天城(艦隊これくしょん)
あまぎ
ただし、2015年2月6日の実装以前のイラストはオリジナル艦娘である。
なお、旧日本海軍の空母「天城」は2隻存在する。実装されたのは雲龍型空母のものであるが、もう一隻の「赤城」の姉妹艦で未成艦となった「天城」についても相当数が投稿されており、後段で触れることにする。
「雲龍型航空母艦、天城と申します。提督、どうぞよろしくお願い致します。天城、精進致します!」
DMM.comより配信中のブラウザゲーム『艦隊これくしょん』に登場する正規空母の1隻である。
2015年2月6日に開始された期間限定イベント『迎撃!トラック泊地強襲』にて初実装。
モチーフは、太平洋戦争中に改マル5計画で建造された雲龍型航空母艦の2番艦・天城である。
雲龍型は飛龍の小改良型であり、緑を基調とした迷彩塗装が施されている。
ミッドウェー海戦で南雲機動部隊こと赤城・加賀・飛龍・蒼龍の空母4隻を失った事で、失った戦力を補う為に急ピッチで量産が進められたが、結局竣工した1944年には情勢が悪化して殆ど活躍出来なかった悲劇の空母シリーズである。
彼女が竣工したのは1944年8月10日。マリアナ沖海戦で機動部隊として機能し得る練度のパイロットの多くが失われた後、更に言うなら瑞鶴がエンガノ岬沖海戦で囮として沈んだ、瑞鶴が図鑑内の解説で言うところの「文字通り、最後の機動部隊が壊滅するその日」の直前だったのである。
これらの事情から天城は空母でありながら対空砲台として扱われていたが、呉空襲で米軍の攻撃を受け、横転着底して沈んでしまう。
だが、妹の葛城は終戦まで生き残り、現存する数少ない大型艦艇の復員船として最後の奉公を成し遂げた。
ゲーム中では、姉の雲龍は建造終了時や03:00の時報などの台詞で天城について触れる事があり、実装が期待されていた。
そして実際に2015年冬季イベントのE-5突破報酬として登場。甲作戦で挑んだ場合は連合艦隊ステージでは史上最難度となったが、乙作戦・丙作戦でも彼女を手に入れることは可能。それを承知であえて困難な甲作戦(トリプルダイソン)に挑み、甲種勲章と天城の両方を手に入れることを「天城超え(越え)」と言う提督もいるとか…
長い茶髪をポニーテールに纏め、前髪左を赤い「楓と結袈裟」の髪飾りで耳後に留め、タレ目気味の瞳は薄茶色。左目尻には泣き黒子がある。
上は松・道路・土・擬装網の柄をあしらった緑色の振袖を着用。
この振袖は、史実において米軍からの空爆を避ける為に甲板上に施した草木による偽装が由来であることが、くーろくろ氏のツイートで明かされている。
しかしながらこの偽装は米軍側からはバレバレであり、ある時「甲板上の植木が枯れかかっていますよ。新しいものに交換してはいかがでしょう?」と書かれたビラを撒かれるという屈辱を味わっている。
腰帯も飛行甲板の迷彩を再現したパターンを採用している、というより、これが飛行甲板である。
飛行甲板を帯として使用しているのは、擬装によって飛行甲板としての機能が失われていることの再現であるらしい。だからといって、ゲーム中で艦載機が飛ばせないということはないが。
足には白足袋を履き、その上から高下駄のような主機を靴として履いている。
今までにも和服(弓道着や巫女服っぽいもの)を着用していた艦娘はいたが、ここまで戦装束には相応しくない純和服を着用した艦娘は(正月限定グラフィックの晴れ着姿の艦娘を除けば)初めてとなる。
ちなみに他の正規空母にもれず、見事な巨乳の持ち主。(瑞鶴や妹の葛城は貧乳で描かれる場合が多い)
ただし、若干着膨れしているようで、本来の胸の大きさは重巡並のイメージで描かれている。
その理由として、同時期に建造が中止あるいは艦種変更で機関が余剰となった改鈴谷型(伊吹型)二隻の機関を流用しているため。
なお、妹の葛城も他艦から機関を流用しているが、こちらは陽炎型(駆逐艦)のものを流用している。
また、赤城さんのお姉さんになるはずだった方の天城にも機関周りに関するエピソードがある。(詳細は後述)
艤装は腰からシールド状の装甲ユニットが左右から前にせり出し、その外側面には対空機銃座が設けられている。また、右装甲の内側面には艦橋らしき構造物も見受けられる。
また、背中には黒い布袋を背負っているのが窺えるが、この布袋には改になって手に持つようになる旗竿が収納されているらしい。
天城改
以前の振袖を見事に脱ぎ捨て、姉である雲龍に似た胸開き+腹出し+ミニスカと一気にはっちゃける。
具体的には胸元の大きく開いた緑迷彩柄の半袖ビキニアーマー(布製にも見えるが、実際には鉄製であるようだ)を、胸下を赤紐で縛るように着用し、下は袴のように左右臀部の露出した緑色のミニスカートを履いている。結果的に腹部が大きく露出した格好となった。
足には太腿部分に迷彩柄、脛部分には鼠色の布を着用。ソックスとは違うようで、関節部でしっかりと分かれている。また膝当ての装甲も完備。
足先は改造前と同様白足袋に高下駄型の主機を履いている。
ちなみにこの高下駄は、史実でのネーミング元になった天城山の天狗伝説から取られたものであるらしい。
下着の着用は確認できないが、中破絵から、下半身はともかく上はノーブラの可能性高し。もしくは姉の雲龍同様に黒紐による網目状の下着を着けている可能性はある。
艤装は以前と同様の左右シールド型だが、対空機銃座が増設されている上、右シールド内面にあった艦橋ユニットをアサルトライフル(PDW)のように右脇に抱えている。これが最初から分離可能だったのかは不明。
左手には改造前に布袋に入れて背負っていたと思わしき姉の雲龍同様の幟型飛行甲板がついた旗竿を持つ。ただしこちらの杖先は、雲龍の旗竿が龍玉がついた祈祷杖であったのに対し、神楽鈴となっている。
改とそれ以前で劇的に服装が変わるが、改装前の中破絵でも、振袖の下に改の衣装を纏っていることが見て取れ、くーろくろ氏自身のツイートでも言及されている。
改で振袖を脱ぎ捨てたのは、偽装を外し戦装束で実戦へと赴く、彼女の決意の現れであろう。まさにキャストオフ。
とはいえ、改造によって貴重な和服美人枠が失われることを残念がる声があるのは致し方ないことなのかもしれない。
なお、初期の中破絵は改造の前後で共通したポーズで、力ない表情で横たわっているものとなっていた(改造後については後日変更された)。
これも史実における最期が、空爆による浸水で横転、そのまま終戦を迎えたというものに由来するものと思われる。
ただ、そのような由来以前に「どう見ても事後」、または「働いたら負け」「でかい初雪」であるともっぱらの評判である。
また、そのポーズを _(:3」∠)_ のAAで表現されることもある。
近年実装された対空カットインに至っては、突き出したお尻がカットイン発動時の爆炎と重なるせいで放屁に見立てられてしまう始末。
2015年7月31日のアップデートで、天城改の中破グラフィックが更新された。
これにより、無改造時の差分であったものが完全に別のものになっている。
横たわっているという点においては変わらないが、こちらに形の良いお尻を向けつつ、困ったような表情で見つめ返すようなアングルへと変化している。
どう見ても押し倒されている図です本当にありがとうございました。
また、衣装の破損も大きくなっており、鉄ブラが取れて、これまた形の良い胸部装甲がその本来のフォルムを見せるようになっている。ノーブラ疑惑もあったが、一応、白い布ブラは付けていたようである。
2016年元日のオンメンテにて晴れ着modeが期間限定で実装された。
錦織の振袖で、帯の根付にさりげなく艦載機式神の切り紙を付けている。
中破時にはしゃがみこみながらも、折本型の飛行甲板を展開して気丈にも応戦しようとしている姿になる。
育ちのよい箱入り娘といった雰囲気の、清楚で気立てがいいキャラクター。真面目に、それでいて朗らかに、日々の雑務をこなす様子が時報で見て取れる。
なお、セクハラを敵襲と勘違いして対空射撃の命令を出した後に、それが提督であることに気付くことも。提督は機銃掃射を浴びたであろうことが予想されるが、因果応報である。
料理が得意らしく、質素な姉に比べて、彼女は朝食には味噌汁、昼食に和風カレー、夕食にカツレツとコーンスープ、と和洋問わず得意なようで、昼食の台詞から察するにボリュームも相当なものであるようだ。昨今、新規時報ボイスで料理男子(?)としての面が強くなっている提督だが、その提督の料理の腕に磨きをかけたのが天城であることが葛城の時報で窺い知れる。
また、朝餉では自分の料理が提督に気に入られたことで小声でこっそりと「…よかった」とつぶやき、間宮のオヤツを一緒に摘み、夕日のように綺麗だと褒められては盛大に照れ、深夜には提督がお化けを怖がる天城を驚かしてイチャつくなど基本的には提督に好意的なキャラクターである。
その他、時報では姉の雲龍や妹の葛城について触れると同時に、蒼龍と飛龍をさん付けで呼び、自分達の元になった二航戦を尊敬している事が窺える。ただし、一航戦や五航戦との関係は不明。
なお、編成時には『新生・第一航空戦隊』を名乗っている。
『艦これ』においてはゲーム中で『第一航空戦隊(一航戦)』を自称した空母は赤城と加賀に続いて天城が三隻目である。
いわゆる新一航戦の中核だった翔鶴型はゲーム中では五航戦を名乗っており、大鳳は自らの所属をゲーム中で語らない。
戦闘時には、自らの艦載機である烈風を「眩しい翼」と見とれる。
姉の雲龍も流星に対して感慨深げな台詞を口にするが、雲龍が実験で流星を搭載したことがあるのに対して、烈風は実戦配備すらされないまま終戦を迎えた事もあり、天城に烈風を搭載したという記録はない。
放置ボイスでは函館に懐かしい響きを感じ取りつつも気のせいだと思い直しているが、これは戦後になって、青函連絡船の修理用ポンツーンとして使用する案が出て、実際に函館まで曳航された史実に基づく台詞である。
ただし地元の造船所の機能回復もあり、1年ほど使用された後で解体処分となっている。
正規空母の中では比較的控えめなスペック。搭載値や耐久値は軽空母勢に肉薄されている。良くも悪くも低燃費型であり、通常海域で周回させるには非常に適しているが、イベント海域やExtra Operation海域などに出す場合はやや力不足か。
基本的には姉の雲龍と同一で、飛龍改二に似た搭載バランスの低燃費型正規空母であるが、雲龍と比べると火力45と若干低くなっている。
大破着底したとはいえ一応終戦まで残存していたからか、運は13→17と、竣工後4ヶ月で沈んだ雲龍と比べると若干高いが、生まれた時は既に空母として活躍できない立場に置かれていた不幸に相殺されたか、他の大破着底組と比べると低水準。
レベル50で改造可能だが改装設計図が必要となるので、熟慮のうえで改造すること。初期装備は雲龍同様、零戦52型丙(六◯一空)、天山(六◯一空)、彗星(六◯一空)の六◯一航空隊シリーズと、12cm30連装噴進砲を持ってくる。
ゲーム上では絡みが一切なかったものの、後述の先代天城(赤城の姉)と同じ名前だということで、赤城との絡みを期待する動きもある模様(→赤天)。
ライトノベル『鶴翼の絆』の作者である内田弘樹提督は、『艦これ』プレイ開始当初から雲龍型がお気に入りである事を明言しており、天城の名前もよく出ている。
『鶴翼の絆』における天城は他の雲龍型共々5巻から登場。上述した迷彩に由来する振袖をお守りとしていたが、後半瑞鶴の改装に触発された葛城によって振袖を強引に脱がされ改の姿となった(この後葛城もまた振袖を脱ぎ捨て改の姿になる)。
第二次世界大戦に関連する「天城」の名を冠した空母はもう1隻ある。それが赤城型空母・天城であり、元々は八八艦隊の天城型巡洋戦艦のネームシップであり同級の1番艦である。
ワシントン海軍軍縮条約に基づいて廃艦されかかった経緯がある。
(やや話は逸れるが、当時の日本の財政を考えるなら軍縮がなければむしろ経済的に自滅していた可能性も指摘されており、赤城や天城、加賀らにとって逆風であったとしても悪いことばかりではなかった)
だが、このワシントン軍縮条約では「未成戦艦2隻を空母に改造する事」が許されていた為、2番艦の妹赤城と共に「正規空母」へ改造される事が決まった。要するに赤城の姉である。
しかし、改造途中に関東大震災に遭ってしまい、竜骨(人間における背骨に相当)を破損。建造続行が不可能になったため、廃棄処分命令が下されていた戦艦加賀が天城の代用として空母に改造される事が決まった。
加賀が『艦これ』内の図鑑において「様々な運命のいたずら」と表現しているが、それは天城の破損がなければ彼女が空母に改造される事も赤城と共闘する事もなかった事を指していると思われる。
また、給糧艦間宮に流用予定だった加賀のボイラーがこれによって流用不可能となり、その代用となったのがこの天城のボイラーである。
なお、その後は残骸の一部が浮き桟橋の材料となり、2007年3月の空母ジョージ・ワシントン配備に伴う改築まで横須賀で他の艦船を見守り続け、以降はIHI横浜事業所磯子工場(現・ジャパンマリンユナイテッド横浜事業所磯子工場)で現役の浮き桟橋として活躍中である。
護衛艦かがはこちらの工場で2013年に起工、2015年に進水と命名を迎え、奇しくも妹と一緒に沈んだ空母の名前を引き継いだ護衛艦の旅立ちを見届けることとなった。
余談
加賀にも戦艦としての妹の「土佐」が居たが、彼女は改造される事なく廃艦処分で沈められている。
天城・赤城が本来そうなるはずだった「天城型巡洋戦艦」だが、実は天城と赤城の下に2隻の妹が居た。それが愛宕と高雄である。
「天城型巡洋戦艦」としての愛宕と高雄は空母への改造計画も成されぬまま廃艦が決定しているのだが、『艦これ』における愛宕と高雄はお馴染み重巡洋艦としての愛宕・高雄であろう。
また、似たような例として、鳳翔の妹として作られるはずだった空母の名前が翔鶴であったが、こちらも軍縮の影響で起工すらされず取り止めになっている。その為、「翔鶴型」はのちの計画で作られたまったく別の空母である。
『艦これ』と同じく「萌えミリタリ」の題材で共通している『ストライクウィッチーズ』の世界観では、関東大震災ではないにせよ地震による建造の遅延が発生しているが、「赤城型空母2番艦」として天城が存在している。
更にあちら側では愛宕と愛鷹という妹もおり、彼女達はカールスラント(『ストライクウィッチーズ』におけるドイツ)に引き渡され、それぞれ「グラーフ・ツェッペリン」「ドクトル・エッケナー」と名付けられている。
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