドとのセット販売に成っている。
アサルトシュラウドを装着すると稼働に制限が掛かりがち。
またどのデュエルの立体物も共通して腰があまり回らないが、これはアサルトシュラウドでは無くデュエル本体の腰回りの造形が原因である。
ガンプラ
リアルタイムでは1/144コレクションシリーズとHG SEED1/144、SEED1/100が発売。
コレクションシリーズはストライクに次いで3番目の発売となり、ガンプラでは唯一のアサルトシュラウド無しのキットと成っている。
HGは当時の技術では脱着ギミックを詰め込むので精一杯だった為、ミサイルハッチの色分けと開閉ギミックは省略された。またアサルトシュラウドは腰とフロントスカートが一体化している為、足を前に出すことは出来ない。
1/100は100系機体共通の肩の引き出しギミックがあり、デュエル単体での可動範囲は比較的広い。色分けもかなり優秀で、手首のオレンジとミサイルハッチの三角マークを除けば全てツインアイを含めたセンサー類である。但し内蔵のミサイルは塗装する必要がある。アサルトシュラウドのフロントスカートは、小型ヒンジでの接続と成ったため足を前に出せる。
2005年にはSDガンダムBB戦士にアサルトシュラウド付きでラインナップ。
此方もアサルトシュラウドの脱着が可能で、色分けはHGと1/100の中間といった具合でミサイルハッチも開閉可能と、比較的優秀なキットと成っている。
2007年発売のMG ストライクノワールでは本体を差し置いてグレネード付きビームライフルが先に立体化されるという由々しき事態が発生してしまった。
しかしSEED10年目の2012年にとうとう本体の方もMG化が実現。
100系フレーム系らしく、肩アーマーを筆頭に全体の造形をストライク寄りにアレンジされた。また角張りが目立つアサルトシュラウドも丸みを帯びた形状に変更されている。
色分けは1/100から更に進化し、何かと省略されがちなスラスターも別パーツ化され、ミサイルもパーツで色分けされている。
グレネード付きビームライフルは完全新規造形であり、ストライクノワール付属のものよりさらにパーツ分けが細かくなっている。またゲイボルグも付属する。
そして2024年にはデュエルブリッツガンダムがHG化。
新型アサルトシュラウドと動力だけが置き換わっており外観には一切手が加わっておらず、本来の武装も対ビームシールド以外はちゃんと付属する為、外装をパージすると事実上最新フォーマットのデュエルガンダムが登場したことになる。
また最新フォーマットとは言っても近年のGAT-X100系フレームMSとは違い、関節にHGビルドストライクガンダムのランナーは一切流用されておらず、SEEDアクションシステムを採用した完全新規仕様である。
その為(恐らくプレミアムバンダイで)TV版のアサルトシュラウド装備が出る可能性も濃厚になっている。
アクションフィギュア
ADVANCED MS IN ACTION、MS IN ACTION、ROBOT魂で発売されている。
AMIAはMIAとはほぼ別物のブランドで、一部ダイキャスト製のフレームに外装(アサルトシュラウドではなくデュエルの)をはめ込む方式を取っているもの。しかしその装甲が外れ易い上、腰は固定、ビームサーベルが付かない等MIAよりあらゆる面で劣化しており投げ売りされていた。因みにデュエル単体発売後にディアクティブモードの本体とセットのアサルトシュラウド付属版が発売された。こちらにはオリジナルのショートバレル型とロングバレル型のスナイパーライフルが付属しており、後者は後にガンプラのシステムウェポン010でも近似のギミックが採用されている(AMIAの様にストックとスコープまで変更しない為、組み換えでバレルのみの延長となっている)。
MIAでも発売されているが、其方は珍しくデュエル単体のみでの販売。
AMIAのアサルトシュラウドは、そもそもMIAとサイズが異なるため付けることは出来ない。
ROBOT魂は造形も稼働も評価が高い。見栄えを重視している為、アサルトシュラウド装着時はデュエルの一部胸部装甲と股関節部を外す必要がある珍しい仕様。また細身アレンジの恩恵のおかげで立体物では数少ない腰がかなり回るデュエルでもある。
ストライクと同じ形状の台座が付属するが、ストライクが水色だったのに対しデュエルはオレンジと成っている。
後にver.A.N.I.M.Eでリニューアルされたが、此方はアサルトシュラウドは付かない上、数多のエフェクトパーツや近年の物価の高騰の煽りも受けた結果7000円超の超高価フィギュアになってしまっている。
カプセルフィギュア
SDガンダムフルカラーシリーズにアサルトシュラウドverとプレーンverの双方がラインナップされた。※現在、入手困難
関連動画
関連イラスト
関連タグ
登場作品
所属(組織・分類)
地球連合製のMS・MA・戦艦 GATシリーズ GAT-Xシリーズ 第1期GAT-Xシリーズ
関連機体
兄弟機(第1期GAT-Xシリーズ)
改修機・再生機
関連人物
その他