機体データ
型式番号 | GAT-X131 |
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全高 | 18.26m |
重量 | 81.48t |
装甲材質 | トランスフェイズ装甲 |
動力源 | バッテリー |
所属 | 地球連合軍、大西洋連邦 |
パイロット | オルガ・サブナック |
概要
国防連合企業体が開発した3機の第2期GAT-Xシリーズの内の1機で、「災厄」の名を冠する。
パイロットは地球連合軍のブーステッドマンであるオルガ・サブナック。
第1期GAT-Xシリーズのデータを基に生体CPU専用機として開発され、同シリーズの1機・GAT-X103 バスターの系譜に属するMS。
トランスフェイズ装甲の採用に伴い、砲戦型MSと言うコンセプトに即して余剰電力の大半を火器に回した事で、バスター以上の攻撃力を実現している。
視野の広い後方からの支援砲撃を主任務とする機体特性から、指揮官機としての機能も備える。
強化ステージが低めで比較的冷静なオルガをパイロットに選ばれたのはその為なのかもしれない。
『SEED MSV』の設定では、開発過程で「リビルド1416プログラム」に組み込まれているとされる。これはGATシリーズに採用されているストライカーパックシステムを更に細分化し、「改変」とも呼べる域の換装機能から多彩なバリエーションを生み出す万能機開発計画である。
『SEED ECLIPSE』のコミック解説では、カラミティの開発は当初から飛行(エール)、格闘(ソード)、砲撃(ランチャー)の3種類が計画されていたが、連合からの要請で砲撃型の設計が優先され、それが本機GAT-X131として完成したとされている。言わば「ランチャーカラミティ」のポジションがこのカラミティである。
格闘武装を装備していないバスターの問題点を解決する為、連装砲を装備した盾の先端に刺突可能な衝角を採用している。
各部の高出力スラスターにより高い機動性を備え、地表、水上をホバー移動する事も可能である。スラスターの量が多い事から実は機動力自体は高い。さらに、ストライクから発展したX100フレームの最新型であり、可動域や汎用性に富んでいる。
ただし、飛行能力は持たない為、大気圏内では同じ後期GAT-Xシリーズのレイダーの背に乗って移動する。
後期GAT-Xシリーズで唯一飛べない事と重量級の機体かつ砲撃機体故に、鈍足な印象が強く全備重量は81.48tにもなるが、後期GAT-Xシリーズの中で最も軽い(一番重いのはフォビドゥンの85.33t)。
ランチャー型は生体CPU専用のOSを採用し、オーブ解放作戦で初投入されている為、ムルタ・アズラエルもしくは彼に同調する軍の関係者からの要請とされる。
因みに、似たような事例としてはレイダーの基礎設計を流用した生体CPU専用のレイダーを開発し、オーブ解放作戦に間に合わせている。
武装
125mm 2連装高エネルギー長射程ビーム砲「シュラーク」
バックパック部に接続された背負い式の連装ビーム砲。「シュラーク」はドイツ語で「打撃」を意味する。
通常のビームライフルの2倍以上の砲身・口径と、高い出力・連射性を併せ持つ。
その為、本機は移動砲台として高い適性を持つ。
エネルギー供給はバックパック内の大容量バッテリーから賄われる為、安定した威力を誇る。
337mmプラズマサボット・バズーカ砲「トーデスブロック」
携行式の大型バズーカ砲。「サボット」とは「装弾筒」、「トーデスブロック」はドイツ語で「死刑台」や「死の塊」を意味する。
サボットの名の通り弾頭をプラズマに包み高速射出する。プラズマの帯びた高熱エネルギーにより弾の威力も増加しており、着弾地点周辺に大きなダメージと衝撃を与える。
しかし、実弾兵器ではある為フェイズシフト装甲は貫通出来ない。
マガジンは砲後部に存在し、取り外し出来る。
580mm複列位相エネルギー砲「スキュラ」
胸部内蔵の大出力ビーム砲。名前はギリシャ神話の怪物「スキュラ」に由来する。
第1期GAT-Xシリーズのイージスでその威力を立証され、本機の主砲として採用された。
攻撃範囲が広いだけでなく、本機の装備構成的に発射までの隙が少ない為に接近する敵機に対する牽制としても活用される。
作中では、パーフェクトストライクの接近を許した際にゼロ距離で発射し距離を取る事に成功している。
115mm 2連装衝角砲「ケーファー・ツヴァイ」
射角を変更できるビーム砲を搭載した複合兵装防盾システムの一種。
「ケーファー・ツヴァイ」は、ドイツ語で「甲虫」と「2」を意味する。
ローラシア級の装甲部材を参考にした高い耐弾性を有する対ビームシールドで出来ている。
対ビームコーティングを施しただけの対ビームシールドよりは強固な様で有り、ストライクダガーの対ビームシールドを容易に切り裂いていたパーフェクトストライクのシュベルトゲベールを平然と受け止めている。
剣先状になっている先端は近距離格闘戦時に衝角の代わりにもなる。
劇中での活躍
レイダー、フォビドゥンと共にオーブ解放作戦を初陣として出撃し、唯一地上(オノゴロ島沿岸部イザナギ海岸)に降ろされるも、その砲撃能力を活かしてイザナギ海岸を守っていたオーブ国防軍の新型MSM1アストレイの部隊を単機で蹂躙した。
更に片手間でレイダー・フォビドゥンと戦っていたフリーダムへ遠距離射撃も行っていた。
その後、フリーダムを援護する為にジャスティスが参加した事から興味を惹かれ、地上制圧は二の次にフリーダムとジャスティスを狙う様に成る。
しかし、フリーダムとジャスティスがその機動性を活かして射撃を回避し続ける為、それに付き合う様にビーム兵装を乱射した結果短時間でエネルギー切れに陥り、レイダーのパイロットクロト・ブエルにバカにされている。
宇宙に上がってからはドミニオン隊に所属する。
L4コロニー群の戦闘ではフリーダムとジャスティスを相手にする。
レイダーとドミニオンとの連携によりフリーダムを撃墜寸前まで追い詰めるも、スキュラ(後述)の発射に対してジャスティスの割り込みを許し、ラミネート装甲シールドに防がれた上にビームを押し返され発射口を損傷させられた。
またフリーダムにシールドを囮にされて接近を許し、ビームサーベルで「トーデスブロック」を切断された。
一方、フレイ・アルスターの乗った救命ポットの回収を任され、是が非でもポットを回収しようと先行したフリーダムをレイダーとフォビドゥンが抑えたこともあり回収に成功する。
これによりフレイからニュートロンジャマーキャンセラーの設計データ(厳密にはフリーダムとジャスティスの設計データ)がアズラエルへ渡り、連合のMk5核弾頭ミサイルが解禁される事に成った。
なおこの戦闘ではオーブ解放作戦の経験から僚機との連携を学んだ事に加え、無駄撃ちを控える様に成った為エネルギー切れを起こす事は無かった。
ボアズ攻防戦やヤキンドゥーエ攻防戦ではピースメーカー隊の防衛をこなしながら、猛威を振るう。
しかし、ミーティアを装備したフリーダムとジャスティスの連携によって、背後から大型ビームソードで横薙ぎに斬り裂かれて撃墜された。
撃墜シーンはかなり短時間だったから呆気ない死に方と言われることもあるが、目の前でミーティアの大型ビームソードを振るわれ間一髪の回避で気を取られた瞬間に、視認困難な距離から全速力で突撃してきたもう1機のミーティアの大型ビームソードで背後から真っ二つにされている為、フリーダムとジャスティスのコンビが一切容赦なかっただけであり、この時点での他のパイロット及びその機体がこの攻撃を回避出来たかは怪しい所である。
バリエーション
リビルド1416プログラム仕様機
カラミティの格闘戦仕様。型式番号GAT-X133。
機体の各部を換装し、砲撃戦に特化したオリジナル機とは違い接近戦に特化した調整が加えられている。
カラミティの空戦仕様。型式番号GAT-X130。
機体の各部を換装し、専用の飛行モジュールと空戦用複合兵装「アドラー」等によって航空戦力に特化した調整が加えられている。
アクタイオン・プロジェクト仕様機
カラミティをベースにして作られた強化発展機。型式番号GAT-X131B。
GAT-Xシリーズ再生プロジェクト「アクタイオン・プロジェクト」の一環で開発される。
僚機のゲルプレイダーとロートフォビドゥンと同様に、武装を倍近く搭載されて火力は倍以上に増やされ、人工知能「80」によって無人制御で稼働する。
更に「トリオシステム」と呼ばれる連携機能によって3機で編成を組むように構成される。
ビーストカラミティ
『電撃ホビーマガジン』誌上にて連載されていた「オリジナル ガンダマイズ ミッション!」に登場したカラミティの作例バリエーション。
TMF/A-802 バクゥと組み合わせた可変MSとなっている。
立体物
本放送時に1/144スケールでコレクションシリーズとHGシリーズが発売。
のちにリマスター化に合わせて成型色変更、マーキングシール追加、アクションベース対応ジョイント付属のリニューアル版が発売された。
2021年には1/100スケールが『FULL_MECHANICS_1/100』にて発売。
カプセルフィギュア「SDガンダムフルカラー」にラインナップ。トーデスブロックを構えた固定モデルとなっている。※現在、入手困難
余談
本機の生産数は派生機も踏まえて少数と成っている。
先に設計された制式機をマイナーチェンジしたレイダーや採用技術から水中戦に特化した後継機が量産されているフォビドゥンと比較して少なく思われるが、既にバスターをベースとする砲撃型の量産機が開発されている状況で有った事もあり、増産される事は有りながら、本機をベースとする量産機は開発されていない。
量産に向けたアップデートが無い為、後のブラウカラミティの建造費用が破格の数字に成ってしまっている。
また、本機に採用されたリビルド1416プログラムもストライカーパックシステム以上の成果を出せなかった為か、本機種以降の機体に採用されていない。
劇中にて出撃する際、一度だけ「131、発進よろし」と型式番号で呼ばれている。実は、『SEED』シリーズにおいて戦闘時に型式番号のみを呼称した唯一のシーンである(型式番号と機体名を並べて呼ぶこと自体はストライクフリーダムの発進シーンなど少数ながら存在する)。後の出撃時には「カラミティ、発進よろし」に改められている。
HDリマスター版のオーブ戦にてフリーダムとの交戦の際にシン・アスカの家族が、2機の放った砲撃の衝突によって発生した衝撃波に巻き込まれ死亡したかの様に描かれている(実際に衝突したシーン自体は描かれていない)。
ただしこの論調(本機とフリーダムが家族の仇)を採用するとシンの憎悪が戦争そのものでは無くその2機へ向いてしまう事から、最終戦において「理想に沿う形で創り出された」シンの決め台詞が全くの無意味に成りかねないと言う声も根強く存在している。
また、TV版では本機を狙ったフリーダムによる対地攻撃の余波で死亡した様に描かれているが、『DESTINY』本放送時の最初のアークエンジェルの武力介入時に「シンがフリーダムを知らなかった」事に成ったため辻褄合わせに変更されたという意見がある。
しかし『SEED』にフリーダムが地上にいた本機を狙って攻撃したシーンは一切存在しない(むしろ本機から一方的に対空攻撃されていた側だった)。
更にフリーダムはレイダー・フォビドゥンと高高度で交戦しており地上にいるシンからは豆粒程度にしか見えなかった為、寧ろフリーダム(の姿形)を知らない方が自然ではあった。
そもそも、シンは妹の携帯に注意が向いており家族がどのようにして死亡したか一切目撃していない(崖下の携帯を拾いに行って爆風で吹き飛ばされ家族の元へ戻ったら死亡していたという流れ)為、特定の機体を仇とすること自体が不自然だった。
小説版ではシンが見上げた空に浮かぶ彼の家族の仇は「上空を飛び交う死の天使たち」と形容されている。
自分達の遥かな高みにいる「死の天使たち」を天から引きずり落とす力を求めて、シン・アスカはザフトに入隊することになる。
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