概要
『仮面ライダーカブト』に登場する宇宙人「ワーム」の幼体。緑色のゴテゴテとした蛹のような装甲が特徴。いわゆる戦闘員ポジションであり、携行火器でも倒せる。
身長・体重はおよそ214㎝/124㎏くらいらしい。
ワームはある程度成長すると脱皮して成虫になり、地球の虫に似た姿になる。こうなると厄介で、特殊な技を使うほか、クロックアップして超スピードで戦闘を行う。
また、ワーム最大の特徴である人間への擬態能力はサナギ体の時点ですでに保有している。なお、設定上はサリスと言う名称がある。
『仮面ライダーディケイド』以降の作品では戦闘員として登場することが多く、『仮面ライダーOOO』ではショッカー戦闘員の生き残り・千堂院の欲望から出現した、戦闘員ヤミーに交じって出現している。
『仮面ライダージオウ』ではカブト編の第37話で地球に落下した隕石から続々と孵化、人間に擬態して暴れ回っている。その内の1体はグリラスワームに変態し、他にも影山瞬に成り代わり、パンチホッパーに変身している個体がいる。
なお、何体かは地球に到達する前に、宇宙空間で隕石と共にジオウフォーゼアーマーに粉々にされている。
サリス変異体
人間態:菊地謙三郎
ワーム(サナギ体)の突然変異種で、TV本編では第14話のみに登場。その名の通り普通のサナギ体と違い表皮が白く、また、外殻の強度も通常の者より高いとされている。
通常のワーム(サナギ体)との最大の差異は、常にタキオン粒子が体内に流れているため、成虫にならなくともクロックアップを行ったり、クロックアップした仲間やライダーを視認できるという点である。
ZECT内部に居ると睨まれていた、ワームへの内通者の正体・シャドウ隊員の井口浩二に擬態し、彼の情報を基に影で元シャドウの隊員を次々と殺害していた(井口の「俺を守ってくれるんじゃなかったのか」と言う台詞から、彼の身の安全を保証する代わりに、情報を横流しさせていた可能性が高い)。
しかし「囮に罪を着せたまま口封じしようとする者が内通者」と踏んだ影山瞬の策略で(と言ってもその実、加賀美新に無断で濡れ衣を着せ、身を追われた彼が殺される前提で組まれた、当人の意や命を一切考慮しないものであり、加賀美の携帯を借用して殺害された隊員に電話を掛け、隊員のデータを添付しておくと言うアリバイ工作まで行い、岬祐月やZECTの隊員と言った現場クラスの人間にも、何一つ真相を伝えず作戦の駒として利用するという、徹底的な他者利用であった)、井口が加賀美を銃撃し内通者だと知られてしまう。
加えて現場にいたカブト=天道総司がクロックアップで加賀美を助けていた(被弾したと見えてその実天道が突き飛ばしていた)際、タキオン粒子を持つワームやライダーしか視認できない、クロックアップ中の自分の挙動を追っていた隊員がいたことで、自分が井口に擬態し隊員に紛れ込んでいた事実も発覚した。
正体がバレたため、井口を用済みと判断し本人を殺害。
間もなく擬態を解いてライダー達と交戦。カブトクナイガンで滅多切りにされ、『ライダーキック』で止めを刺され……る直前に背後からドレイクが放った『ライダーシューティング』を受けて爆死した。
ちなみに最後まで成虫態に脱皮することはなかった。
立体化
食玩の『SHODO OUTSIDER 仮面ライダー』第4弾で「ワーム(サナギ体)」の名義で販売。
ディテールの再現の素晴らしさは無論、最大の特徴に肩の装甲が胴体に付随しているのが主流のSHODO規格の中では珍しく、装動と同じ腕に肩の装甲を取り付ける仕様となっている。
これにより、肩の装甲が動きを阻害せず、自由な腕のポーズが可能になっている。
また、股関節の上下運動ギミックも搭載、全身でより細かいポージングが可能……と言いたいが、太股の装甲の大きさにより、上記のギミックを活用しても、下半身の動きが乏しいのが実情(ある意味、先に発売された最強のネイティブの真逆と化している)。
更に特徴的な頭部の形状から、首の可動域は0である(尚、後頭部は別パーツになっている)。
また、SHODO規格では珍しく、大半のパーツが硬質プラスチックで作られている。
余談
「戦闘員がパワーアップして怪人になる」設定は後の『仮面ライダー鎧武』のインベス、『仮面ライダードライブ』のロイミュード、『仮面ライダーゴースト』の眼魔等も同じであり、一部のスーパー戦隊シリーズにも受け継がれていくことになる。
『ディケイド』に登場した個体の門矢士への擬態はもちろん井上正大氏が担当しているが、「自分を攻撃できるのか?」とディケイドを煽る際にスーツアクターである高岩成二氏が井上氏の煽り方にイラッときて演技を忘れてしまい頭と顔を結構強くひっぱたいてしまっている。
サリス変異体は媒体によって「白いワーム」、「変種サナギ体・白」、「ワームサナギ体(白の変種)」、「白ワーム」、ゲーム版では「ワームサナギ体(白)」と名称が異なっている。ちなみにバトライド・ウォー等のゲームにおいて登場する際は、通常のサナギ体よりも耐久力が高く設定されている。
井口を演じた菊地氏は仮面ライダー龍騎の神崎士郎でお馴染みだが、約1年後に芸能界を引退し、これが最後の特撮出演となった。
関連イラスト
関連タグ
初級インベス、下級ロイミュード、眼魔アサルト:後のシリーズにおける怪人にパワーアップする戦闘員。
邪面師、ワルド:スーパー戦隊における戦闘員がパワーアップした戦隊怪人。