概要
『仮面ライダーカブト』に登場する怪人の1体。
蠍のワームで、本編開始の1年前に神代剣の姉・神代美香を殺した。それ以来剣はスコルピオワームを仇として狙っており、ワームと戦っていた。
武器は両腕のクローと伸縮自在の辮髪。肉弾戦ではカブトと互角以上に戦う。
辮髪の猛毒には洗脳能力があり、同じく幹部クラスのカッシスワームを洗脳させ、屈服させている。
正体
仮面ライダーサソードこと「本編の神代剣」の正体で本物の剣は姉と共に殺されているが、殺される寸前に剣がワームに対する激しい憎悪を抱いた為(もしくはスコルピオの擬態精度が高かった為)、剣に擬態した際にワームとしての自覚が失われ、自身が剣だと思い込んでしまっていた。
闘争本能が昂ぶったり、サソードのライダースラッシュを発動することで、スコルピオワームに戻るようになったが、剣に戻った時はスコルピオワームとしての記憶は残っていない。
実は初登場回の次回でワームに変貌している。
第29・30話で加賀美新は剣の変貌を2回目撃し、第31話ではじいやも現在の剣=ワームと知った上で本人に仕えていることが明らかになった。
最期
暫くは変貌しない状態が続いていたが、第45話にてカッシスワームとの戦い後に闘争本能が高まり変貌。
続く第46話で剣を追って現れた彼の能力で強制的にスコルピオワームに変貌させられ、自分が姉を殺したスコルピオワームである事を知ることになる。剣は絶望の末、軍門に下るよう誘うカッシスワームに「全てのワームの頂点に立つ男」と称し、逆に自身のワームとしての能力で配下につける。そして散り散りになっていたワームを一箇所に集め、ライダーとの最終決戦を宣言した。
剣はカブトに執着を抱いていたため、1対1のタイマン勝負を挑んだ。そして天道との最後の戦いにおいて、天道と交わしていた「約束」通り、岬が、剣に用意していたプレゼントの指輪を彼が付けていたことに気づき、必死に天道に停戦を懇願する中、ハイパーカブトのマキシマムハイパータイフーンを受け、ワーム諸共倒される。
剣は全てのワームを自分が倒す願いを叶えるべく、自分自身も倒される道を選んでおり、加賀美の前で人間の心を捨てたように振る舞っていたのも自分でワームを率いて最終的に根絶させるためだった。
最期は人知れず戦場を離れて剣の姿に戻り、神代家にてじいやに看取られながら永遠の眠りについた。
彼が亡くなった日はクリスマスイヴで本当ならかねてからアタックしていた岬祐月との初デートをするはずだった。岬との恋は悲恋に終わってしまった。
「ねえ、じいや…」
「なんで、ございましょう?」
「眠っても、いいかな…?」
「ええ、ええ。何も心配することはございません。じいがずうっと、傍にいますから」
「ありがとう、じいや…」
序盤から中盤にかけてコミカルなキャラ付がされ、どこか憎めないキャラだった剣の(本人がワームという事で、ある程度予想できた事とは言え)終盤における畳み掛けるかのような悲劇性は、当時の多くの視聴者の涙を誘った。
ゲームにおいて
放送当時発売されたプレイステーション2用格闘ゲームでは、使用可能キャラの1体として登場している。
本編で死亡する前に開発されたソフトである為、ストーリーモードでは原作と異なる形でカブトに倒されている。
関連タグ
ウルフオルフェノク:正体を隠して戦っていた仮面ライダー、怪人を人間として生きると誓った者を除いて(ただ一人を除きだが、その一人も社会的な死に追いやる)滅ぼす事を成し遂げた。
ジョーカーアンデッド:カブトムシがモチーフの主役ライダーの前に立ち塞がるサブライダーが変身した上級怪人。怪人でありながら人間の心が怪人の本能を上回り、ライダーとして戦っていた。
ソラ:人間の人格が怪人の人格を上回った人物。ただし、彼は最初から怪人である自覚があった。
ロード・バロン:主人公のライバルが変身した怪人、「モチーフが元のライダーと同じでシルエットも似ている」「ライダーの時とは比べ物にならないほどの強さを持つ」「物語終盤で怪人達を率いて人類の敵になり、主役ライダーと激闘を繰り広げる」「最初はライダーの姿で戦うが、途中から怪人の姿で戦う」「最終的には主役ライダーの最強形態に敗れ死亡する」という共通点がある。
アークスコーピオン:蠍がモチーフのボス。主人公との最終決戦に挑むが、結末は真逆。ただし、続編で…。