「誘い込んだつもりか…!」
「誘い込んだつもりか…!」
機体スペック
制式番号 | GAT-X105E+AQM/E-X09S ※ |
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全高 | 17.72m |
重量 | 64.8t(ストライクE本体) / 90.51t(ストライクノワール時) |
装甲材質 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
※:初登場時はGAT-X105E表記。
概要
アクタイオン・プロジェクトで再生産されたGAT-X105 ストライクの発展機「ストライクE」に「ノワールストライカー」を装着した換装形態。同計画で選任パイロットを務めたスウェン・カル・バヤン中尉の搭乗機として有名。
ストライクEに採用されたパワーエクステンダーとストライカーの電圧設定値に従ってヴァリアブルフェイズシフト装甲(VPS装甲)が黒く発色する為に、フランス語で黒を意味する「ノワール」と呼ばれる事になった。
ストライク+IWSPの正統後継機なだけあって、ストライクノワールの性質は機動戦闘・格闘戦・砲戦を同時にこなせる万能な全領域仕様となっている。
一方で、スウェンの徹底的なダメ出しによってIWSPが持っていたトップヘビーな要素はモディファイされ(重心が偏るコンバインドシールドの省略、火砲の連装式小型化など)、近接戦闘を主眼とした機動戦闘を得意とする。
格闘戦や砲戦といった特化分野では専用機に比べて劣る器用貧乏な部分もみられるが、これは同時期に開発されていた僚機であるブルデュエルやヴェルデバスターと同時運用する事によって補完された。
武装
素体の標準兵装はストライクEを参照。
この項目ではストライクノワールで使用された武装について一部解説する。
175mmグレネードランチャー装備57mm高エネルギービームライフル
デュエルのものと同型の、グレネードランチャー装備型ビームライフル。
OVA第2話での出撃時にはこのビームライフルを装備して出撃している。実際の戦闘ではビームライフル・ショーティーとフラガラッハのみ使い、こちらの使用は確認されていないがやはり2丁持ちで出撃していた。
ストライカーパック
AQM/E-X09S ノワールストライカー
本機を象徴する黒い翼のストライカーパック。
統合兵装ストライカーパック「I.W.S.P.」から発展した装備であり、元に比べてコンパクトな作りとなっている。
詳細はノワールストライカーを参照。
バリエーション
ストライクノワール(オルタナティブストライクVer.)
オルタナティブ・プロジェクトに基づき再設計された。
実機は製造されておらず、あくまでシミュレーション上での再現となる。
肩のスラスターを取り外し可能にし、旧来のストライカーパック装備をストライクEでも対応させている。また、ノワールストライカーの上から旧ストライカーを装備させられる。そのためソードストライクノワールやランチャーストライクノワールなんてことも可能である。
また、リアスカートにビームサーベルをマウントするオプションも選択可能となっている。
活躍
劇中においては民間企業D.S.S.Dが所有する、高度な自律型AIを搭載した宇宙探索用MS・スターゲイザー奪取の為に、護衛機シビリアンアストレイを相手に獅子奮迅の活躍を見せたが、一瞬の隙を突かれる形でスターゲイザーと共にヴォワチュール・リュミエールの超加速で太陽方面へ飛ばされた。
この時の強烈な加速衝撃により機体は損傷。地球圏帰還の為に残存エネルギーをスターゲイザーに与え、そのまま破棄された。ボロボロになりながらもパイロットを守るという所は正にストライクの系列機と言える活躍をした。
ガン=カタを思わせる二丁のビームライフルショーティーと手首の辺りに隠されたアンカーによる多彩かつ軽快なアクションにより、『SEED』シリーズのMSの中でもそれなりに高い人気を誇る。
余談
本体の扱い
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZERに初登場した時点では、ストライクの強化発展機と言う位置付けの「GAT-X105E ストライクノワール」であり、アクタイオン・プロジェクトに基づきパイロットからの要望を盛り込んだスウェン専用のカスタムメイドMSであった。実際に、劇中での出撃シーンでも戦艦ボナパルトのオペレーターが「GAT-X105E ストライクノワール」と呼んでいる。
なお、立体商品やムックでは名称がストライクノワールガンダムと表記される。
設定に動きがあったのは、漫画『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 ΔASTRAY』からで、本作においてI.W.S.P.を装備してトリコロールカラーになったストライクノワールが「GAT-X105E ストライクE(I.W.S.P.装備)」と言う名で登場している。以降はストライクEと言う機体が別に存在した事になり、現行のストライクEとノワールストライカーを合わせた形態「GAT-X105E+AQM/E-X09S ストライクノワール」と言う設定に至る。また、ストライクEそのものがスウェン専用の仕様のまま複数生産されていた扱いとなっている。
素体のストライクEは少数ながら複数生産が確認されているが、その中でノワールストライカーを装備しているストライクEはスウェン機以外で確認できない。ノワールストライカー装備に限定しても、アストレイノワールくらいしか採用していない。これはノワールストライカー自体の生産数が少ない事が原因であろう。
ノワールストライカ―の扱い
HGストライクノワールガンダムの発売時にはVPS装甲と記載され、「STARGAZER」劇中においてもディアクティブの残骸が退色しているのだが、ASTRAY側ではデルタアストレイの実体剣で切り落とされている。マスターグレードではPS装甲材が非搭載のモデルが存在する設定が後付けされた。また、当初の公式側ではレールガン(後に他の連合系装備として一般的なリニアガンへと変更)を長射程用の装備としていたが、ストライクノワールが高機動近接戦闘用の扱いへと変遷したことから、射程の性能をセッティングの差としている。
飛行能力の設定面に関しては、劇中では本体スラスターのみを用いて飛翔しており、当時の書籍類でもノワールストライカー側にスラスターを非搭載としていた。後にASTRAYにて姿勢制御スラスターが使用されており、アストレイノワールのキットによってはスラスターらしきモールドが追加されたものもある。
外部作品への出演
連合VSZ.A.F.T.II
コスト450の隠し機体として参戦。近距離機のようなブーストと長めの赤ロックを持つ近~中距離用の万能機。あるバグや移動しながらの隙のない攻撃などの要素からストライクマワールなどと揶揄されてしまうこともあった。但し、使用率の高い天敵ことプロヴィデンスの存在や、慣れれば軸合わせで簡単に射撃を差し込めることから対策は確立されており、上手い人は「マワール」に頼らず普通に戦ったほうが早いようである。
なお、パイロットのスウェンはアーケード版には登場しておらず、PS2版からの登場である。
EXVSシリーズ
コスト2500の機体としてFBから、特殊格闘に連ザに無かったアンカーによるワイヤーアクションと、アシストのヴェルデバスターを引っさげ参戦。メイン射撃のビームライフルショーティーは連射できるものの誘導性がいまいち。が、その分キャンセルルートが豊富で即ダウン力のあるサブ射撃の2連装レールガン・弾幕量に優れた特殊射撃のビームライフルショーティーの回転撃ちに繋げれる射撃コンボが可能。これによりによるトリッキーな動きと華麗なガンアクションでスタイリッシュに戦える。上で述べた回避武装のワイヤーアクションはブーストゲージ0でも使用可という回避用武装の中でもトップクラスの優良武装。これのおかげで生存率も高い。
しかし、メイン射撃の誘導が悪い+特殊格闘は回避専門の武装。それゆえ、この機体の戦闘スタイルを知る相手からはあえて放置されて相方が集中攻撃されやすいという弱点もある。
先で述べたように射撃武装は優秀なので、時には後方支援役を引き受けることも必要である。
EXVS2では大幅に弱体を受けており主にメインの弾数が減少、サブ射撃はリロード時間増加に加えて弾速、誘導の低下など。後のアップデートで多少はまともに戦えるようになった。新しいコマンドとして格闘CSにレバー入れでブルデュエルを呼び出せるようになり、ロックした相手に斬りかかる単発の格闘アシストでヒット時にはスタンするというもの。
上手く戦場を引っかき回して、クール且つカッコよくキメてやろう。
立体物
ガンプラ
SEED HG
最初に発売されたストライクノワールのガンプラで、2006年6月にSTARGAZERシリーズのトップバッターとして登場。
後に続くヴェルデバスターやブルデュエルとは異なり、SEED HGエールストライクからのパーツ流用は一切無しの完全新規造形で、肩関節にはアカツキで採用されたアレイ型ボールジョイントを、フロントスカートの可動もデスティニーで採用されたボールジョイント化など、当時の最先端技術が複数導入されたキットでもあった。
特にフロントスカートは説明書には書かれていないものの中心で切り離すことで1/144サイズでもフロントスカートの左右独立可動が出来るようになったという点では衝撃だった(それまでは左右が一本のプラ丸棒で繋がっているだけの簡素なもので片方が跳ね上がればもう片方も同様になるのが当然だった)。ただし初期モデルというのもあって切り離した場合はかなりプランプランな状態になってしまう。
また、先程のアレイ型肩関節もABS製で劣化するとプランプランになってしまう為、この方式の肩関節が現在採用されることはほぼなくなっている。
当然、ストライカーパックは既存のHG規格の物と共通であり、後のHGCEウィンダム付属のジェットストライカーやビルド系のストライカー規格装備なども装着可能。
ただし、ランチャーストライカー及びソードストライカーに関してはストライクEの独特な形状により肩用のパーツは装着不可となっている為、アナザーストライカーパックに改造する必要がある。
初回生産版には特別リーフレットのほか、2006年時点のバンダイの製品紹介PVとSTARGAZERのPVが収録されたDVDが付属していた。
マスターグレード
2007年にエールストライクのランナーを流用して発売されている。
上述したデュエルのグレネード付きライフル二丁も付属しており、デュエル本体を差し置いてライフルが先にMG化されるという事態になった。その後、本家デュエルがMG化したのは5年後の話である。
こちらもストライカーパックはバックパックのみ全てが装着可能。
本体であるストライクEは、後に「MG ストライクE+IWSP ルカス・オドネル専用機」で流用されている。
アクションフィギュア
MS IN ACTION
同ブランドが終焉を迎えていた時期の登場というのもあってEXTENDED MS In Actionでの発売となっている。アンカーギミックは省略されたものの、本体の可動範囲はかなり優秀でノワールストライカーのギミックも完全再現されているなど評価は高い。
ROBOT魂
STARGAZER放送からちょうど10年目の2016年に発売されたのだが…同ブランドの商品としては屈指の地雷商品で有名。
まず、税込み7000円超えというとんでもなく高価な値段。比較対象として3年前発売のパーフェクトストライクが税込みでも5000円を切っていたのを考えるとこの3年でコスト高騰の影響を受けたのが分かる。それ抜きにしても前年に出た同ブランドのフリーダムは発売当時6000円を切っていたので割高気味である。
次いで、完全新規造形をうたっておきながら既発のエールストライクのギミックを流用している可動。ROBOT魂エールストライク自体は評価は高いものの、ストライクノワールの場合はその流用部分がエールストライクより向上どころか改悪されており、その極めつけが腕が水平以上まで上がらないというもの。この制限のせいでビームライフルショーティーがかなり構えづらくなってしまっており、実際に買った人からは「工場で作業員に左右の可動軸を間違えて逆に組むよう指示してしまっていたのでは」と考察されている。しかし左右を組み直しても並以下なのでこんなストライクノワール改造を推奨する専用トピックまで出来た。→ROBOT魂ストライクノワール改造まとめ
さらに顔の造形もツインアイが完全に隠れて馬面気味だったり、エールストライクにはあったつま先の稼働までオミットされたせいで白兵戦型の機体にもかかわらず地面に足つけたポージングにも制限がかかったりと価格に見合わない酷いところばかりが目立っている。明らかに手抜き商品を高い金で買わせようという目論見で作られたとしか思えない…。
このため、早い段階から大幅な値引きがされて投げ売られる事態になってしまった。