ヤクニタタヌ…イマイマシイ……ガラクタドモメッ!!
概要
2015年の冬イベント「迎撃!トラック泊地強襲」の最終MAP『決戦!連合艦隊、反撃せよ!』のボス。名前や後述する容姿から、戦艦棲姫の進化体もしくは上位互換だと考えられる。
彼女を完全に撃破する事で正規空母「天城」を先行入手することができるのだが、生半可な攻撃ではまともに抜くことも叶わない程のとてつもない装甲を誇る為に戦艦レ級と殴り合うような歴戦の熟練提督であっても大苦戦は免れない。
ナキサケンデ…シズンデイケ!
但し同イベントは司令部レベルによって難易度が強制的に決まっていた従来のイベントと異なり、司令部レベルによって選択の上限こそ決まるものの甲・乙・丙の三種の難易度から好きな物を選べる様になっている。加えて甲作戦の報酬は随伴艦の質が格段に落ちる乙作戦ともさほど報酬内容に差が無い為、選択次第では多少楽になる(言い換えるなら最も難易度の高い甲作戦を選択してクリアするには相応の覚悟が必要と言う事だが)。なお、クリアするとその証として「甲種勲章」がもらえる。
2015年春イベント「発令!第十一号作戦」でも最終海域『打通作戦!ステビア海を越えて』のボスとして再登場した。
その後長らく欠場が続いていたが、2018年冬イベント「捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(後篇)」の最終海域『暁の水平線に勝利を――「第二次エンガノ岬沖海戦」』において、第一ゲージボスとしてさらなる強化型「戦艦水鬼改」が登場した。
デザイン
筋骨隆々の四肢をもつ双頭の魔獣のような艤装を従えた、黒いドレスの妖しい美女。
その風貌はまさしく、「戦艦棲姫の進化形」といったもの。
艤装の両腕と首には枷がはめられており、その見た目にも溢れんばかりの凶暴性をさらに強調している。
女性のほうは角が左側に1本だけで、垂れた前髪二束が眉間のあたりでクロスしている。
肩を露出した膝丈の黒いドレスは胸元に模様が入っておりスカートはバルーン風に膨らんでいる。脚は黒いタイツにスタッズのついたゴツい装飾の靴、二の腕まであるロンググローブを身に着けて妖艶な雰囲気を醸している。
性能
単縦陣での登場のためT字不利であってもキャップに到達する火力252という馬鹿げたパワー(夜戦攻撃力も302とこっちもキャップオーバー)と今までの深海棲艦を過去にする耐久500・装甲200の冗談じみたタフネスを誇る。
※深海側の耐久力トップである中間棲姫は耐久こそ600だが装甲は180で劣る。
またあちらは陸上型のために三式弾が良く効き、夜戦の際には1回で100以上の大ダメージ・連撃仕様であればさらに追加ダメージを度々受けるので、ハイパーズの連撃攻撃すらダメージ2桁で抑えてしまうことのあるこちらに比べればそこまで大した事は無い。
ものすごく硬く、超火力。彼女が動くたびにこちらの艦隊の誰かが大破しかねず、たとえ精鋭揃いであっても壊滅的な被害を被りうる、まさにイベントのラスボスにふさわしい強敵である。乙・丙作戦ならばそれだけで済むのだが……
ナカナカ……ヤルジャナイカ……
15年冬甲作戦のラストでは、なんとこれに戦艦棲姫が2隻も付いてくる。
これぞ本当の意味でのダブルダイソン。ご自慢の硬さと吸引力で水鬼への攻撃を吸い取り、トチ狂った火力でこちらの戦力を薙ぎ払う。その光景は、多くの提督たちを阿鼻叫喚の渦に叩き込み、貴重な資源と毛根を減らしていく、まさに地獄絵図そのもの……
15年春甲作戦のラストではこちらも提督達の悪夢の象徴空母棲姫を従えて登場。
だが最終編成でも随伴艦に駆逐ニ級後期型が2隻混ざっている為、前述した戦艦棲姫2隻を含む編成に比べれば敵艦隊全体の耐久力では劣る。
その為決戦支援を用いれば早々に的を減らす事が可能であり、また空母棲姫以外に制空に拘る艦がいない為に制空を確保する事も比較的容易。更に空母棲姫は中破で無力化させる事も出来る為、展開次第では格段に戦い易くなる。
尤もそれでもこの2隻の火力もとんでもない為、油断していると多大な被害を受けた上にゲージを破壊しきれずに資源と毛根だけが消えて行くのだが。
なお、未知の装備「20inch連装砲」を装備しているが、これはセンチに直すと50.8cmであり、史実にはこの砲を装備した戦艦は実在しない。
そもそも、大和型以外で18インチ以上の砲を装備した軍艦は、英軽巡(!?)フューリアスくらいしか存在しないからである。
日本においては「51cm連装砲」を超大和型などに配備する構想があったが、開発されるも実装はされなかった(この51cmをインチ換算すると端数切り捨てで20inchとなる)。
大艦巨砲主義の限界をある意味で象徴する装備であり、搭載可能な艦を建造するのは財政的に不可能と判断されたほど。
破壊者の帰還――戦艦水鬼改
15年夏以降その姿を見せなくなり提督たちからも半ば忘れられていた彼女だったが、それも18年冬イベントが開幕するまでのことだった。
最終海域であるE-7第一ゲージに挑んだ提督たちの前に立ちはだかったのは戦艦水鬼“改”。かつてより二回りは強化されたステータスを引っ提げての、堂々たる帰還である。
火力は最弱の丙・丁作戦通常仕様でも309、最終形態である戦艦水鬼改-壊になると甲作戦では389という凶悪な代物で殴りつけてくる。だが問題はそちらよりも、丙・丁通常ですら200、甲作戦最終時には290(与ダメージからの実測値は300に達するという報告もある。ほぼ夜戦火力キャップ値であり、ここまでくると雷巡の連撃どころかカットインですらカスダメに終わる可能性がある)に達する重装甲を雀の涙ほどの史実特効(約1.15~1.2倍)の助けだけでカチ割らなければならないという悪夢のような状況だった。しかも駄目押しとばかり、最終編成では初登場時を再現するかのようにダブルダイソンを随伴させてくる。同イベントで実装されたばかりの「改」の方でなかったのがせめてもの慰めだろうか。
3月2日のオンメンテで友軍艦隊が来援するようにはなって多少事態は改善したものの、随伴の掃討はともかく(特に甲作戦の)彼女相手では焼け石に水。高ダメージを狙える数少ない手段として、夜襲カットインの仕様と史実特効が相まってキャップ値超えのダメージを叩き出せる瑞鳳改二/改二乙に多くの提督が縋ったのも無理からぬことである。……ただし瑞鳳は中破すると攻撃不能となるため、どのみち分の悪い賭けであることに変わりは無かったのだが。
なお、装備はかつての20inch連装砲ではなく、16inch三連装砲“改”を3基に偵察機という組み合わせとなっており、立ち絵の艤装もそれに合わせて三連装砲となっている。
考察
モデルについては、初出がトラック島(泊地)であることや、他の追随を許さないその圧倒的な性能から、トラック島空襲部隊の旗艦であったアイオワ級二番艦ニュージャージーが候補に挙げられるが、先述の未知の装備を搭載している為に「深海棲艦は連合国軍の成れの果て」説にさらに疑問符を突きつけることとなった。
また主砲の口径に目を瞑れば、黒髪ロングに主砲の配置(左右に連装砲を2基ずつ)、被弾時の台詞等、戦後、原爆実験によって海色に消えたあの戦艦を彷彿とさせる要素がみられる。
『彼女』は「一番最後に沈んだ日本の戦艦」であるため、ラスボスのモチーフとしてはこの上ない存在といえるだろう。
初登場時の台詞も、不甲斐ない仲間に対する罵倒と取れる一方で、史実で活躍することが無かった日本の戦艦達に対する恨み言とも取れる。
また15年春イベでの登場は、史実でのセイロン沖海戦当時、英東洋艦隊旗艦だった戦艦ウォースパイトの役割を担っているのではないかという説がある。どちらも連装砲を主砲とすること(ただし史実のウォースパイトの主砲は口径15inch=38.1cmであり戦艦水鬼のそれよりはるかに小さい)などからも、あながち間違いとは言い切れないのではないだろうか。
一体彼女は何者なのだろうか……。
ヒカリ…アフレル…ミナモニ…ワタシモ…そう…っ!?
余談
戦艦棲姫がダイソンと呼ばれるのに対し、その上位種である彼女はさっそく「スーパーダイソン」「アルティメットダイソン」などという渾名をつけられてしまった。
随伴艦として登場しているわけではなく、むしろ戦艦級の随伴艦を複数引き連れてこちらの攻撃を全力で拒んでくるので、風評被害もいいところなのだが、仮に今後のイベントで随伴艦として登場した場合、その呼び名に異を唱える者はいなくなるだろう。
そして発動!友軍救援「第二次ハワイ作戦」において、第四作戦海域の丙難易度以上において中枢棲姫の随伴として現れ、本当の意味で、そして原義的な意味でついに名実共に「スーパーダイソン」となった。
よりによって期待の新艦娘は第四作戦海域での掘りに配置されており、彼女は新艦娘掘りを阻む最大の障壁と化したのであった。