概要
その内の一人である「北上改」(一段階目の改造)は図鑑内で「重雷装艦へと改装されたスーパー北上さまだよ~」と語る。
重雷装巡洋艦となることで火力の値は多少低下するが、甲標的を装備すれば砲撃戦開始前に魚雷を放つ先制攻撃が可能。更にレベル50に達すると改二へと改造可能になり、雷装値が3ケタにまで達するようになる。状況が味方すれば、先制雷撃でボスクラスの深海棲艦に致命傷を与える事も不可能ではないだろう。
しかしながら図鑑内でのセリフは未だに「スーパー北上さま」のままなので、
これはもうスーパーどころではなく、ハイパーな北上さまではないか?
という見解がファンの間で固まり、「ハイパー北上さま」の愛称が広まることになった。
無論、大井も改二になれば北上改二と同様に最強クラスの雷装を誇るため、北上との絡みも相まって「ハイパーズ」と呼ばれるに至った。
また、木曾も同じく過日のアップデートで二段階の改造を経て重雷装巡洋艦へと改装できるようになった(大井と北上に多少数値は劣るものの、その雷装は三桁に達し、十分に強力である。更に対空値が高く燃費も良いため、汎用性では姉二人を上回る)。
一部のファンはこの木曾改二も加えた三人を纏めて「ハイパーズ」と呼称する者もいるようだ。
木曾が女性でありながら超イケメンであるため、まるでヒーローとそれに寄り添うヒロイン二人のように見えなくも…ない…?
ハイパーズの凋落
一部海域・イベントでは出禁を食らってしまうなど、長らくフィニッシャーの筆頭格として君臨してきたハイパーズだが、2期の期間限定イベント海域環境においては、フィニッシャーとしての優先度・格・優位性は落ちつつあった。
というのも
・甲・乙難易度においては敵旗艦の装甲が夜戦火力キャップである300を超える事が多くなった。丙以下でも装甲250を超える事もザラにあり、キャップ後火力補正(=特効)がなければハイパーズといえども火力不足、あるいは他の特効艦の方が火力が出る事が増えた
・軽巡ヘ級改、軽巡ツ級flagshipなど、雑魚ですら先制雷撃で落とせないものが増えた
・3スロしかない上に実質甲標的で1スロが埋まる為、装備の幅が狭い
・水偵が搭載できない為、夜間偵察機が積めない。弾着観測射撃も不可能で砲撃戦火力が低く、駆逐ナ級を見据えると昼戦火力が不足する
といった「キャップ後火力補正(=特効)」の実装、それに伴う持ち前の夜戦火力の優位性の低下と敵装甲のインフレ、敵第2艦隊に座する雑魚軽巡・駆逐艦の著しい強化(乙以上だと顕著)によって昼戦火力の低さと装備枠の狭さによる汎用性の低さの問題が顕在化してきてしまったのだ。
ハイパーズの強さは「敵の雑魚を蹴散らして的を減らす」事にもあるのだが、雑魚駆逐艦ですら此方の重巡改二以上の堅牢さを持つようになり、そもそもの「的が減らせる」可能性が減ったのである。
運用思想と実際の戦局が相反した事で、前線に出る事が少なかった北上・大井が史実特効を得られたケースは多くはなく、むしろ史実では結局改装されずに終わった木曾改二の方が、フィニッシャーとして入用だったケースもある。
史実で活躍に恵まれなかった重雷装巡洋艦が『艦これ』で活躍の場を得るも、ゲームシステムの改変により再び活躍の場を奪われがちになってしまった。
一方、特効が前提でない・あるいは特効自体が存在せず敵が弱い序盤海域や丙・丁難易度ではまだ斥候役やフィニッシャーを張る事は可能。
逆に言えば、敵のレベルが落ちなければ活躍が厳しくなったという事の裏返しでもあり、最終海域でのフィニッシャーと言えばハイパーズ一択だった全盛期を知っている提督からすれば、やはり切ない事に変わりはない。
「素の数字の高さ」「カタログスペック」「ロマン」。それらが『艦これ』において「実際の強さ」でなくなった時代の、1つの負の側面といえよう。
ハイパーズの復権
2021年3月31日のメンテナンスで夜戦火力キャップが360に、また雷撃戦キャップも同様に180に上昇した。
またキャップ上昇に応じて深海棲艦の能力も強化された事もあって、イベント毎に設定される特殊バフ(史実特効)が無ければボス戦で装甲を抜く事は上振れ(装甲乱数値の下限)を引かない限り難しい状況になった。
よって、殆どの艦娘で素の能力ではキャップ値到達に至る事が不可能、またこれによりボス戦に至るまでの道中対策としてフィニッシャーである特効艦に如何にダメージを受けずに切り抜けるかという2つのポイントが焦点となった。
此処に至り、「素の能力値で上昇したキャップ値に届く」、「道中対策として先制雷撃を使用して自艦隊の被害回避を行う」という二つの能力を兼ね備えたハイパーズに再度注目が集まる事になる。
深海棲艦側に開幕雷撃を行うユニットが増加した事に伴い、艦娘側も甲標的による先制雷撃能力を持つ者が増えているが、「雷撃戦のキャップ値に届く艦娘が少ない」、「雷撃戦のダメージ判定が艦娘→深海の順となっている為に、先に深海側の雷撃攻撃ユニットを中破等に持ち込めば被ダメージが少なくなる」というシステム上の戦略性から、「先に高威力の雷撃をばら撒く」という重雷装巡洋艦本来のコンセプトにマッチする状況が生まれたのである。
まぁ、つうてそれでも相手の随伴狩り・ボス耐久値削りに連撃装備で参加していても軽くヘッドショットで撃ち抜いちゃったりするんだけどね割りと。
(特に火力+雷装が高い割に運が低いのでこの運用をされる大井がやることが多い)