概要
アクタイオン・インダストリー社主催のGAT-Xシリーズ再生プロジェクト「アクタイオン・プロジェクト」の一環として開発されたGAT-X370 レイダーの強化発展機。
GAT-X370 レイダーは、GAT-Xシリーズで当初から量産化を想定したGAT-333 レイダーの基礎を流用した先行完成機であり、このゲルプレイダーはその先行完成機をさらに発展させるというコンセプトで開発されている。
I.W.S.P.を分解し再設計した追加ユニットを背部と脚部に装着し、火力と機動力をおよそ2倍に増強している。推力の増加によりMA形態での速度は理論上ではおよそ2倍近く出すことが可能とされるが、実際は1.2倍程度である。脚部に副翼が追加されたため、より安定した飛行を実現している。
なお「ゲルプ」とは、黄色を意味する独語。
ブラウカラミティ開発時に大量の予算を使ったしわ寄せとしてロートフォビドゥン同様に原型機のGAT-X370 レイダーの再生が出来ず、ベースには量産機であるGAT-333 レイダーを使用、武装レイアウトには先行完成機の装備が踏襲されている。
もっともGAT-X370 レイダー自体がGAT-333 レイダーからの派生機であったため、素体としての問題点は特にない(フォビドゥン系は機体の環境適応まで改造する必要があるため)。武装類も流用が多いこともあり3機の中では比較的費用が掛かっていない。ゲルプレイダーより前に開発されたとされるブーストレイダーと比較しても機体バランスはそれほど悪くなく、他の2機と比較しても安定した性能を持つ機体となった。
基本的にブラウカラミティやロートフォビドゥンとの運用を前提に設計されており、人工知能「80」を搭載した無人化によりトリオシステムと呼称される連携システムも導入されているが、他の2機と異なり単独運用にも対応。レイダー本来の汎用性を保持した結果と言えなくもない。
トリオシステム
「8」に作らせた人工知能コンピュータ「80」(ハチマル)同士のリンクにより戦略的連携を可能としたシステム。DIアダガに搭載されていたバディシステムを模倣した機能だが、こちらはパイロットを必要としない完全無人のシステムとなる。
それぞれの「80」による思考パターンにより有利な答えを想定し、ターゲットを撃墜する効率の良い戦略を導き出すことで戦況を優位に立たせる。「80」同士のリンクが必要なため、最低2機以上は必要であるが、フォーメーションを実行できる3機以上の連携がベターとされる。
暴走抑止の為に搭載機のいずれかにパイロットを搭乗させる必要があるが、「80」が自動的に操縦を行うためパイロットはただ座っているだけとなる。ただし何もしないわけではなく、「80」を管理する重要な役割がある。
いずれパイロットなしでも連携できるよう改良する予定ではあるが、コンピュータ同士の連携自体が困難であることに加え、暴走した際の処理の問題があるため、結局このシステムは正式採用を見送られている。
武装
- 超破砕球「スーパーミョルニル」
鉄球の突起がより鋭くなり、なおかつバーニアの加速により打撃力が増している。
- 2連装52mm超高初速防楯砲
下記のビーム砲との併用により実弾とビームとの使い分けが可能。
- 115mmレールガン / 105mm単装砲
背部に装着したI.W.S.P.の流用武器。原型より威力は若干向上、命中精度も増している。主にMA形態での使用を前提としているが、基部をスライドすることによりMS形態でも使用可能。奇しくもブーストレイダーに類似した武装となった。
- 100mmエネルギー砲「ツォーン」
- 短距離プラズマ砲「アフラマズダ」
- M417 80mm機関砲
- M2M3 76mm機関砲
以上の武装は原型機と同様のもの。ツォーンのみレイダー制式仕様にはなかったものであるため再生した。
- 2連装高出力ビーム砲
2連装52mm超高初速防楯砲の両脇に1門ずつ追加された武装。
出力が高く大口径であるため強力ではあるものの、無理に大型化したため明らかに左右のバランスが悪くなっているうえに取り付け位置も原型機と変わらないため、無重力下ならともかく重力下ではどう考えてもMA形態時に片方に傾くような構成になっている。それが解っているなら下面に装備するなどの対策を施すべきなのだが…。
関連タグ
レイダーガンダム レイダー制式仕様 第2期GAT-Xシリーズ
ブーストレイダー:直接の関連性はないものの、既存兵器の過積載というコンセプトの機体という点では同じ。ただしこちらは費用度外視なうえに過剰な武装となっているため、そこまで盛っていないゲルプレイダーのほうがまだましに見えてくる。